それぞれの選択 #136 製造業×事業承継投資 

西口 吉川
西口 吉川

父から受け継いだものづくりの誇りを次世代へ。
チーム型経営で実現する永続的発展

愛知県瀬戸市でファインセラミックスの製造を手がける株式会社アルミックスは、短納期・小ロットの注文にも対応するスタイルで、大手企業からも厚い信頼を得てきた。先代から受け継いできたものづくりへの情熱と、従業員や取引先を守りたいという強い想いが交錯する中、代表取締役である西口友二様は、事業承継型投資を行うSoFun株式会社への株式譲渡を決断した。新たな道を選択するまでの経緯、そして今後の展望を譲受企業であるSoFun株式会社代表取締役・吉川友様※(吉は土に口)、同じグループに所属する株式会社IMK代表取締役・森保之様とともにお聞きした。 

  • 譲渡企業

    会社名
    株式会社アルミックス
    所在地
    愛知県瀬戸市
    設立
    1984年
    資本金
    1,000万円
    事業内容

    セラミックス製造及び加工、セラミックス製品卸

    M&Aの検討理由

    将来的な後継者問題の解決、さらなる成長発展のため

  • 譲受企業

    会社名
    SoFun株式会社
    所在地
    滋賀県近江八幡市
    設立
    2021年
    資本金
    6,952万円(資本準備金含む)
    事業内容

    承継先株式の保有、承継先企業の経営、次世代経営者の育成・サポート

    M&Aの検討理由

自慢の技術と従業員を守りたい、父から受け継いだ2代目の挑戦

まず事業の概要についてお聞かせいただけますか。

西口
株式会社アルミックス 代表取締役 西口 友二 様(以下、敬称略)

当社は愛知県瀬戸市でファインセラミックスの製造を行ってきました。父が創業したのは約40年前で、私は2018年に経営を引き継ぎ2代目の社長になりました。現在の従業員は私を含め10名、そのほか派遣スタッフが数名おり、事務職を除いたほぼ全員が製造現場で働いています。

瀬戸は陶磁器の町として知られていますが、ファインセラミックスは一般的な焼き物と異なり、高度な機能を持つ材料です。耐熱性や強度、硬度、耐摩耗性などを備え、産業機械や自動車部品に幅広く使われる素材ですが、弱点として壊れやすい性質があるため、精密に制御された製造プロセスが求められます。したがって、一部は粘土分の天然原料も使うものの、地元の瀬戸の土だけでなく、用途に応じた材料を使っています。

私自身は、大学卒業後、異分野の製造業者に入社して品質管理の仕事に携わっていましたが、その頃からやがては自分が会社を承継するつもりでいました。5年ほど勤務した後に、アルミックスへ入社した直後は、経理を任されました。それまで社長である父の知り合いが必要な時だけ来ていただくような体制だったのを、私が仕事を覚えて引き継ぐことになったのです。未経験の業務で畑違いでしたし、製造現場の仕事も少しずつ覚えながら同時に経理業務も習得しなければなりません。まだ手書きの納品書や請求書を作成していた時代で、その作業手順を一つずつ教えてもらいながら、会社全体の数字を把握できるようになったのは良かったと思います。父がそんな経験をさせたいと思っていたのかと言えば、そうではなく中小企業で人手が足りなかったことが経理を任された主な要因だと思っています。

入社したのが2002年頃とお聞きしました。経営状況はいかがでしたか。

西口

決して順調とは言えませんでした。ただこれはアルミックスに限ったことではなく、世の中全体の景気の問題でした。その中で我々が強みとしていたのは、「小ロット・短納期」です。小さな企業が生き残るためには、とても大切な戦略だったと思っています。お客様が求めている製品をすばやく確実に供給できれば、信頼が積み重なり、継続的な取引につながります。切断、穴開けなど、さまざまな加工を求められますが、他社にはできないレベルまで当社の技術を高めたのは、間違いなく先代社長の功績でした。

リーマンショックや東日本大震災、そして直近ではコロナ禍もありました。リーマンショックの影響は決して小さくなく、製造の受注量が減って経営にインパクトがあったのは否めません。私も毎月のように雇用調整助成金の申請のため、瀬戸から名古屋まで出かけたことが思い出されます。しかし新型コロナの時は、売上が落ち込むこともなく、むしろ製造ラインがフル稼働するような日々を送りました。その要因は、窯業関係の上場会社と直接取引を継続していただいていることや、ホームページから問い合わせを受けて新たな取引先が広がっていたことが影響しているように思います。

