エステ
業界別M&A動向

エステ業界のM&A動向

更新日

業界の定義

エステ業界とは、エステティックサービスを提供することが主力事業である業界のことを指す。
一般社団法人日本エステティック振興協議会によると、エステティックとは「一人一人の異なる肌・身体・心の特徴や状態を踏まえながら、手技・化粧品・栄養補助食品・機器・用具を用いて人の心に満足と心地よさと安らぎを与えるとともに、肌や身体を健康的で美しい状態に保持・保護する行為である」と定義している。

業界の特色

エステ業界イメージ画像

エステ業界の特色として、資格がなくてもエステサロンを開業することが可能であることから、参入障壁が低く、個人経営や中小企業が多い。

マッサージや美容院など近隣業種とのすみ分けとしては、エステティックとは全身美容のことであり、スキンケア・プロモーションメイキング・リラクゼーション等の施術であるが、医師免許を持たずに医学的判断や人体に危険を及ぼす行為(例えば、脱毛行為など)をしてはならないとされている。具体的には、美容師免許を持たずにパーマネントウェーブやメイクにより容姿を美しくする行為をしてはならない。理容師免許を持たずにヘアカットや顔そりにより容姿を整えることをしてはならない、などの制約がある。

「治療」「改善」「使用前・使用後」「効果・効能」などを告知・表現・表示することはできず、互いに業務範囲を尊重し合い、ボーダーラインを超えて浸食しないことでそれぞれの業界の秩序を守る必要がある。

また、エステ業界は、施術収入が中心となっているが、個人消費の低迷により収益性も低下傾向にあり、物販収入に力を入れているところも増えている。
業界の状況として、かつては契約トラブルが多かったものの、業界内での基準設置や、ルール作りによって改善が進み、国民生活センターへの相談数も減少している。

市場の規模

株式会社矢野経済研究所の調査によると、エステ業界の市場規模は、2018年度時点で3,587億円の見込みとされていた。2000年をピークに近年は横ばい状態が続いており、事業所数も5,000店舗前後で推移している。従業員数は業界全体で2万人であり、就業者の男女比は女性が90%、男性が10%である。年間のべ利用者数1,450万人となっている。

大手では、ジンコーポレーション(ミュゼプラチナム)で売上が319億円。他にも、TBCグループ(エステティックTBC)が売上300億円、シェイプアップハウス(ミスパリ・ダンディハウス)が227億円、ソシエワールド(ソシエ)が162億円、不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)が160億円となっている。

マンツーマンによるサービスが主体となるエステサロンは、大局でみると労働人口の減少により厳しい経営環境が考えられるが、供給サイドでみても人件費の高騰による経営への影響が想定される。

しかし多様化するニーズの対応によるサービスの商品化により伸びる余地のあるカテゴリーは存在する。低価格の訴求や、Vライン需要の開拓により伸長している脱毛サロンなどがその典型である。

メンズエステにおいても、シャネルから男性向けメイクアップ商品が発売されるなど、男性の美意識に柔軟に対応した商品を開発する事による市場拡大の余地は十分ある。

エステ業界の事業者売上高推移
引用:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2145


課題と展望

トレンドの動きが早いエステ業界だが弱点は集客力である。エステ業界は大手が少なく個人サロン主体のため広告費用をかけられず集客が思うようにならない。エステサロンは無資格でできるので参入が多く5,000~5,800軒の事業所数で飽和状態が慢性化している。

新規オープンしたエステサロンは1年以内に60%程度が閉店に追い込まれる。10年生存するエステサロンは10%ほどであり、10年以内に廃業するサロンの中にはチェーン店も含まれている。

数年前には、サロンや街角で30万円以上の回数券を買わされるしつこい勧誘を受け、無理やり契約させられるという営業方法で消費者センターに助けを求める女性達が殺到して社会問題になっている。

また、大手サロンにおいて不当労働行為に関する内部告発があり需要・供給両サイドにおける問題がエステサロン業界では顕在化している。業界としての秩序を整えなければ今後の発展はない。

現実にはエステサロンの顧客の50%はエステティシャンと言われている。エステに憧れて業界に入った人達がエステティシャンとなり、過酷労働に耐えてながら働いているが労働環境はなかなか改善されていないようである。

今後は、需要サイドにも来店の敷居を低くしながら、労働環境も改善して他の業界の水準に達しなければエステ業界の発展はない。


エステ業界のM&A動向

大手主導による業界への効果が考えられるのは、エステティシャンの資格を国家資格にすることである。エステに関する正しい知識を需要者にわかりやすく伝え、特定商取引法などの社会問題化している営業手法に関してコンプライアンスを徹底させることだ。何より、ブラック企業・ブラック業界と言われないようにエステティシャンの地位向上を具現化することが重要である。

2016年、株式会社RVH(東証二部上場)が脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」をM&A

2017年株式会社RVH(東証二部上場)がたかの友梨ビューティクリニックを展開する不二ビューティをM&A。

2017年株式会社ソフトフロントホールディングス(ジャスダック上場)がベル・ルミエールサロンを国内31店舗、海外ではベトナムとタイに4店舗展開する展開する有限会社グッドスタイルカンパニーの株式55%を4億4000万円で取得しM&Aを行った。

2017年三越伊勢丹ホールディングスは、ポラリス・キャピタル・グループが運営するSWPホールディングス(ソシエ・ワールド)の全株式を取得しM&A完了。

以前は事業救済的な観点からのM&Aが主流であったが、大手企業によるM&Aによりエステ業界のコンプライアンスが向上するというM&Aの新たな効果を期待する向きもある。


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