M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#52

株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓 株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎
株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓 株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎
株式会社リーバン
代表取締役
大谷 訓

×

株式会社バディネット
代表取締役社長
堀 礼一郎

お互いの“想い”が重なり、
共に新しい通信建設の未来を切り拓くM&A

島根県出雲市に拠点を置き、中国エリア全域の通信土木工事を手掛けてきた株式会社リーバンが、さらなる発展成長のために手を組んだのが、IoT/5G 時代のインフラパートナーとして圧倒的な低コスト化を実現し IoT/5G 時代の通信建設を変える株式会社バディネットだ。両社はどのような経緯や背景からパートナーシップを築いていったのか。その橋渡し役として、なぜM&Aキャピタルパートナーズが選ばれたのか。譲渡側の株式会社リーバン代表取締役 大谷 訓様と譲受側の株式会社バディネットの代表取締役社長 堀 礼一郎様に、本件に関するこれまでの経緯と両社の将来像について伺った。

重要視するのは財務状況ではなく、社長の“想い”

まずは、譲受企業である株式会社バディネットの代表取締役社長の堀様より、同社の事業概要と今回のM&Aをご検討するに至った背景をお聞かせください。


株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎(以下、堀)
株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎(以下、堀)

当社は、業種のカテゴリーとしては電気通信工事業になりますが、それに留まらず多様な事業を展開しています。メインとなるのは大手通信キャリアを中心としながら、SIerやその他電気通信事業者に対して基地局および通信設備の工事や保守サービスを提供しています。また、それに伴うコールセンター事業や人材派遣事業、システム開発、関連機器のセールスにも従事しています。

通信建設工事業界を見渡すと、大手企業に下請けが連なる、いわゆる多重構造になっており、ゆえに工事費が高額となり、一般ユーザーが負担する通信費にも影響を及ぼしている現状があるのですが、我々は株式会社AKIBAホールディングス(東証スタンダード:6840)のグループに属しており、ハードウェアの会社やHPC、いわゆるAIのベースとなるマシンラーニングやIoTのサービスを上流から下流まで全てワンパッケージで提供できるという強みを持っています。

その強みを生かして当社が実現したいのは、IoTの社会、すなわち“すべてのものがつながる社会”です。すべてのものがつながれば、例えば足の不自由な方やご高齢の方、運転ができなくなった方や交通手段に恵まれない方の不自由さを少しでも減らし、様々な不自由を過去のものにできます。このように、すべてのものがつながる社会を作り、守っていくことが社会貢献になると信じているのです。

対象となるのは、“2035年に1兆デバイス”という、とてつもなく大きな市場です。現在は1人当たり1~2デバイスなので、それが100倍になった時に、それを支える機器や通信網を設置する建設コストが現状のままでは成立しません。だからこそ、今から徹底的にコストを下げなければ、不自由を過去のものにできない、我々が実現したい社会貢献ができなくなります。

 

私たちが安価に通信を活用し、便利な生活を送れる世界を実現するために、貴社はどのような戦略を用意しているのでしょうか。


株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎

デバイスが100倍になるというのは、機器類がどんどん小さく、高性能になるということです。テレビもブラウン管から薄型になり、携帯電話もどんどん小さくなっていて、且つ値段もかなり安価になっていますよね。テクノロジーの進化とは簡単に言えば、“小さく、安くなること”ですが、通信の世界でも同じことがいえます。

以前であれば何千万円もかかっていた鉄塔局が、ビルの上で数百万円、下手をしたら数十万円で同等、もしくはそれ以上の機能が成立するようになっています。つまり、どんどん高性能で安く、そして小さくなってきているわけで、今後100倍になるというのは、この小さなデバイスのセンサーが増えていくことを意味しています。

高速道路、地下鉄などを通信化するような大がかりで難しい工事や、特殊な技術が必要な工事などは、そもそも大手通信建設会社しかできませんし、その領域において我々では体制も資本力も含めまったくかないません。そのため、大手の通信建設しかできないものは、彼らにお任せして、それ以外の部分、つまり、これから広がっていくマーケットでは我々が一番になる、という戦略がまずベースにあります。

しかし、ただ安価であれば良いかというともちろんそうではありません。質の担保が必要です。そのためにグループの総合力を駆使して「×テクノロジー」で通信建設を変えていく必要があります。それが我々が標榜する「通信建設テック®」であり、これを推進していくのが、我々の存在意義だと考えています。

