事業承継とは? 3つの方法・選び方・進め方・支援制度を解説

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事業承継について

事業承継とは、会社の経営権、株式・資産、取引先との関係、従業員、経営理念やノウハウなどを次世代へ引き継ぎ、事業を継続させるための取り組みです。

事業承継には、親族内承継、役員・従業員への承継、第三者承継(M&A)などの方法があり、後継者の有無や会社の状況、経営者の意向などによって適した方法は異なります。 そのため、早い段階から自社の状況を整理し、承継方法や必要な準備を検討することが重要です。

本記事では、事業承継の定義や引き継ぐ要素、主な承継方法に加え、自社に適した方法を考える際のポイント、進め方、注意点、利用できる支援制度について解説します。

監修者情報

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 執行役員 コーポレートアドバイザリー部長 公認会計士 梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。 これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。


事業承継とは

事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぎ、事業をこの先も継続していくための取り組みです。経営権や株式などの目に見える資産だけでなく、経営理念や企業文化、顧客との信頼関係、独自のノウハウといった無形の資産も次の世代へ引き継ぎます。

これは単なる社長交代ではなく、会社が積み重ねてきた価値を次の世代へつなぐための重要なプロセスです。

事業承継では、こうした経営資源を引き継ぐだけでなく、誰に、どのような方法で事業を引き継ぐかを決めることも重要です。

事業承継におけるオーナー経営者の3つの選択肢のイメージ
弊社作成:事業承継におけるオーナー経営者の3つの選択肢とタイミング

事業承継と事業継承の違い

事業承継と事業継承は、混同されやすい概念ですが、厳密には異なります。事業継承は、前任者が所有していた事業や権利、財産といった、具体的なものを引き継ぐプロセスです。
一方、事業承継はより広範な概念を含んでおり、具体的な資産や権利、財産だけでなく、企業の精神や文化のような形の無い、抽象的な要素も含めて次世代に引き継ぐことを指します。
このように、事業承継は事業継承よりも包括的な概念であり、企業の持続的発展を考えるうえで重要な意味を持つものです。

事業承継が必要となるケース

事業承継が必要になる場面は、大きく三つに分けられます。

  • 経営者の高齢化や病気、急逝など、経営者自身の事情によるケース
  • 事業の多角化や新分野への挑戦に伴い、専門知識を持つ人材へ引き継ぐといった戦略的な理由によるケース
  • 人材不足や市場の変動、業界再編への対応など、外部環境の変化によるケース

いずれの場面においても準備が遅れると、相続トラブルや資金繰りの悪化、顧客離れといった深刻な影響を招く恐れがあるため、早めの対応が求められます。

事業承継の3つの方法

事業承継の種類

事業承継には、承継する相手によって主に親族内承継、役員・従業員への承継、第三者承継(M&A)の3つの方法があります。それぞれ、後継者の育成、株式取得資金、承継後の経営体制などに違いがあります。

親族内承継
親族に事業を引き継ぐ方法
役員・従業員への承継
役員や従業員に事業を引き継ぐ方法
第三者承継(M&A)
外部の企業や第三者へ事業を引き継ぐ方法

それぞれの特徴・仕組み・メリット・デメリット・適したケースを整理します。

親族内承継

親族への承継とは、現経営者の子どもや兄弟など、血縁関係にある親族に事業を引き継ぐ方法です。後継者が事業理念や企業文化を理解しやすく、関係者からの理解も得やすいため、中小企業で多く採用されています。

特に、親族に経営資質を持つ後継者候補がいる場合や、家業の伝統や地域社会との結びつきを重視する企業に適しています。外部候補が見つからない場合にも現実的な選択肢となります。

親族内承継のメリット

親族内承継の大きな強みは、経営者が直接後継者を指名し、長期的な育成計画を立てやすい点です。
後継者は幼少期から経営理念や企業文化に触れることで、会社の価値観を自然と引継ぎやすく、従業員や取引先、金融機関といった社内外の関係者から心情的に受け入れられやすい傾向があります。結果として、経営の安定性向上が期待できます。
さらに、株式の贈与株式の相続によって株式を移転する際には、税制上の優遇措置や特例制度を活用できるため、資金面でも効率的に事業承継を進められる方法といえるでしょう。

親族内承継のデメリット

親族内承継の主なデメリットとしては、後継者の資質や意思に起因するリスクが挙げられます。仮に後継者の経営に必要な能力が不足していたり、本人に事業を継ぐ意思がなかったりした場合、業績の悪化や従業員の離反につながる恐れがあります。
また、親族間での対立や相続財産の分配をめぐる争い、株式の分散による経営権集中の難しさといったトラブルも発生しやすいため、十分な話し合いと事前準備が不可欠です。

