M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#65

地方の企業にさらなる発展の可能性を与えてくれたM&A

譲渡法人

株式会社ピージーシステム

山口県宇部市に本社をおき、山口および広島エリアを中心に、企業や官公庁ほか幅広い業種の情報処理システムの開発を手がける株式会社ピージーシステム。顧客からの圧倒的信頼をベースに、着実に会社を成長に導いてきた郷田宏代表取締役会長は、なぜM&Aを考えるようになったのか。決断に至るまでの経緯をうかがった。

地方都市にある会社の限界を感じながらも着実に成長を遂げてきた

まずは郷田様が、株式会社ピージーシステムを創業された経緯からお話しいただけますでしょうか。
株式会社ピージーシステム 会長 郷田
株式会社ピージーシステム 代表取締役会長 郷田宏様(以下、郷田)

社会人になってはじめて従事したのは、大手通信会社が進めていた国際データ通信プロジェクトです。出身地である山口県から上京して3年間、エンジニアとして、最先端システム開発の一翼を担いました。プロジェクト完了後、地元に帰っても私の技術を活かせる仕事が見つからなかったため、福岡県の大手コンピュータ会社の系列の販売会社に勤務することにしました。その会社は、中小企業を対象としたコンピュータシステムの販売を主たる業務にしていましたが、私はそのシステムをお客様が使えるようにするまでに必要な業務を一括で請け負う、いわばフロントエンジニア業務に従事することになりました。
当時は、急激に事務作業の自動化が進み、地方の企業も含めて多くの企業がコンピュータシステムを導入しようとしていた時代でした。コンピュータの知識のみならず、多種多様な案件を請けるため、それぞれの業務内容を把握し、それぞれに適した形でシステムを作る必要がありました。地方は、製造業と流通業が多く、当時はクラウドもありませんでした。オフィスコンピュータや大型の汎用機を導入し、独自のシステムを業務に合わせて作っていきました。今とは違って、まだまだお客様のIT知識が乏しかったがため、どんなものが作りたいのか、言語化が難しい時代でした。そのため、顧客と良好な関係を構築しながら、相手の要望を正確に聞き出す人間力が必要とされていました。
一方で、技術が発達途上にあったため、お客様は、我々エンジニアに対するリスペクトがあり丁寧に意見を交わしながら業務を進めていきました。私たちエンジニアとお客様との関係性が、非常に強固のものになっていったのもこの時代の特徴といえます。
自分で言うのもお恥ずかしいのですが、私は仕事ができるほうで「30歳になったら管理職を任せる」と言ってもらうなど会社やお客様からの信頼が厚かったと感じています。ただ、上司である支店長と折り合いが悪かったのがネックでした。支店長は利益優先の営業畑一筋、私たち開発者とはそもそもの考えが合わず退職を決意しました。35歳の時でした。
会社を辞めて、3カ月ぐらいは“旅行でもしながら遊んで暮らそう”と考えていたのですが、1カ月もすると働きたくなります。根っからの仕事好きなのでしょう。何かをはじめようと考えていたタイミングで、職業安定所経由で、地元の小さなコピー会社から連絡が入りました。コピーだけでは将来が不安なので、「新たにデジタル関連のビジネスを立ち上げたい。ついては協力してくれないだろうか」というオファーでした。その領域であれば、自分の力が活かせるだろうと期待を持って入社しました。
給与条件だけを考えれば、首都圏の会社へ転職したほうが条件が良いことはわかっていました。しかし、30歳で子どもが生まれて家も建てたので、地元の山口県で頑張りたいという思いが強かったのです。ただ、前職の時から付き合いのあった、頼りになる後輩も引き入れて、事業を拡大しようと頑張っても、一向に経営状況は改善されませんでした。やがて経営者の姿勢に疑問を持つようになり、自分自身で会社を経営し挑戦していきたいという思いが強くなりました。40歳の時に起業をすることにしました。それがピージーシステムのスタートです。

