M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#45

コロナ禍を乗り越え、さらなる成長を加速させる。

ISIグローバル株式会社
代表取締役社長
荻野 正昭

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株式会社日本産業推進機構
マネージャー
大橋 俊介

「世界をつなぐ、夢と人づくり。」をコーポレート・ステートメントとして、国内最大級の日本語学校の運営と専門学校、外国大学日本校、留学事業を展開するISIグローバル株式会社。創業以来、順調な発展を続け、業界最大手にまで上り詰めた同社がなぜ、M&Aを決意することになったのか。2代目社長として、グループ拡大を成功に導いた代表取締役の荻野正昭氏と、譲受側のファンド・株式会社日本産業推進機構の大橋俊介氏に、これまでの経緯と未来についてうかがった。

「多国籍」という価値を打ち出し、ISIブランドを確立

まずは、ISIグローバル株式会社の沿革、および荻野社長が代表になるまでの経緯からお話しいただけますでしょうか。
ISIグローバル株式会社 代表取締役社長 萩野 正昭氏
荻野

1977年、長野県上田市で私の父が創立した学習塾からはじまりました。その後、予備校、そして1992年に同じく長野県内で日本語学校を開設。当時は中国を中心とした留学生を受け入れていましたが、やがて日本人も海外に送り出そうということで留学事業もスタートさせました。その後、東京に進出し、長野県以外の日本人を対象に、海外に送る事業をはじめたところ、非常に好調だったようです。2000年のピーク時には、年間で500人ほどの日本人を中国の大学へ送りました。その後、長野県内で取り組んでいた日本語教育事業を広く展開しようと、2002年に東京、そして2003年には岐阜県でも開校しました。

1992年に日本語学校を開校するというのは、当時としてはかなり先進的だったのではないでしょうか。
荻野

そうですね。確かに長野県内では早かったかもしれません。当時は入管の在留資格も厳しかったので、全国的に見ても日本語学校の数は少なかったかと思います。日本語学校を開校したのは、父の知人が中国の大学と関係があったからとのこと。最初はそのご縁から小さくスタートさせたと聞いています。その後、長野県で100人~200人ほどの規模で展開していましたが、日本語教育事業に将来性を感じ、東京に進出することに決めたようです。

私は、北京大学に進学し、卒業後すぐに父の会社に参画しました。進学理由は、中国の将来性であったり、中国の厳しい学習環境も自分にとっては有益になると考えたからに他なりません。やはり身近に中国からの留学生がいたことも影響していたのでしょう。中国は競争社会なので、大学に入って遊ぶという雰囲気ではありません。自分の将来をイメージしたときに競争は必須で、そのためには安全な道ではなく、厳しい海外進学を選択すべきだろうと。当時の中国は、まだまだ発展の余地があることに加えて、言語を習得するというメリットもあると考えました。

父からは、「北京大学を卒業したら、すぐに日本に戻って一緒に仕事をしてほしい」と言われていたので、すぐに父の会社に入りました。最初のミッションは、アイルランドで学校を設立すること。そんな経験はなかなかできないので、ビジネスマンとして成長できる機会だと思いましたし、実際にやってみて、その期間は自分なりにいろいろなことを学べたと思います。わずか1年程度の出来事ですが、その経験が今の自分のベースになっているのは間違いありません。そこから東京に戻り、営業や広報などを経験。常務取締役を経て2012年に代表になりました。

ISIグローバル株式会社 代表取締役社長 萩野 正昭氏

代表就任当時は、2011年に発生した震災の影響から、全国的に日本語学校の経営が厳しい状況にありました。2013年頃まで新規の留学生が大幅に減少するという現象が続いていました。しかし震災前までは順調に拡大していったのは事実で、震災直前までは過去最高の学生数を記録していました。厳しい環境下においても、私は積極的に拡大路線をとり、京都に学校を移転させて大きくしたり、高田馬場に新校舎を建てたりしながら学生数の増員を図ります。拡大路線をとった理由は、当時、政府が「留学生30万人計画」を打ち出しており、それに到達する直前だったこと、それに加えて、将来的に労働力不足に対する外国人の需要を背景とすると、我々の日本語教育事業というのは、社会的にもこれまでの経験的にも成長できる余地があると考えました。

