M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#41

譲渡企業
アクター株式会社
代表取締役社長
近藤 敦

×

譲受企業
株式会社エルテス
代表取締役
 菅原 貴弘

発展的M&Aにより、事業拡大のビジョンが鮮明になった

地元・岡山県を中心にウェブ広告を軸としたデジタルマーケティングをはじめ、ハイスペックなITコンサルテーションや独自の技術を有するアクター株式会社。金融機関など優良顧客からの絶大なる信頼を集めてきた同社が、なぜM&Aを決意することになったのか。 代表取締役社長の近藤 敦様と、譲受側の株式会社エルテスの代表取締役 菅原 貴弘様にこれまでの経緯と未来についてうかがった。

“選択と集中”で専門性を高めていった

まずは近藤様が、アクター株式会社を創業した経緯からお話しいただけますでしょうか。
近藤

このアクター株式会社の前身となる会社で約10年間、副代表として共同経営をしていました。中小企業診断士のパートナーが経営コンサルとして、そして私がITコンサルとして、地元である岡山を中心としたお客様に価値を提供してきました。そのパートナーは私の一回り以上も年齢が上だったこともあり、50歳を過ぎたあたりで経営を退き、中小企業診断士として個人活動をしたいと引退。そのタイミングで、ITコンサルを中心とした新設法人としてアクターを再始動することにしました。

元々、私たちのITコンサルチームは独立したかたちで事業を展開していたので、これまでと大きく変わらす、会社自体は順調に立ち上がりました。これは再起業以前からの話ですが、基本的にコンサルタントと名乗る以上、プロセスではなくて、やはり結果重視の姿勢で顧客に対峙すべきだと考えてきました。IT領域のコンサルタントには、何かを生み出すタイプと、問題を解決するタイプの2種類しかいないと思っていまして、私は後者。わずか7名をスタッフで構成する零細企業でありながら、確実に成果をあげながらお客様の信頼を獲得してきました。

DXをはじめとする、IT需要が高まるにつれ、さらに貴社への期待も高まっていたということですね。
アクター株式会社  代表取締役社長  近藤 敦氏
近藤

外部環境はどんどん良くなっていますが、その一方で市場の競争は激化しています。外部環境が良くて、競争相手が現れると、売上の競争ではなくて、人材の取り合いになります。ITというと聞こえはいいのですが、結局は労働集約型産業なので、人の移動とともに会社の売上も移動する業界。ますます競争が激化する市場の中でどのように戦っていこうかと考えたときに、選択と集中ということであえて業界を絞ってクライアントを減らしていきました。

端から見れば、贅沢な話に聞こえるかもしれません。しかし、独立当初は、ITに対するクライアントの期待がシンプルだった時代で、業種が分散していても、さほど問題はありませんでした。やがて要求が高度になってくるとむしろ、広く浅く、何でもできる器用貧乏のような状態になってしまう危惧がありました。そこで特定の業種に特化して、専門性を高めることにしました。

業種を特化した後、今度はITのどの領域に特化するのかを考えます。もっともポピュラーな仕事にウェブの制作業務がありますが、これは“時間の許す限り作り込んで欲しい”と考えるクライアントと、“早く終わらせて納品したい”という作り手の側が敵対関係になりやすい。ではクライアントと仲良く、同じ方向を見ながら頑張れるITのビジネスとは何かを考えて行き着いたのが広告ビジネスでした。広告というジャンルに特化して、ノウハウを蓄積。コンサルタントとして皆さんにご提案の引き出しを増やしながら、お客様に最適なご提案をする企業へとシフトしていきました。

広告ビジネスを展開する上で心がけていたのが、クライアントにきちんと成果を報告するということ。目にみてわかる形でお見せしてご理解いただくことでお客様もハッピーになりますし、「しっかりやってくれてありがとう」と感謝の言葉もいただけます。お客様に喜んでいただくたびに私たちの知見が蓄積されていくような、そんなビジネスモデルを展開してきました。

スピーディな成約を目指し、本気度の高い相手を求めた

綿密な戦略を実行し、お客様に満足いただきながら成長させてきた会社を、近藤さんはなぜM&Aをしようと考えるようになったのでしょうか。そのきっかけを教えてください。
アクター株式会社  代表取締役社長  近藤 敦氏
近藤

