M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#30

会社のことを想うなら、決断を先送りしない。

譲渡企業

株式会社アテックス

2tから重量トレーラーまでバリエーション豊富な運搬車両を保有。建設用重機や各種重量物の運搬や、ユニッククレーン作業などをメイン事業とし、創立以来、着実に成長を遂げてきた株式会社アテックス。代表の南雲進様は、40代の頃から事業承継について考えてきたものの、ついつい先送りにしていたという。気持ちの中に引っかかっていた懸念を払しょくし、第一歩を踏み出すきっかけになったのが、弊社コンサルタントの提案だったという。同社がなぜ、M&Aを決意することになったのか。南雲様と担当コンサルタントの鈴木に、決断に至るまでの経緯についてインタビューした。

突然、預かることになった社長職

まずは南雲様が株式会社アテックスを創業し、どのように発展させていったのか、その御経緯からお話しいただけますでしょうか。

 

南雲

元々、大手建設機械のレンタル会社に勤務していました。20歳そこそこからお世話になり、所長、ブロック長職を経たのち、36歳になって退職することにしました。非常に自由な会社でしたので、伸び伸びやらせてもらっていましたが、時代の変化と共にIT化が進み、人と人とのつながりが希薄となると同時に、お世話になった先輩方が次々と退職して独立していきました。正直言って、その会社にいることがつまらなく感じるようになっていました。

次に何をするのか?具体的な計画はありませんでしたが、私が退職したことを聞きつけた、前職のお客様から声がかかります。その方は、ご自身で運送会社を立ち上げたばかりで、「机をひとつ用意するから、手伝ってくれないか」とおっしゃいます。

単に手伝うのでは面白くありません。
良い機会だったので、知り合いのレンタル会社に出資をしてもらい、自分で建機のレンタル会社を設立。その運送会社と組もうと考えました。

南雲進
南雲

当時は熟考することなく勢いで起業をした部分もあります。とりあえずレンタルできる建機さえ用意すれば、必然的に運送会社経由で仕事は入ってくるだろうと考えていました。ところがその3か月後、運送会社の経理担当者から、「申し訳ないけれど2か月後くらいには資金ショートします」と宣告を受けることになります。

どうなっているんですか?と社長に聞くと、「事業が上手くいっていない」と答える。よくよく聞くと彼はいわゆる“雇われ社長”で、オーナーは別にいるとのこと。話し合いの末、運送会社に関しては現社長が退任することになり、その代わりとしてオーナーが新たに元銀行マンを送りこんできました。そして 私と彼の2代表体制で運送会社を再始動することになったのです。


当時は、トラックが5台しかない状態で、しかも解任された先代社長が、すぐ近くで運送会社を起業。何人か引き連れて行ったため、残ったドライバーはゼロというありさま。なので新規で募集をかけて、教育をするしかありませんでしたね。

そのような状況で、いきなり社長を引き継ぐことになって、どのように感じられましたか。
南雲

もう一人の代表は、私よりも一回り年上の方で、しかも大手銀行に勤務した経験もあったため、とても頼りになりました。彼は彼で運送業界は初めてだったので、役割分担がうまくいって、協力しながら会社運営を進めることができました。何もわからない中で引き継ぐことになりましたが、とりあえず会社を潰す訳には行きません。会社は生き物ですから、これを動かさなくてはいけない。しかも自分の生活もあるので、引き返すことはできないと思いました。

先にはじめていたレンタル会社は軌道に乗っていたので、自分の給料くらいは出せるようになっていました。あとは運送部門を動かすことができれば何とかなるかな、と。当初は自分で営業回りをしたり、ドライバーの手配をしたり、時には運送をすることもありました。そして、徐々に人員を増やしていきます。

 

当時の運送会社に所属するドライバーの多くが、少し荒っぽいというか、例えば安全靴を履かない、ヘルメットを被らない、制服も着ていない、サンダル履きで重機を運転するなど、決められたルールから逸脱する人が多く見られました。挨拶も満足にできない人も多かったですね。それに対して私たちは“きっちりやっていこう”と決め、ルールを定め、それを守れるドライバーを集めていきました。 採用時には人間性も重視しました。きちんと挨拶をするとか、コミュニケーションをとることを、営業担当者だけでなくドライバーにも徹底していました。そこに意識が行ったのも、恐らく私が営業畑の人間だったからではないでしょうか。私たちの対応力が認められ、評判を呼んだ結果、会社として着実に成長を遂げていきました。やがて、私一人が単独で経営権を握ることになり、実質的なオーナーとなります。当初は5台しかなかったトラックも30台までに規模が拡大しました。

