経験とノウハウは伝承される同行文化によって成し遂げた自らの急成長
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経験とノウハウは伝承される 同行文化によって成し遂げた自らの急成長
経験とノウハウは伝承される 同行文化によって成し遂げた自らの急成長
2026/01/15
M&Aキャピタルパートナーズには、先輩アドバイザーが後輩に同行し、現場での経験を通じて指導する習慣が根付いています。社内外で高く評価されるアドバイザー・中里 駿大公さんも、入社2年間は成約ゼロという苦境を経験していました。そんな中里さんの急成長に大きく関わったのは、執行役員であり、MACP最多の成約実績を有する山﨑 研さん。直属の上司、部下の関係ではない2人の間に、部署を超えた師弟関係はいかにして生まれ、何をもたらしたのかを聞きました。
部署の枠を越えても先輩や上司が同行する文化
中里さんの活躍は目覚ましいとお聞きしました。その理由を教えていただけますか。
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 課長 中里 駿大公(以下、中里):
ありがたいことに良いご縁に恵まれ、心から尊敬できる多くの経営者の方々との出会いがあります。その場面ごとに、ベストだと思える提案、支援ができているからだと感じています。
そして、その選択を支えてくれているのが、山﨑さんのような頼れる先輩の存在です。当社では、若手アドバイザーから相談を受けた先輩や上司が同行営業するという文化が根付いており、私も山﨑さんをずっと頼ってきました。
同行を頼まれる側は、スケジュール調整などかなり負担がかかるのではないでしょうか。
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 執行役員 企業情報部 部長 山﨑 研(以下、山﨑):
たしかに並行して複数の支援が動いているので、スケジュールがタイトになりやすいのは事実です。ただ、依頼を受けたら基本的には断ることはしません。1年目でも、何年かキャリアを積んだ社員でも、できるアドバイスがあると思う限り、引き受けています。
現在は、自分自身の仕事が4割で、同行にかかるパワーが6割くらいの配分でしょうか。他の管理職は、自身の仕事が7~8割ぐらいの人が多いと思いますので、同行の比重はかなり大きいほうだと思います。
それでも継続しているのはなぜですか。
山﨑:組織全体で成長したいという思いが強いからです。10年以上前になりますが、私も入社直後は、土屋淳(現・上席執行役員)さんにずいぶん同行してもらいました。その恩返しという想いも込めて、自分がしてもらったことを次の世代に返していくのは当然のことだと思っています。
しかも山﨑さんは、中里さんの直属の上司ではないとお聞きしました。他部署の人材育成にそこまでコミットしているとは驚きです。
山﨑:そのように質問されるまで、あまり意識したことがありませんでした。当社ではそういうセクショナリズムがないのです。私だけでなく皆、後輩が依頼してくれたのならフルでコミットすることが最優先、当たり前だとされる文化です。
中里:本当にありがたいことです。普通の会社だったら考えられないですね。自分の部下でもない社員のために、ここまで時間を使ってくれるわけですから。しかも山﨑さんは社内でもトップクラスの実績を積み重ねてきた先輩です。お金を支払ってでもお願いしたいくらいの価値がある同行を、惜しみなくやってくれるのは、最初は信じられませんでした。
逆に言えば、それだけの愛情をかけていただいたわけですから、絶対に結果で応えたいと食らいついてきたつもりです。
真の成長を促すため自分で答えを導き出すまで待つ
そもそも中里さんが山﨑さんに同行を依頼したのは、なぜだったのでしょうか。
中里:お恥ずかしいですが、入社して2年間、成約ゼロの時期が続いていたためです。前職の大手メーカーで営業として成果を出し、その実績とともに自信を持って転職してきました。ところが、お客様とお会いはできるものの、成果にはつながりませんでした。自分のやり方を過信していたのかもしれません。
その時、先ほど名前も出た上司である土屋さんから「トップクラスの実績を出している山﨑くんにも学ばせてもらいなさい」と勧められたことがきっかけで、お願いしました。トップの人に教わりたいと願っていたので、土屋さん、山﨑さんに師事できるのは願ったりかなったりでした。
山﨑:中里さんが苦労しているという話は耳に入っていました。大手メーカーでの実績はありましたが、業界も求められる資質も異なります。そうした過去に縛られてしまうケースは決して珍しくありません。中里さんからは熱意やガッツのようなものは感じられましたし、これまでの自分のやり方を一度リセットするほどの覚悟が見えました。それなら力になれるかもしれないと引き受けることにしました。
2年間成約ゼロというのは、かなり厳しい時期だったのではないでしょうか。
中里:もちろん苦しかったです。ただ、不思議と将来に対する不安はありませんでした。「一喜一憂する必要はない」と常に励ましていただき、日々の考え方や仕事への向き合い方、自分に何が足りていないかを徹底して見てくださっていたからです。日々の取り組み方さえ正しければ、結果は後から必ずついてくる。その考え方を何度も確認してもらえたことは、いまでも強く印象に残っています。