いつかロボットが工事や保守を実施するようになるかもしれません。しかし、そうであっても、この先数十年の間は、まだまだ人の力が必要になります。近い未来、プロのオペレーターが遠隔操作で現場をコントロールするという世界に移行していくでしょうから、ネットワークの重要性がさらに増していくでしょう。ですから、一緒にやっていくバディのように、手を組みながら事業を進めていくネットワークを、全国、いずれ全世界に作っていく必要があります。そしてそれが、「バディネット」という社名の由来のひとつになっています。

今後、この業界を変えていくためには、採用だけではなく、M&Aという新しいやり方で推進していくことも重要な選択肢の一つだと考えたことが、今回のM&Aの背景にあります。

 

堀様が考える、パートナー選びの条件はどのようなものでしょうか?


当然、会社の財務状況は、その後の価格設定において必要な情報ですが、それは当社の管理本部に信頼して任せておりますので、私はあまりそういうところを見てはいません。

もちろん、技術力がベースにはなりますが、何よりも重要なのが“想い”です。この業界を変えていきたい、新しいことを取り入れる変革、改革を恐れない、という社長の姿勢はもちろん、前向きな“想い”に対して、みんなが一丸となってついてきてくれるような組織であることが重要だと考えています。

しかしそういったある意味“会社の中身”まで知るのは、簡単なことではありません。だからこそ、M&AキャピタルパートナーズのようなM&A仲介会社の担当者にしっかりと各社ヒアリングをしてもらい、そこでしか得られない正確な情報をキャッチしてくれることが重要だと思っています。

M&Aキャピタルパートナーズにお声がけいただいた経緯を教えてください。


M&Aキャピタルパートナーズはとても有名な会社なので、まずは…という気持ちでお声がけをさせていただき、担当の安田さんと出会いました。銀行も含め、いくつものM&A仲介会社とお付き合いがある中、安田さんを選んだ理由の第一が、スピードの速さです。さらに熱量と共感力、この3つが揃っていたことで、一連の交渉段階において、我々の想いを正しく理解したうえで、譲渡側企業に分かりやすく伝えてくれるだろう、という期待がありました。
ですので、最終的には、M&Aキャピタルパートナーズという会社名で選んだのではなく、あくまで安田さん個人の能力と魅力で、選ばせていただきました。

堀様のご期待にお応えするよう、安田さんはどのようにアクションを起こしていこうと考えたのでしょうか。


弊社 安田直人
M&Aキャピタルパートナーズ 安田 直人 (以下、安田)

堀社長が思い描く企業の成長戦略やビジョンに強い共感もあり、私としてはバディネット様の成長の一端を担いたいという気持ちが大前提にありました。尊敬の念をもって打ち合わせをさせていただき、お相手とどのようにお話を進めていくかを一緒に考え、実行に移していきました。

一方で、堀社長やバディネット様の想いに共感をしていたとしても、お相手とのご縁は我々がコントロールしてどうこうするものではありません。先方が望んでいないのであれば、それは単なる押し売りになってしまいますし、そもそも望んでいないことを無理やり言いくるめてまとめるような仕事ではありません。M&Aは、あくまで経営戦略の一つの選択肢であり、共感しあえる相手とのご縁のきっかけをつくることができるかが重要なポイントだと考えております。

バディネット様のお考えを正確にお伝えするためには、やはり直接足を運び、お話をさせていただくしかないと考えております。

良いか悪いかは別として、現在、我々の業界ではダイレクトメールが数多く飛び交っており、多ければ1カ月に何十通も届くなか、まずは私とお会いしていただく機会をいただけるかどうかが大きなハードルであると感じておりました。当然、大谷社長にも大量のDMが来ているはずなので、直接お電話を差し上げたほうが良いだろうと考えました。その結果、本当にたまたま社長がご在社されているタイミングにお電話をかけることができ、事情を説明する機会に恵まれました。

 

M&Aをしようなどとはこれっぽっちも思ったことはなかった

ここからは譲渡企業の株式会社リーバンの代表取締役 大谷様にもご参加いただき、お話をお伺いできればと思います。まずは、会社の沿革と事業概要を教えてください。

 



株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓
株式会社リーバン  代表取締役  大谷 訓(以下、大谷)