起業後、会社経営は順調に推移したのでしょうか。
郷田
郷田

前職で一緒に仕事をしていた後輩を含め、3人で会社を立ち上げました。これまでの経験の中でお付き合いのあった会社も協力してくださり、私たちの新しい会社と契約を結んでくださりました。受け入れてくれた企業の多くは上場企業で、私のことを信頼してくださった管理職の方々が社内調整をしてくださったのですから、その思いを裏切るわけにはいかないと、受けた仕事はきっちり遂行しました。また、元々、大手システム会社の系列で働いていたこともあり、同期だった人間が管理職になっていたのも会社の経営には大きかったですね。
さらに同業者の中には、「郷田さんに惚れて来た」と私を慕って集まってくる方々もいて、会社を立ち上げた1年後には、社員数が20人ほどの規模になっていました。エンジニア派遣事業なので、優秀なエンジニアが集まって、人数が増えていけばいくほど、事業が拡大していきます。滑り出しが順調だったこともあり、一時は“上場を目指そうか”とも考えたこともありました。しかしリーマンショックを経験したり、私の勢いに社員がついてきていないと思ったり悩む時期もありました。このような経験から地方都市にある会社の限界を感じ、急激に伸ばしていくより着実に歩んでいこうと方針を変え、安定経営を続けていきました。最終的には100人規模の会社にまで成長させることができました。

相手の立場にたって、誠実に提案してくれる担当者との出会い

郷田様がリードし、着実に成長させてきた会社です。どのようなきっかけからM&Aを意識するようになったのでしょう。
郷田

当初は社内で育成し、優秀な人材を後継者に指名したいと考えていました。一般的には、親族への継承も考えるのでしょうが、私には“親族に会社を継承してはいけない”という考えがありました。これまでに中小企業のお客様を沢山見てきましたが、2代目~3代目になって倒産してしまうという会社をたくさん見てきましたし、私には“社員が成長できる会社にする”という責任があるので、そのために最適な選択をしたいという気持ちがありました。
また、私自身、70歳で引退したいという思いがありました。実は一緒に起業した3人のメンバーのうちの1人が当時、70歳で、前職の顧問で、議員だったこともあり、人脈のある方でした。ただ、彼の姿を見ていて、年齢を重ねていくと徐々に、自分中心に物事を考えるようになってしまう“ということを感じていました。個人差はあるとは思いますが、自分中心ではなく若い人の成長できる環境を整えたいと、70歳を節目に引退したいと考えていました。

郷田

65歳になった時、会社を一緒に立ち上げた後輩に承継できればと思っていたのですが、中小企業は無限責任であり、彼自身も「自分は、社長の器ではない。No2だからついてこられた」といっていました。途中から入ってきた後輩たちも、「郷田さんがやめる時に自分もやめる」と言ってくれました。やはり一番の気がかりは社員です。“社員が成長できる会社にする”と誓った以上、それが確実にできる手段を選び、確信が持てるまで見届ける必要がありました。70歳までに道筋をつけなくてはならない…時間の猶予はそれほどありませんでした。
その頃から、M&Aも選択肢のひとつとして考えるようになっていました。しかし、私の知識が不足していたこともあり、“M&Aで大丈夫か?”“会社を乗っ取られてしまうのではないか?”といったネガティブなイメージも持ち合わせていました。
実は、M&Aキャピタルパートナーズの担当者とお会いする前に、別の仲介会社の担当者と会ったことがありました。話を聞いたのですが、なかなかイメージができませんでした。その担当者が途中で辞めてしまい話が宙ぶらりんになっていたのも、イメージ悪化の要因のひとつだったのかもしれません。ところが、M&Aキャピタルパートナーズの担当者と話しているうちにイメージが変わり、“M&Aが最適な方法なのかもしれない”と思うようになっていました。それは、私たちの会社の未来を考えてM&Aで譲り受けをしてくれる会社があるという説明を受けたことが大きかったです。私は自分の会社を高い金額で譲り渡すことに興味はなく、会社と社員が先々成長できる環境にできるのかどうかという点を重視していました。M&Aキャピタルパートナーズの担当者の説明を通じて、“それが実現できるのではないか”と思うようになったのです。
担当者である石川さんの印象も非常に良かったですね。彼は熱い人間で、相手の立場にたってものを考えて、誠実に提案してくれる方です。普通の営業マンは、自分の成績をあげるために、自分本位で話す人が多いイメージがありますが、石川さんはそのような態度が一切ありませんでした。この人であれば“任せてもいいな”と直感的に思い、石川さんに相談しながら進めようと決めました。