役員・従業員への承継

役員・従業員への承継とは、親族以外の役員や長年勤続した従業員に事業を引き継ぐ方法(親族外承継)です。経営に精通し、社内外から信頼を得ている人材を後継者に選べるため、親族に適任者がいない場合には有力な選択肢となります。
なかでも、会社の文化やノウハウを熟知している社員がいる中堅企業などで活用されやすく、MBO(マネジメント・バイアウト)の形で後継者が株式を取得するケースもあります。

役員・従業員への承継のメリット

役員・従業員への承継の強みは、親族に適任者がいない場合でも承継の選択肢を広げられる点にあります。これまで培ってきた事業を次世代に残せる可能性が高まるほか、長年勤めてきた役員や従業員など、会社をよく知る人材が後継者となるため、経営をスムーズに引継ぎやすいことも利点です。
さらに、従業員や取引先からの信頼を得やすく、組織の結束力を維持しやすい効果も期待できます。

役員・従業員への承継のデメリット

資金面では、後継者となる従業員や役員が自社株を取得する際に、多額の資金が必要となる点が課題です。資金の準備が困難なことから、承継を辞退するケースにつながることもあります。
また、人材・組織の面では、後継者候補が複数いる場合に不満や対立が生じ、社内の派閥化や離職のリスクを伴うことがあります。さらに、個人保証や債務の承継といった責任の重さが後継者候補にとって大きな心理的プレッシャーとなり、推薦を断られるケースも少なくありません。

第三者承継(M&A)

M&Aによる事業承継(第三者承継)は、親族や社内の人材ではなく、外部の第三者である企業や投資家へ事業を引き継ぐ方法です。株式譲渡事業譲渡会社分割など多様なスキームがあり、従業員の雇用や取引先との関係を守りながら事業を存続できます。
後継者不在に悩む中小企業や、買い手企業とのシナジー効果によって事業の拡大・多角化を目指したい企業には、特に適しています。また、国や自治体による支援も期待できます。

第三者承継(M&A)のメリット

M&Aによる事業承継のメリットは、親族や従業員に適任者がいない場合でも、社外から幅広く後継者を探せる点です。経営力や資本力に優れた買い手とマッチングできれば、事業の存続や従業員の雇用維持に加え、新規市場参入や技術力強化といったシナジー効果が期待できます。
また、事業承継ファンドが株式を引き受けて資金提供や経営支援を行うケースもあり、経営基盤を強化しながら円滑な承継を進められる点もメリットです。
買い手企業にとっても、優れた技術やブランド、人材を獲得して自社の事業基盤を拡大できるというメリットがあります。このように、M&Aは現経営者・従業員・買い手の三者にとって利益をもたらす有効な承継手法といえるでしょう。

第三者承継(M&A)のデメリット

M&Aによる事業承継は有力な選択肢である一方、デメリットも存在します。
まず、希望の条件に合う買い手がすぐに見つかるとは限らず、相手探しや条件交渉、契約手続きには多大な時間と費用がかかる点です。さらに、企業理念や従業員との価値観のズレによって社内摩擦や人材流出が起こるリスクもあります。また、相手企業の調査過程で過去の財務・税務の問題が発覚すれば、想定外のリスクを負う可能性も否定できません。
このように、M&Aは多くの手続きを踏む必要があり、統合までに長期のプロセスを要するため、専門家の支援を受けながら慎重に進めることが求められます。

事業承継の主要スキームについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

事業承継の方法はどう選ぶ?

事業承継の方法に一律の優劣はありません。後継者候補の有無、候補者本人の意思や能力、承継までの期間、株式取得などに必要な資金、経営者が会社の将来に何を望むかなどを踏まえて、自社に適した方法を検討することが重要です。

後継者候補がいるか
親族や役員・従業員に後継者候補がいるかを確認します。候補者がいない場合には、第三者承継(M&A)も選択肢となります。
後継者本人に意思・能力があるか
候補者がいる場合でも、本人に事業を引き継ぐ意思があるか、経営を担うための能力や経験があるかを確認します。
株式取得などの資金を確保できるか
特に役員・従業員への承継では、後継者が株式を取得するための資金を確保できるかが重要な論点になります。
承継までの期間を確保できるか
親族内承継や役員・従業員への承継では、後継者育成に時間を要する場合があります。いつまでに承継したいかも踏まえて検討します。
経営者が会社の将来に何を望むか
親族に会社を残したい、従業員の雇用を守りたい、事業をさらに成長させたい、経営から退きたいなど、経営者自身の希望も重要な判断材料です。