前職を辞めたときに、知人から携帯電話のアンテナを立てる場所を探す仕事をやってみないかと誘われて、1カ月くらい色々と教わりながら交渉事に従事しました。私は車の営業職を経験していて、交渉事が得意だったのかもしれませんが、思った以上に成績が良く、やればやるだけ成果をあげることができると、やりがいを感じていました。

 まずは「10局分の土地を探して来てくれ」と言われ、それが完了したらまた、すぐに追加の依頼が入ります。他の人にも依頼をかけていても、なかなか前に進まないような事案が私に回ってくるようになりました。いくらでも仕事があると思い、地元の幼馴染2人に声をかけて、会社を立ち上げることにしました。そのうちの一人が経験者だったので、土木の仕事にも領域を拡大するなど、徐々に仕事を増やしていきました。ちょうどソフトバンクがビッグプロジェクトを展開し、ユーザーを拡大していたタイミングにうまく乗れたのだと思います。以降、順調に成長を遂げていきました。

安田さんとお会いになったきっかけはどのようなものだったのでしょう。


左から 株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓、弊社 安田直人
大谷

会社の業績は順調に伸びていましたし、正直言って、M&Aをしようなどとはこれっぽっちも思ったことはありませんでした。ただ業績が良かったせいで、「融資をさせてほしい」などといった、たくさんのDMがきていました。その中にはM&Aに関するDMもありましたが、私が住む出雲エリアではM&Aの話などほとんど聞かないので、まったく関係のない話だと思っていました。

安田さんからM&Aに関する提案の電話がきたときに、少しだけ興味を持ちましたが、すぐに“そんなことあるわけない”と思いました。ただ、わざわざ「東京から説明に来る」と言われ、断る理由もないので興味本位で会うことにしました。話を聞いているうちに、自分の会社の価値がどんなものか?を知りたいと思うようになりました。

初めて安田さんが訪問してこられた日、出雲に宿泊されるということだったので、夜は会食にお誘いしました。私自身、あまりしゃべるのが得意ではないので、飲んで勢いづけたほうが良いだろうと思いまして。そうやってコミュニケーションを深めていって分かったのは、安田さんが言っていることに嘘はないということ、彼の誠実な人柄と真摯な姿勢がよく理解できました。仕事の話だけではなく、私の家庭の話にも親身になって耳を傾けてくれる姿勢を目の当たりにして、非常に好感を持ったので、M&Aについてもう少し詳しく話を聞いてみようと思うようになりました。

それから何度かお会いして会話を交わすなか、ふと私の父親の話をしたのですね。父親は、国・公有林の管理監督を行う営林局で山の木の伐採などの仕事をしていたのですが、会社を立ち上げたときには、父はもう退職していたので、声をかけて色々と手伝ってもらっていました。そんな話を安田さんはとても熱心に聞いてくださいました。

安田

大谷社長とはもう20回ほど朝まで飲んでいますが、お父様のお話は非常に印象に残っています。特に印象に残っているエピソードは、ご実家に帰られたときには嬉しそうに大谷社長の仕事の話を聞かれていたお父様が亡くなられて、ご実家の作業小屋を整理しているとき、お父様が使用していた工具の中に、ご自分で『リーバン』とマジックで書いた工具がでてきたお話です。遠く離れていても、社員でなくても、大谷社長の会社の一員だと愛情を注がれていたのでしょう。だからこそ、リーバンという社名に対する想いが強いこともお伺いしておりました。

左から 株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓、株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎、弊社 安田直人

私もその話を聞いて感銘を受けました。大谷社長はお父様の愛情をものすごく感じたからこそ、我々と契約する前から、「名前を変えたくない」とおっしゃっていたのですね。世の中には色々なタイプの社長がいます。世のため人のために頑張るという方から、高級車に乗りたいという方まで、色々な思いを持つ社長がいるなか、大谷社長は会社に対して、並々ならぬ思いを持って経営されています。だからこそ、我々は社名を変えてほしいなどと全く思いもしませんでした。むしろお父様の思い入れがあったリーバンという会社のレベルを高めて、世の中に対してもっと価値ある会社へと成長させる。そんなお手伝いができないものか。そのために我々バディネットが、しっかりサポートしたり、伴走をしたいと強く思うようになりました。