当初は譲渡側ではなく、買手(譲受側)としてM&Aの検討をはじめていました。そのきっかけは、人材採用に対する課題感です。弊社も新卒採用を積極的に進めていましたが、せっかく採用してもすぐに辞めてしまう、あるいは辞めなかった社員も引き抜かれてしまう、そんな状態が続いていました。であるならば、会社を大きくするためにM&Aで会社ごと買収してしまおうと考えました。

ところがM&Aについて学習を深めていくうちに、自分が求めていることは、別に譲受側に限らず、譲渡側に立っても到達できるのだと理解するようになりました。要するに、弊社のような脆弱な資金力の企業に譲渡してくれる会社を探すよりも、弊社を迎え入れてくれる会社を探した方が早いのではないかと考えるようになったのです。

M&Aキャピタルパートナーズにご依頼をいただくことになった経緯を教えてください。
近藤

実はM&Aキャピタルパートナーズの鈴木さんとお会いする以前に、別のM&A仲介会社と1年ほどお付き合いをさせていただいていました。その担当者もとても良い人だったのですが、ただ人が良かっただけで、“力不足は否めない”“物足りない”と感じていたのは確かです。その方から、「日本に三つの大きなM&A会社がある」という話をお聞きして、そのうちの二つに連絡を入れました。それで鈴木さんとお会いすることにさせていただいたのです。

以前におつきあいのあった仲介会社の担当者が“力不足だった”と表現されましたが、近藤さんが考える、M&Aを仲介してくれるパートナーが持つべき力というのはどういうものでしょうか。
近藤

単なる“御用聞き”か、“真のコンサルタント”かの違いだと思います。前の方は人間的にも好きだったのですが、私の意向を叶えようとする“御用聞き”に過ぎませんでした。一方の鈴木さんは、私が話していることをしっかり整理して、認識あわせをしてくださると同時に、私が考えも及ばない提案もしてくださいます。そこに仕事に対するプロフェッショナルな姿勢を感じ、鈴木さんとお付き合いをしたいと感じました。

ここからは担当の鈴木さんにも話を伺っていきます。近藤社長にお会いしたときの第一印象をお話しいただけますか。
M&Aキャピタルパートナーズ鈴木
鈴木

M&Aを選択肢の一つとしてご相談いただき、良い相手からの良いお話があったら進めさせていただくというスタンスでお手伝いをさせていただくことになりました。ですから最初は、業界や業態など限定せず、幅広いご提案をしながらご意見をうかがいました。

近藤

確かに鈴木さんが提案してくださった企業は、私にとっては想定外のもの。結局、私のイメージからは想像も出来なかったエルテスと成約したのですから、今となっては鈴木さんの提案力に感服するばかりですね。私はどちらかというと、余裕がある企業というよりも、すでに成熟してしまった業界で、M&Aの必要に迫られているような、本気度の高い企業が良いと考えていました。

それはなぜなのでしょうか。
近藤

どうせなら大手企業とご一緒させていただきたいと思っていましたが、ただそういった会社の傘下に入っても、現場レベルで抵抗勢力があったり、軋轢が生まれ、結局、仲良くなれないのではないかと思っていました。それよりも、必要に迫られている企業の方が決断も早く、前のめりで取り組んでくれるようなイメージがありました。

鈴木

その話については私も同感する部分があって、思いつく業界をいくつかご紹介しました。しかし近藤社長がおっしゃる通りのメリットがある一方で、保守的な体質であるが故に、なかなかWeb広告やITの分野に進出できないのではないかとも考えました。そこでフラットに色々なお話をうかがいながら、様々な選択肢を広く持っていただくことが良いだろうと判断しました。

近藤

正直いって、エルテスという会社もビジネスも知りませんでした。鈴木さんからの熱心な提案をきっかけにエルテスについて徹底的に調べてみました。調べていく中でエルテスと組むことで、これまでクライアントから要望がありながら、今まで断っていたことにも対応できるようになるのではないかという考えも生まれました。そもそも自分の希望するM&Aは既知の企業や業種に留まります。「未知の企業・業種」とは、組みたいという発想も生まれないのだと痛感しました。その後前向きに話を進めて欲しいと鈴木さんに伝えさせていただきました。