自社に合う事業承継方法を考える

まず後継者候補の有無を確認し、そのうえで本人の意思・能力、資金、承継までの期間、経営者の希望などを踏まえて総合的に判断します。

後継者候補の有無 検討スキーム
あり 親族にいる 親族内承継を検討
役員・従業員にいる 役員・従業員への承継を検討
なし 第三者承継(M&A)も検討

事業承継で引き継ぐ3つの要素

中小企業庁「事業承継ガイドライン」によると、事業承継において引き継がれる要素は以下の3つとされています。

※事業承継ガイドラインに関しては、「事業承継ガイドラインとは?」で解説しています。

事業継承で引き継ぐ3つの経営資源
人(経営)の承継
経営者としての地位や経営権を移行すること
知的資産の承継
経営理念やステークホルダーとの信頼関係、ノウハウなどの無形資産を移行すること
資産の承継
株式や出資持分、不動産、設備、事業用資産などの目に見える資産を移行すること

人(経営)の承継

人の承継とは、後継者に代表取締役の地位や経営権を引き継ぐことです。ノウハウや人脈が経営者個人に集中しやすい中小企業においては、後継者の資質や人心掌握力が、将来の業績を大きく左右します。後継者育成には時間を要するため、現経営者が計画的に権限を移譲しながら伴走することが不可欠です。このため、早期の後継者選定と育成計画の策定は、事業承継を成功に導く重要なポイントといえます。

知的資産の承継

知的資産の承継とは、経営理念や企業文化、ブランド力、取引先や金融機関との信頼関係、従業員の技術やノウハウといった、目に見えない資産を次世代へつなぐことです。これらの無形資産は企業の競争力の源泉であり、承継が不十分だと、資産や役職を引き継いでも企業の強みが生かせず、ひいては業績低迷のリスクがあります。特に、経営者個人の人脈や信頼は会社の存続に大きく影響するため、意識的な引継ぎが欠かせません。自社の知的資産の棚卸し、強みを見える化して後継者へ体系的に伝えることが、承継後の組織の安定と成長につながります。

資産の承継

資産の承継とは、株式や出資持分、不動産、設備、事業用資産といった目に見える財産を後継者に移転することです。具体的な方法としては、贈与・相続・売買などがあります。それぞれ税金や手続きが異なるため、早めに検討しましょう。
特に中小企業では、経営者個人が事業用資産を保有しているケースも多く、名義変更や契約整理を怠ると承継後にトラブルを招きやすくなります。さらに、資産の評価額や税額は経営に直結するため、専門家の助言を受けながら節税策や資金調達方法を組み合わせ、計画的に進めることが重要です。

事業承継の現状と後継者問題

中小企業における後継者不在率の推移のイメージ。2025年版 中小企業白書(HTML版) 第9節 事業承継
引用:2025年版 中小企業白書(HTML版) 第9節 事業承継

中小企業庁の2025年版 中小企業白書によると、後継者不在率は2018年に67.2%でピークを迎えたものの、その後は改善傾向を示し、2024年には52.7%まで低下しました。ただし、依然として半数超の企業が後継者未定であり、事業存続や地域経済への影響は大きな懸念材料となっています。
年代別では60代で38.1%、70代で27.7%が後継者不在となっており、特に60代のうちから準備を進めることが重要であるといえるでしょう。

中小企業の経営者年齢の分布(年齢別)のイメージ。引用:2025年版 中小企業白書(HTML版) 第9節 事業承継
画像出典:2025年版 中小企業白書(HTML版) 第9節 事業承継

経営者年齢の分布は、2000年が50代前半がピークだったのに対し、2024年は55~59歳が最も多くなっています。ただし、60歳以上が占める割合は依然として高く、70歳以上の割合も過去最高を記録し、分布の分散化が進んでいる状況です。

経営者の就任経緯の割合の推移のイメージ。引用:親族内承継に関する現状分析と 今後の検討の方向性について
引用:親族内承継に関する現状分析と 今後の検討の方向性について

