それぞれの選択 #150 専門商社×専門商社

風間 冨田
風間 冨田

全社員の同意を得た上での決断。
後継者不在を解消して新たな成長の道を歩む

創業57年の研究機器の専門商社と、115年の歴史を持つ老舗機械商社。規模や得意分野が異なる両社を結びつけたのは、顧客に対して誠実に向き合うという共通の価値観だった。新日本産業の代表取締役 風間洋治氏は、全社員一人ひとりの同意を得たうえでM&Aを決断。株式会社トミタとの提携により、次世代に向けた新たな成長の道を切り拓く。その成約の舞台裏を、譲受企業である株式会社トミタ 代表取締役の冨田 稔氏とともに話を伺った。

  • 譲渡企業

    会社名
    新日本産業株式会社
    所在地
    東京都文京区
    事業内容
    研究開発機器の専門商社
    M&Aの検討理由
    後継者不在のため
  • 譲受企業

    会社名
    株式会社トミタ
    所在地
    東京都中央区
    事業内容
    工作機械・工具の専門商社
    M&Aの検討理由
    販路拡大のため

「未来のものづくり」を支える誇り。顧客との信頼で築いた専門商社の強み

はじめに新日本産業の事業内容を教えていただけますか。

風間
新日本産業株式会社 代表取締役 風間 洋治様(以下、敬称略)

私たち新日本産業は、研究機器や分析機器をメインに扱う専門商社です。主なお客様は、自動車や宇宙航空関連、そして防衛産業の研究開発部門になります。次世代の自動車やロケット開発など、未来のものづくりに必要な機器や設備を最先端の現場に提供する仕事です。

私の父が創業者でした。しかし、当初はこの会社に入って、一緒に働こうとか、跡を継ごうといった気持ちはありませんでした。私は建築関係の仕事をしており、あまり関係のない分野でした。ものづくりに携わりたいという思いがあり、特に大規模な仕事に対してチームで挑戦することへの憧れがあったためです。ところが2年ほど勤めた頃、父から「一緒にやらないか」と声をかけられました。父が病気をして体調を崩したために、将来を案じたのでしょう。体調面に不安があることは息子として知っていましたので、そんな父からの誘いを断ることはできませんでした。

入社前の印象、そして実際に働いたときの感想をお聞かせください。

風間

父がいつも忙しそうにしていたので、大変そうな仕事なのだろうという漠然とした印象はありました。一方で、自動車やロケットの開発といった未来のものづくりを支援できる仕事だと思うと、ワクワク感はありました。入社後は、お客様のもとを営業で訪ねること自体が楽しくて一生懸命取り組んでいたのです。昔からのお客様も多く、特に当社の持ち味である、お客様の要望に対するスピーディーで的確な対応を高く評価していただいていました。

当社の営業は、お客様の先端的で専門的な研究内容を理解しているわけではありません。それでも、スピードが求められる研究開発の方々を支えることはできます。そのために、必要な機器を必要とされるタイミングでお届けすることを心がけてきました。納期を守ること、そしてお客様とのコミュニケーションを密にすることが何より大切です。

お客様からの信頼があってこそですね。

風間
風間

一部のお客様は、年間を通じて指定した納期がどのくらい守られたかを「遵守率」という指標で集計しています。一定の水準を超えると感謝状をいただけるのですが、それは私たちにとって密かな誇りです。私たちなりの工夫は、お客様のもとへ足繫く通い、きめ細かな対応を重ねること、そして調整力を磨くことです。ご要望を無責任に引き受けてはなりません。スケジュール上どうしても無理な場合は、そのことを誠実にお伝えし、妥協点を探ります。そして合意した以上は、その納期を必ず守るのだと言い聞かせてきました。