トップ面談で大きく流れが変わった

ここからは、譲受企業である株式会社エルテスの菅原社長にも参加いただいて、お話を聞かせていただければと思います。まずは貴社の事業概要からお話いただけますでしょうか。
エルテス株式会社 代表取締役社長 菅原貴弘氏
菅原

インターネットによる風評対策や炎上対策を本業とする会社です。2016年にマザーズに上場し、加えてデジタルガバメントおよび警備業DXという二つの新規事業を展開しています。私たちは、ネットの炎上など、テクノロジーの進歩と共に発生するデジタルリスクを、できるだけ民間の力で解決したいと思っています。民間の力で解決することで、過剰になりがちな規制が生まれない、そんな社会を実現したいと考えています。


M&Aに対する貴社の基本的なお考えをお聞かせください。
菅原

新規事業で隣接領域に進出する際には、非常に多くの時間と費用が費やされます。そういう意味では、元々アクターみたいに隣接領域で活躍されている会社とご一緒することは、スピード感という観点から非常に魅力的に映っておりました。また、近藤さんのようなタレントといいますか、優秀な人材獲得も非常に重要な要素となります。

パートナー企業としてアクター社をご評価されたポイントを教えてください。
エルテス株式会社 代表取締役社長 菅原貴弘氏
菅原

アクターのメインクライアントは金融機関で、非常に高い利益を出されていました。通常のデジタルマーケティング事業では粗利が薄く、高利益率になることはあまりないので、そこから興味を持ち始めました。また私自身、財務省のOBや金融庁に強いコネクションを持っているので、アクターのビジネスを横展開できるのではないかとも考えました。さらに、人材採用にお困りになっているという話も聞いていたので、弊社が貢献できることがあるのではないかとも感じていました。要するに近藤さんの個人的な魅力と、“しっかりとしたビジネスをされている”という点に惹かれたということです。

トップ面談の際の、お互いの第一印象をお話しいただけますでしょうか。
アクター株式会社  代表取締役社長  近藤 敦氏 エルテス株式会社 代表取締役社長 菅原貴弘氏
近藤

正直に言いますが、とても優秀な方で、時には、周囲の方と考えが合わないこともあるのではないかと、経営者としての孤独を理解できたような気がしました。私も常にそのように感じていたので、尊敬と共感を同時に覚えました。

菅原

弊社はかなり意思決定が早いので、お会いしてすぐに“いい人が来たな”と思い、ほぼその場で決意しました。実は、一昨年前にAnd Securityという会社をM&Aで譲り受けて以来、しばらく間が空いてしまいましたが、もっとM&Aを加速させたいと考え、私が最初からトップ面談に出席するようにしていました。良くも悪くも自分が出ていった方が話が早く、お互いに無駄な時間を費やさずに済みます。

近藤さんは、少し違う業界を見たいと考えている中、菅原さんとお会いされて気持ちが動いていったのでしょうか。
アクター株式会社  代表取締役社長  近藤 敦氏
近藤

鈴木さんにもお伝えしていましたが、当初は必ずしもM&Aを望んでるわけではありませんでした。優良顧客を抱えていましたし、会社の収益体制にも問題はありませんでした。ところがトップ面談を終えてすぐに鈴木さんに電話をして、「あの方は私と同じような感覚をもっているのではないか」という話をさせていただいたのを覚えています。そこで一気に気持ちがM&Aに傾いていきました。

トップ面談が非常に重要で、そこで流れが変わるということですね。
鈴木

アクター社をエルテス社にご紹介させていただいた時点で、すでに感触がよく、さらにトップ面談に菅原社長が出席されるとお聞きして、非常に良い流れだと感じていました。ご面談をしていただく以上、準備は重要なので関係者の皆様と事前にお打ち合わせをした上で臨んでいただきました。

意識していたことは二つあって、ひとつは近藤社長が、エルテス様と一緒にやりたいと思ってもらえるか。そして、もうひとつがどういった相乗効果があるのかを一緒に考えてもらえるか。有意義な面談となるよう、しっかり準備していただくよう働きかけました。