セラミックスの切断や研磨といった作業は決して派手な仕事ではないかもしれませんが、微力ながらさまざまな産業に欠かせない技術となっている自負もあります。だからこそ、小さな規模の会社でも、今日まで発展を遂げることができたのだと思います。特に自身が社長になってからは一層、従来からの取引先への感謝また父が築き上げてきた会社の偉大さを実感することが増えました。

社長に就任後は、どのような思いで経営されてきましたか。

西口
西口

父からバトンを受け継いだこの会社や従業員を守りたいという気持ちは終始変わっていません。代表取締役会長に就いた父には健康の問題もあり、徐々に現場を離れることが増えました。結局、2020年に父が亡くなると、私には経営者と製造の責任者という2人分の負担がのしかかる事態となったのです。

このまま自分が製造にも携わるのは難しいと判断して、派遣スタッフでの人員補強を始めました。新たに製造工程へスタッフを配置し、事務作業はシステム導入と事務員の採用によって合理化を図りました。これで何とか体制を再構築できた、また前を向けるようになったと思っていたのですが、今度は私自身にがんが見つかりました。

1か月の入院治療を余儀なくされましたが、従業員が一丸となって会社を支えてくれたことには、今でも感謝しています。現在も通院は続けていますが、こうした経験によって、いよいよ今後のことを真剣に考えなければならないと気づかされました。しかし、親族に承継候補はいない中、自然と会社宛てに届くM&Aに関する郵便物や電話が気になるようになっていたのだと記憶しています。

取引先に影響の少ない、異業種のパートナー探しを託して

その中でM&Aキャピタルパートナーズと面談していただいたのはどのような経緯だったのでしょうか。

西口

M&Aキャピタルパートナーズの川田原さんからお手紙と電話をいただいたのがきっかけです。私が知りたかったのは、どのような会社がアルミックスに興味を持っておられ、M&Aをした際に従業員はどのようになるかという点でした。最初はまだ情報収集のつもりでしたが、面談を重ねるたびにM&Aによる承継課題解決の必要性や、従業員のこれからのことを真剣に考え始めるようになりました。

川田原
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 主任 川田原 璃旺(以下、川田原)

初めてお会いした時から、西口代表のものづくりにかける熱い思いと従業員への愛がひしひしと伝わってきたことを覚えております。国内にも同製品を製造できる会社は限られており、その技術力の高さにも感銘を受けました。従業員の皆さまのことを第一に考えておられ、これからも会社を残したいという強いお気持ちに対して私としてもいいご縁組みに繋がるお手伝いができればと思っておりました。

西口

もし既存の取引先の中からM&Aのパートナーを選んだ場合、他の取引先との関係に影響が出る恐れがあると感じておりましたので、将来的にパートナーを選ぶなら、異業種の方がマッチするだろうと考えました。取引先に迷惑をかけて、我々だけが残ればいいなどの考えは全くないことを川田原さんにもお伝えしておりました。

川田原

その後定期的に製造業におけるM&Aの業界動向や過去M&Aのお手伝いをしたオーナー様の考えなどを情報提供しており、M&Aに向けて本格的に動き始めたのは、1年ほど前からでした。

西口

仲介をお任せする会社の候補は他にも複数社ありましたが、最終的には上場企業としての信頼度と豊富な実績、そして川田原さんの親身な姿勢を重視してM&Aキャピタルパートナーズを選びました。その後、川田原さんのご紹介で複数社と面談を実施しました。そのうちの1社がSoFunだったというわけです。それまで会社のことは存じ上げませんでしたが、信頼する川田原さんのご紹介だからきっとよいお相手だとは思っていました。

川田原

西口様は「既存の取引先との関係に影響が出ないお相手」という条件を希望されておりましたので、お相手に際しては異業種を中心にご紹介いたしました。そして、代表自身が今後も在籍されることや、ご自身が経営者という立場より、ものづくりに専念できること、何よりも現在の従業員を大切に守ってくれる会社という点を重視されておりましたので、お相手にも西口様のお考えに齟齬がないようお伝えしておりました。M&Aキャピタルパートナーズはこれまで複数社、SoFunのお譲り受けをご支援しています。M&A実行後も譲渡企業が円滑に経営されていること、譲渡オーナーの皆さまの満足度が高いことも把握していましたので、自信を持ってご紹介いたしました。 

