ケーススタディ その1

ケーススタディ その1 ~子息・子女がいない~

友好的なM&Aでハッピーリタイアを実現
3度の後継者育成に失敗、創業50周年でオーナーが手に入れたものとは

77歳、創業オーナー

所在地 東京都
設立 1960年代
事業内容 社員食堂・学校給食事業の受託運営
売上高 1,500百万円

譲渡企業オーナーのK社長は、70代とは思えぬほどお若く凛とした女性経営者。週末は、田舎に購入した土地で野菜を栽培し、長期の休暇が取れると国内外に旅行に出かける行動力と好奇心の持ち主。大阪の老舗給食会社に勤め後、27歳で独立、専務のO氏と二人三脚で会社を盛り上げ、大手医療福祉施設や、民間企業、学校など取引を拡大、年商15億円、安定的な収益を計上し、社員数も200名近くの立派な事業を運営していた。

本事例のポイントは、70歳を超え二人三脚で経営を行ってきた社長と専務が、何度も後継者の育成に失敗した末に選んだM&A(第三者への承継)の相手とは?

事業承継に対する考え・選択肢は?

「できうることであれば後継者を育成したかったが、 社内承継・社外承継への取組みはことごとく失敗に。」

 K社長は、会社・社員を心から愛し、子供のように大切に育て上げてきた。子供がいなかったこともあり、60代から次の世代へのバトンタッチのために後継者育成に着手した。社内昇格で2回、社外人材の登用含め3度チャレンジするも、結局うまくはいかなかった。

お悩みになられていたことは?

「後継者育成に失敗し、 70代後半になっても後継者の目途が一向に立たなかったこと。」

会社・事業は隆々とし、K社長、O専務ともに健在であったが、お二人の年齢は70歳を過ぎており、お取引金融機関・証券会社からも「もし後継者にお困りであれば、いい相手先をご紹介しますよ。」といったM&Aの提案がなされていた。後継者育成がままならない中で、K社長を長きにわたり支え続けてきたO専務の家族が重い病に倒れ、O専務から「家族の看病に当たりたいので、そろそろ引退したい。」と切り出された。二人三脚で会社を盛り上げ、O専務なくしては回らないほど陰から支え続けてくれた功労者からの突然の告白は、K社長にとって大きな衝撃であった。
当社がK社長に初めてお会いしたのは、2010年7月。幾度にもわたる面談・打合せを経て、K社長も友好的なM&Aによって①後継者問題を発展的に解決できること、②相手先とのシナジー効果によって、会社・事業の更なる発展が見込めるかもしれないという考えが少しずつ芽生え、具体的に話を進めてみようと思うようになった。

M&A検討のポイントは?

従業員の雇用の存続、更なる事業の発展が見込めるお相手であること。」

自分たちが心血を注いで育て上げてきた我が子のような存在である事業、従業員を発展的に承継してくれるお相手であることの一点に尽きます。本来は、自ら後継者を育成したかった。しかし、自分たちにはそれができなかった。

お相手先に対する印象は?

「この人であれば、自社の将来を任せてもいいと思えた。」

当社から提案したH社は、介護・福祉・医療サービス、生活総合サービス業を展開し、H社長の強力なリーダーシップの元、成長手段としてこれまで複数件のM&Aを活用し、グループ全体で年商100億円を達成している急成長企業。2012年5月、当社の仲介でK社長とH社長が初めて面談することになった。
K社長は、当初それほど乗り気ではなかったものの、H社長に会って、その誠実な人柄、事業意欲の高さ、K社事業に対する深い理解と自社との個別具体的な取組み、今後のビジョンに共鳴した。K社長77歳、H社長56歳、親子ほどの年齢差がある二人ではあるが、お互いの会社、施設の見学などを行う中で、相互理解を深め、実の親子のように関係性を深めていった。
はじめての面談から約1か月後の同年6月に基本合意を締結、7月に買収監査を実施し、その間にもK社長、O専務の心が揺れ動くことがあったものの、9月に最終契約を締結することとなった。

譲渡後の会社との関わり方・周囲の反応は?

K社長は、約1年間の引継ぎ期間を設け、H社グループの給食事業のサポートに当たることになった。H社から派遣された次期社長候補(H社役員)を連れて、直ぐに取引先への挨拶回りを開始した。取引先もK社長が長年後継者育成で苦労していたことを知っていたため、一様に「本当におめでとうございます。」と心からの祝福を受けた。

M&Aを通じて実現できたことは?

事業承継問題の発展的な解決・ハッピーリタイアへ

譲渡から3か月後の12月、K社は創業50周年の記念式典を開かれた。創業者のK社長と支え続けたO専務の二人には、全社員から感謝の花束と表彰状が贈られた。二人とも清々しい表情でどこか誇らしげでもあった。K社長は、事業承継型M&Aを通じて、以下のことを実現することになった。

①後継者問題の解決

H社から次期社長候補を受け入れ、長年の懸案であった後継者問題を解決することができた。

②キャピタルゲインの獲得、個人保証の解除

K社長は、今回のM&Aを通じて、株式を譲渡し、相応の退職金とキャピタルゲインを得た。
また、金融機関からの借入に対する個人保証を解除することもできた。

③会社の発展・従業員の更なる活躍の場の提供

残る社員たちは新たにH社グループの中で更なる事業拡大、成長発展を目指すことになる。
H社にとっても、K社長が50年の人生を賭けて育て上げられた事業を承継し、自らの医療・介護・福祉サービスを展開するグループ企業に対して、「おいしい安心の食事」を提供することで、付加価値の高いサービス、顧客満足の向上につなげるとともに、新たな事業やサービスの展開に繋げることになる。

最後に

K社長は、その後の引継ぎを終えて、富士山の麓に購入した土地で趣味の有機野菜の栽培や旅行を思う存分に満喫していると聞いている。自らの作った有機野菜で料理を振る舞うK社長の嬉しそうな笑顔が思い浮かぶ。

本件のタイムライン

2010年7月 K社長との初回面談
2011年1月 アドバイザリー契約締結
2012年5月 譲受け企業とのトップ面談
2012年6月 基本合意書締結
2012年7月 買収監査実施
2012年9月 最終契約締結

譲受け企業

総合生活サービス業H社

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