山﨑:自分本位なコミュニケーションで、お客様には意図がきちんと伝わっていないというケースが散見されました。たとえば提案資料も論理的な筋は通っていても、相手がどう受け止めるかといった感情的なアプローチは不足していたように思います。
中里:実際にお客様と対面する場面だけでなく、面談前に準備する資料も細かくチェックして的確なアドバイスをくれました。ただ、赤ペンで直接直されることはありません。良し悪しを言うのではなく、「本当に顧客のためになっている資料なのか」「この内容で相手はどう感じるのか」と問いを投げかけられ、自分自身で答えを考えさせてくれるんです。そして「もう一回考えて」と突き返される。自分で答えを導き出すまで、じっと待ってくれました。
それはかえって時間がかかりますよね。
山﨑:もちろん自分で直接修正した方が早いし、効率的です。でも、自分で考えなくては意味がありません。だから答えを出すためのサポートはしますが、自力で答えを導き出せるまで待つことが大切だと考えています。
中里:今思えば、当時は「こうしたい」「こうすべきだ」という明確なビジョンもありませんでした。過去の提案内容をそのまま当てはめようとして「本当に同じでいいか」と問われ、本来どのようなメッセージを届けるべきなのか、一から考え直しました。
山﨑さんのアドバイスで、最も変わったことは何ですか。
中里:「ゴールに到達するために、全体をどう進めるか、そのために先の先のさらに先まで考えているか」という視点です。以前は目の前の打ち合わせを滞りなく終わらせることに懸命でしたが、最終的な着地点を見据え、そのために今日は何を話すべきか、どういう座組みを作るべきかを逆算して考えるようになりました。
山﨑さんが常にそこから動いていることを理解できたことで、目の前の対応と最終目標の両方を意識した提案ができるようになりました。
山﨑:面談が終わったあとも中里さんは細かく質問してきます。「どんなことを考えて、あの質問をしたのか」などと吸収しようとする意欲が強いのでしょう。こちらが細かく指導しようとすれば、嫌になって少しずつ相談頻度が落ちる後輩もいますが、中里さんは食らいつき続けました。そして改善のための努力もしていました。
中里:あまり褒めてもらえないので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです(笑)。でも「もっと自信をつけさせてくれてもよかったのに」とは思います。
山﨑:調子に乗るのが一番危ないし、中里さんの性格は知り尽くしているから。こうして取材される機会がなければ、決して言わなかったよ。
後ろ盾のおかげで「任せれば大丈夫」との評価を受けた
今回、福岡市で調剤薬局を展開する健康一家様のご成約について振り返ってください。
中里:訪問し始めた5年ほど前は、創業者からご子息である新社長へ代替わりしたばかりで、全くM&Aに関心をお持ちでありませんでした。しかし、山﨑さんから「大切にフォローするように」とアドバイスを受けました。
それを守り、定期的にお会いし続けたことが信頼関係につながり、今回のご支援につながったと思います。
山﨑:何年か経過したこともあって、最終的にはほぼ中里さんに任せていました。これまでのように提案後に「こうした方がよかった」などとアドバイスした記憶も、ほとんどありません。健康一家様は、その他の薬局からも注目される存在でしたが、オーナー様にも、譲受企業であるトラストファーマシー様にも喜んでいただくことができました。中里さんが力をつけた証明だと思います。
中里:ありがたいことに、お父様である会長が当社のことをとても信頼してくださいました。トップ同士の面談の直後にも「中里さんなら任せて大丈夫」とおっしゃってくださったと聞いています。山﨑さんが後ろで支えてくれているという安心感が、そう思っていただける対応につながったのだと感じています。
受けた恩は次世代に送りたい
今後に向けて目標をお聞かせください。
中里:実は今回で、山﨑さんへの同行依頼は一旦区切りをつけようと思います。私としては、まだまだ教わりたいこともたくさんあるのですが、成約実績も積み上がり、独り立ちするように社内から意見がありました。
同時に、これまで教えていただいたノウハウや考え方を、自分だけのものにせず、より全社に広げていくべきタイミングだとも感じています。個人の成長にとどまらず、組織全体の底上げにつながる動きをしていきたいと思っています。
山﨑:もう自分で推進する力はついています。次は、学んだことをいかに人に伝えるかです。それに、自身の引き出しを増やすため、これまで取り組んできた業界以外にも挑戦してほしいと思っています。
中里:その通りですね。吸収ばかりしていれば自分は楽ですが、いただいたものを社内に還元していかなければ意味がありません。育ててもらった恩返しをする時期が来たと感じています。これからは自分自身で案件を仕上げていきながら、成約を積み重ねていきたい社員の同行も行い、その大変さも経験しつつ、同じような夢や目標を持てること、そしてオーナーに本当に喜ばれる仕事のやりがいや、実現できる価値を伝えていきたいです。また、件数でトップの山﨑さんに追いつき、追い越したいということも公言しています。これからの努力次第です。
山﨑:後輩から依頼が来るようにならないと同行はできません。だから、まずは本当の意味で頼られる存在になることを期待しています。中里さんの成長も感じています。だからこそ、次のステージに進んでほしいです。
中里: 山﨑さんがいてくれたから今の自分がある。それは間違いありません。同行はしなくなっても、食事には連れて行ってくださいね。
成約事例インタビュー:それぞれの選択