にじみ出る会社と製品への熱い思いの承継に向けた出会い

ここからSoFun株式会社の吉川様、株式会社IMKの森様にも加わっていただきます。
まずSoFunの事業概要をお聞かせください。

吉川
SoFun株式会社 代表取締役 吉川 友 様(以下、敬称略)

私たち、SoFunは中小企業のオーナー経営者から株式を譲り受け、永続的に保有しながら再成長に向けて支援を行っています。この永続的というのが投資ファンドとは大きく異なる点です。譲り受けた企業の経営改善や価値向上を目指すという点は共通していますが、ファンドはその後の売却によって利益を得ます。一方で、SoFunが目指すのは地域に根差した比較的規模の小さな会社をしっかりと中核企業へと育てていくことです。だからこそ、株式を手放さず、永続保有することが前提なのです。

この背景には、ファンドの立場からすると、小規模企業は見込まれる売却益が少ないためにメリットを感じられないという構造上の問題があります。しかしこうした企業の中にこそ、後継者がいれば、また資本があれば、まだまだ成長できる可能性を秘めているケースが多くあるのも事実です。そこで私たちは後継者候補を集めることも並行して行ってきました。これまで名乗りを挙げてくれた方は千名を超えますが、採用過程を通過したわずかな候補者だけが承継先の経営者になり、経営改善を図ります。

森
株式会社IMK 代表取締役 森 保之様(以下、敬称略)

私が現在代表を務めるIMKも2024年にSoFunが株式を譲り受けた会社です。私自身もSoFunの経営理念に共感して、2年前に後継者の候補として応募した経緯があります。吉川がSoFunを創業した経緯と重なるのですが、私も前職では多くのM&Aに携わってきました。その中で、事業承継が実現しても期待されていたような成果が出ずに、尻すぼみになってしまうケースを多く見てきました。特に、譲受側が合理化を推し進め、せっかく築いてきた企業カルチャーが失われるのは本末転倒です。何のためにM&Aをしたのかと、徒労感に苛まれることもありました。そこで自ら経営者としてポテンシャルの高い中小企業を活性化し、東海地方の製造業を元気にしたいという思いでSoFunに参画しました。

IMKは、焼成炉、焼成治具の販売や設備のメンテナンスなどを手がけていますが、前オーナーや従業員との関係も良好で、ビジネスも安定しています。

吉川

森のような人材が自ら内部に入って経営をするという点が大切だと考えています。森は、SoFunホームページの問い合わせフォームから自ら応募してきた経緯がありますが、経験も豊富で、強い情熱を感じられたため、IMKを彼に任せました。IMKを承継した時点では、そのまま前オーナーが代表を続けていましたが、あるタイミングで経営を引き継ぎました。

よくM&Aでは、双方の会社によるシナジーが強調される場面が多いように思いますが、私たちはそれを押し出すことはしません。何といっても、元の会社の文化や価値観を大事にしたいからです。私たちが大切にしているのは、オーナーが築いてきた企業文化を残しながら、一緒に成長していくことです。2021年の創業以降、今回のアルミックスで25社目の承継になります。

今回、M&Aキャピタルパートナーズからアルミックスの紹介を受けて、どのように感じられましたか。

吉川

財務資料を見ると経営者の想いがわかるというのが私の持論です。一目見て、西口さんが本業を大切にして経営してきたことがわかりました。事業内容も特徴的でご紹介を受けた瞬間からぜひお会いしてお話をしたいと熱望していました。

川田原

私もM&Aのアドバイザーという仕事柄、多くの財務資料を拝見してきましたが、バランスシートに経営者の想いが宿るというのは同感です。吉川様もおっしゃったとおり、アルミックスの財務には、西口様のものづくりに対する情熱が表れていると感じました。必要性の低い投資はしませんが、よいものづくりに必要な投資なら惜しまないという、実直で堅実な経営姿勢が表れていました。

西口
西口

それほど特別なことをしてきたとは全く思ってないので照れくさいのが本音です。ただ、たしかに先代から引き継いだ会社と従業員を守るという一心だったので、堅実と言われるような評価になるのかもしれません。お会いする前からそのように思われていたのは、知りませんでした。