顧客対応の品質を高めるうえでは、当社の営業担当をずっと固定してきた点も大きかったと思います。対話する際に、そのお客様の希望を熟知したベテランの仕事を、他の人が真似することは容易ではありません。経験を重ねるほどに信頼が積み上がってきたのは確かです。ただ、これは強みである反面、属人化している証拠でもあります。特定の営業担当者とお客様が強固に結びつくほど、もしもその担当者が退職すればビジネスが立ち行かなくなるのではないか、という不安は常にありました。

スタッフを増やしてビジネスを拡大することは考えなかったのでしょうか。

風間

もともと父は規模拡大を望んでいないようでした。どうも若い頃に人で苦労したなどという過去についても聞いていたため、手を広げるリスクを取るよりも、身内だけでしっかりやればいいのではないかと考えていたようです。一方で、私は採用強化を考えた時期もあります。

2011年、父のがんが分かったときにはもう手遅れの状態で、十分な引き継ぎがないまま他界してしまいました。私が社長となってからは無我夢中の日々でした。目の前の仕事に追われているうち、本腰を入れられずそのまま来てしまったように思います。そうしているうちに、いつの間にか私の考えも父の志向に近づいていったのかもしれません。やはり小さな組織は、1人の社員を雇い入れるだけでも大きな決断になります。その人だけでなく家族の人生を背負うわけですし、小さな船ほど景気の波の影響も受けやすい。常に右肩上がりというわけにはいきません。

50代社員が一斉退職する未来が見えたときに浮上したM&A

事業承継について、いつ頃から意識し始められましたか。

風間
風間

数年前から漠然と考え始めました。父から会社を受け継いだ私も50代後半になり、その次のことを意識せざるを得ません。社内には身内のベテラン社員が多いため、もし社員の中で後継者を定めたとしても、それほど若返るわけではありません。息子はいるものの、まだ20代半ばでまったく異なる分野の仕事をしています。当初は彼に継がせる案もありましたが、数年後に同じ問題が起こることは目に見えていました。それ以外のメンバーが軒並み50代、やがて60代になるので、私をはじめとして社員が一斉にリタイアする時がいずれ来るのではないか、という不安がありました。

これまで属人化した営業スタイルだっただけに、何名もの営業が同時にいなくなったら、当社のビジネスは成立しません。とはいえ、そのリスクに備えた組織づくりをわずか数年で進めるのは、あまりに負担が大きく、現実的ではないだろうという思いに至りました。かねてから息子には、自分が好きなことを見つけて働くのがよい人生だと伝えてきました。引退するまで何を生業とするかは、人生の重要なテーマです。私自身が、父に誘われて現在の仕事を生業としたわけですが、自分の手で見つけるのも人生だと思います。

M&Aの可能性については、どのように捉えていらっしゃいましたか。

風間

当初、M&Aという選択肢は考えていませんでした。ただ、周りにいる知り合いの中に、M&Aを選び自ら会社を譲渡した経営者が2名いました。初めてその話を聞いたときには、そのような決着方法があるのかと知り、驚いたものです。ただ、そのような事例は知っていても、自分とはかけ離れた世界のことだと思っていました。

だんだん私の悩みが深くなってきたとき、このうちのお一人と話をする機会があったので、相談に乗っていただいたのです。すると、その方が「一度どこかの会社に相談してみたらどうか」とアドバイスをくれました。自分だけで悩んでいても限界があるし、そもそも自分たちの会社にどんな選択肢があるのかを知るだけでも意味がある。それまで誰に相談すべきなのかさえ分かっていなかったので「そんな手段があるのか」と思いました。

どのような経緯でM&Aキャピタルパートナーズを選んでくださったのでしょうか。

風間

M&Aの案内に関する電話や手紙、メールは毎日のように届いていました。それまでまったく見向きもしていなかったのですが、相談したい気持ちにはなっていました。ただ、あまりに案内が多いので、どの会社が適切なのかが分かりません。「よし、次に来た手紙の会社とコンタクトを取ろう」と決めたところ、たまたま届いたのがM&Aキャピタルパートナーズからの案内でした。