どこかで重い荷を下ろして楽になりたいと考えていた

どのようなきっかけからM&Aを意識するようになったのでしょうか。
南雲進様
 南雲

長く経営に携わっていれば、売上が下がってきたり、きつい時が当然あります。リーマンショックの時期には赤字になりかけましたが、雇用調整助成金等に助けられ、24年間黒字で乗り越えることが出来ました。そういう経験を積み重ねていくと、45歳の時には、もう“50歳で引退したい”と思うようになります。ある程度お金を貯めれば、老後はなんとかなるのではないかと。

また、時代的にも労働基準・陸運局・交通事故等、規制が徐々に厳しくなってきた頃でもあり 大変な重圧を感じていました。そういった時、片腕になる人材が居れば、「もっと儲けたい」「もっと会社を大きくしたい」と話し込み、前向きに考えていたんでしょうけど、やはりプレッシャーが大きかったんでしょうね。どこかで、「早く重い荷を下ろして楽になりたい」という気持ちを抱えていました。

南雲

とはいえ、事業承継をしたいと思っても、相手が見つかりません。社内でも後継者は育っていませんし、私には息子が2人いるのですが、自分が苦労してきたので、彼らに継がせたいとも思いません。そうなると、自分で設定していた期限をどんどん先延ばしにしてしまいがちです。50歳で引退できなかった。では55歳までやろうか、と。55歳にはなったけれども…の先が進まなくなってしまいました。そんなタイミングで東京でオリンピックが開催されることが決まって、特需の恩恵が生まれます。利益が出ているときには、辞めたいとは思わなくなってきますよね。

しかし、先ほどお話しした労基の問題はどんどん厳しくなる一方です。これは現在の輸送業界においては難しい課題です。

私たちだってドライバーに無理をお願いしたいわけではありません。でも毎日、交通渋滞が起こります。時には時間外の仕事をお願いしないと、荷主も現場も待たせることになってしまいます。規制も厳しくなるばかりで、燃料のコストも大きく変動します。
もちろん経営も徹底的に見直しました。トラックの購入を控えたり、内部留保をできるだけ多く計上すれば、3ヶ月間まるっきり仕事がなくても給料を払うことができますし、倒産もしない。でも経営を見直しても限界がありますし、それでずっとうまくいく訳ではありません。周りを見渡しても相談できる相手も後継者も誰もいない、そうなってくるとやはりM&Aが気になってきます。

以前から、M&Aという選択肢もお考えだったのでしょうか。

南雲

ちょうど55歳くらいの時に一度、弊社のお客様に会社を譲渡しようとしたことがあります。当時もあまりよく考えてはいなかったのですが、そこそこのキャッシュが自分の所に残ればいいのでは?と考えていました。株や投資もやっていたので、それで何とか贅沢しなければ食べていけるだろうと考えました。
そんな話をしていた友人が、その2年後、本当に自分の会社を譲渡していました。肩の荷が下りたという話を聞いて “会社の譲渡”について、より一層考えるようになっていました。また、9年前に妻が重い病気にかかり、寄り添いながら6年間、看病をして過ごしました。そういう体験をすると、自分が“いつ亡くなってもおかしくない”と思うようになります。そうすると、“では人生ってなんなんだろう”と考えるようになり、会社を36歳の時に起こして、ずっと頑張ってきたので、今後は余生をのんびりしたいと強く思うようになっていましたね。

そこから実際にどのような行動をされたのでしょうか。
南雲

会社を譲渡した友人に“どうやったのか?”と聞いてみると、「コンサルタントを入れた」と教えてくれました。そこでプロの力を借りようと思いました。
時期的にも、M&Aの紹介についてお話が多く舞い込んできており、M&A専門の会社が私の会社をどのように評価していただけるのか興味もありましたので、色々とお話を聞いていた状況でした。

ただ、実をいうと、M&Aキャピタルパートナーズさんと会うことになったのは、私の勘違いがきっかけなんです。(笑)

別な仲介会社と話を進めている段階で、その会社の方と勘違いしてお会いした方がM&Aキャピタルパートナーズの鈴木さんでした。やってきた鈴木さんを見て、アレ?とは思いますが、追い返すのも失礼なので、まずは話だけは聞いてみようと思いました。でも、初めてお会いする会社さんでしたので、“大丈夫かな。知識はあるのかな?”と不安な気持ちもありました。ところが、話してみるとしっかり話ができるし、色々なことをわかってくれる。何よりも話しやすかったですね。話しやすくなかったら、多分、話は前に進んでいなかったでしょう。鈴木さんは、強引に売り込んでくることがありませんでした。