効率よく、最適なお相手を見つけてくれた

成約されて2カ月が経過しました。近藤様はどのような変化を感じていらっしゃいますか。
アクター株式会社  代表取締役社長  近藤 敦氏
近藤

心境や業務で言うと、菅原さんから非常に裁量権を大きく、任せていただいているので、実はそれほど変わってはいません。上場会社の子会社になり、監査や経理など様式的なものは変わりましたが、それ以外では、本当に自由に気持ちよくやらせていただいています。ビジネス面では、今まではクライアントから依頼いただいても断ってきた領域の業務もお受けできるようになり、新たな契約も生まれました。

今後の展望をお聞かせください。
アクター株式会社  代表取締役社長  近藤 敦氏
菅原

アクターと一緒になったことで、デジタルマーケティング領域への進出が可能になりました。まず、以前から戦略として考えていた“炎上しないマーケティング”を推進しているので、そのコア企業になっていただければと期待しています。当然、0から1を生み出すフェーズが難しいとは思いますが、共にひとつの壁を乗り越えて横展開できればと考えています。

近藤

菅原さんからは横展開について期待されていますし、すでにいくつかのアクションを始めています。私はエルテスと一緒になったことで、セキュリティレベルが高い会社でなければ取り扱えない商材を扱えるようになり、それを縦展開できればと考えています。

これまでデータベースやサーバーがらみの仕事は、日本で誰もが知っている一部の会社しか扱うことができませんでした。しかしエルテスと一緒に、そこに風穴を開けることができるようになる、これはアクター単体では決してなしえないことです。

今回のご成約に至る中で、M&Aキャピタルパートナーズの担当者はどのようにお役立ちできたのでしょうか。
菅原

鈴木さんは、きっちり譲渡企業をグリップしてくださいました。それこそが仲介の真髄だと思っているので、非常に評価しています。どちらかというと今は、譲り受けたいと思っている会社が多く、譲渡したい会社を見つける方が難しい時代なので、売り手をちゃんと押さえていないと、本当に時間の無駄になる。そういう意味では、本当にしっかり対応してくれました。

近藤

鈴木さんはビジネスパートナーとして最高の存在でした。菅原さんがおっしゃる通り、力のない人は時間の無駄が多い。以前にお付き合いしていた会社の担当は、乗り気でない譲り受け先をぶつけてくることもありました。非常に効率よく、最適なお相手を見つけてくださったことに感謝しています。

ありがとうございました。最後にM&Aを検討している読者の方々にメッセージをお願いできますでしょうか。
菅原

M&Aに関しては、M&Aキャピタルパートナーズのようなプロを効率よく活用することが重要です。仲介業者を名乗っていても中には素人めいた新参業者もいるので注意が必要ですね。そういった相手に任せていたら手戻りが多く、時間ばかりがかかってしまいます。

近藤

日本の企業においては、エルテスのような上場企業がわずかで、私たちのように50名未満の中小・中堅がほとんど。恐らく多くの中小企業の経営者は様々な問題を抱えていて、半ば諦めている方もいらっしゃるかと思います。ところがこの零細中小企業群の中にはキラリと光る優良企業も多く存在しているのは確かです。ぜひそういった企業を引っ張っていらっしゃる経営者の方も諦めず、M&Aを通じて再びチャレンジして、チャンスをつかんでみてはいかがでしょうか。


アクター株式会社  代表取締役社長  近藤 敦様    エルテス株式会社 代表取締役社長 菅原貴弘様

(左から)近藤 敦 様、菅原 貴弘 様

文:伊藤 秋廣   取材日:2022/6/17

ご納得いただくまで費用はいただきません。
まずはお気軽にご相談ください。

秘密厳守にてご対応いたします。

お電話でお問い合わせ
TEL.0120-810-000

まずはお気軽にご相談ください

※秘密厳守にてご対応いたします。

お電話でお問い合わせ 0120-810-000
WEBで無料相談

関連事例

M&Aキャピタル
パートナーズが

選ばれる理由

私たちには、オーナー経営者様の
決心にこたえられる理由があります

納得の料金体系

着手金や月額報酬を
いただくことなく、
お相手企業と基本合意にいたるまで、無料で支援いたします。

安心の専任担当制

検討初期から成約まで
オーナー経営者様専任の
アドバイザーが
寄り添います。

信頼の東証プライム上場

東証プライム上場の信頼性と、独自のデータ基盤の活用により、ベストなマッチングをご提供。