その後、順調に事業を拡大し、2019年には学生数もキャパシティでは業界最大手の規模となりました。従来の日本語学校との差別化を図り、学校の環境を多国籍にして国際色を豊かにするという方針を打ち立てていたことが功を奏したと思っています。

私に限らず留学経験がある人は、価値観や文化の違う方と交流して友人を作ることに価値を感じていると思います。単純に言葉を習得するためでなく、そこで作られるネットワークに価値があるというのは誰もが感じることで、弊社の社員の多くが海外留学を経験していたため、会社の方針に反対する社員がいるはずもありません。しかし実際に多国籍な学生が集まっている学校は少なく、数か国の学生しかいないというのが当たり前になっていました。そこに差別化ポイントがありました。我々は、欧米も含めて代理店のネットワークを広げる努力を重ね、「多国籍」というブランド力がある学校の位置付けを確立。当時から50か国以上から学生を集めていました。

年商100億円を視野にいれた圧倒的成長を実現するために“必要なもの”

そこまで順調に成長を遂げてきた貴社がM&Aを意識するに至った経緯を教えてください。
荻野

コロナ禍以前から、我々が成長するための選択肢について考えていました。その中で、M&Aも学校を大きくするためのひとつの戦略として認識。いくつかの仲介会社にお声がけさせていただき、M&Aに関する情報に関しては、譲渡・譲受のどちらも情報収集していました。日本語学校の場合、開校時の学生数の定員が100人までと決まっていて、建物の要件もあるので、新規参入のハードルが高く、短期間で大きくするためには、M&Aという選択肢が重要になってきます。私たちもM&Aで小さな日本語学校をグループ化していきました。

ISIグローバル株式会社 代表取締役社長 萩野 正昭氏

当時、2019年頃から年商50億円を目指していましたが、その先、100億円を目指すということも視野に入ってきました。成長を追い続けるなか、自分たちには何が必要かを考えたときに、もちろん校舎を増やしたり、営業力をつけるというのも大事ですが、結局のところ、組織を強くすることに尽きるという結論にいたります。当時はまだ創業メンバーも残っていましたし、親族も役員に入っていました。困難を乗り越えるためにもファミリーであることのメリットはたくさんあったので否定するつもりはありませんが、今後、さらに上を目指す意味では新しいマネジメント層が必要だと考えました。

ところが、新しい人材を入れるための企業としての魅力、成長性という点ではまだ力不足だという自覚がありました。ニッチな業界なので、業界大手と言っても、存在自体を認識されていなかったのも確か。日本語教師の求人にはありがたいことに多くの応募があるのですが、マネジメント層が我々の会社に目を付けるかというとなかなか難しいという現状がありました。

間違いなく我々の事業には将来性があり、“今がチャンス”という感覚があったので、何とか短期的に“行けるところまで行きたい”と考えていたため、人材や資金など急に力が欲しくなるのは必然です。資金は様々な方法で調達可能かもしれませんが、人材面において強くM&Aの可能性を意識するようになりました。

M&Aもひとつの成長戦略として考える中、荻野社長はどのような動きを始めるのでしょうか。
荻野

定期的に様々なM&A仲介会社から同時並行で情報が入っていましたが、その中の一社にM&Aキャピタルパートナーズがありました。M&Aキャピタルパートナーズは業界大手という安心感もあり、担当者も誠実に丁寧に対応してくれたので非常に好印象ではありました。2020年の春頃にM&Aキャピタルパートナーズが紹介してくれた事業会社と面談もしたのですが、最終的にはお断り申し上げました。端的に言うと、我々が考えるM&Aの趣旨と、先方の意向との間にズレがあったということですね。我々の事業の成長にとってその事業会社の何かがプラスに働くかという観点でいくと、その事業会社の一部門に収まるような話だったので、“合わない”と思ったのです。もちろん、その頃はまだ、“課題解決のためにはM&Aしかない”という気持ちにはなっておらず、あくまで選択肢のひとつと捉えていたため、そこまで深く考えてはいなかったのかもしれません。