それでメールで連絡を取り合って、お会いしたのが寺田さんです。こちらの知識レベルに合わせて、丁寧に説明をしてくれる姿が印象的でした。M&Aが成立するまでのステップや、どこから費用が発生するのかといった内容も説明していただきました。話を聞く中で違和感があれば中断しても構わない、いつでも引き返せると言ってもらえたことで安心感が芽生えたように思います。

風間
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 主任 寺田 啓(以下、寺田)

初めてお会いした時から、風間様は真面目で真摯な対応をしてくださる経営者様だと感じました。ご本人にも直接お伝えしたのですが、そうした分け隔てや裏表のない丁寧な姿勢を、誰に対しても貫いていらっしゃるところが素敵だと思います。

M&Aに関する知識があまりないことも率直にお話しくださいました。当時は、取り組むべきかどうかも分からないというご意向だったので、私からも「M&Aをしましょう」とは一切申し上げませんでした。特に初期段階では、新日本産業にとってM&Aが最適な選択肢なのか、私にも分からないというのが本音だからです。だからこそ、最適な選択肢はなにか、一緒に情報収集を進めてみませんかとご提案しました。

風間

寺田さんは見た目が実直な印象で、対応も丁寧なので好感を持ちました。もし過度にアグレッシブな姿勢だったら、私の警戒感が強くなっていたことでしょう。寺田さんの話し方が穏やかで、私のペースに合わせようとする姿勢があったからこそ、安心して話ができました。

企業価値を算定してもらった際も、自分なりに計算した感覚と似たところがあったのでだいたい想像通りだと感じました。これが高すぎず、低すぎることもなく、妥当な内容だったのも安心材料だったかと思います。

寺田・風間
寺田

ご自分の会社のことは、経営者様が一番よく理解していると思います。しかし、外部からどう見えるか、どこが評価されるのかという客観的な把握は難しいものです。風間様からは先ほど、営業のノウハウが属人化しているとのご指摘もありましたが、私たちの視点では少数精鋭を究極まで突き詰めたような組織に見えました。実際、従業員1名あたりの生産性は誰もが驚くレベルでした。多くの会社がパートナーとして名乗りをあげる可能性は高いと思っていました。

風間

おかげさまで、私の予想より多くの企業が興味を示してくださり、寺田さんからはそのリストをいただきました。その中で、早い段階からトミタより「ぜひお会いしたい」というメッセージが届いたのです。この頃は、まさか1年以内にすべてが決まるなどと想像もしておらず、2年、3年以上の時間がかかることも覚悟していました。それだけに、予想外に熱心なアプローチをいただけたことは嬉しく、まずはトミタとお会いしてみたいと私も思いました。

老舗企業が見せた熱意に「全社員の同意」という異例の決断で応える

トミタの会社概要およびM&Aの基本的な方針についてお聞かせください。

冨田
株式会社トミタ 代表取締役社長 冨田 稔様(以下、敬称略)

1911年に冨田商店として開業し、創業から115年を迎えます。工作機械や生産設備を扱う商社としてビジネスを続けてきました。昨今は、工場の自動化や省人化といったファクトリーオートメーションやDXなどに注力しています。FAロボットや自動化設備を活用した省人化提案を、メーカーと協働しながら日本国内に加えて北米やアジアなど世界各地で展開しています。

私たちにとってM&Aは、自社単独では開拓が難しい新規顧客や商材を獲得するための有効な手段です。製造業における後継者不在問題は深刻化しており、優れた技術や顧客基盤を持ちながらも事業承継に悩む企業は少なくありません。そうした企業と弊社が手を組むことで、双方にとって新たな成長の機会が生まれると考えています。

新日本産業のどのような点を特に高く評価されたのでしょうか。

冨田

新日本産業でまず目を引いたのは、顧客の質の高さです。自動車、航空宇宙、防衛産業といった日本を代表する企業の研究開発部門と長年取引されていることに、魅力を感じました。