では実際にお会いした時の印象をそれぞれお聞かせください。

吉川

本当にこの会社・この仕事が好きだということがひしひしと伝わってきて、製品や会社への熱い思いを語る西口さんの姿に、感銘を受けました。

吉川と同じ印象でした。自社の製品に対してそそぐ経営者の愛情の深さによって、会社の命運は大きく変わると思っています。製造業では、その傾向が顕著だと思います。事務所や工場の中も見学させてもらいましたが、ものの配置、動線など一つとっても、すべてから西口さんの情熱が垣間見えました。従業員たちも同じく実直で、誇りを持って働いているのが伝わってきて素晴らしい会社だと思いました。

吉川
吉川

とはいえ、今回はM&Aキャピタルパートナーズを介して、私たちは複数の候補の中から選んでもらう立場です。こちらの熱意を川田原さんに託すしかないと気持ちでありました。

西口

プレゼンテーションの中でも、十分に私たちの会社を思う熱意は伝わってきました。SoFunの豊富なM&A実績と、過去にSoFunを選んだ企業が次々に成長し、従業員も幸せに働いているという話を聞きましたが、吉川さんたちの言葉を聞くとそれは真実だろうと確信しました。それぐらい相手のことを大切にしていることが言葉や態度に表れていたからです。

もうほとんど私の気持ちは固まっていたように思います。将来にわたって従業員を守りたい、取引先にも安心してもらえるような形で会社を残したいという私の願いをかなえるのに、これ以上の選択肢はないだろうと直感したのです。

川田原

顔合わせの様子から両者の相性のよさは、すぐに感じ取れました。改めて信頼できる譲受企業であることを実感しましたし、SoFunが譲渡する経営者の目線に立っていることも感じられました。そしてさまざまなM&Aを見聞きしてきた中で、ビジネスである以上は譲受企業が、譲渡企業の経営者の立場に立って物事を考えるというのは、口で言うほど簡単なことではありません。それだけにSoFunの実績は突出しており、類まれな理念に裏打ちされていることを実感します。

交渉の流れ、デューデリジェンス(企業監査)は順調に進みましたか。

西口

川田原さんに監査における資料対応や契約書等の書類関係も全てサポートいただけたおかげで、私自身思っていたほど「大変だった」という実感はありません。また、当面は会社の経営が大きく変わらないように私自身が会社に残って経営を続けさせてもらいたいという願いも叶えてくださり、すべての交渉がスムーズに進んだのは、こうした私の気持ちを吉川さん、森さんがくみ取ってくれたことが大きいです。

吉川

今回の交渉が順調だった背景には、川田原さんの存在が大きかったと感じています。私たちは譲渡企業に直接連絡はできないため、仲介パートナーが正確かつ迅速にコミュニケーションできるかは生命線だと言っていいほど重要です。西口さんからの要望も、その意図や背景にある事情を正確に伝えてくれるので、こちらも迷いなく判断ができるのです。多数のM&A仲介会社とのお付き合いがありますが、M&Aキャピタルパートナーズのアドバイザーは総じて、こうしたコミュニケーションのスキル、支援の質が本当に高く、感謝しています。

川田原
川田原

特にSoFunの皆さまは、M&Aの実績も知識も豊富なので、そういった方々からのご評価は本当に励みになります。私たちは、どちらかに偏ることなく公平性、中立性を保ち、譲渡側と譲受側の両者に喜んでいただくことを目指しておりますので、このようなお声が最も嬉しいです。

M&Aは終わりではなく始まり。家族に承継した気持ちで

この対談に先駆けて、先ほど正式な成約を迎えられました。今の心境はいかがですか。

西口

今、これといった特別な感慨はありません。なぜなら今日はゴールではなく、新たなスタートだと思っているからです。今日まで、デューデリジェンスは大変な手間がかかり、ストレスを感じるなどと聞いていましたが、今回少なくとも私は負担を感じたことはありませんでした。そして決断してからは迷いや不安もありませんでした。近隣にいる中小企業には、同世代の経営者も多くいますが、すでにM&Aを選択した人がいると聞いたことはありません。つまり身近にM&A経験者がいるわけでもないので、相談もできません。だから腹を決めて飛び込むしかありませんでしたし、何よりも吉川さん、森さんの言葉なら信じられると思っていました。

製造の柱であった父を亡くしてから、人材派遣などで糊口をしのいでいた数年前を思うと、今日こうしてパートナーができたことは本当に心強いです。SoFunグループであればきっと従業員も一層張り切って仕事に取り組んでくれるはずです。