その後、2020年の夏頃にM&Aキャピタルパートナーズから「ファンドなどにも話を広げたい」という相談がありました。当時は、我々も事前に情報を持っているような状況ではなく、M&Aキャピタルパートナーズのご担当者からいろいろと教えてもらいながら、 “良い話であれば検討しよう”という感覚になっていきました。そこから一気にスピードが上がり、提案の数が増えていきましたね。

事業会社の話を聞いているときは、“本当にM&Aでいいのか”という迷いがありましたが、ファンドの話を聞くようになってからは、我々が求めているものに近いと思うようになりました。そこから徐々にM&Aに対する意識が固まっていきました。実は、他の仲介会社もファンドを紹介してくれたのですが、その中でもっとも私たちの意向に沿った相手を連れてきたのがM&Aキャピタルパートナーズでした。ファンドのご担当者の印象や提案内容、条件面などを含め、総合的に見て判断。業界の成長に対する期待や評価も高いと感じました。

ISIグローバル株式会社 代表取締役社長 萩野 正昭氏

我々が取り組んでいるのは教育事業で、弊社自身、真面目な会社だと思っているので、例えば“利益重視”など、目指している方向性がスタートの段階からズレそうなところとは組むべきではないと考えていました。我々の強みは、先ほども述べたように、しっかりした教育環境を整え、学生を多国籍にすることです。学生の国籍が偏るとコストはかかりませんが、コストをかけてでも幅広く受け入れる方針というのは、どちらかというと利益に反してしまいます。我々のこれまでの歩みや今後のビジョンを理解してもらい、そこに価値を感じてもらえる会社でなければならないと考えていました。

M&Aの検討を進めていた段階では、コロナ禍の影響で留学生が入国できずにいましたが、M&Aキャピタルパートナーズにご紹介してもらったファンドの方には、結果的に柔軟に検討してもらえました。もしかしたらファンドによっては、その時点で厳しいと判断されることもあったかもしれません。

会社の存在意義や拡大を進める真の目的を理解してもらうことが重要という中、M&Aキャピタルパートナーズはそれをきちんと理解して、我々の考えに合致するファンドを連れてきてくださいました。選んだ理由も伺いましたが、しっかり考えて選んでくださったという印象でした。

事業はもちろん、社長の人間性に惚れ込んだ

ここからは、投資企業である株式会社日本産業推進機構の大橋俊介様を交えてお話をうかがいます。まずは、日本産業推進機構は基本的な姿勢として、どのような企業様に対して支援していらっしゃるのですか。
大橋

弊社の前身は、アメリカのTPGキャピタルという大手のファンドで、日本チームをリードしてきたメンバーが設立した会社です。地域に根ざした日本型ファンドでありながら、出身母体はグローバルファンドなので、そこで培ったネットワークや経営改善のノウハウなどを当てはめることによって、より価値を創造していくことを主眼としている会社です。将来性の観点で伸び悩んでいる地方の企業に注目し、グローバルも視野に入れながらアドバイスをし、ビジネスを多角的に広げていくという姿勢でご支援をさせていただいています。

 

ISIグローバル株式会社に対する第一印象をお聞かせください。
株式会社日本産業推進機構 マネージャー 大橋 俊介氏
大橋

最初にM&Aキャピタルパートナーズにご紹介をいただいた時には、正直申し上げて、日本語学校業界についてよく理解できておらず、ISIグローバル株式会社の業界における立ち位置も知りませんでした。ただ、財務実績をはじめとした過去の経営数値を拝見すると、ものすごい勢いで成長していることがわかりました。これは面白い会社として、面談に先立って業界の情報をより深掘りすることで、ISIグローバルの業界内でのポジションや業界としての課題などを、より理解できました。日本語学校は、コロナ禍前の時期では年率二桁で成長している業界で、中でもISIは規模としては業界第1位の学校を運営しており、まさに “業界をリードしている会社”であることが分かりました。