安田

私は、大谷社長と堀社長に対して心より尊敬の念をいだいております。素晴らしい経営力や、人を引っ張るリーダーシップ、熱量、「変えていく」というビジョンをお持ちになられている……。尊敬するお二人のお話を、ずっと聞いていたので、何としても両者が気持ちよく、前向きに経営ができるよう、全力でサポートしたいと思いました。そこから気合、熱量が生まれてきたのだと思います。

当然ながら、大谷社長のお考えやお気持ちを第一に尊重したいという思いがございます。そのため、出雲に足しげく通い、「そもそも、こういう選択肢にはどのようなメリットがあるのか?」「どういった経済条件の話になるのか?」「どういうデメリットがあるのか?」まで、細かくご説明しました。やはり、理解を深めないままに無理矢理進めるべきものではありません。堀社長のご意向や温度感も含めて正しい情報を伝えていったつもりです。

左から 株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓、株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎
大谷

リーバンという会社を一から立ち上げて、さまざまな苦労を乗り越えて今があります。父との思い出もあるので、会社名は変えたくないし、当初は譲渡するつもりもありませんでした。しかし、安田さんの話を聞いていくうちに、会社名もそのままで、一緒に成長させたいという先方の意向が伝わってきたので、慎重にではありましたが、話を前に進めてもいいかと考えるようになりました。

そしてバディネットさんのホームページを私なりに調べさせてもらったのですが、東京と地方ではメインの基地局の形態が違うということがわかりました。東京は屋内の携帯電話の基地局が多いのですが、地方は電柱タイプや鉄塔タイプが主流。一般的には、通信業界に身を置く工事会社は、土木領域が弱いと思われていますが、私たちの会社はむしろメインでやってきました。通信の中の土木に力を入れてやってきたので、中国地方においては非常に多くのお客様からお引き合いをいただきました。ですので、工事対象が違い、なおかつ当社の得意な土木技術が生かせないとなると、東京のバディネットさんと一緒になることに対して、“本当にうちでいいのか?”と疑問がわいてきました。一緒になって、どのようなシナジー効果が生まれてくるのだろうと、不安を抱いていたのは確かです。

一方で、当社はMAXで8億円前後の売上がありますが、これ以上の規模に独力で拡大することは難しく、頭打ち状態だと感じていました。しかし安田さんからお話を聞いているうちに、バディネットと組むことで、もしかしたらもっと上にいけるのではないか、会社を成長させることができるのではないかと思い始めました。

私が大谷社長から聞いたお話では、やはり地方では2代目、3代目社長が圧倒的に多く、その人たちは“変革していかなくては”といった焦りが全くないとのことでした。維持することはもちろん大切ですが、そこに甘んじてしまっている人たちが非常に多いのでは?とも感じました。ところが大谷社長には「本当にこれでいいのだろうか?」「私は社長としてここまで成長してきたが、今後はそれほど甘くない。変えるべきところは変えるべきだろう」という思いが根底にあったそうです。ですから、そこを目指していくのであれば、バディネットが持っている武器と掛け合わせていくことでもっと深く、広く事業を展開できるのではないかという、そんな期待を持ってくださったようですね。

大谷

決して、長きにわたって経営が安定していたわけでなく、気を抜いたらすぐに下降するようなレベルで、これまでにどん底を味わったこともありました。やはり、そんな不安定な状態を社員のメンバーに味わせたくはありません。ですから堀社長の話を聞いて勇気をいただき、“もっとやってやろう”という気持ちが湧いてきました。

そして、M&Aキャピタルパートナーズの計らいでトップ面談の場に臨んだわけですが、お互いの第一印象はいかがでしたか。


大谷社長は一言で言うと、実直で誠実な方という印象。地方で儲かっている建設業界の人は比較的、派手なタイプの方も多く見受けられますが、それとはまったく違います。私も北海道出身なのでわかるのですが、やはり地方都市では世界が狭くなってしまいがちということ。悪い噂はすぐに広まります。そういった環境の中で、安心安全にインフラを守るためには、しっかりした方でないと任せることができません。地域に密着して信頼を得て、ここまでの規模で事業を展開する会社は、この業界にはほとんどありません。あったとしても地元の名士が代々、経営を続けている会社が多いように思えます。ところが大谷社長は一代で、しかも16年でここまで会社を成長させてきました。きっと何かしらの理由があるだろうという前提で面談に臨みました。