吉川
吉川

今日がスタートというのは、同じ思いです。実は、成約後に必ず前オーナーに話してきた言葉があり、それを西口さんにもお伝えしたいと思います。それは、これからSoFunを我が子のように思ってほしいということです。単に株式を売買して終わりではありません。これから家族のように、一生もののお付き合いが始まります。親族承継ではありませんが、ぜひそのような気持ちになって頼るところは頼っていただきたいですし、私たちも一緒に成長したいという思いを強く持っています。

オファーの段階では「両者によるシナジーを強調しない」と、先ほど吉川から説明がありましたが、IMKの目線ではアルミックスがグループインすることによるシナジーは、最初からはっきりと見えていました。たとえば、アルミックスは製造業で、私たちは商社的な役割を担っているという立場の違いがあります。商社からすれば、グループ内に製造の機能があることは、顧客への提案時に大きな強みとなります。しかも、製造を担う西口さんの愛情や技術が本物だという確信もありますので、私たちは技術力に絶対的な自信を持って営業活動ができるのです。そのことでIMKの既存顧客にも新しい価値が提供できると思うと、今からワクワクしています。この段階で私が想像できるレベルなど、はるかに越えたシナジーを起こせるはずです。

西口

現在のアルミックスの製造力を考えると、既存の取引先を優先するので精一杯かという思いはあります。しかし、顧客や売上の拡大を目指すフェーズになれば、私たちの弱点である営業力を補ってもらえるのは心強く思います。これまであまりにも毎日が目まぐるしく目の前のことで必死だったのも否めず、あまりに将来的な展望を描く余裕がありませんでした。こうして「共に経営する」ことによって、どのような未来を切り拓くのか。私自身が一番楽しみです。

最後に、今後M&Aを検討する方々に向けてメッセージをお願いします。

西口

年齢や後継者の有無、会社の状況などさまざまだと思いますが、自らの手で可能性を狭めないでほしいと感じています。いよいよ残り時間がなくなってから対策を講じようとしても、選択肢は極めて限られてしまいます。M&Aしたいというパートナーが現れなければ、実行できないわけです。アルミックスも、もしこうしたご縁につながるチャンスがなかったら、いつかは廃業の運命しかなかったでしょう。そうなれば、後世には何も残らないことになります。まだまだその時が先であると願っていますが、私自身もいつどうなるかは分かりません。でも、これで私の身に何があっても、会社は残り、従業員は守られるのです。この安心感を得られることがどれだけ大きいか、身をもって感じています。だからこそ後継者問題に悩む会社こそ、まずは情報集めを始めてほしいと思います。

「M&A」という言葉の響きがもつイメージに囚われている経営者が、まだまだ多いように感じています。表面的な印象でネガティブに感じたままでいるのは、非常にもったいないと思います。今回のアルミックスの経緯を見れば、M&Aは決して単なる株式の売買ではなく、企業文化や思いまでを継承することだとわかってもらえるのではないでしょうか。M&Aの本当の価値や意味を広めていくためにも、まずはこれから成果をはっきりと示していきたいと思います。

吉川

創業以来、SoFunの経営理念は変わりません。これまでも、そしてこれからもチームに加わっていただく中小企業には、その会社独自の文化を残していくM&Aを提案していきます。この世に一社も、まったく同じ会社はないのですから、私たちの提案が異なるのも当然のことです。M&Aが、自社としての文化の放棄や、諦めなどと思っている方がいたら、私たちと一緒になればそれは真逆だと分かってもらえます。世の中には、たくさんのまだ知らない素晴らしい中小企業があると思います。自社単独での情報収集には限界があるので、M&Aキャピタルパートナーズのような仲介会社の情報ネットワークに頼れるのは、とても心強いです。

川田原

このように明るい未来を語り合える両者のご縁組に携われたことを光栄に思っています。これからアルミックス、IMK、そしてSoFunグループがそれぞれ発展することを心から願っております。


 

文:蒲原 雄介 写真:北川 友美 取材日:2025/8/20

担当者プロフィール

  • 企業情報部 主任 川田原 璃旺

    企業情報部主任川田原 璃旺

    大学卒業後、社会的意義の高い大手製薬会社に入社。医薬品の営業・新薬のマーケティングを経験し、その過程で業界特有の事業承継問題に直面する。より社会的意義のあるM&A仲介業務に従事するため、当社に入社。現在では若いオーナーによる成長・発展型のM&Aから事業承継M&Aまで幅広く支援している。

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