弊社は製造現場との接点が多いものの、研究開発部門との取引はさほど多くありません。一方、新日本産業は研究機器・分析機器という専門領域で、まさにその研究開発部門に深く食い込んでいます。一部に同じ企業を顧客としていても、弊社とは異なる部門にアプローチしているという点で、明確なシナジーが見込めると直感しました。

優良顧客との長年の関係から、会社の財務体質は強固であり、また特殊熱電対といった自社オリジナル製品の製造もされているなど、魅力的な点が多く、風間さんにお会いしたいと強くお願いをしました。

風間
風間

お会いしたとき「この方ならお任せできるかもしれない」と感じる安心感がありました。冨田さんは物腰が柔らかく、話しやすい雰囲気をお持ちです。なおかつ、115年続く企業を率いる経営者としての風格や、確固たる経営哲学を持っていることにも惹きつけられました。

M&Aについても、規模拡大だけではなく、新しい顧客や商材を獲得し、お互いの強みを活かして成長していくビジョンを教えていただきました。新日本産業の従業員のことも気にかけてくださり、「全員が安心して働き続けられる環境を作りたい」との言葉は何よりも心強かったです。

冨田

誠実で真面目な方という第一印象を受けました。こちらの質問にも、包み隠さず率直にお答えいただけましたし、会社の課題についても正直にお話しくださいました。従業員への情が深く、「60歳を過ぎて、自分の後ろに誰もいないという状況は避けたい。従業員が安心して働き続けられる体制を整えたい」という言葉からは、経営者としての強い責任感が伝わってきたのです。こうした誠実さと責任感は、長年お客様との信頼関係を築いてこられた源泉なのだと理解できました。

寺田

2回目は会食の場で、趣味や車の話などで会話が弾み、第三者の私から見ても終始和やかで、M&Aの独特の緊張感というよりリラックスした雰囲気が感じられました。

主にデューデリジェンス(企業監査)を担当した中村さんは、新日本産業や風間様に対してどのような印象をお持ちでしたか。

中村
株式会社トミタ 取締役総務部長 中村 龍二様(以下、敬称略)

当初は規模の大きさに戸惑いました。過去にM&Aで譲り受けたケースと比較すると、新日本産業は売上規模で20倍近くあります。上場企業においては、連結決算対象とされる規模ですので、求められる資料の質と量がこれまでとは全く異なりました。決算期の統一や月次決算体制の整備、連結決算に必要な各種資料の準備など、相当な作業が必要だったのです。弊社としても初めて経験する規模のデューデリジェンスでしたので、正直なところプレッシャーを感じていました。

ただ、実際に進めてみると、新日本産業の皆様の対応に本当に助けられました。風間社長をはじめ、経理の方々も非常に協力的で、こちらの資料依頼に対して迅速かつ正確に対応してくださったのが印象に残っています。M&Aキャピタルパートナーズの寺田さんにも、上場企業基準での必要資料について的確なアドバイスをいただき、スムーズに進行できました。

風間社長は、経営者として誠実で、責任感の強い方です。デューデリジェンスは、厳しい審査プロセスという一面もありますが、ごまかしたり、取り繕ったりすることなく、ありのままの姿を見せてくださいました。この姿勢があったからこそ、信頼関係を築きながら前進させることができたと思います。

新日本産業の社員の方々には、いつどのように説明したのでしょうか。

風間

今回は、トミタから意向表明書をいただく前の段階で、社員全員からの同意書を集めるプロセスを取りました。通常のM&Aでは成約するまで秘密にしておくケースが多いと聞いていますが、私はそのやり方では納得できませんでした。規模の小さい当社では、社員一人ひとりが会社の大切な財産です。彼らの理解と納得がなければ、M&Aは成功しないと考え、話が具体的に進み始めた段階で、全員に対して丁寧に説明することを決めました。

「なぜM&Aを検討するに至ったのか」「後継者問題やメンバーの高齢化といった現状の課題」「トミタと一緒になることで広がる可能性」などについて、包み隠さずお話ししました。従業員が60歳になったとき、経営者の背後にはもう誰もいないという状況を想像してほしい、と強調して伝えました。今の私がまさにその状況にあり、それがどれほど不安なことか、実感を込めたつもりです。

