M&Aとは?

M&Aの意味

M&Aは、英語のMergers and Acquisitionsの頭文字をとったものです。

一般的には企業の合併・買収を指すといわれていますが、広義には企業の競争力の強化、新規事業の多角化などの業務提携を含む企業戦略全般を指して使われることもあります。合併には吸収合併や新設合併などがあり、買収とは株式譲渡、新株引受、株式交換などをいいます。

またM&Aのなかでも提携関係となる複数の企業間で株式の異動を伴うものを特に資本提携といい、販売協力、資材調達、共同研究開発など業務上の協力関係を築くことを業務提携といいます。またその両方を組合せたものを資本業務提携と表すこともあります。

M&Aの歴史

日本においてもM&Aの歴史は古く、戦前から行われてきました。戦後の財閥解体や高度成長期のなかでも三菱重工業や新日本製鉄などの大型合併が誕生します。

M&Aが活発になってきたのは円高の影響を受けることになった1980年後半の海外企業への買収からだとされております。1990年代後半からはバブル崩壊後のグループ再編、業界再編、IT技術革新、規制緩和を背景とした国内企業同士のM&Aが活発になります。

2000年代に入ると金融ビッグバンを背景とした外資系投資銀行の進入に伴い、M&AサービスもFinancial Adviser化が進み、M&Aに関する法規制なども整備されたことで広がりを見せます。2000年代後半には立て続けに起こった景気減退や震災の影響を受けてM&Aは低迷期に突入するものの2010年代後半からは中小企業経営者の高齢化問題を背景としてそれまでよりも比較的小規模の中小企業M&Aを中心に再び拡大傾向に転じております。

買手にとってのM&Aとは

買手側にとっては業容拡大を早めることを目的に、シェアの拡大、シナジー効果、新規事業の参入・多角化など様々な経営戦略上の課題解決の手段としてM&Aが活用されています。

事業譲渡と株式譲渡

ひと言でM&Aといっても、取得する方法は様々です。

まず大きな分類としては事業譲渡か株式譲渡となります。事業譲渡は対象会社のなかで必要となる事業を構成している資産、取引先との契約、人材などを譲受けていくことになりますが、ひとつひとつを個別に引受けていくことになるため、思い通りに引継げなかったり、条件の変更を求められたりと実務手続きも煩雑になりがちです。また売手企業にとっても事業譲渡の対価に対して利益が出ると、対象会社に対して法人税が課せられることになるほか、売手オーナー個人にとっては手元に資金が入りませんので、あまり金銭的メリットは享受できません。

次に株式譲渡ですが、株式の取得比率を考える必要があります。経営権を握り統治や監督を図っていきたい場合には、最低でも議決権の過半数(マジョリティ)を取得することが前提となります。また中小企業の買収の場合は、議決権の一部(マイノリティ)を所有していても上場株式のように市場で売却するような流動性はほとんどありませんので、中小企業の株式を取得する場合は100%を前提とすることがほとんどです。

株式の異動手段

株式の取得手段についてもいくつか選択肢があります。発行済み株式に金銭対価を支払う株式譲渡が一般的ですが、対象会社の新株発行による増資(第三者割当増資)を引き受けて支配権を獲得する方法や、買手企業が上場会社である場合などは株式交換や株式移転といった方法をとることもあります。また対象会社の事業を会社分割し、目的となる法人のみを取得する手法など、両社の様々な状況、条件などを考慮した上で、最適なスキームで選択し実行することになります。

M&A案件の開発

買手としていざM&Aに取り組もうとしても案件の開発は簡単なものではありません。買手側から直接アプローチをしようとしても角が立つこともあり、アドバイザーを介入せずに進めるM&Aでは経営トップ同士の接点から生まれるケースが多いように思われます。

