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住友商事(8053)が、マレーシアで昆虫由来の代替タンパク質など製造のNutrition Technologiesに出資

2022-10-05

住友商事は、マレーシアで昆虫由来の代替タンパク質などを製造するスタートアップ企業、Nutrition Technologies(ニュートリション・テクノロジーズ、以下「NT」)に出資した。

今後、NTと協業して同社製品の市場開拓を進めるとともに高付加価値製品の開発を進め、世界の安定的・持続的な食料生産に貢献していくことが目的だ。

事業の背景と今後の展開

世界的な人口増加と食の西洋化に伴い、タンパク質の需要は2050年には2005年比で約2倍となると予測されており、世界的なタンパク質不足が懸念されている。大量の穀物、土地、資源が必要となる既存の畜産・漁業・農業から得られる動物性・植物性タンパク源のみでは、世界全人口への供給には限界があり、より環境負荷の低いタンパク源が求められている。こうした中で注目されているのが、昆虫由来代替タンパク源だ。現在、主な用途は、ペットフードや畜水産用飼料などの動物用だが、将来的には人間用にも加工、使用されることが期待されており、同タンパク源市場は、2020年時点の175億円から2030年には3,500億円へと飛躍的に成長するとの予測もある。

NTは食料問題を強く懸念した元国連職員により2015年に設立された。
シンガポールに本社を置き、2020年からマレーシアでアジア最大規模のBlack Soldier Fly(アメリカミズアブ、以下「BSF」)を養殖・加工する、アジア最大規模の昆虫由来代替タンパクの工場を運営している。昆虫由来のタンパク源としては、コオロギやバッタなどが候補となる中、BSFは、繁殖の容易さ、豊富なタンパク質量、病原菌の媒介リスクの低さが特徴で、FAO(国際連合食糧農業機関)からも大きく期待を寄せられている。NTは、近隣の工場やプランテーションから出る食品残さ・副産物を飼料としてBSFを養殖し、幼虫を脱水・乾燥させ、高品質なタンパク質に加工する独自のノウハウを有しており、第一工場のあるマレーシアは、年間を通じて温暖なためBSFの生育において暖房を必要とせず、より環境負荷の低いタンパク製造を行っている。

 
本事業を推進するアニマルヘルスサイエンス部では、ペット・畜産向け動物薬などの事業を展開しており、既存事業の知見やネットワークを生かし、昆虫由来タンパク質を用いた飼料の開発・販売を行う。また、加工過程で生成される油やフラス(※)を利用した化粧品や医薬部外品、化学品、有機肥料などの高付加価値製品の開発にも取り組んでいく。循環型経済を通じてサステナブルに自給自足する世界を創造することをビジョンに掲げるNTを戦略パートナーとして、限りある資源の有効活用、循環型社会の形成に取り組み、地球環境との共生を目指す。



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