結構、強引に売り込んでくるところが多い中、世間話から入れたのはとても良かったですね。

日常的な会話の中から意図を汲んでくれた

最初は、別の会社で話を進めようとお考えになっていたようですが、どの段階でM&Aキャピタルパートナーズにお任せしようと思い始めたのでしょうか。
南雲様
南雲

実は3年前から、会社でアパート運営を始めていたのですが、たとえM&Aをしたとしても、それだけは残したいと思っていました。私が亡くなっても子どもたちに家賃収入が入るではないですか。鈴木さんは、アパート経営を切り離してM&Aを進めることができますと言ってくれました。

そこまできめ細やかな提案があったのは鈴木さんだけです。

この話は、決して私から持ち出したわけでなく、鈴木さんとの友人感覚の会話の中で自然に話がでてきたのです。そこを鈴木さんが汲み取ってくれた。他社には、その話をするタイミングがありませんでした。

鈴木さんは、南雲様と初めてお会いになったとき、どのような印象をお持ちになりましたか。
鈴木

最初から近い距離感で接していただけたのもありがたく感じていました。もちろん、すべてのお客様に対して真摯に向き合いますが、距離感が近いことによって南雲様にとってより良い提案やヒアリングをしたいと強く思ったのは確かです。

南雲

様々、プライベートなことを結構話してくれました。
そういう話を聞くと、私も安心して相談ができるようになっていました。

最終的な決断に至ったのは、どのようなことがきっかけになりましたか。
南雲進様
 南雲

やはり会社全体ではなく、運送部門だけを譲渡できるという提案をいただいたのは大きかったです。会社自体は残る。これはものすごく大切な事です。新しい事業をすぐに立ち上げることができるし、例えば私の息子たちが「パン屋をやりたい」と言い出したら、「じゃあ、この会社使っちゃおう。」という話もできます。ひとつの事業部門だけを譲渡できるなんて、まったく知りませんでしたから。アパート運営の話の中で鈴木さんが、言葉にしていない私の真意を汲み取ってくれた結果です。

鈴木

これは南雲社長の人生設計の話でもあります。
今後の人生をどのようにしていきたいのか、そもそもどうして今回の件を検討されているのかを、社長からしっかりと受け取りましたので、どういう形であれば南雲社長にご納得いただけるのかを考え、このような提案をさせていただきました。

 南雲

運送部分だけ譲渡して、会社自体は残すという手法については、周囲の皆さんもびっくりしていました。会計士の方も最初はピンとこなかったようですが、理解していただくと「なるほど!こんな手もあるんだね」と納得していました。その時に私は、心の底から“M&Aキャピタルパートナーズを選んで正解だったな”と思いました。 実際に手続きを進める段階でも、非常に頼りになりました。とにかくレスポンスが早い。聞きたいことがあってメールをしても、電話をしても、すぐ答えてくれますし、動いてくれます。例えばデューデリジェンスの打ち合わせがあったときに、その時にはなんとなく分かった気になっているのですが、後々、会社に帰ってもう一度資料を見直したり、経理と相談したりすると、わからないことがでてきます。そういう時にメールでも電話でも、すぐ答えてくれるので理解も深まるし、決断も早まります。

とにかく鈴木さんは、本当に誠実な方でした。

誠実でなければ信用などできません。一緒に飲みにも行きましたが、色々な本音の部分も話しますし、それに対してきちんと受け答えをしてくれます。お互いに個人的な話もしました。
これが一方通行だったら、信頼は生まれません。

悩んでいてもはじまらない

最後に、これからM&Aを検討する経営者の方々にメッセージをお願いします。
南雲

自分の目標を達成するためには、自分がやってきたことに対して自慢などせず、コツコツ積み重ねる必要があります。そして、何よりも大切なのは従業員の存在です。彼らを守るためにも、後継者が本当にいないのならM&Aを実行するしかありませんし、悩んでいてもはじまりません。

案ずるより産むがやすし。

決断を先延ばしにしていてはいけません。気が付いたら身体を壊していたり、会社の状態が悪化する可能性だってあります。ですから、とりあえずはM&Aのプロから色々な話を聞くところから始めるべきだと思います。話を進めながら判断していけばよいのですが、そういった意味で、M&Aキャピタルパートナーズは着手金が不要だから安心して話を進められるわけです。
いきなり着手金を払うと、本当に大事な決断というものが出来なくなると思います。

鈴木

ありがとうございます。
この二年という時間の中で、南雲社長の人生を知ることができて、そして沢山お手伝いできたことが何よりでございます。

南雲

鈴木さんとお会いして話をするのが、私も本当に楽しかったです。
やはり、分かち合える。だから孤独じゃないと思えました。

これからも良い関係が続いていくといいですね。

(写真左から)鈴木 康士・南雲様

文:伊藤秋廣   写真:伊藤 元章  取材日:2021/9/27

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