午年のM&A過去の午年から2026年のM&Aを読み解く

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午年のM&A 過去の午年から2026年のM&Aを読み解く

午年のM&A 過去の午年から2026年のM&Aを読み解く 午年のM&A 過去の午年から2026年のM&Aを読み解く

2026/01/07

いよいよ2026年がスタートしました。今年も大いに盛り上がった箱根駅伝、アメリカによるベネズエラへの軍事行動、年末の好調を維持した大発会と、まだ正月三が日から数日が過ぎたばかりですが、早くも今年の干支である“午”のように激しい幕開けとなっています。

「ライオン社長マガジン」の2026年1本目は、“午年のM&A”についてお伝えします。

2026年は「丙午(ひのえうま)」

今年は、十干(じっかん)である「丙(ひのえ)」と十二支の「午(うま)」を合わせた60年に一度の「丙午(ひのえうま)」です。どちらも“火”の性質を持つことから、新しい挑戦や飛躍・努力が実を結ぶ年といわれ、経済的にも「経済が好転する年」と期待されています。

前回の「丙午」である1966年は、戦後最長の好景気となった「いざなぎ景気(1965年11月~1970年7月)」を挟む高度経済成長期の真っ只中で、「3C」と言われる自動車(Car)、カラーテレビ(Color TV)、クーラー(Cooler)が新・三種の神器として普及しました。

M&Aという言葉はまだ見られませんが、東洋紡と呉羽紡績の合併など、紡績業界の再編が進んだ年でもありました。

過去の午年のM&A

1978年(昭和53年)は「M&A黎明期」

日本国内におけるM&Aがまだ稀であった1978年のトピックは、福島県の老舗百貨店「中合」が大手スーパーのダイエー傘下にグループ入りです。

この数年前の1974年に施行された「大店法(大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律)」を皮切りに流通業のM&Aが活況となったことから、日本国内のM&Aの幕開けになったと言われています。

2025年に大きな話題となったトライアルと西友のように、2026年も引き続き流通業のM&Aが注目されています。

1990年(平成2年)は「巨額の海外企業M&A」

1990年は、バブル経済が崩壊へ向かう転換点となった年です。豊富な資金力と高い時価総額を背景に、日本企業が海外の名だたる企業を買収。三菱地所によるロックフェラー・センターや、ソニーによるコロンビア・ピクチャーズなどが大きな話題となりました。

しかし、1990年1月の大発会での株価暴落を皮切りに急転し、地価も下落に転じます。これにより、1991年以降のクロスボーダーM&Aは急速に沈静化しました。

また、現在も有効なM&Aの基本ルールである「大量保有報告書制度(5%ルール)」も導入されるなど、株式取得の透明性を高めるための整備も進みました。

1990年は、日本企業が世界の主役として振る舞ったバブル期最後の輝きと「失われた30年」に続く、まさに一時代の転換の年といえます。

2002年(平成14年)は「金融業界再編」

2002年は日本で初めてサッカーワールドカップ(日韓共催)が開催されたほか、牛肉偽装事件に小泉総理の訪朝など、社会的にインパクトの大きい出来事が続きました。

2002年のM&Aに関するトピックは、「金融業界の再編」です。1990年代終盤から都市銀行や証券会社の再編が始まり、4月に東京海上火災保険が日動火災海上保険と共同持株会社ミレアホールディングスを設立して経営統合し、7月に安田火災海上保険と日産火災海上保険が合併して損保ジャパンが誕生しました。2002年は損保業界の再編が目立ちましたが、広く「金融業界再編」の年と言えます。

2014年(平成26年)は「事業承継M&Aの顕在化」

2014年は、消費税の5%から8%への引き上げ、ソチオリンピック、ブラジルワールドカップなどが主な出来事として挙げられます。

また、2014年版「中小企業白書」で「事業承継問題」が大きく取り上げられ、中小企業が廃業回避の手段として第三者承継(M&A)が戦略として認知され始めた年でもあります。このトピックは、まさに「事業承継M&Aの顕在化」であり、後の「大廃業時代」や「2025年問題」など、中小企業の事業承継に関する様々な官民の取り組みやトラブルなどが顕在化する始まりと位置づけられます。

この年の象徴的なM&Aは、サントリーホールディングスによるビーム社(アメリカ)の買収や日本郵便によるトール(オーストラリア)の買収など、グローバル展開を狙った大型案件が目立つ年となりました。

2026年のM&A -M&Aは“ふつう”で“標準”の選択となり、自然な経営判断へ-

2026年は、年明け早々サロンパスで有名な久光製薬のMBOが大きな話題となっています。レコフリサーチ部が「買収提案元年」と位置付けた2025年を踏襲する、企業自らが“仕掛ける”M&A、TOBやMBOなど、上場企業を巡る動きがさらに活発化すると予想されます。

2025年はM&A件数・金額ともに過去最高を更新しましたが、その中心となったのが「事業承継M&A」です。2014年のパートでも触れましたが、「2025年問題」の名称にもある2025年が過ぎ、中小企業のM&Aがさらに活発化すると予想されます。

現在、日本経済全体の課題として人手不足が深刻化しており、キーワードになっているのが「AI」です。これは、M&Aのドライバーとしての役割という意味でも非常に重要です。

各業界に目を向けても、建設業界や物流業界などでドライバーとなる要素をいかにプラスに作用させるかが、企業成長のカギとなってくるのではないでしょうか。

政府も今後の日本経済にとってM&Aを重視しており、経済成長の施策として「売上100億円企業」の創出を推進しています。この施策においても“M&A”は重要視されており、2026年は「事業成長M&A」の活性化もさらに進んでいくと思われます。

午年(丙午)は、2025年に引き続き大企業での活発化が見込まれるだけでなく、中小企業でも事業承継・事業成長などにより活性化され、M&Aがより身近な存在になると思われます。

M&Aは特別なイベントではなく、より“ふつう”で“標準”の経営判断へと変化し、丙午にふさわしい“新しい挑戦や飛躍・努力が実を結ぶ年”となるでしょう。

記事監修者

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取締役
十亀 洋三
在学時より数々のベンチャー設立に参画。2005年当社設立に参画。分析能力に優れ、営業統括役員として、案件開発において卓越した実績を誇る。ITベンチャーから製造業まで幅広い領域をカバーし、ファンドのExitやクロスボーダー案件まで多様な成約実績を有する。

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