M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#44

一本の電話から始まった、薬局の事業承継

譲渡企業

有限会社フタバ堂

北海道旭川市で約60年もの間、地域の医療機関、患者様の健康を支えてきた調剤薬局「有限会社フタバ堂」。近年問題となっている薬剤師不足などの課題を乗り越えながら、地域の健康を守るために家族で力を合わせて運営を続けてきた。そんな信頼も厚い優良企業がなぜM&Aによる譲渡を考えるようになったのか。決断に至るまでの経緯についてうかがった。

家族で力を合わせて運営を続けた調剤薬局

まずは、有限会社フタバ堂の沿革、および川田博已社長が事業に関わることになった経緯からお話しいただけますでしょうか。

有限会社フタバ堂_代表取締役社長_川田様
川田  博已社長(以下、川田)

昭和28年に薬種商だった私の父が「フタバ堂薬房」を開業しました。地域密着型のいわゆる“町の薬屋さん”として皆様にご愛顧いただいてきました。私が引き継ぐことになったのは、父が亡くなったときで、ちょうど26歳になったばかりのことでした。
私はスーパーチェーンの薬局部門に勤務していたのですが、父の病気をきっかけに旭川に帰ってきました。 それまで「店を継いでほしい」と言われたことがなく、私も継ぐということは考えていませんでした。しかし、父の姿を見ていたこともありましたし、他にやりたいこともなかったので、とりあえず薬剤師の免許は取得していました。

長くやっている薬房なので、ご愛顧いただいているお客様を守っていくという使命感はありました。当初は、同じく薬剤師で旭川に住んでいた妹(篠永  悦子様)に継ぐように勧めたのですが、断られてしまいました。さすがに若くして店を引き継ぐのは重い話だったかと思います。また、店舗だけではなく、週に一度、近所の病院に入院する患者さんに生活用品やお菓子を届けるという仕事も請け負っていたので、男手が必要でした。
そのような経緯から、“自分でやるしかない”と決断。当初は業態を変えるつもりはまったくなかったのですが、保健所に「薬剤師なら薬局をやりなさい」と勧められたため、新たに調剤薬局として再スタートしました。



有限会社フタバ堂_篠永様
篠永  悦子様(以下、篠永)

当時、兄から、お店の引き継ぎの件で相談がありましたが、私一人で継ぐのは難しいと感じていました。数年後、引き継いでくれた兄をサポートしたいという思いから、当時、勤めていた調剤薬局を辞めて、家業を手伝うことにしました。ちょうど懇意にしていた問屋さんから「小児科の調剤薬局をやらないか」と誘いを受け、2店舗目を出そうというタイミングでした。ただ、母がずっと経理を担当していたので、私たち兄妹は経営者ではなく、技術者として事業にかかわっていくというイメージを持っていました。

奥様は、どのタイミングで店舗の運営に関わっていったのでしょうか。

有限会社フタバ堂_川田様
川田  久美様(以下、奥様)

私が結婚したのは、夫がお店を継いで10年ほど経った頃。それまでは薬局の仕事には一切、関わりを持っていませんでした。事務経験があったので、夫の勧めで新店舗の経理を始め、事務仕事を手伝うようになりました。



ご家族で力を合わせて、お店の経営を続けていらっしゃった様子が目に浮かびます。
その後、どのようにお店を発展させていかれたのでしょうか。

有限会社フタバ堂_篠永様
篠永

私が立ち上げて、運営していた2号店の近所には、小児科だけでなく、眼科、内科等医院が出来て、徐々に患者様が増えてきました。当初、“小児科だけだったら、私一人でできる”と思っていたのですが、どんなに頑張っても物理的に対応が難しくなり、薬剤師も事務員も増員することにしました。ところが、薬剤師の採用は進まず、いつでも人手不足の状態。これではお店を回せないと判断して、処方箋が多い方、すなわち私が立ち上げた2号店にもう一つの店舗を集約することにしました。

川田

薬剤師が不足する一方で、新しい病院からお声がかかり、ありがたいことにどんどん仕事量が増えていきました。運良く、次々に新しい病院ができるエリアにちょうど店を構えていたのと、先生方からの評判も良かったのでしょう。いつも忙しくしていた私たちの姿を見て育った長女は「手伝いたい」と言って、薬科大に進学し、卒業後、私たちの薬局に入ってくれました。まさに家族で力を合わせ、人手不足と戦いながらお店の運営を続けてきました。

コロナ禍に直面し、廃業を覚悟していた

ご家族で力を合わせて成長させてきたお店です。
どのようなきっかけからM&Aを意識するようになったのでしょう。

篠永

もともと廃業するつもりだったので、正直言って、M&Aに対する期待はあまり高くはありませんでした。しかし、お電話をいただいたM&Aキャピタルパートナーズの山本さんの第一印象がよく、一生懸命に考えくださっていたので、“見つかったらいいな”くらいの気持ちでした。

