信金等
業界別M&A動向

信金等業界のM&A動向

更新日

業界の定義

信用金庫とは、1951年に施行された信用金庫法に基づき発足した、会員組織の金融機関のことを指し、地域の繁栄を図る会員の相互扶助を目的としている。

信用組合とは、1949年に施行された中小企業等協同組合法に基づく組合組織の金融機関のことを指す。預金の受入れ制限がない信用金庫と異なり、信用組合は原則として組合員のみが預金受入れの対象となっている。



業界の特色

信金等業界イメージ画像

信用金庫は、株式会社である銀行と異なり、非営利法人の協同組織である。信用金庫の会員は、地域内の個人や中小企業、個人事業主に限られており、大企業や他地域の中小企業などは会員になることができない。株主の利益を追求する銀行に対して、地域社会の利益が優先される点が大きな特徴である。1人1票の議決権を持ち、会員の自治に基づいて経営が行われており、貸し出し対象も原則会員に限られている。信用金庫業界には、信金中央金庫という中央金融機関があり、全国の信用金庫に対して業務機能補完や信用力向上などを目的とした各種サービスを展開している。

信用組合は、組合員の相互扶助を目的とし、組合員の経済的地位向上を図る非営利法人である。信用組合は、組合員のコミュニティによって、以下の3つに分類される。

・地域信用組合:信用組合の営業地域内の事業者、個人で構成される
・業域信用組合:特定業種の関係者で構成される(医師、出版業など)
・職域信用組合:同じ職場の従業員で構成される(地方自治体や鉄道会社)




市場の規模

一般社団法人全国信用金庫協会の全国信用金庫概況によると、信用金庫は2019年時点での全国の信用金庫数は255金庫、店舗数は7,294店舗、預金積金は145兆2,678億円、貸出金は72兆6,752億円である。前年比で金庫数は4金庫減少、店舗数は57店舗減少しており、21年連続で減少している。会員数は減少したが、出資金は前期と比較して78億円増加している。



信用金庫の店舗数、常務役職員数、会員数等

出典:https://www.scbri.jp/PDFgaikyousassi/gaikyou19/2019_03.pdf








一般社団法人全国信用組合中央協会の信用組合業界概況によると、2020年時点での全国の信用組合数は145組合、店舗数は1,613店舗、預金積金は21兆1,723億円、貸出金は11兆8,549億円である。



預金残高・貸出金残高・預貸率の推移
出典:https://www.shinyokumiai.or.jp/credit_cooperative/outline.html





信用組合に関しても、信用金庫と同様に1989年には415組合、1999年に292組合、2008年には163組合と大きくその数は減少しているが、預金と貸出金は増加傾向にある。



課題と展望

信用金庫・信用組合の課題として、需要の減少があげられる。信用金庫や信用組合は、銀行のような民間の株式会社と違い、非営利法人組織であるため、利益追求ではなく地域経済を支えることが事業の目的となっている。こうした公共性の高い金融サービスは、景気の波や時代の変化に左右されることなく、常に一定の需要があるとされてきた。しかし、競争力という点で民間企業に劣っていることは明白であり、都市銀行や地方銀行は、規模の大きさや幅広いサービス、手厚いサポートなどを提供していることに加え、信用金庫・信用組合が銀行のような低金利で融資ができないため、民間の金融機関に顧客を奪われている。そのため、近年では信用金庫や信用組合の需要は減少傾向にある。

さらには少子高齢化や地方の過疎問題も信用金庫・信用組合は大きく影響を受けている。人口減少による影響は今後もさらに続くため、過疎地域がさらに拡大すれば信用金庫や信用組合の力は弱まり続けると予想されている。



信金等業界のM&A動向

信用金庫・信用組合はM&Aにより経営体力の強化を図る動きがある。2009年から2017年で15件の合併が行われ、2018年には2件、2019年には4件、2020年も1件の合併がされている。いずれも営業地域の隣接する信用金庫間のM&Aで、預金量をはじめとした各種資金や店舗網の拡大などで経営基盤を強化し、地域への安定的な資金供給やサービスの質の向上を目指している。

2020年、北陸信用金庫と鶴来信用金庫が対等合併して「はくさん信用金庫」が誕生した。合併後の預金高は約2,900億円、貸出金は約1,700億円で、県内では金沢信用金庫、共栄信用金庫に次いで3番目の信用金庫となった。北陸信用金庫は県内4番目、鶴来信用金庫は5番目の規模だった。長期化する超低金利政策や人口減少などの厳しい環境で生き残るため、経営規模がほぼ倍になる合併を選択した。

2019年、新栄信用組合とさくらの街信用組合が合併し、県内3番目の規模の信用組合である「はばたき信用組合」が誕生した。このM&Aで営業基盤と経営資源を統合することによる、地域金融機関としての総合力のより一層の強化が図られた。また店舗網を再編することで、店舗設備の集約等を進め、業務や活動面の効率化に加え、人員配置等、経営資源の最適配分も図られた。

2018年、北海道の道央圏を中心に営業してきた札幌信用金庫(札幌市)、北海信用金庫(余市町)、小樽信用金庫(小樽市)の3信金の合併が合併して「北海道信用金庫」が誕生した。このM&Aにより、北海道内で唯一預金額が1兆円を超える信用金庫となった。このM&Aで外国人観光客でにぎわうニセコ地区や2030年度の札幌延伸を見据える北海道新幹線が通る予定のエリアを営業地域において、観光分野などの資金需要を取り込み、経営基盤の強化が図られた。




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