ヨシムラ・フードHD(2884)、水産加工製造業のワイエスフーズを買収

2023-08-29
株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス(以下、「株式会社ヨシムラフードHD」)は、2023年8月29日開催の取締役会において、以下のとおり、株式会社ワイエスフーズ(以下、「ワイエ スフーズ」)の発行済株式70%を取得し、子会社化することについて決議した。

 

 

1.ヨシムラフードHDについて

ヨシムラフードHDは、食品の製造及び販売をおこなう中小企業の支援・活性化を目的とし、後継者不在や単独での成長に限界を感じている企業の株式を譲り受けるとともに、持株会社としてグループ全社の経営戦略の立案・実行及 び経営管理をおこなっている。各子会社に対しては、セールス・マーケティング、生産管理、購買・物流、 商品開発、品質管理、経営管理、海外展開といった機能ごとに横断的な管理をおこなう「中小企業支援プラットフォーム」により経営支援をおこなうことで、国内外の優れた食品企業を存続・成長させ、商品・雇用・取 引先を守り、地域経済の維持及び発展に貢献してきた。 また、食品卸売業界国内売上高第3位を誇る国分グループ本社株式会社と資本業務提携をおこなうなど、ヨシムラフードHDの事業基盤強化につながる外部パートナーとも積極的に協働しながら、より一層の事業拡大を図っていく。


2.ワイエスフーズについて
ワイエスフーズ(https://www.ys-foods.jp/)は、北海道茅部郡森町に本社及び工場を構え、主に噴火湾沿岸で漁獲されたホタテの加工を行う企業である。
噴火湾地域では最大規模のホタテ加工設備及び保管設備を保有 しており、買参権(漁協から直接水産物を購入する権利で、新規で取得することは困難)を持つ漁業協同組合 から仕入れたホタテを加工し、主に国内の水産卸売企業や中国の水産加工企業へ販売している。
ヨシムラフードHDの子会 社である株式会社マルキチ(以下、「マルキチ」。)とは、オホーツク沿岸で漁獲されたホタテの仕 入や加工受託等の取引関係があります。 傘下には、株式会社マタツ水産(以下、「マタツ水産」。)、有限会社オガネサン清藤水産(以下、 「清藤水産」。)、株式会社ワイエス海商(以下、「ワイエス海商」。)の3社があり、マタツ水産は、北海道長万部を拠点とし、厳格な管理が必要とされる対EU及び対米輸出水産食品加工施設の認 定を受けた自社工場でホタテやサケ等の加工を行い、主に国内の大手水産卸売企業を経由してスーパー量販店 等へ販売している。

清藤水産は、ホタテの片貝加工(ホタテの貝殻を半分取り除く加工)を行う企業で、片 2 貝の生産量では国内で圧倒的なシェアを誇り、主に国内の水産卸売企業を経由して飲食店等へ販売している。 ワイエス海商は、ふるさと納税等の通販事業、ちゃっぷ林館(茅部郡森町が所有する温浴施設)の運営事業、 同施設内の桜はな(飲食店)の運営事業を行っている。通販事業は、主にグループ会社からカニやイクラ、 ホタテ等を仕入、北海道森町の納税返礼品として販売している。


3.株式取得の理由
① 海外において需要が増加する日本産ホタテの調達ルートを確保
世界で流通している「ホタテ」は、「主に日本等で生育されるホタテガイ」と「主に中国等で生育されるイ タヤガイ」であり、品種が異なる。日本産のホタテガイはサイズが大きく甘みが強く、サイズや味、品 質の面で大きな優位性をもっていることから、世界において希少価値の高い食品として認知度が高まっており、近年、欧米及びアジアにおいて需要が増加している。
その証左として農林水産省が公表している「農林水産物輸出入情報・概況」によると、2022年のホタテ輸出額は前年比42.4%増の910億円であり、品目別で みた農林水産物の輸出額は1位となり、日本で最も輸出額の大きい農林水産物となっている。 ワイエスフーズ、マタツ水産、清藤水産の各社は、噴火湾沿岸の漁業協同組合の買参権を所有し、噴火湾 沿岸で漁獲される新鮮なホタテの調達が可能である。ヨシムラフードHDの子会社であるマルキチは、オホーツク海沿岸の漁 業協同組合の買参権を所有しており、オホーツク海沿岸で漁獲されるホタテの調達が可能である。ワイエスフ ーズがグループに参画することで、ヨシムラフードHDグループは、北海道産ホタテの2大産地である噴火湾沿岸とオホーツク海沿岸からホタテを安定的に調達する権利を獲得できることになる。


② 大手ホタテ加工企業としての確立された地位と高い品質管理能力を持つ生産加工設備
ワイエスフーズグループは、北海道において数少ない大規模なホタテの加工設備、保管設備を保有する企業である。近年、設備投資を行えずに廃業や事業縮小を進める同業他社が多い中、同社は積極的な設備投資を行うことで、道内における大手ホタテ加工企業としての地位を確立してきた。加えて、ワイエスフーズの工場は対中国HACCP認証工場として、マタツ水産の工場は対EU輸出水産食品取扱施設、対米輸出水産食 品加工施設として認定を受けるなど、高い品質管理体制を構築している。


③ ヨシムラフードHDグループ企業とのシナジー
ワイエスフーズグループとマルキチが持つリソースとノウハウを共有することで、ホタテ業界における更 なるマーケットシェアの拡大と業績向上が期待できる。一例として、噴火湾のホタテは冬~春に最も水揚げされるのに対し、オホーツク海は夏~秋が最漁期であるため、両社の繁忙、閑散期に応じて相互に生産を補完することで、両社工場の稼働率及び生産性を向上することが可能となる。
また、ヨシムラフードHDグループであり、シンガポールで水産品卸売業を行うSin Hin Frozen Food Private Limited (以下、「Sin Hin」。)は、ホタテを主力製品のひとつとして年間約170トン以上購入しており、 現地大手スーパー等へEmeraldブランドとして販売を行っている。現在、Sin Hinは、中国の加工企業経由 で一部ワイエスフーズのホタテを購入しているため、マルキチを含めた3社間にて仕入ルート及び販路の整 理を行うことで、グループ間において安定的な供給と更なる海外販路の強化が可能となると考えている。

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