新社長のビジョンに、社員たちも目を輝かせている

お相手選びの決め手になったのは、どのような条件だったのでしょうか。
郷田
郷田

石川さんから、最初に5社をご紹介いただき、そのすべての会社の社長と会ってみようと思いました。大事な従業員のことを考えるとため、会ってみないと判断はできないと感じました。また少しでも気がかりなことがあれば、断っても良いだろうと考えていました。結果的には、この5社のなかの1社、株式会社コアコンセプト・テクノロジーとご一緒することとなったのですが、最初にご紹介いただいた5社からご一緒する会社を決めることができたのは、石川さんが私の思いや考えに合う会社をご紹介くださったたからだと思います。
株式会社コアコンセプト・テクノロジーの社長は、先を見据えた戦略をうたれており、非常に頭の良い方だと感じました。これからどんどん会社も大きくなるだろうという予感もありましたし、私たちの会社も一緒に成長できるパートナーだと感じました。私が70歳になるまで在籍したいという条件も承諾いただき、とんとん拍子で話が進んでいきました。
相手が上場企業のため、デューデリジェンスや会計報告に苦慮しましたが、先月、業務提携が進んで落ち着いてきました。この間も石川さんに寄り添っていただき、助けられました。コアコンセプト・テクノロジーと一緒になった後は、ピージーシステムに発注される仕事も大きくなりましたし、社長が掲げるビジョンもしっかり伝えてくれるので、ピージーシステムの社員も目を輝かせています。やはり大きな仕事は東京に集まると考えています。コアコンセプト・テクノロジーと手を組むことで東京の大きな仕事にも携われますし、そのような仕事に従事すると、ときめきますよ。今は、リモートで仕事を進めることができるので、山口県にいながら大きなやりがいを得ることができ、社員の成長にもつながっていると実感しています。

M&Aキャピタルパートナーズへのご評価をいただけますか。
郷田

成約までは、細かな書類の用意などすべてのフローにおいてサポートしてくださりました。私自身は終始、“M&Aを進めるのだ”という意思に揺るぎはなかったのですが、実務面では石川さんに、「こんなに面倒なことはやっていられない」と愚痴を言ってしまうこともありました。公認会計士の確認も厳しく、私たちのような規模の会社では困難な手続きもありましたが、石川さんに伴走していただき、助けていただいたおかげで滞りなく進めることができました。本当に感謝しています。

ありがとうございます。最後にM&Aを検討しているオーナーに向けてひと言メッセージをお願いいたします。
郷田

M&Aについて、いまだに“乗っ取られる”という悪いイメージを持っている方もいるかもしれませんが、譲渡側も譲受側も一緒に成長できる、シナジー効果が生まれるという事実を念頭に置くべきだと思います。どの相手と組むべきかは、会って話をしてみてから判断すれば良いと思います。大切な会社を託す相手だからこそ、それはなおさらのことです。M&Aによって、私たちのような地方の会社も活躍できるキッカケになるかもしれませんし、今回のお相手の代表は40代で、この先のさらなる発展が期待できます。大きな話をすれば、日本の経済を復興するためにも中小企業の再編は重要だと考えています。M&Aの仲介をする会社として、これからもM&Aキャピタルパートナーズはより多くの企業の支援を続けていってほしいと思います。

郷田 宏様

郷田 宏 様

文:伊藤 秋廣 写真:服部 健太郎  取材日:2023/7/27

担当者プロフィール

  • 企業情報部 課長 石川 航

    企業情報部課長石川 航

    大手証券会社にて、上場・未上場企業オーナーの資産運用及びIPO支援・M&A支援に従事。
    2019年から当社に参画し、現在IT業界を中心に数々のM&A成約実績を誇る。
    IT業界M&Aプロフェッショナルチームメンバー

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