戦後初の歴史的結果となった「衆院選2026」どうなる??選挙後の「M&A」政策から読み解く、今後の日本経済における「M&A」の役割
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戦後初の歴史的結果となった「衆院選2026」どうなる??選挙後の「M&A」 政策から読み解く、今後の日本経済における「M&A」の役割
戦後初の歴史的結果となった「衆院選2026」どうなる??選挙後の「M&A」 政策から読み解く、今後の日本経済における「M&A」の役割
2026/02/16
2026年2月8日、戦後最多となる議席数の獲得で、自由民主党の歴史的な圧勝で幕を閉じた第51回衆議院選挙。翌日2月9日には、日経平均が過去最高を更新するなど、早くも経済的な影響も出始めています。
消費税や物価高をはじめ争点となった中心は経済政策。中小企業政策の中でもキーワードの一つとなっていた「M&A」は選挙を経て、どうなるのか?簡単ですが、紐解いていきたいと思います。
「中小企業」政策の視点から見る「M&A」
まずは、「中小企業」政策の中で、「M&A」がどのような位置づけになっているのか?
2025年10月に発足した高市政権、その所信表明演説で高市首相から初めて「M&A」が語られました。
高市首相 所信表明演説(抜粋)
「コスト高から中小企業・小規模事業者を守ります。生産性向上支援、事業承継やM&Aの環境整備、更なる取引適正化等を通じ、賃上げと設備投資を強力に後押しします。」
所信表明演説の中で、「事業承継」、「M&A」が語られた背景としては、人口減少が続く人口動態や高齢化など様々な課題から中小企業を守る「事業承継」の重要手段として「M&A」が位置づけされていることです。演説では、中小企業の経営を守る政策が多く語られており、その一つとして、「M&A」を「事業承継」の選択肢として広げる方針が取られているとも言えます。
また、高市政権の経済政策の大枠である「責任ある積極財政」では、成長投資を重視しています。ここでも「M&A」は技術の承継や新規分野への進出など、「攻めの投資」として位置づけられていると考えられ、「M&A」が“「強い経済」をつくる”キーポイントになっている点も注目です。
必要とされる「事業承継」と「M&A」の環境整備
2026年中小企業庁の年頭所感でも、高市首相の所信表明演説と同様に“強い中小企業”がキーポイントとなり、「事業承継」、「M&A」、「金融」の事業環境整備の推進が明記されています。
中小企業庁 山下長官年頭所感(抜粋)
「中小企業庁としては、「強い中小企業・小規模事業者」を目指す企業・事業者の支援策として、「価格転嫁・取引適正化の推進」「成長投資支援」「生産性向上支援」の3つと事業承継・M&A、金融といった欠かせない事業環境整備を本年も強力に推進してまいります。」
2024~2025年は、経営者保証未解除に端を発するM&Aトラブルが顕在化、官民双方で状況把握と対応に迫られ、環境整備の必要性が高まりました。
こういった背景から、“強い中小企業”をつくるための「事業承継」、「M&A」の環境整備も重要になってきています。
ネクスト「2025年問題」の視点
127万社が後継者不在うち60万者が黒字で、22兆円が失われる可能性があると提起された「2025年問題」の当年が終わり、「事業承継」は次の守りから攻めのフェーズに突入してきています。
中小M&A市場改革プランにある「M&Aを単に事業承継を実現するため選択肢としてではなく、中小企業が成長を実現するための戦略的な手段として推進を図っていく重要性が一層高まっている。」という内容が、物語っていますが、その鍵となっている施策が、中小企業庁の飛躍的成長を遂げる売上100億円の中小企業を創出するプロジェクト「100億円宣言」です。
実際に「100億円宣言」を実施した各企業の売上高100億円実現に向けた具体的措置を見てみると、「M&A」というワードを使った事業成長につながる記載が多くみられます。
まだまだ廃業を選択する企業が多いため、「事業承継」の選択肢としても引き続き重要ですが、「事業成長」の手段としての「M&A」の重要性が今後ますます高まっていくものと推察されます。
企業の生産性向上と賃上げに重要な「M&A」
内閣府が2026年2月10日に発表した「経済財政白書」では、「M&A」には、収益の改善を伴いつつ、労働生産性や賃金を高める効果がみられたという検証データが掲載されており、課題はあるものの企業の成長力強化のために重要であるとしています。
今後、日本経済成長の課題とされている物価・賃金といった観点からも「M&A」が鍵となっており、日本経済を支える企業の成長力強化においても重要であることがまとめられています。
レポートの結びには、
「特に事業承継等のニーズのある企業に対しては、資本性資金の提供とM&Aに関するアドバイザリー支援を一体で行っていくことが、企業の生産性向上を後押しする上で効果的であると考えられる。」
とあり、M&Aアドバイザリーの支援についても従来の「事業承継」に加え、“成長”についての重要性も改めて認識する内容となっています。
どうなる??選挙後の「M&A」
今回の衆院選では、高市政権が大きく支持されたこともあり、選挙前の基本方針がさらに現実化していくと予想されます。
まずは、より整備された環境の中、守りの役割「事業承継」の選択肢として、「M&A」の活用が促進され、さらに“強い経済“”強い中小企業“をつくるため、攻めの役割として「M&A」の存在はさらに高まってくるのではないでしょうか。
また、レコフリサーチ部の調査で「M&A件数と企業業績」については相関関係があるとされており、地政学的リスクはあるものの、マクロ視点からも2025年に過去最高となったM&A件数は引き続き堅調に推移していくと推察されます。
まとめると、選挙後もM&A件数は堅調に推移することが見込まれ、「M&A」は事業承継および企業成長の”王道”になり、“強い日本企業”をつくるための原動力になってくると思います。
記事監修者
2019年大手M&A支援機関へ入社し、広報責任者として広報業務に従事、厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」M&Aアドバイザー担当。
2021年M&Aキャピタルパートナーズ入社、グループ全体の広報責任者として広報業務全体を管掌、2024年より現職。MACPグループ「地域共創プロジェクト」責任者。
レコフ リサーチ部を兼務し、主に「事業承継M&A分野」を担当。
創業110年を超える実家の米穀・酒販会社で、実際に「事業承継M&A」を経験。
一般社団法人金融財政事情研究会認定M&Aシニアエキスパート
一般社団法人M&A支援機関協会広報分科会委員