すぐに納得してくれた者も、難色を示した者も、最初の反応はさまざまでした。しかし、二度三度と個別に面談し、疑問や不安に答えることで、最終的には全員から書面での同意をもらうことができました。もし誰か一人でも反対があれば、このM&Aは進めない覚悟で臨みましたので、全員が理解を示してくれ「社長の判断を信じます」と言ってくれたことには、本当に感謝しています。

寺田
寺田

風間様が社員への事前説明を大切にされた点は、今回のご縁組みでの特筆すべき点だと思います。通常は情報管理の観点から、できるだけ直前まで社員への開示を控えるケースが大半です。そのため、デューデリジェンス開始前に全社員へ説明し、同意を得ようとすることは破談の相当なリスクが伴うことを風間社長にはお伝えしました。また、冨田社長にもこの進め方についてご理解をいただく必要がありました。

冨田

今回のM&Aにおいて、新日本産業の優秀な人材は最大の魅力でしたので、社員の皆さんから同意を得ることは必要不可欠だと考えていました。この同意書を事前にそろえるという風間さんの強固な意志と並々ならぬ覚悟には、感激したことを覚えています。

その後、私と何名かで新日本産業を訪問し、社員の皆さんに自己紹介をさせていただきました。「一緒に成長していきたい」という思いを直接お伝えしました。M&Aはゴールではなくスタートです。これから協力し合いながら、両社の強みを活かして事業を拡大していきたいという考えに偽りはありません。

M&Aキャピタルパートナーズのサポートについて、評価をお聞かせください。

寺田・風間・冨田・中村
風間

常にレスポンスが早く、不安や疑問がすぐに解消されるように真摯に対応いただいたおかげで、ストレスなくM&Aを進められました。寺田さんは本当に熱心で勤勉な方で、物腰柔らかく、対話型の姿勢で接してくださったので好感が持てました。人との相性を重視した進行の仕方は私の希望通りでした。

中村

デューデリジェンスからクロージングまで、非常にスムーズに進行できました。その最大の理由は、寺田さんが譲渡側・譲受側双方に対してフェアな姿勢を貫いてくださったことです。また、M&Aキャピタルパートナーズが提携している公認会計士や司法書士といった専門家のネットワークも活用できたことで、デューデリジェンスの複雑な実務も円滑に進められました。想像以上に手厚いサポートをいただいたというのが率直な感想です。

冨田

M&A仲介会社が増加する中、M&Aキャピタルパートナーズは信頼性の高さで際立っていると感じています。成約させることだけが目的になっている会社や、都合の良いことばかりを並べて関心を引こうとする会社も残念なことに一定数、存在します。その点、M&Aキャピタルパートナーズは、誠実に業務を遂行してくださる印象が深まりました。

寺田

お褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。今回のM&Aがスムーズに進んだ最大の要因は、両社の相性の良さにあったと確信しています。風間様のお人柄や従業員を第一に考える経営姿勢と、トミタの新しい仲間を迎え入れる温かい企業文化とがマッチしました。

冨田様には明確なビジョンがあり、中村様は丁寧かつ粘り強く実務面で対応してくださいました。だからこそ、2~3年という想定期間を短縮し、わずか10か月で成約に至ったのだと捉えています。私たちの役割は、こうした素晴らしい出会いをつなぎ、双方が納得いく形に導くサポートをすることに他なりません。

両社が描く研究開発市場への営業シナジーと成長への道筋

成約後の変化や、今後の展望についてお聞かせください。

風間

偶然ですが、成約日が亡き父の誕生日と重なったのです。何か縁というか、運命的なものを感じずにはいられませんでした。とはいえ、ほっとした気持ちはあまりなく、身の引き締まる思いのほうが強いです。これから取り組むべき課題は山積していますが、前向きに取り組んでいきたいと考えています。

