ガラス・土石製品
業界別M&A動向

ガラス・土石製品業界のM&A動向

更新日

業界の定義

ガラス・土石製品業はガラス製品や、土石製品であるセメント製品、陶磁器製品などを製造する事業のことを指す。

具体的には、ガラス製品には、板ガラスやテレビ、スマートフォンの液晶パネル用ガラス、ガラス容器および理化学用・医療用ガラス製品がある。土石製品のうちセメント製品には、セメントおよび生コンクリート、コンクリート製品および建設用粘土製品、土石製品のうち陶磁器製品には、陶磁器や耐火物、炭素および黒鉛製品、ほうろう鉄器、研磨材料、骨材、石工品、石膏製品、石灰および石綿製品等がある。



業界の特色

ガラス・土石製品業界イメージ画像

ガラス・土石製品業は不動産や住宅、土木業界の影響を受けやすく、経済動向に左右される傾向にある。東京五輪開催決定に伴う公共工事の増加で市場が好調になることや、米国でのセメントの民間需要の増加等、民間住宅投資の需要といった要因でガラス・土石製品業界は影響を受ける。

土石製品の一つであるセメントは、大部分が建設用コンクリート製品に加工され、約7割が生コンクリートとなる。セメントの製造には大きなプラントが必要のため大企業でないと製造が困難であるが、セメントを材料としているコンクリート製品は、大規模プラントが不要のため中小企業が多い。

土石製品の一つである陶磁器製品は、家庭用品用と産業用品(トイレ、洗面台用陶器、タイル等の建築用材、電気用品、特殊用品、ファインセラミックス等)に分けられる。家庭用の陶磁器製品は中小零細企業が多く、産業用は大手メーカーの取り扱いが多い。




市場の規模

総務省の平成26年経済センサス基礎調査によるとガラス・土石製品業の市場規模は13兆4,276億円となっており、上場企業は42社、非上場企業数は11,881社である。ガラス製品市場と土石製品市場で比較すると、ガラス製品市場が約3兆3,000億円、土石製品市場が7兆8,000億円(セメント製品が4兆4,000億円、陶磁器製品が3兆4,000億円)となっている。

ガラス製品は板ガラスが売り上げの中心であり、国内は上位5社(AGC株式会社、日本板硝子株式会社、HOYA株式会社、日本電気硝子株式会社、セントラル硝子株式会社)の大手が業界売上高全体の約9割を占めている。その他の製品は中小零細企業が多い。企業別に売上をみると、AGC株式会社が1兆5,180億円、日本板硝子株式会社が6,127億円、HOYA株式会社が5,765億円、日本電気硝子株式会社が2,571億円、セントラル硝子株式会社が2,292億円となっている。

土石製品業界の企業別の売上は、太平洋セメント株式会社が8,353億円、TOTO株式会社が5,965億円、日本ガイシ株式会社が4,419億円、日本特殊陶業株式会社が4,250億、宇部興産株式会社が3,152億円となっている。



課題と展望

ガラス・土石製品業界の課題として、経済情勢に左右されやすい業界の体質の改善があげられる。2020年の東京五輪開催決定に伴う公共工事の増加による、ガラス・土石製品需要が増加していることから、市場は好調である。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行などにより、日本や世界の経済が不安定になっている現状があり、経済動向に左右される傾向が強いガラス・土石製品業界にとっては、市場が不安定になることも大いに考えられる。業界の体質として、日本や世界の経済情勢に左右されにくい、経営体質に改善していく必要がある。



ガラス・土石製品業界のM&A動向

ガラス・土石製品業界全体で見ると、国内市場は減少傾向にあるが世界的に見ると拡大傾向にある。ガラス製品業界は、日本の製品は品質面で優れており海外のガラス商品より優位性を持っていたが、海外製品の品質も徐々に向上し、低価格を武器に競争力を高めている。中国、台湾や韓国企業の市場参入もあり、日本企業には今後さらなる付加価値をつけた新商品の開発が望まれる。そのため各社は生き残りのため、世界的な規模でのM&Aを活発化させている。一方の土石製品業界では、大手の土石製品各社が、製造コストの削減や物流の合理化に迫られている。M&Aによる業界再編により、生き残りを図っている企業が多く見られる。

2018年、土石製品業界大手の日本特殊陶業株式会社は、アメリカのCHARTグループ内で酸素濃縮装置事業を手掛ける、アメリカのCAIRE Inc.とイギリスのChart BioMedical Limited、そして中国のChart BioMedical (Chengdu) Co., Ltd.を買収した。このM&Aにより、日本特殊陶業株式会社の酸素関連事業のバリューチェーンをグローバルに構築することを実現し、品質の高い酸素濃縮装置の提供が期待された。

2016年、太平洋セメント株式会社は、土石製品業等を展開している株式会社デイ・シイを完全子会社した。株式会社デイ・シイは、環境配慮型の高炉セメント製造に取り組んでおり、首都圏に臨海工場を持っている。太平洋セメント株式会社は、本M&Aにより、首都圏に臨海工場を持つ株式会社デイ・シイの強みを活かし、資源事業や環境事業等を含めた受注機会の拡大を図った。

2015年、旭硝子株式会社(現AGC株式会社)は、ポーランドで自動車用補修ガラスの製造・販売などを手がけるノードガラスを買収した。旭硝子株式会社は、チェコやロシアに補修ガラスの工場を持ち、主に東欧などで販路を確立している。このM&Aで旭硝子株式会社は、人件費が安く欧州の新たな自動車生産拠点になりつつある東欧圏において、自動車用ガラス生産と供給網を広げることができた。



弊社のM&Aご成約実績

  • 成約年数
    2021年6月
    対象会社(譲渡会社)
    溶接金網の加工・製造
    地域:北海道・東北
    譲受会社
    コンクリート二次製品製造
    地域:北海道・東北
    取引スキーム/問題点・概要
    株式譲渡
    譲渡企業は、東北エリアでコンクリート製品向け要請継金網加工業を展開。業績は順調であったが、同エリアにおける業界の先行き不安を感...
    実績詳細を見る
  • 成約年数
    2018年2月
    対象会社(譲渡会社)
    コンクリート二次製品製造、販売
    地域:東日本
    譲受会社
    コンクリート二次製品製造、販売
    地域:東日本
    取引スキーム/問題点・概要
    55歳以上,株式譲渡,後継者不在
    譲渡企業は関東・東北に工場を複数保有する老舗のコンクリート二次製品メーカー。経営・財務状況共に優良であったが、オーナーが70代で...
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新着案件情報
  • 詳細業種 伝統商品商社
    所在地 九州・沖縄
    概算売上 5億円~10億円
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  • 詳細業種 QEHSアウトソーシング、人材アウトソーシング
    所在地 非公開
    概算売上 30億円~50億円
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  • 詳細業種 旅館
    所在地 中部・北陸
    概算売上 2.5億円~5億円
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  • 詳細業種 ソフトウェア受託開発業
    所在地 関西
    概算売上 1億円~2.5億円
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  • 詳細業種 土木工事業
    所在地 東北
    概算売上 10億円~30億円
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  • 詳細業種 スマホ・タブレット用画面フィルムのEC販売
    所在地 関西
    概算売上 2.5億円~5億円
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  • 詳細業種 不動産販売業・工事業
    所在地 関東
    概算売上 10億円~30億円
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  • 詳細業種 喫茶店FC
    所在地 非公開
    概算売上 5億円~10億円
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  • 詳細業種 歯科医院
    所在地 東北
    概算売上 2.5億円~5億円
    案件詳細を見る

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