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焦りや不安を、量で乗り越える 止まりかけた縁を動かしたアドバイザーの仕事観

焦りや不安を、量で乗り越える 止まりかけた縁を動かしたアドバイザーの仕事観 焦りや不安を、量で乗り越える 止まりかけた縁を動かしたアドバイザーの仕事観

2026/08/06

長く接点が途絶えていた企業へ、一通の手紙を送ったことから再びM&Aキャピタルパートナーズによる支援が動き始めました。「成果が出るかは、物量とアンテナの感度で決まります」と、企業情報部 主任の吉田健人さんは自らの経験をもとに言います。試行錯誤を重ねながら自らの営業スタイルを磨いてきた吉田さんに、仕事に臨むスタンスと理想のアドバイザー像を教えてもらいました。

最も厳しそうな環境をあえて選ぶ決断

M&Aの世界に入る前は、どのような仕事をしてきたのでしょう。

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 主任 吉田健人(以下、吉田):
新卒で入った会社は製薬会社でした。MR(医薬情報担当者)、いわゆる営業職として働き始めましたが、環境には恵まれており、今振り返っても良い会社でした。ただ、就職活動をしていたころは社会に出ることに対して身構えている部分があり、安定志向で大企業を選んだように思います。「これがやりたい」といった志があったわけではないんです。

入社して働いてみると、予想以上にホワイトで働きやすい環境でした。安定的に給料もいただけるのでありがたい気持ちがありつつ、どこか物足りなさも感じていました。若いうちからバリバリ働きたい、自分自身を鍛えたいという気持ちが、だんだん強くなっていったんです。

その中でM&A業界、そしてMACPを選んだのはなぜでしたか。

吉田:
転職を考えた時点で、最も大変そうな厳しい会社を探そうと思いました。先ほど言ったように比較的落ち着いた環境でなく、自分を鍛えられる場所に身を置きたかったからです。厳しい業界を探す中でたどり着いたのがM&Aの世界であり、その中でもMACPはトップクラスに厳しい環境だと聞きました。祖父が会社を営んでいたり、親戚も商売をしていたりと、経営が身近にあった生い立ちも、M&Aに興味を持つことに影響していたのかなと思います。

それに前職の営業では、地方の医療機関を訪問する機会が多くありましたが、後継者の不在を理由に事業を畳まざるを得ないという現実も目にしてきました。こうした原体験が、この仕事を選ぶ後押しになったのかもしれません。

安定した環境を自ら手放すのは、勇気のいる決断だったのではありませんか。

吉田:
実は両親からは、なぜわざわざそんなリスクの高い選択をするのかと強く反対されました。しかし、決めるのは自分です。自らの選択で飛び込む以上、ここで結果を出せなければ意味がないという覚悟はずっとありました。自ら退路を断って来たつもりなので、中途半端には終われません。この気持ちは、後々の苦しい時期の自分を支えてくれたように思います。

成果につながる営業の土台を築いた時間

入社後の状況を振り返っていただけますか。

吉田:
最初は苦しかったというのが本音ですね。
最初の成約までは2年3か月かかりましたが、その期間は自分なりの営業スタイルを模索し続けた時間でもありました。1年以内に初成約を成し遂げて次々に活躍する同僚もいるなかで、私はずいぶん時間がかかってしまいました。後から入社した人にも先を越されるたびに、焦りや不安が増していくのが分かりました。

時間がかかった原因をどのように分析していますか。

吉田:
入社当時の私は西日本の担当でした。MACPは東京本社以外にもオフィスがあるものの、すべて東京から出張するため、遠ければ遠いほど訪問までの移動時間がかかります。距離的な問題から、1日に1件のお客様しか訪問できないことも珍しくありませんでした。

営業の基本は、電話をさしあげて訪問のアポイントをいただくところから始まりますから、オフィスにいられる時間が長いほど集中して多くの電話をかけられます。ところが出張に出ると運転に時間を取られて、新規の接点を作る回数そのものが減っていくのです。新規のお客様との接点が減れば成果にもつながりにくくなります。だからこそ、自分でコントロールできる営業量を見直す必要があると気づきました。

どのようにそのスパイラルから抜け出したのでしょうか。

吉田:
上司から「新規のお客様との接点づくりに向き合うべき」と発破をかけてもらったことが転機でした。西日本、東日本といった担当エリアの区分けも見直されたタイミングでしたので、効率よく動ける近郊に集中して、営業の手数を増やそうと切り替えました。これで少しずつ流れが変わっていきました。

結局、新規営業の手数、アプローチ数が不足していたんです。エリアが遠かった、悪かったと、環境のせいにもできましたが、言い訳に過ぎません。とにかく物量に妥協することなく、そして正しい方法でアプローチを続けていれば、必ず成果は出ると考えています。あの2年3か月があったからこそ今があるのですが、今でも自らの戒めとして、当時の記憶が強く残っています。「もっと工夫できたはずだ」という反省は、今でも営業に向き合う原動力になっています。