なお、承継手法としては同族承継(親族内承継)が依然として主要な選択肢であるものの、割合は減少傾向にあります。代わって、役員・従業員への承継や、M&Aによる第三者承継が増加傾向となっています。2024年は、同族内承継が32.2%、内部昇格が36.4%、M&Aなどが20.5%、外部招聘が7.5%でした。
この傾向から、経営者年齢の分散化の背景には、国や自治体による事業承継税制や補助金などの支援拡充に加え、役員・従業員への承継やM&Aによる第三者承継が浸透してきたこともあると考えられます。

後継者の選定や育成、株式・資産の承継には時間を要します。そのため、後継者が決まっていない場合も含め、早い段階から自社の承継方法や必要な準備を整理することが重要です。

事業承継の流れ

事業承継は、会社の現状や後継者候補を整理し、承継方法を決めたうえで、必要な準備を計画的に進めます。基本的には、以下の5つのステップで進めます。

  1. 事業承継に向けた準備の必要性を認識する

    承継には時間がかかるため、早い段階から準備の必要性を認識します。

  2. 経営状況・経営課題を把握する

    会社の経営状況や課題、後継者候補の有無などを整理し、承継に向けた現状を把握します。

  3. 経営改善に取り組む

    事業や経営体制、財務などを見直し、承継後も事業を継続・発展させられる経営基盤を整えます。

  4. 承継計画を策定し、必要な準備を進める

    承継時期や後継者育成、株式・資産の承継などを整理し、具体的な計画に沿って準備を進めます。

  5. 事業承継を実行する

    計画に基づいて必要な手続きや関係者との調整を行い、後継者へ事業を引き継ぎます。

事業承継は、後継者の選定・育成や経営改善、株式・資産の整理などに時間を要するため、早めに準備を始めることが重要です。また、承継方法によって必要な準備や手続きが異なるため、自社の状況に応じて計画を立てる必要があります。

事業承継の流れについて詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。

事業承継の注意点

事業承継では、後継者への負担、税負担、親族をはじめとする関係者との調整などに注意が必要です。承継方法によって生じる課題は異なるため、事前に確認しておきましょう。

  • 後継者に精神面・資金面の負担がかかる
  • 承継方法によって税負担が生じる
  • 親族や関係者との調整が必要になる

特に、後継者の確保や株式・資産の承継、関係者との合意形成は、事業承継を進めるうえで重要な論点です。

事業承継を成功させるためのポイント

事業承継を円滑に進めるためには、早期から準備を始め、後継者や関係者と承継方針を共有しながら、必要な準備を計画的に進めることが重要です。

早期から準備を始める

事業承継では、後継者の選定や育成、経営状況の整理、株式・資産の承継などに時間を要する場合があります。承継時期から逆算して、早い段階から準備を始めることが重要です。

承継方針を明確にし、関係者と共有する

誰に、どのような方法で事業を引き継ぐのかを明確にし、後継者や親族、役員・従業員などの関係者と早い段階から方針を共有します。株式や財産の扱いなどについても、必要な事項を整理しておくことが重要です。

専門家と連携して計画的に進める

事業承継では、税務、法務、財務、株式の承継など、専門的な知識が必要となる場面があります。自社だけで判断せず、必要に応じて税理士、公認会計士、弁護士、金融機関、M&A専門会社などの専門家と連携しながら進めることが重要です。

事業承継で利用できる支援制度

事業承継では、税負担の軽減や承継資金の確保、M&Aなどに必要な費用の補助など、目的に応じてさまざまな支援制度を利用できる場合があります。代表的な制度を目的別に整理すると、以下のとおりです。

支援制度・手法 内容の概要
事業承継・M&A補助金 事業承継やM&Aに必要となる費用の一部を補助する制度。
事業承継・集約・活性化支援資金 日本政策金融公庫による融資制度。事業承継に必要な資金の調達に活用できます。
事業承継特別保証制度 事業承継に伴う資金調達を支援する保証制度。
事業承継税制 一定の要件を満たす場合に、非上場株式等にかかる相続税・贈与税の納税を猶予する制度。
相続時精算課税制度 生前贈与について、一定の要件のもとで相続時に精算する制度。
事業承継・引継ぎ支援センター 事業承継に関する公的な相談窓口。事業承継やM&Aに関する相談、支援を受けられます。
生命保険 納税資金や事業承継に必要な資金を準備する手段として活用される場合があります。

