中外製薬<4519>、レナリスファーマを完全子会社化 IgA腎症治療薬「sparsentan」の日韓台独占開発・販売権を取得
中外製薬<4519>、レナリスファーマを完全子会社化 IgA腎症治療薬「sparsentan」の日韓台独占開発・販売権を取得

中外製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 CEO:奥田 修<4519>)は2025年10月24日、レナリスファーマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:Brian Taylor Slingsby)の全株式および新株予約権を取得し、完全子会社化することを発表しました。
レナリスファーマは、希少腎疾患であるIgA腎症を主要適応とする新薬「sparsentan」の日本・韓国・台湾における独占的な開発・販売権を保有するバイオベンチャーで、今回のM&Aにより中外製薬は当該3カ国における同製品の全権利を取得します。取得対価は、契約締結時に支払う一時金150億円に加え、最大160億円のマイルストン支払および売上連動型のアーンアウト構成となっており、2025年11月末のクロージングが予定されています。
sparsentanは、エンドセリン受容体A型およびアンジオテンシンII 1型受容体の両方を阻害するファーストインクラスの低分子経口薬で、韓国・台湾を含む国際共同第Ⅲ相試験において良好な成績を収め、米国・欧州ではすでに承認済。日本国内では、レナリスファーマにより小規模なブリッジング試験が進行中であり、承認の可能性が高いとみられています。
中外製薬は、同じくIgA腎症を対象とした核酸医薬品「sefaxersen(開発コード:RG6299)」を有しており、本件M&Aにより作用機序の異なる2剤による治療戦略が可能となります。これにより、アンメットメディカルニーズが大きいIgA腎症領域において、患者ごとに最適化された治療提供が可能となり、同社の希少疾患領域における競争力と企業価値のさらなる向上が期待されます。