有限会社フタバ堂の皆様
奥様

ある問屋からM&Aの提案を受けました。親しい問屋さんでしたし、以前に薬局のM&Aに関わったことがあるという話を聞いていたので、話を聞いてみようと思ったのです。しかし、その問屋さんが直接運営している薬局では買えないと言われてしまいました。他にも息のかかった薬局に聞いてもらったのですが、あまり良い返事は得られませんでした。どうやら、その薬局はすでに数件の買収を進めており、資金が不足しているということと、やはり買収して拡大したとしても“薬剤師を集めるのが難しい”との判断だったようです。

もちろん、これまでにも幾度かの山谷は経験しました。10年前にも大きな危機に直面したのですが、そのときは近所の病院の先生に励まされたのと、もう少しで娘が店に戻ってくるタイミングだったので、なんとか頑張って乗り切ることができました。しかし今回は正直、難しいと思いました。

有限会社フタバ堂_代表取締役社長_川田様
川田

もはや“廃業するしかない”と考え、覚悟を決めていました。その年の12月に役員で集まり、3月いっぱいで薬局を閉めることを念頭に置いて動き始めた2日後に、M&Aキャピタルパートナーズの山本さんから電話があったのです。そのときにはすでに廃業を決めていたのですが、なぜか話だけは聞いてみようかと思い、二つ返事で会うことを約束していました。
あとから聞いた話ですが、それまでにも何度か封書が届いていたようでした。


奥様

M&Aキャピタルパートナーズ以外の仲介会社からもたくさんの封書が届いていました。
しかしM&Aという言葉の意味もちゃんと理解していなかったですし、テレビドラマなどを見ても“M&Aは、乗っ取り”という印象しかなかったので、篠永さんや夫には見せていませんでした。

篠永

山本さんと会うことになってから私に相談が来ました。 もちろん廃業するという話は決まっていたのですが、半信半疑ながら話を聞いてみても良いのではないかと思いました。その一方で、騙されたら困ると思ったので、契約関係に詳しい私の主人にも同席してもらうことにしました。最初は夫に先方の社名を伝えていなかったのですが、実際に会って渡された名刺を見て「すごい会社だよ」と一言。夫だけがM&Aキャピタルパートナーズのことをよく知っていたのです。
初回の面談でまずは、企業価値評価をしてもらおうという話になりました。しかし、関係書類をすべて提出するように言われ、最初は躊躇したのですが、夫が「どうせやめるなら会社の価値を評価してもらおう」と背中を押してくれました。今思うと、夫の助言がなければ、この話を進めることはなかったのではないかと思います。

コンサルタントの対応で明るい未来が見えた

ここからは、M&Aキャピタルパートナーズの山本さんにも話をうかがいたいと思います。最初に皆さんのお話を聞いてどのように感じましたか。

M&Aキャピタルパートナーズ_山本
山本

最初にお会いした12月の時点で、「3月に廃業が決まっている」というお話をされていました。率直に“廃業するのはもったいない”と思いました。会社の売上などの数字を拝見し、また、直近でも旭川エリアで同じような成約事例があるという情報もあったので、それも含めて可能性があると確信しました。みなさんがお店の継続を諦めているように見えましたが、しっかりと提案していけば、“誰もが納得できるゴールの形が見つかるかもしれない”と思っていました。とにかく従業員の方さえいれば永続性のある店舗だと思ったので、お相手となりうる候補先に対しても「従業員不足さえ補えれば、利益があがり、将来性と成長性が描ける企業様です」と説明させていただきました。

最初の説明を聞いた時点でM&Aに対する期待はどの程度のものになりましたか。

有限会社フタバ堂_川田社長_奥様
奥様

その時点では、M&Aキャピタルパートナーズという会社についてはよくわかりませんでしたが、何度か面談を重ねる中、山本さんの言動を見ていて“この人なら託せる”と思えるようになりました。
必要と言われる書類をしっかり揃えて提出しました。
最初に相手先として紹介されたのは大手の薬局チェーンでした。しかし、話を進めるうちに条件が合わずに頓挫。“やっぱり無理かな”と思っていたのですが、山本さんから、すぐに違う相手先をたくさん紹介いただきました。正直、すごいというか、山本さんの情熱を感じました。

また、これまでは懇意にしている問屋さんを通して、地元企業の中だけで候補先を探していたのでなかなか良い相手が見つからずにいたのですが、M&Aキャピタルパートナーズのようなしっかりした全国区の仲介会社に広く探していただいたからこそ、これだけ多くの候補先をご提案いただけるのだろうとも改めて感じました。

山本さんと話をしていると、明るい未来が見えてくるような気がして、気持ちが前向きになっていきました。
私たちの会社を評価してくれている会社があると知るだけでも、うれしかったですし、M&Aに向かって進める、あらゆる手続きも、希望をもって取り組めるようになっていました。