支援制度の対象要件や申請期限、制度内容は変更される場合があるため、利用を検討する際は自治体や各制度の実施機関の最新情報を確認してください。

事業承継の事例

後継者不足が深刻化するなか、事業承継は企業の存続を左右する重要課題です。ここでは、M&Aや資本提携など、多様な手法で未来を切り開いた3つの成功事例を紹介します。

株式会社ケーウェイズと株式会社Orchestra Holdings

2025年2月、株式会社ケーウェイズは、株式会社Orchestra HoldingsとのM&Aを実施しました。
RFIDなど自動認識技術に特化して成長してきたケーウェイズは、DX需要の高まりや後継者不在を背景に、さらなる事業拡大と人材確保を目指して外部パートナーとの連携を決断。
複数の候補の中から「独立性を尊重しながらシナジーを生む姿勢」に共感し、Orchestra Holdingsをパートナーに決めました。
Orchestra Holdingsの提案力とケーウェイズの技術力を融合し、これまで単独では難しかったトータルソリューションの提供を実現しています。

株式会社HTCと株式会社SYSホールディングス

2025年5月、株式会社HTCは、株式会社SYSホールディングスの子会社になりました。創業者の健康不安と後継者不在を契機に、会社と従業員を守るため「買収ではなく経営同盟」を掲げるSYSと組むM&A型事業承継を選択しました。グループの人材・ガバナンス支援を得つつ現場主導と自主性を維持し、より大きな挑戦で成長を図った事例といえます。

株式会社清水組とSBI地域事業承継投資株式会社

2025年7月、株式会社清水組は、SBI地域事業承継投資株式会社と資本業務提携を結びました。この事例は、清水組の5代目社長による伝統建設会社の事業承継です。業界再編や資本力強化の必要性から、SBI地域事業承継投資株式会社との資本業務提携を通じたM&A型事業承継を選択しました。地域事業と雇用を守りつつ企業成長を図った好例といえるでしょう。

まとめ

事業承継は、経営権や株式・資産だけでなく、経営理念やノウハウ、取引先との関係など、会社が培ってきた価値を次世代へ引き継ぐ取り組みです。主な方法には、親族内承継、役員・従業員への承継、第三者承継(M&A)があり、どの方法が適しているかは、後継者候補の有無や本人の意思・能力、必要な資金、承継までの期間、経営者が会社の将来に何を望むかによって異なります。

まずは自社の状況や後継者候補を整理し、どのような形で事業を引き継ぐのかを検討したうえで、必要な準備を計画的に進めることが重要です。承継方法によって必要な手続きや税務・法務上の対応も異なるため、支援制度や専門家も活用しながら進めましょう。親族や役員・従業員に適任の後継者がいない場合には、M&Aによる第三者承継も事業を存続・発展させるための選択肢となります。

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よくある質問

  • 事業承継はいつから準備を始めるべきですか?
  • 事業承継では、後継者の選定・育成や株式・資産の承継、関係者との調整などに時間を要する場合があります。承継直前になってから準備を始めるのではなく、後継者候補や会社の状況を整理し、早い段階から準備を進めることが重要です。
  • 後継者が決まっていない場合は、何から始めればよいですか?
  • まずは、親族や役員・従業員に後継者候補がいるかを整理します。候補者がいる場合は、本人の意思や能力、株式取得などに必要な資金、承継までの期間を確認します。適任の後継者がいない場合には、M&Aによる第三者承継も含めて選択肢を検討します。
  • 親族内承継、役員・従業員への承継、M&Aはどのように選べばよいですか?
  • どの方法が適しているかは、後継者候補の有無だけでは決まりません。候補者本人の意思や能力、株式取得などに必要な資金、承継までの期間、経営者が会社の将来に何を望むかなどを踏まえて総合的に判断します。
  • 事業承継にはどのような費用や税金がかかりますか?
  • 費用や税金は承継方法によって異なります。親族への相続・贈与では相続税や贈与税、株式を売却する場合には譲渡所得に対する税金などが生じます。また、専門家への依頼やM&Aを利用する場合には、支援内容に応じた費用が発生する場合があります。
  • 事業承継で利用できる支援制度はありますか?
  • 事業承継では、税負担の軽減、承継資金の確保、M&Aなどに必要な費用の補助を目的とした制度を利用できる場合があります。利用できる制度や要件は承継方法や会社の状況によって異なるため、各制度の最新情報を確認することが重要です。
  • 事業承継について誰に相談すればよいですか?
  • 相談内容に応じて、税理士、公認会計士、弁護士、金融機関、事業承継・引継ぎ支援センター、M&A専門会社などが相談先となります。後継者や承継方法が決まっていない段階では、まず自社の状況や希望を整理したうえで、必要な分野の専門家に相談するとよいでしょう。

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