さらに、この会社に投資したいと思ったもっとも大きな理由は、日本語学校の事業が社会課題を解決する、そのインパクトの大きさにあります。日本が直面する課題として最も大きな課題としては少子高齢化や生産年齢人口減少などが挙げられます。例えば、そうしたトレンドにある業界としては、介護やヘルスケア領域が有名ですが、日本産業推進機構としては、日本語学校もまたそうした課題に対応できる解決策のひとつだと考えております。また、仮に日本に永住されなかったとしても、海外の方に日本を知っていただき、日本のファンになっていただければ、日本との接点が広がり、結果として日本の国益に繋がることは間違いありません。足元の成長性や会社としてのプレゼンスも当然のことながら、社会課題の解決に繋がるという点にとても意義深いものを感じました。日本産業推進機構は会社としてESGに対する取り組みを重視しておりますので、日本語学校業界を我々が支援することによって、より大きな社会貢献にも繋がると思いました。

とはいえ、我々は数字や書類だけで判断するのでなく、100%、人を見て投資を決めています。もちろんお会いする前から、業界を調査し、改善内容を考えた上で、ご提案もさせていただくのですが、最終的にはお会いするオーナーが“信頼できる人かどうか”が重要な判断ポイントになります。つまるところ“自分たちと合うかどうか”です。弊社が掲げるモットーに「In Partnership with Management」というものがあります。我々は投資の専門家であって経営の専門家ではありませんので、資本参加後も箸の上げ下げまでに口を出すわけではありません。したがって、経営陣の方と信頼関係を結べるかというのが重要になってきます。そのため、必然的に人を見て最終判断を下すことになるのです。

荻野社長は株式会社日本産業推進機構に対して、どのような印象を持たれましたか。
荻野

我々は教育事業に取り組んでいるので、相手の誠実性が重要なポイントのひとつになります。大橋さんの第一印象としては、真剣に我々のことを考えてくれていることが伝わったので、一緒になるイメージが湧きやすかったのは確かです。とはいえ、当時を思い起こせば、「ファンド」という未知なものに対する不安もあったと思います。しかし実際に会っても、その人の話し方などでしか判断はできないので、あまり「ファンド」というイメージを意識せず、大橋さんの話をしっかりお聞きしていました。

 

大橋様は、実際に荻野社長に会ってみて、どのように感じましたか。
株式会社日本産業推進機構 マネージャー 大橋 俊介氏
大橋

“スマートな方”という印象を受けました。これまでにお会いしたことのある教育業界の方とは違う雰囲気を持っていると感じました。あくまで私見でございますが、一般に教育業界の創業者・家の方は、「教育」自体に情熱を持っており、結果として会社が大きく発展していたという印象の方が多かったのですが、荻野さんはあくまで、良い意味で経営者然としていました。持論ですが、教育に携わる人と経営に携わる人は必ずしも同じ人である必要はありません。荻野さんとお会いして、ISIの成長の秘訣が分かったような気がしました。

その後も、何度も面談させていただく中、経営のみならず、財務・法務・税務など、様々な観点から質問をさせていただいたが、回答がどれも的確でした。荻野さんは先代が会長として残っている中での社長だったので、本人がどれくらい会社をリードしているのかについては最初の段階では見えませんでした。しかし面談を重ねていく上で、過去10年における会社の成長を牽引してきた人だということが良く分かりました。そして非常に誠実に対応していただいたので、“一緒にやれる”と確認しました。

 

