
フィットネス(スポーツジム)業界のM&A動向
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フィットネスクラブとは、事業者が募集したクラブ会員を対象に、室内プール・フィットネスジム・スタジオなど室内の運動施設において、インストラクター・トレーナーなどの指導員を配置したうえで、スポーツ・体力向上などのトレーニング方法を教授する事業所のことを指す。フィットネスクラブは、室内プール・フィットネスジム・スタジオから構成されていることが最も多く、それに加えミニアリーナやゴルフ練習場、スパ、サウナ、エステなどが併設されている施設も多い。マンツーマンレッスンが売りのパーソナルジムも首都圏を中心に店舗展開が進んでいる。

業態別で分類すると、総合型施設はコナミスポーツクラブ・セントラルスポーツクラブ・スポーツクラブルネサンス・メガロス・ティップネスがあげられ、24時間セルフ型は、ダンロップスポーツクラブ・エニタイムフィットネス・ファストジム24・スポーツクラブジョイフィット、ターゲット限定型は、カーブス、成果志向型は、ライザップ、郊外型は、ホリデイスポーツクラブとなっている。
フィットネス業界の特色としてあげられるのが、会員の高齢化が進んでいることである。セントラルスポーツクラブやルネサンスでは、この5年間で50代以上の会員数が50%以上を占めるまでになっている。一方で、近年20代~40代を中心に人気なのがパーソナルジムである。パーソナルジムは価格は高いが、プロのトレーナーがマンツーマンでレッスンを行ってくれることもあり、トレーニング時のフォームの習得や食事指導などの管理が徹底されることが多く、ボディメイクに効果的だといわれている。
株式会社ティップネスの調査によると、2018年のフィットネスクラブの市場規模は、4,786億円であり、施設数は5,818軒と共に過去最高であった。

出典:http://www.tipness.co.jp/co/recruit/company/
この10年でフィットネス業界に新規市場参入したカーブスを運営する株式会社カーブスジャパンやエニタイムフィットネスを運営する株式会社Fast Fitness Japanなどに代表される小規模でのフランチャイズシステムチェーンが成長段階に入ったことが要因として考えられる。フィットネス業界大手も新規参入に刺激され、スタジオのホットヨガ対応・フィットネスクラブの24時間営業・コンディショニング系のプログラム拡充など新業態や新しいサービスの開発に取り組み業績を伸ばした。既存の業態とは異なる24時間セルフサービス型ジムやサーキットトレーニング型スタジオ、ホットヨガスタジオ、ストレッチサービス専業に加え、コンセプチュアルなブティックスタジオの出現などフィットネス業界は進化し続けている。
フィットネス業界の売上高を企業別にみると、コナミスポーツ株式会社が713億円、セントラルスポーツ株式会社が516億円、株式会社ルネサンスが434億円、株式会社ティップネスが363億円、株式会社LAVA Internationalが219億円などがあげられる。
フィットネス業界を国際的に比較すると日本の市場規模がまだ小さいことが一つの課題としてあげられる。株式会社クラブビジネスジャパンの調査によると、2018年のアメリカ合衆国、イギリス、日本の市場規模はそれぞれ、323億ドル、74億ドル、47.9億ドル(1$=100円換算)であったことに対して、人口を比較すると、アメリカ合衆国が3億2,000万人、イギリスが6,500万人、日本が1億2,000万人であるため、人口に対するフィットネス業界の市場規模が日本は小さいことがわかる。
日本の市場規模が小さい原因は、参加率の低さにあると考えられる。参加率とは人口に対するフィットネス人口の比率である。アメリカは19%、イギリスは15%なのに対して、日本は4%でしかない。今後、日本においてもフィットネス人口を増やしていくことが大きな課題だといえる。
フィットネス業界のメガM&Aは、サントリーホールディングス株式会社と丸紅株式会社の共同事業であった株式会社ティップネスの日本テレビホールディングスへのM&Aである。フィットネス業界では、「会員の確保」「スケールメリット」「既存施設とのシナジー」などの目的で、大手による中小事業者のM&Aにて再編が活発化している。大手5社で全体の半分程度の市場シェアを占めており、中小規模の事業者は価格競争に勝てないケースが多く、プールなど設備維持費と総合的に身体を鍛えるプログラムをこなせる優秀なトレーナー・インストラクターを維持させる人件費、そしてそのリクルーティング費の比率が高いコスト構造での経営環境で、生き残りを模索している状態が続いているように見受けられる。その中でM&Aが事業継続の1つの選択肢になっている。また上記のメガM&Aに見られるように、異業種からの市場参入をM&Aで実行するケースが見られる。
2016年、株式会社フージャースホールディングスが株式会社スポーツアカデミーの全株式を取得し、子会社化した。このM&Aにより、株式会社フージャースホールディングスがフィットネスクラブ運営事業に本格参入することになった。
2016年、株式会社フージャースホールディングスが株式会社宮の森スポーツの全株式を取得し子会社化した。このM&Aにより、株式会社フージャースホールディングスが北海道エリアにおけるフィットネスクラブ運営事業に本格参入することになった。
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