止まりかけていた一つのご縁を自ら手繰り寄せた

今回ご支援した企業は、MACPとのお付き合い自体は長く続いていたそうですね。

吉田:
私が担当する以前から、当社では何度かコンタクトを取らせていただいていた企業でした。その後しばらく接点が途絶えていましたが、私から改めてお手紙をお送りしたことをきっかけにご連絡をいただき、ご成約につながりました。

多くのお客様とやりとりを重ねるなかで、状況の変化がなく一定期間接点が空く企業もあります。そうした企業も、改めてこちらからアプローチすることで新たなご縁につながることがあります。
新規営業の数を増やす大切さについて話しましたが、このように過去、別の担当者がアプローチしていたケースも、私にとってみれば新規の企業です。こうした取り組みも、多くの企業と接点を作るうえで大切だと思っています。

それに1件の成約には時間と労力がかかるため、成約後はホッとしてしまい、新規営業の手が止まりがちになります。そこでもう一度気を引き締めて、次なるアクションを起こすことを意識していました。苦しかった時期に「量」で抜け出した経験があったからこそだと思います。

寄り添いながら厳しいことも伝えられるアドバイザーに

譲渡を検討されていたオーナーはどのような方でしたか。

吉田:
ご自身の会社を驚くほど細かく分析し、的確に説明してくださいました。しかしこちらが自信を持って候補の企業をご紹介しても、いつも表情を変えることがなく、手応えがつかめなくて苦労しました。今になってみると、ずっと冷静に、客観的にお相手を見極めていたというお気持ちが分かります。何手先までも読んでいる経験豊かな方で、いろいろ勉強させていただきました。

譲受企業からも感謝されたそうですね。

吉田:
これまでは譲受企業が慣れていらっしゃることが多かったですが、今回は初めての譲り受けというケースで、両者の歩調をあわせることには苦労しました。また、他の仲介会社が同時に紹介を行う状況も初めてだったので、競争相手の存在は時にプレッシャーとなり、よい緊張感にもつながっていました。結果的にアドバイザーとして、また一つ経験の引き出しを増やすことができたと思っています。

困難を乗り越えて、成約にたどり着いた理由を教えてください。

吉田:
同行していただく先輩のサポートが大きかったと思っています。まだまだ学ぶべきことは多く、さらに経験を積みながら力を伸ばしていきたいと思っています。独りでやり切るためにも、いろいろな先輩に同行をお願いして学ばせてもらうことを意識しています。今回は、公認会計士でもある大木(一樹)さんに同行してもらいました。これまで公認会計士の先輩に同行いただいたことがなかったので、ぜひ勉強させていただきたい、という気持ちでした。

特に印象に残っている学びはありますか。

吉田:
話をまとめる力です。強引に引っ張るのではなく、自然に着地させていく力ですね。大木さんをはじめ優秀なアドバイザーの方々は、話を切り出すタイミングや、先に布石を打っておく感覚が本当に上手でバランスが取れていると感じます。先にこれを伝えておけば、後で話が進んだとき引っかからないといった会話の間合いを、近くで多く学ばせてもらいました。役割としては、私がオーナーに寄り添って、できるだけ本音を教えていただけるように関係性を深め、大木さんには時にお伝えしづらい、耳の痛い内容を伝える役を引き受けてもらう。そうやって二人で進めていきました。

これから、どんなアドバイザーになっていきたいですか。

吉田:
今回2名で分担した役割を、早く一人で実行できるようになりたいと思います。オーナーのお気持ちをしっかり受け止めつつ、本当にその方にとって必要な場面では厳しいこともきちんとお伝えできるアドバイザーが、私の理想です。
試行錯誤を重ねてきた経験があるからこそ、いま悩みながら挑戦を続ける後輩にも、自分の経験を伝えながら一緒に成長していきたいと思っています。あの時期のしんどさを知っているからこそ、親身にアドバイスができると思いますし、後輩と一緒にご支援を進めることもしていきたいです。若い世代であっても、金額や知名度の面で世の中に大きなインパクトを与えられるような仕事に挑戦していきたいと思っています。

文:蒲原 雄介 撮影:蔵屋 憲治 取材日:2026年6月9日

成約事例インタビュー:それぞれの選択

経営者がどのようにM&Aを決断したのかをインタビュー形式でご紹介します。

大庫洋紙株式会社
取締役 庫内 勇次 様

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記事監修者

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広報室
武田 彩佳
新卒で地方放送局に入社し、アナウンサーとして番組・イベントの司会進行等に従事。
当社入社後は、M&Aを経験された経営者の方々への取材や各種講演会の企画立案など幅広く活動を行う。

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