会ってみたら、この誠実さと、内に秘めた情熱、信念、熱い想いがあることがわかりました。この2つがかけ合わさることによって、会社を成長させてきたのだと納得。数字に対する合理性と、大谷社長の人柄がスッと私の中に入ってきました。とても謙虚な方で、常に「社員のおかげ」というワードを、さらっと本音で語られます。口だけでそれを言う社長も結構いますが、大谷社長の言葉は心から湧き出ていることがわかります。

大谷

私は社員を引っ張ってきたわけではありません。みんなが持ち上げてくれているだけです……。堀社長の第一印象は、“お若いのに夢やビジョンがはっきりしている方”というもの。私たちからしたら、本当に大きな夢物語のような話をされるわけですが、話を聞いていくうちに、それは本当に実現可能な話だということがわかり、堀社長は、実は現実的で有言実行タイプの方だと理解するようになりました。トップ面談のあとの会食で遅くまでご一緒いただき、すごい人で気さくな方だということもわかりました。

左から 株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓、株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎、弊社 安田直人
安田

面談後に、堀社長から「大谷社長はすごい」というお話を聞いていました。大谷社長はご自身でもせっかちとおっしゃるくらいでスピード感のある方なので、「次のステップでもある意向表明書を、本当に熱意をもって出していただけるのならば、当然、条件次第ではあるが、話を前に進めてもいいと思っている」とご面談直後におっしゃってくださいました。お二方がとても似ていて、意思決定が早くスピード感あったので、ご面談後にガチッとハマったような印象を受けました。



成約までしっかりと寄り添ってくれた

そして2022年11月にご成約となったわけですが、堀様からは、今後の展望についてお聞かせいただけますか。


左から 株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓、株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎

厳しい見方にはなりますが、通信建設業界の未来は決して明るいものではありません。格安プランの台頭でキャリアの収入が減っており、さらに5Gのマネタイズも遅れています。去年から今年にかけて厳しい業界環境が続いており、経営が苦しくなっている会社も現れています。ただその状況下において、私たちバディネットは人も増やしますし、広告も打ちますし、M&Aも積極的に進めていきます。なぜならピンチはチャンスなので、ここで一斉に集いたいと考えているからに他なりません。当社が増収増益を続けられて、現状を悲観していないのは、バディネットがいわゆる一般的な通信建設工事会社ではなく、グループ総出でさまざまな新しいことに挑戦できるからです。


大谷社長も非常に不安だったと思います。この直近2~3年に関しては、非常にネガティブな見込みをしていたかと思います。その先行きに対する不安が、今回のM&Aを考えるきっかけの一つになっていたのではないでしょうか。それは大谷社長だけではありません。他にも同じような思いを抱いている方は多くいらっしゃるかと思います。

今は、どちらかというと我慢の時期に当たりますが、その中で我々が持っている景気に左右されにくいビジネスモデルを生かし、新しい通信建設の突破口となるような事業を進めていきます。企画・戦略が強いバディネットと技術のプロであるリーバンの両社が融合することで、大谷社長にとっても明るい、さまざまな未来が見えてくると思います。今はお互いの融合シナジーに対する期待で、非常にワクワクしている状況です。

大谷

バディネットさんの仕事を当社が請け負うだけでは、ただの協力会社のひとつになってしまうので、中国地方を任せていただけるよう、当社からも色々なことを発信して、バディネットさんのやり方を教えてもらいながら頑張っていこうかと思っています。私一人がそう思うのではなく、うちの役員や社員の気持ちが変わってきているのも嬉しいですね。今までは本当に小さい職人だらけの会社だったのですが、組織体制を整えると、役職者が引っ張っていくようになり、さまざまな提案をしてくるようになりました。とても良い変化を感じています。

ディールが進む中、M&Aキャピタルパートナーズはどのようにお役にたてたのでしょうか。また仲介役の介在価値についてどのようにお考えですか。


左から 株式会社リーバン 代表取締役社長 大谷 訓、株式会社バディネット 代表取締役社長 堀 礼一郎

私が多くのM&A仲介会社の担当さんとお付き合いしている中で、漠然と思っていたM&Aアドバイザーの価値を、安田さんが言語化してくれたように感じています。譲受側の目線からいえば、交渉段階で我々が言いにくいことがあります。“売り手にとって非常に耳触りが悪いことを伝えるのに、M&Aアドバイザーさんが一番嫌な役回りである”というのが腑に落ちる言葉だなと感じています。なぜかというと、やはり会社同士、ましてや上場企業と中堅企業では、コンプライアンスやガバナンス、管理体制はまったくといっていいほど違います。やはりどうしても、上場企業である私たちに合わせていただかなければなりません。そういう時に直接、対面で話をすると、買い手が強く、売り手が弱いといった構図や雰囲気がなんとなく醸成されてしまい、“敵対的な買収”のようなイメージに陥りがちです。それでは上手くいく確率も非常に低くなってしまいます。