篠永

そうですね。“ダメでも仕方がない”と思って臨んでいましたが、相手先の情報などを聞くとテンションが上がりました。とにかく山本さんからの依頼に素早く応えられるよう、関係者全員でメールを共有し、書類は分担して用意するようにしました。もともと、3月に廃業と期限を決めてしまっていたので、山本さんに申し訳なく、迷惑かけないようにと思っていましたし、みんなが同じ方向を向いて走っている一体感がありました。

奥様

篠永さんが前に出て、私たちをまとめてくれましたね。

有限会社フタバ堂の皆様_M&Aキャピタルパートナーズ_山本
篠永

立ち上げたのが私なので、この薬局が子どものように可愛かったのですよ。そして、今まで経営を兄に任せっきりにしてしまった、という後ろめたさもあり、私が“どうにかしなければ”という気持ちがあったのは確かです。とにかく山本さんは迅速かつ丁寧に対応してくださいました。最終的に決まった譲受企業を聞いて、これで安泰だと、患者さんや従業員、先生たちの誰に対しても迷惑をかけないで済むと非常にほっとしました。

川田

山本さんはまさに舞い降りた幸運ですよ。偶然、山本さんから電話があって「会います」と答えただけで、話がどんどん進んでいきました。本当にあっという間の出来事でした。

山本

ありがとうございます。今回のM&Aでもっとも重視したのがスピード感でした。廃業となるまでの期間がとても短かったので、とにかくいち早く、私を信頼していただくことがポイントになると思っていました。1年や2年という長い期間でお付き合いいただけたら間違いなく信頼関係が醸成されるとは思いますが、たった3カ月でしたので、とにかく足しげく通わせていただきました。分からないことなど、連絡をいただきましたが、それに対しても分かりやすく、すぐに返答するように心がけていました。

たった一本の電話から人生が大きく変わった

成約後の率直な気持ちをお聞かせください。

有限会社フタバ堂_代表取締役社長_川田様
川田

とにかく「肩の荷が降りた」の一言です。

奥様

夫が精神的に追い込まれていたので、本当にほっとしました。10年前には、従業員のことを考えてなかなか辞められなかったのですが、もしも隣の病院や従業員との関係がなければ、10年前に辞めていた方が傷は浅かったのではないかと感じています。どんどん夫が背負っている重荷が増えていくのも分かっていたのですが、身動きが取れない状態が続き、なかなか決断できませんでした。それが、山本さんからの電話一本ですべてが変わりました。

川田

これまでは月曜日から土曜日までずっと薬局にいて、遠出などできませんでした。今は、気持ちに余裕ができて、平日でも時間を作ることができるようになったので、趣味の釣りを楽しめるようになりました。人生が大きく変わりましたね。

有限会社フタバ堂_篠永様_川田様
篠永

M&Aが完了したあとも連絡をくれて、困りごとを解消してくれています。私にとっては可愛い薬局であり可愛い従業員たちなので、とても助かっています。

奥様

そうですね。成約して終わりではないことに驚いています。私も譲渡先の社長と話をしているのですが、直接伝えていいのかどうか判断ができないことがありました。それも山本さんに相談して解消してもらったことも何度となくあります。そこまでやってくれるとは思っていなかったので、とても驚いていますしとてもありがたく思っています。

ありがとうございます。
最後に、皆さまから、これからM&Aを検討する経営者の方々にメッセージをお願いします。

奥様

ビジネスに関して言葉すら分からない、困っていてもどうすればいいのか分からない私たちでしたが、手取り足取り進めてくれてあっという間に不安を解消してくれました。迷っているのであれば、まずは相談することをお勧めしたいですね。

篠永

後継者のいない会社やお店もたくさんあると思います。私たちは跡取りがいてもこのような事態になったので、今回、信頼のおける方々と出会えたことはとても幸せだったと感じています。私たちにとってはM&Aキャピタルパートナーズ、そして山本さん。跡取りの不在に困っているなら、山本さんに声をかけて、一度、企業価値査定をしてもらうと良いと思います。

川田

やはり人だと思うのです。M&Aキャピタルパートナーズにもたくさん優秀な人がいるとは思いますが、個人的には本当に山本さんと出会えて良かった、山本さんだからこその結果だと思っています。一本の電話からはじまり、あっという間にまとまった話ですが、私の子どもたちも含めて、家族全員が今回のM&Aを歓迎し、喜んでいます。大きな決断のきっかけを作ってくれた山本さんのおかげと感謝してやみません。

有限会社フタバ堂の皆様_M&Aキャピタルパートナーズ_山本

(左から)弊社 山本、篠永 悦子 様、川田 博已 様、川田 久美 様

文・写真:伊藤 秋廣  取材日:2022/8/8

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