鉱業
業界別M&A動向

鉱業業界のM&A動向

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業界の定義

鉱業とは、鉱物などの地下および地表資源の鉱脈や鉱石を試掘・採掘及びこれに附属する選鉱・製錬を行う事業のことを指す。鉱業は、鉱業権、租鉱権、鉱区、鉱業に伴う土地の使用・収用、鉱害賠償などにつき規定した鉱業法という法律のもと、登録を受けた鉱物に対して試掘・採掘を行う。日本標準産業分類の大分類においては、「鉱業、採石業、砂利採取業」に分類され、それぞれ鉱業法、採石法、砂利採取法が適用される。


業界の特色

鉱業業界イメージ画像

鉱業の工程として、まず探鉱が行われる。探鉱とは、鉱床を探し出し鉱脈の位置と範囲や鉱物の埋蔵量、鉱石の品位などを調査する事業である。その次に、鉱物などの地下および地表資源の鉱脈や鉱石を試掘・採掘し、採掘した鉱石を有用鉱物と不用鉱物とに分離する選鉱を行う。最終工程では、鉱石から金属を取り出す製錬が行われるが、選鉱時に高純度な鉱物を取得することができた場合は、製錬を行わないケースもある。

鉱業法の適用を受ける鉱物の種類は41種類あり、大きく「金属鉱物」「エネルギー系鉱物」「非金属系鉱物」の3つに分けることができる。「金属鉱物」と呼ばれるものには、金鉱や銀鉱、銅鉱、鉄などがあげられる。「エネルギー系鉱物」には、ウランや石炭、オイルシェールがある。「非金属系鉱物」では岩塩、炭酸カリウムなどが採取される。鉱業では農業・林業で生産できない材料や、化学工場で合成できない材料を一般に採掘する。

鉱業業界は世界情勢や景気、国内外の政策などの影響を受けやすいことが大きな特色であり、資源の輸出禁止や課税制度の改正は特に影響が大きい。また資源保有国の情勢によっては、資源そのものの安定確保が難しくなることもあり、これらは鉱業業界において避けることのできない不安要素として存在する。


市場の規模

鉱業業界の2019年度の市場規模(業界大手6社の売上の合計)は約1兆3,542億円であった。中でも国際石油開発帝石は7,710億円と市場シェアの大部分を占めており、2番手以降を大きく離している。企業別に売上を比較すると、国際石油開発帝石株式会社が7,710億円、石油資源開発株式会社が3,188億円、日鉄鉱業株式会社が1,175億円、三井松島ホールディングス株式会社が665億円、K&Oエナジーグループ株式会社が651億円、住石ホールディングス株式会社が153億円となっている。

鉱業業界は戦時中は軍需用のため栄えたが、戦時中の不合理な増産の強行によって、抜掘り、乱掘等で終戦後には老朽設備と経済性のない低品位鉱山のみが残されてしまった。このことから金属資源の抽出を目的とした鉱山は現在4ヶ所(菱刈、赤石、春日、岩戸)のみである。

一方、非金属系の国内稼働鉱山は1,000箇所以上稼働している。非金属系の鉱物の多くは我々の生活にとって必要不可欠なものであり、一定規模の生産が必須である。しかし、バブル経済以降は円高不況、デフレ、公共事業縮小により市場規模は縮小の一途を辿っている。



課題と展望

鉱業業界は、世界情勢や景気、国内外の政策などの影響を受けやすいなど、外部的要因による経営面の不安定さが課題である。エアコンやIHクッキングヒーター、給湯器、冷蔵庫、自動車など身の回りの多くの製品で鉱物が使用されているため、一般消費者にまで影響が及びかねない。

特に近年は社会情勢も変化が激しく、世界情勢による影響や打撃を軽減して、安定した経営システムの構築が鉱業業界には必要とされている。主な対策として鉱業事業者は官庁と協力し、海外資源確保の推進やリサイクルの推進、省資源化、代替材料開発、レアメタル備蓄、海洋資源開発などを進めており、今後の鉱業業界に注目が集まっている。



鉱業業界のM&A動向

鉱業業界では、鉱物資源確保のためのM&Aや、経営合理化のため同事業間でのM&A、または選鉱・製錬の各工程に用いられる特許技術の取得やノウハウ取得による業務効率化を狙ったM&Aが行われている。また、非金属鉱山の大部分は中小企業により稼働していることが多く、資金力不足や技術力不足、後継者不足といった問題も抱えていることがあるため、M&Aを活用することで問題解決を図るケースもある。

2017年、日鉄鉱業株式会社はアルケロス鉱山株式会社の株式を一部追加取得をして特定子会社化した。チリ共和国にあるアルケロス鉱山株式会社は、「アルケロス鉱区」を保有しており、日鉄鉱業株式会社は2016年から探鉱作業を進めて銅鉱床を確認していた。日鉄鉱業株式会社はアルケロス鉱山を開発し、新たな資源の獲得を期待してM&Aを行った。

2013年、日鉄鉱業株式会社は、石灰石の採掘・販売を手がける住金鉱業株式会社を親会社の旧新日鉄住金株式会社から取得しM&Aを行った。日鉄鉱業株式会社も住金鉱業株式会社と同様に石灰石事業を展開しており、このM&Aで事業基盤の強化を図った。

2008年、国際石油開発帝石ホールディングス株式会社と国際石油開発株式会社、そして帝国石油株式会社が合併し国際石油開発帝石株式会社が発足した。国際石油開発株式会社はアジア・オセアニア・中東・ユーラシア等に優良な資産と、産油国の石油会社との協力関係を通じて多くの知識と経験を有している。一方の帝国石油株式会社は、国内外でのオぺレーターとしての実績とそれらを実践してきた高い能力をもつ技術者を抱えていた。





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