 しかしプロのM&A仲介会社が入ることによって、上場企業特有の事情や価値を理解してくれているうえで、先方にはプロとしてのアドバイスをしながら、しっかり理解をしていただくための、すり合わせてくださいます。直接言うとうまく伝わらずに、嫌な顔をされるようなことでも、優秀なM&Aアドバイザーが入ることによってそれを伝えるハブになってくれる、それが大きな価値だと理解しています。

大谷

譲渡側から聞きたいことやお願いしたいこと、直接言えないことがあるので、安田さんが間に入って、それを代わりに聞いていただけて本当に助かりました。仲介役なのでどちら側に対しても平等の立場にあるのだとは思いますが、私からしたら、当社の方にだいぶ寄り添ってもらったように感じています。

上場企業と中堅企業であれば、規模や資本力も含めて、どうしても強い者と弱い者になってしまいます。しっかりと弱い側の立場に立って取り仕切るというのは、私からすれば非常に正しいことと思います。そういった観点からしても、安田さんは素晴らしい人でした。



ありがとうございます。最後に、実際にM&Aを検討されている方々へメッセージをお願いいたします。


工事の業界は職人気質で旧態依然、さまざまな産業のDX化が進み、IT化されている中で、あまり変わってはいません。当然、変わらない良さや伝統もあるかもしれませんが、どちらかというと限界や色々な苦しみが見えています。しかし通信は、水道、電気、ガスに並ぶ4大インフラであるため、業界を根底から変えていくことによって、我々はもっともっと大きな価値を生めるようになるのは間違いありません。

バディネットは、ITの総合力で勝負していて、「通信建設テック®」を標榜し、通信建設をテクノロジーで変えていける強みがある、日本唯一の会社だという自負があります。皆さんが自分たちだけではできないと壁を感じていたら、まずは私たちと共に、価値を創るという選択肢を検討していただいても良いかと思います。ぜひ前向きに考えていただき、お話をさせていただければと思います。

大谷

M&Aの譲渡側企業にもいろいろなタイプがあると思いますが、我々は今回のM&Aの前まで、まったくその気がありませんでした。いろいろな手紙や電話があっても、これまでみたいに無視をしていたら、この素晴らしい出会いを逃していました。ですから、何かしらのきっかけから、一歩でも半歩でも踏み出してみるのが重要で、まずは少しだけ話を聞いてみようという気持ちで、そのきっかけをつかめたら良いですね。

安田

素敵なご縁が実現できて本当に良かったと思っています。バディネットさんとリーバンさんにとっての新しいスタートラインをご準備させていただき、素晴らしい瞬間に立ち会えたことは本当に嬉しく思っていますし、これから両社が成長していく中で、プロのサポートが必要になる場面がまたあると思っています。そこにもしっかり立ち会わせていただきながら、今後もずっとお付き合いをいただき、一緒にビジョンを追いかけて行けるパートナーになれるように頑張っていければと思います。これからもぜひよろしくお願いします。



(左から)弊社安田、大谷様、堀様

(左から)弊社安田、大谷様、堀様

文:伊藤 秋廣   写真:服部 健太郎  取材日:2023/1/14

ご納得いただくまで費用はいただきません。
まずはお気軽にご相談ください。

秘密厳守にてご対応いたします。

お電話でお問い合わせ
TEL.0120-810-000

まずはお気軽にご相談ください

※秘密厳守にてご対応いたします。

お電話でお問い合わせ 0120-810-000
WEBで無料相談

M&Aキャピタル
パートナーズが

選ばれる理由

私たちには、オーナー経営者様の
決心にこたえられる理由があります

納得の料金体系

着手金や月額報酬を
いただくことなく、
お相手企業と基本合意にいたるまで、無料で支援いたします。

安心の専任担当制

検討初期から成約まで
オーナー経営者様専任の
アドバイザーが
寄り添います。

信頼の東証プライム上場

東証プライム上場の信頼性と、独自のデータ基盤の活用により、ベストなマッチングをご提供。