交渉が進む中、M&Aキャピタルパートナーズはどのようにお役にたてたのでしょうか。
大橋

間に入っていただいたことが大きかったですね。我々が投資をする上で確認しなければならない資料はたくさんあるので、それに対する適切なサポートをいただけました。ISIグローバルが、“素晴らしい会社である”ことは割と早い段階で分かっていたので、投資をしたい気持ちは強かったのですが、その一方で、新型コロナの影響によって学生が入ってこなかったという状況に直面。どのような状況になっても会社が存続できるような形で投資ができるのかどうか、投資に際するファイナンスストラクチャーをどうすべきかという判断が難しかったのですね。それによって、想定していたよりも時間がかかってしまったのですが、M&Aキャピタルパートナーズが間に入って、上手く取り持ってくれたからこそ、成立できたのだと思っています。M&Aキャピタルパートナーズがいなければ、どちらかがしびれを切らしていたかもしれません。

荻野

ファンドとのM&Aに関して、よく分からないままスタートしていたので、聞きたいことがたくさんありました。M&Aキャピタルパートナーズの担当者に、知りたいことを常に確認し、相談しながら進めていくことができたのは、大変心強かったですね。M&Aにおいてはやはり仲介者が必要で、そこがきちんと対応してくれなければ前には進まないということを実感しました。

 

お二人が理想とするM&A仲介の役割とはどのようなものでしょうか。
大橋 俊介氏と萩野 正昭氏
大橋

スキルセットとして、まずM&Aの知識は必要だと思います。受けた質問に対して適切に回答できなければなりませんが、それ以上に重要なのは、売主・買主から信頼されることです。ベースとなるスキルセットに加え、人間性が必要だと思います。

荻野

話を進める上で、仲介役は上手く立ち回る必要があり、そこに難しさがあると思います。そのためには双方からの信頼も含めて、経験や技量が必要でしょう。今回は時間もかかったし、新型コロナの影響で、事前に伝えていた事業の情報が崩れてしまう可能性もあって、まとめるのが難しいだろうと予測していましたが、その難局を乗り越え、上手く立ち回ってくれた、M&Aキャピタルパートナーズの担当者は評価に値します。

難しい局面でありながらも大橋様は、荻野社長の会社と一緒になる価値があると感じたのですよね。
大橋

結局のところ、会社または経営者に、惚れるかどうかだと思います。投資をして、上手くいくかどうかの絶対の確信を最初の段階で持つことはできません。当然、投資ですから金融的な計算、シナリオ策定、事業シミュレーションも重要ですが、それと同じくらい、投資した後、寝る前や朝起きたときにその会社のことを考えられるか、その会社を好きになって、ふとした瞬間にその会社のことを思えるかという気持ちも重要だと思います。そういった意味では、私自身、ISIグローバルという会社の事業はもちろん、荻野さんの人間性に惚れ込んだことが、今回のM&Aを進める原動力となったのは間違いありません。

 

価値観や外部環境の変化が大きい時代に、的確な“打ち手”を早めに判断

成約後、どのような変化があったのでしょうか。そして、その先の展望についてお聞かせください。
荻野

成約した昨年10月当初は、まだ学生が入国できない状況で、今年の3月にようやく解禁になりましたが、それまでに何度も「入国できる、いや、やはりできない」というやり取りがあり、なんだか詐欺師のようになってしまいましたが…。そこを乗り越えた今、ようやく日本産業推進機構とご一緒するきっかけになった、事業成長のため戦略を考え、我々が求めているマネジメント層の採用や、成長に向けた新規買収案件などを手がけさせてもらっています。

株式会社日本産業推進機構 マネージャー 大橋 俊介氏
大橋

結果的に学生も入ってくるようになり、人材も集まってきて、私から見た会社の状況も少しずつ変化があったように思えます。現在は、荻野さんのおっしゃるとおり、“成長”に向けて物事を動かしている段階です。今のところ良い流れで来ていると思っているので、この流れを止めないような手段を講じていきたいと思っています。