近年のM&Aの多くは、金融機関やM&Aブティックからの案件の持ち込みから検討がスタートするケースが多いため、M&Aを戦略的に進めていきたい場合には、なるべく多くのM&Aプレイヤーにニーズを伝えておくことが重要になります。M&Aプレイヤーからは売上規模や利益水準の簡易的な情報や対象地域エリア、希望買収価額などが記載されたノンネームシートと呼ばれるものから情報がもたらされます。関心を示すとM&Aプレイヤーとの間で秘密保持契約を締結し、詳細な資料の開示やQ&Aがスタートします。

売手にとってのM&Aとは

M&Aで売手となる企業オーナーが売却を行う動機は、自社の成長戦略、オーナーの事業承継、創業者利潤・資金の確保など様々な事例が見受けられます。特に近年では、団塊の世代を中心としたオーナーの引退方法のひとつとして中小企業のM&Aが増加してきているといわれております。

事業承継

中小企業のオーナーが事業承継を考える際の選択肢としては、親族承継、従業員承継、株式上場、廃業などがありますが、株式上場はハードルも高く全ての企業で選択できるものではありませんし、廃業は存続にはなりません。

承継を考える場合には、M&Aで法人に引継ぐか、後継者の個人に引継ぐかの二択となります。またM&Aがリストラと結びつく印象をお持ちの方も多いと思いますが、再生型の案件を除いては、中小企業のM&Aでは従業員の雇用も一定期間守られ、財務基盤がより大きな相手と一緒になることが多いため、従業員にとっても将来の安定性や活躍の場が広がるケースの方が目立ちます。

また、個人への承継を考える際の大きなハードルとなるのは資金となります。親族の場合にも株式の異動を考えると相続税や贈与税の問題があり、さらに従業員の場合には、株式の買取資金やオーナーが負っている連帯保証債務の引継ぎなどを考えると難しくなるケースがほとんどです。

M&Aの検討と流れ

売手にとってのM&Aの流れはまず自社の株式価値を知るところからスタートとなります。

M&Aでは買手によって評価が変わってきますが、会計ロジックに基づく価値から大きくはずれることはありません。金銭的な条件はM&Aを進めるかの大きな要因になるため、検討当初から把握することが重要です。

次に候補先の選定です。大手企業のM&Aなどでは最大限の経済条件を提示してくれる相手を探すために売却することをオープンにして競争入札のような流れで進めることがありますが、事業規模の小さい中小企業では、取引先の毀損、従業員の離反など事業活動に大きな影響を与えるリスクもあるためクローズドな環境で進めることがほとんどです。候補先の選定はある程度、数を絞って打診していくことで情報漏えいのリスクも減ります。関心を示した買手候補先から具体的な条件提示を貰うため、複数回にわたって面談や資料開示を行い、価額とスケジュールを含めた正式な意向を受取ります。この時点で両社間の合意が取れれば、基本合意契約を締結します。基本合意契約には売買に関する法的拘束力はないものの買手に独占交渉権などを付与します。これは買手にとってもこの後に行う買収監査(デューデリジェンス)で多額の費用をかけて調査していくことになることから優先的に交渉権を与えるという意味と、自らも誠実に監査に応じていく義務を負うことなどが盛り込まれます。

買収監査(デューデリジェンス)とは、ビジネス、法務、会計、税務など多岐にわたりますが、中小企業の場合には、会計面を中心とした比較的簡易な調査で終ることもあります。買手は買収監査(デューデリジェンス)で把握した情報をもとに、金銭的な条件からオーナーの引継期間など、最終的な諸条件の調整を図り契約書を作成していきます。全ての条件が整うと譲渡決済(クロージング)をおこないM&A取引は完了します。

M&A関連のサービス事業者

M&Aを進めるうえで専門家のサポートはかかせませんが、一般の方には馴染みがないためよく混同されがちです。

アドバイザリー業者

アドバイザリーサービスとひと言でいっても、FA(正式にはファイナンシャルアドバイザリーの略だが、エフエーと呼ばれることが多い)業者と仲介業者に大別されます。

FA業者とは主に売手または買手いずれかの片側に立って、クライアントの利益を最大化するために助言を行っていくサービスをいいます。欧米の投資銀行から入ってきたスタイルで、利害関係者の多い上場会社の大型案件ではFAを起用する例が多くみられます。主に外資系投資銀行、国内大手銀行、大手証券会社、独立系のM&Aブティックなどが務めています。

