
映像業界のM&A動向
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映像制作業とは、映画や、ドラマ・バラエティ・ドキュメント・報道などのテレビ番組、アニメーション、映画・テレビ・インターネットなどのCM、学校・会社のセミナーなどの教育用映像の制作・配給を行う事業のことを指す。
プロデューサーやディレクター、映像クリエイター、編集者、カメラマン、ライトマン、シナリオライター、音声スタッフなど多くの職種によって成り立っている。

映像制作の制作過程は、一般的に企画や予算、シナリオ作成、スタッフの構成を行う「プリプロダクション」、撮影や照明、録音などに関わる「プロダクション」、画像を編集し、ナレーションや音楽をつける「ポストプロダクション」の3つに大きく分業されている。
また、テレビ番組の映像制作はテレビ制作プロダクション、CM制作は映像制作プロダクションといったように、制作プロダクションによって専門分野・得意分野があり、1つのジャンルに特化したプロダクションから様々なジャンルの仕事を請け負うプロダクションが存在する。
近年ではプリプロダクションからポストプロダクションまですべてを行うYouTuberの活躍も目覚ましい。
経済産業省が発表した「2019年情報通信業基本調査」によると、映像情報制作・配給業の2018年度売上高は9,047億円であった。

出典:https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/joho/result-2/r01/2019kakugaiyo.pdf
日本映像ソフト協会の「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査2018」の売上高の内訳に注目してみると、映像ソフト市場のうちセル、レンタル、有料動画配信の割合が大きく変化している。セル、レンタルの売上は2007年から大きく減少し、2013年に登場した有料動画配信の売上高が大きく伸張していることがわかっている。
同様に、「オンラインビデオ総研」が示した国内動画広告の市場動向調査結果によると、2012年時点での国内動画広告の市場規模が50億円から2016年調査時点で735億円と数年で14倍以上に成長しており、動画広告市場のデジタルへの移行が顕著に示されている。また、近年成長著しいYouTubeの国内市場規模は2015年の33億円から2017年に217億円、2020年には475億円へと成長しており新たな動画制作の場所へと注目が集まっている。
この映像配信のデジタル化の背景にはスマートフォンの普及と4G(LTE)といった通信システムの成長が大きく影響しており、2020年に登場した5G(第5世代移動通信システム)が今後普及していくことで映像のデジタル化がますます進んでいくことが予想される。
今後、メディアの多様化により、映像制作会社の顧客もTV局だけでなく、様々な分野に拡がることが予測されるため、余裕のあるスケジュールや制作費を基準にした仕事の受注が、労働環境の改善につながり、会社の人材を引き留める大きな要因になると考えられている。
映像制作業業界では、資本強化、事業拡大、優秀な人材の確保、基盤の強化のためのM&A、新たなノウハウ取得のためのM&Aが活発に行われている。
2017年、株式会社フュートレックは TV向けの映像制作を手がけるメディアジャパン株式会社をM&Aした。メディアジャパン株式会社は傘下に広告代理店事業のメディアジャパンエージェンシー株式会社を持つが、将来の経営に携わる人材の不足や資本の増強、収益の安定化などを課題としていた。このM&Aにより、映像事業の強化・拡大やグループ内の事業の相乗効果と、傘下の翻訳事業やインバウンド事業などとの連携を図り、グループ全体の安定的な経営の期待が図られた。
2018年、トレンダーズ株式会社は、美容動画メディア「MimiTV」を YouTube、Instagram、Facebook などのSNSおよびアプリ上で展開する株式会社MimiTVをM&Aした。トレンダーズ株式会社は企業のプロモーション・PR支援などのマーケティング事業を手がけている。このM&Aで、「MimiTV」を活用することによる顧客の多様化・細分化に対応した「マイクロマーケティング」の強化が図られた。
2018年、株式会社KeyHolderの子会社である株式会社KeyProductionは、株式会社BIGFACEのテレビ制作事業を会社分割により取得した。株式会社BIGFACEは、ドキュメンタリーやスポーツ番組、バラエティー番組など幅広い制作実績を持ち、近年では企業CMなど広告映像制作に進出している。KeyHolderが目指すライブ・エンターテインメント事業との親和性が高いことから、今後の事業基盤の構築への寄与が期待された。
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