ペット(ペット産業)
業界別M&A動向

ペット(ペット産業)業界のM&A動向

更新日

業界の定義

ペット業界は「生体・サービス」「ペットフード」「ペット用品」の3つに分類される。

「生体・サービス」とは、ペットの生体販売、ペット保険、ペットシッター、老犬ホームなどのサービスを行う分野である。「ペットフード」とは、その名の通りペットの食料を製造、販売を行う分野のことを指す。「ペット用品」とは、ペットシートや猫砂、シャンプーなど食品以外のペット用品の製造、製造販売を行う分野のことを指す。

業界の特色

ペット業界イメージ画像

近年、ペット業界は既存のサービスに加え、旅行や外出等でペットの世話ができない飼い主と預かり手をマッチングするサービスや、ペットシッター、老犬ホームなど新しい事業が増えてきている。また、匂いの残らない技術を持ち合わせた企業が、猫砂やペットシャンプーのようなケア用品へ参入するケースもみられている。これらのように、元々ペット専業ではない企業が、ペット業界に商機を見出して参入するケースが増加しており、ペット業界の一つの特色になっている。

ペットは家族であり共に過ごすという価値観が一般的になってきており、社会におけるペット業界の必要性はさらに高まると予想されている。

市場の規模

株式会社矢野経済研究所の調査によると、2018年度のペット業界の市場規模は1兆5,442億円であり、毎年1%のスピードで緩やかに成長している。さらに同社は、2019年度のペット業界の市場規模の見込みが1兆5,700億円であり、2020年度には1兆5,978億円と予測している。ペット市場に占める大まかな内訳は、生体+サービス分野が50%、ペットフード市場が30%、ペット用品市場が20%となっている。




ペット業界市場規模グラフ
出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2364




一般社団法人ペットフード協会によると、犬や猫の合計飼育頭数は年々減少しているが、ペット市場の規模は増加していることがわかった。飼育頭数に関しては、猫の飼育頭数は横ばいで推移しているが、犬の飼育頭数が減少傾向にあるため、全体的に減少傾向となっている。合計飼育頭数は減少傾向にあるが、市場規模が拡大している要因として、高単価商材への需要が高まっていることがあげられる。

ペットを家族の一員やパートナーとして捉える飼育者が増えており、ペットに快適な環境を提供したいという考えから、化学的な保存料や酸化防止剤等が含まれないプレミアムフードや、ペットの品種ごと考えられた専用のペットフード、健康管理やマナー・エチケット関連の製品・サービス等の高単価商材への需要が高まっている。また、ペットにも「少子高齢化」現象が起きており、一頭に使われるお金が増加傾向にある点も、市場規模が拡大する要因になっている。




課題と展望

ペット業界の課題は、殺処分数をゼロにするということである。2005年度には39.2万頭ものペットが殺処分されていたが、2015年度は13.7万頭と、減少傾向にはあるものの、依然として約10万頭のペットが殺処分されている状況である。

まずは、保健所に引き渡されるペットの数を減らすということが、課題解決のために必要であると考えられる。ペットが保健所に引き渡されるケースは、飼い主の飼育放棄や、迷子などの理由によるものである。これらを防ぐためにも、ペット業界全体で、責任を持って飼育ができる飼い主にのみペットの飼育を許可する環境を作ることが必要である。

また、ペットが迷子になった際にBluetoothで探索できる商品や、飼い主の情報を紐づけるマイクロチップがあるため、これらの普及活動も殺処分ゼロにつながるであろう。

ペット業界のM&A動向

ペット業界では、サービスの拡大、事業地域の拡大のためのM&Aや、利益率向上のためのM&A、他業種との相乗効果に期待するM&A、他業種における技術をペット業界で用いることで新たな商品の開発を目的としてM&Aが行われている。

2020年、SBIインシュアランスグループ株式会社は、傘下のSBI少短保険ホールディングス株式会社を通じて、ペット保険事業を手がける日本アニマル倶楽部株式会社を子会社化した。SBIインシュランスグループ株式会社ではペット保険を提供しているが、インターネットを活用した非対面販売を中心としていた。これに対し、日本アニマル倶楽部株式会社は、ペットショップなどリアルショップでの対面販売に強みを持ち、販売チャンネルの面で補完関係にある。SBIインシュランスグループ株式会社は、日本アニマル倶楽部株式会社をM&Aすることで、ネットとリアルを融合させた顧客アプローチの多様化が図られた。

2019年、アニコムホールディングス株式会社は、株式会社シムネットを子会社した。アニコムホールディングス株式会社及びグループ子会社は、ペット保険を展開しており、遺伝子検査事業もスタートしている。株式会社シムネットは、ペットに関するインターネットサービスの企画開発・運営等を行っており、その子会社は、ブリーダーマッチングサイトの運営等を行っている。そのマッチングサービスの分野において、トップシェアを占めており、アニコムホールディングス株式会社のグループ子会社のペット保険の代理店業務も行っている。このM&Aにより、アニコムホールディングス株式会社の各サービスの更なる事業拡大が図られた。

2017年、アース製薬株式会社は、ペット用品製造販売・園芸用品製造を展開するジョンソントレーディング株式会社を子会社化した。アース製薬株式会社は、家庭用殺虫剤・家庭用品を扱っておりペット用品事業の扱いはなかった。ジョンソントレーディング株式会社は、ペット用品分野と家庭用園芸用品分野の製造販売を行っていた。このM&Aにより、アース製薬株式会社のペット用品並びに家庭用園芸用品分野の成長が期待された。




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