一方、仲介とは日本の古い商慣習からもともとあったスタイルで欧米のアドバイザリーサービスが入ってくるまでは仲介が主流でした。

中小企業のM&Aでは仲介型が主流となっており、中小のM&Aを専業とする独立系ブティックがサービスを提供しております。いずれのサービスも基本的に検討段階からマッチング、交渉、クロージングまで一連の助言や手続きの補助を行っていくサポートサービスを提供しています。

近年ではM&A市場の拡大を見越して異業種からの新規事業参入も目立ってきております。

その他の専門業者

近年では各専門分野の業者もM&Aを進める上で欠かせない存在になっております。

主に買手側の買収監査(デューデリジェンス)や企業価値算定に関する第三者評価を依頼する専門家として、ビジネスデューデリジェンスにかかわる戦略コンサルティング会社、会計・税務のデューデリジェンスや企業価値算定にかかわる監査法人や税理士法人を母体とするFAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)、法務デューデリジェンスにかかわる法律事務所などがありますが、問題に応じて弁理士、不動産鑑定会社や信用調査会社などを登用するケースもあります。

さらにM&A実行後の統合支援を専門とするPMI(Post Merger Integration)コンサルティング会社や、売上高が1億円未満となるような小規模企業のWEBマッチングをサイトで提供するスモールM&Aの専業者も増加しております。

M&Aサービスの手数料

アドバイザリー事業者によって手数料の形態は千差万別です。デューデリジェンスや企業価値算定など一定の成果物の提供を行う専門業者などの場合には、その業務を請負う契約として数百万円から数千万円程度の費用が発生します。

イニシャルコスト

アドバイザリーサービスの開始から発生するのが一括で支払う着手金や月額で支払うリテイナーフィー(リテインともいう)と言われています。

そのほかに売手対象会社の株式価値を算定するために株価算定(企業評価)費用として数十万円から数百万円かかることもあります。

いずれにしても検討段階から数百万円というのが常識ですが、近年、中小企業のM&Aを専業とするところでは、これらの費用を無料化している事業者も増えてきております。

マイルストーンフィー

M&Aでは検討段階から成立するまでに数年かかることも稀ではありません。そこで、一定のマイルストーンを決めて費用が発生するものもあります。

一番多いのは具体的な相手と主要な部分で条件合意をする基本合意の時点で、最終的な報酬の5%~20%程度が多いようです。

成功報酬

M&Aビジネスでは成立時に大きな報酬を受けることが一般的です。M&Aの譲渡対価となった総額に一定の料率を乗じるケース、譲渡対価に対象会社の負債(正確にはネット有利子負債が多い)を足した企業価値に一定の料率を乗じるケースが一般的です。

また乗じる手数料率も固定の場合や、レーマン方式という、算定総額の金額に応じて料率を計算していく方法もありますが、概ね1~5%の範囲となっております。

M&Aの課題

M&Aはこの10年20年で急速に発達してきている分野ですが、まだまだプレイヤーは少ない状況です。その反面、中小企業の高齢化を背景にM&Aの社会的ニーズは広まりを見せております。特に売手にとっては一生に一度の大きな取引になりますが、M&Aのスキームによってはかかる税金も変わるケースもあり、実績や経験が少ないアドバイザーがついてしまうと実は損をしてしまっていたということも考えられます。

また、売手も無理に会社を良く見せたり、不都合なことを隠すといった行為を行うことで、後日、買手との間でトラブルとなるケースもあります。M&Aの最終譲渡契約では売手の表明保証を求められますので、虚偽報告、不実告知などが発覚した場合には責任を負うことがあります。

日本においてM&Aが経営上の一般的な選択肢とされるためには、利用する当事者のリテラシーの向上とプレイヤーの一層のレベルアップが期待されます。

当社は、大小様々なM&Aニーズを豊富に保有しています。
経験あるスタッフがきめ細かく対応させていただきますので、
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