今後のISIグローバルを考えた時に、大きく2つの成長軸があると思っています。ひとつは日本語学校としての成長ですが、業界そのものがまだ成熟しきれていません。一つひとつの学校規模がどうしても小さく、先生からすると授業をしながら学生の募集をしなければならないという、ときには二足以上の草鞋を履いている学校や会社がたくさんあると伺っております。解決策として、やはり大規模化が必要だと思います。大規模化に伴い、職務の分業化が進みますので、授業をする先生、学生募集をする営業、経営管理をする本社と、各職員が専門領域を高め、結果として “効率化”に繋がると考えています。日本産業推進機構としては、ISIグローバルへの投資を通じて業界再編を進め、ISI自身が大きくなることもそうですし、働いている人にとってより働きやすい環境を作り、生徒の皆様がより満足できるサービスを提供できるようにしたいと思っています。

また、もうひとつの成長軸という意味では、ISIの成長ポテンシャルは、日本語学校に留まらないと考えております。外国人が日本に住もうと思えば、住居を探す必要がありますし、携帯電話も契約しないといけない、また、最終的には就職先を探すなど、実は学校外にたくさんの経済活動がございます。ISIが日本語学校の他に、そうした関連サービスを提供できるようになると、大変面白い展開になると思いますし、生徒・外国人にとって、さらなる価値提供ができると思います。その2軸で事業成長を描いていければと思います。

荻野

海外人材や日本のグローバル人材は、今後の日本にとって間違いなく必要になってきます。我々は日本語教育の専門ですが、将来的に日本に長く留まって活躍していただき、日本と海外を繋ぐ役割を担っていただける人材を育成するという使命を負っていると自覚しています。また、小さい学校が乱立している状況を我々がリードして、そこで働く人や学ぶ人がより良い環境で過ごせるようにする役割も担っています。海外からより良い人材を集めて社会に輩出するという役割も含めて、非常に重要でやりがいのある仕事です。これまで我々だけではなしえなかったことも、日本産業推進機構さんと一緒だったら実現することもあるかと思います。業界を変えていくというのは、大変な仕事ではありますが、楽しみな部分もありますね。

ありがとうございます。最後になりますが、実際に経験したからこそ感じられるM&Aの価値について、それぞれのお立場で所感を述べていただけますでしょうか。
大橋 俊介氏と萩野 正昭氏
荻野

事業を成長させるために講ずべき手段はいくつかありますが、その選択で悩んでいる経営者は多くいらっしゃると思います。今の時代、価値観や外部環境の変化が大きい中で、M&Aなどのオプションも含めて考えるべきだと思うので、私としては早めにM&Aも視野にいれた検討を進めるべきだと思います。そういう意味でも、今回の我々の事例を成功例として取り上げてもらえるとありがたいし、参考にして検討していただければとも思います。

大橋

日本国内でファンドの数も増えてきていて、多様性も広がっています。事業承継に特化したファンドも増えており、事業承継の受け皿として投資ファンドが果たす役割はさらに大きくなっております。我々がサポートできることの1つには、リスクマネーの提供があります。個人オーナーとして事業を運営すると、日本ではどうしても“個人保証”が必要ですので、成長のための投資に躊躇される場面があると思います。他方で、我々のような投資ファンドが株主として入り、資金を注入し、リスクを負ってリターンを得るという部分と経営を分けることによって、大胆な投資ができるようになります。それ以外にも、経営体制を補強するための人材紹介も可能です。我々が投資をするときには常に経営幹部の採用があるため、日本産業推進機構として、常に人材紹介会社を始めとした人材ネットワークをメンテナンスしておりますので、当該ネットワークを提供できるようになっています。したがって経営人材が不足しているという方に関しては、その価値提供もできると思っています。

一括りにファンドといっても、いろいろなファンドがあります。人・組織として文化の合う・合わないがあると思うので、いろいろなファンドと会って、自分の会社の雰囲気に合う相手先を選ぶことが重要です。そういう意味でもM&Aキャピタルパートナーズのような仲介会社を挟んでもらうと、よりよい出会いに繋がるのではないかと思っています。

(左から)大橋 俊介 様、萩野 正昭 様

(左から)大橋 俊介 様、荻野 正昭 様

文:伊藤 秋廣   写真:伊藤 元章  取材日:2022/8/18

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