冨田
冨田

営業の協業によって、予想している以上のシナジーが生まれるのではと期待しています。新日本産業の持つ信頼関係やネットワークは、当社にとって大きな強みとなります。当社の営業にとっても良い刺激となり、相互に学び合える関係になるでしょう。社員からも前向きな反応が返ってきており、新たなチャンスが生まれる期待感が高まっていることも感じています。

風間

新しい組織体制のスタートということで、社員一同、気持ちを引き締めて取り組んでいます。経理業務をはじめ、従来とは異なるやり方への移行期で社内は多少慌ただしくなっていますが、これから良くなっていくという期待感を持って対応しています。

中村

連結決算対象となる規模ですので、決算の方法や必要な業務について丁寧に説明させていただいています。風間社長をはじめ、新日本産業の皆様には全面的にご協力いただいており、本当に感謝しています。

今後、採用活動を強化していく上では、就業規則や各種規定の整備も段階的な進行が必要です。当初から大きな変更を求めるのではなく、社員が喜んで働ける環境を整えながら、営業活動に支障をきたさないよう、成長の基盤を風間社長と協力して構築していきたいと考えています。

連結決算の観点から、決算月を揃えていただく必要がありました。短期間に二度も決算を行うのは負担だと思いますが、必要な対応は確実に進めていただく必要もあります。とはいえ、営業活動の足を引っ張らないよう配慮したいと思っています。

風間

これまでの小規模な会社経営と違うのは当然です。さまざまなことを教えていただきながら一緒に進めていきたいと覚悟の上で取り組んでいますので、合わせるべきところはしっかりと対応していくつもりです。

今後のM&A戦略と、M&Aを検討している経営者へのメッセージをお願いします。

冨田

今後も、弊社の経験や人脈といった強みを活かせる相乗効果の高い企業を探し、グループに迎え入れたいと考えています。製造業界では後継者不足に悩む企業が本当に多くあります。そうした企業と一緒になって可能性を広げていける機会があれば、積極的に検討すべきだと思います。

風間

将来の選択肢の一つとして、自社の現状を客観的に把握しておくことは非常に重要だと実感しました。当社は良いタイミングで良いご縁に恵まれましたが、もちろんはじめは迷いもありました。しかし、相談して本当に良かったと思っています。外部から自社がどのように評価されるのか、そもそも私たちの会社がM&Aの対象になり得るのかといったことすら分かりませんでした。現状を知り、将来の選択肢を増やしておくという意味で、早めに情報収集を始めることが大切だと思います。

中村

M&Aキャピタルパートナーズは、違和感のないよう双方にとって可能な限り明確で中立に進めようという姿勢を持っています。そのため、安心して様々な相談ができます。提案内容が妥当かどうか、自ら判断する必要はありますが、こうした誠実なスタンスを持つ会社と進めれば、不安は大きく軽減されると思います。

寺田

然るべきタイミングで適切な判断ができるよう、早い段階から情報収集を行うことに損はありません。今後も経営者様に必要な情報を届ける活動を、積極的に行っていきたいと考えています。

そして、大切なのは両社のタイミングです。それぞれが違和感のない形で進めなくては、後々問題が顕在化するケースもあります。M&Aの結果、満足できるかはその場では分かりません。しかし、少なくとも納得できる形に導くことが非常に重要だと考えています。今回は、そのような納得感のあるところまで、お手伝いできたことを嬉しく思っています。

寺田・風間・冨田・中村

文:蒲原 雄介 写真:一ノ谷 信行 取材日:2026年1月20日

担当者プロフィール

  • 企業情報部 主任 寺田 啓

    企業情報部主任寺田 啓

    大学卒業後、野村證券にて、法人・オーナー様のウェルスマネジメントや、M&Aを含む事業承継などの総合金融コンサルティング業務に従事。当社入社後は、建設、商社、ITなど幅広い業界にてM&A支援を手掛ける。

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