
中古車・カー用品業界のM&A動向
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業界の定義
中古車とは、中古の自動車・オートバイ・自転車のことを指す。一度使用されたものをカーディーラー・中古車販売専門店・レンタカー会社・リース会社・オークションまたは個人間で売買される。カー用品は、主に乗用車のユーザーが自身の自動車のメンテナンスのために利用あるいはカスタムするためのパーツで、車内・車外に取り付けるアクセサリー類・更には車内の快適さを向上させるために利用する物品のことを指す。
また、新車が販売されて以降の市場を「自動車アフターマーケット」と呼び、中古車やカー用品のほかに、整備・修理や自動車保険などで構成されている。
業界の特色

中古車販売は、1898年にアメリカ合衆国ニューヨーク州のエンパイア・ステート・モーターワゴン・カンパニーが始めたのが最初とされている。アメリカ合衆国の中古車市場は3,700億ドルの規模で、全米自動車販売の半分を占め、米国のすべての小売業で最大規模になっている。日本では、車を乗り換える際にディーラーに下取りに出すか中古車専門業者に売ることが多い。業者は、買い取った中古車を整備して自ら売るか、オークションに出して売りさばく仕組みになっている。販売や買取業者は古物業法に基づき、古物商の許可が必要になる。
日本の中古車は輸出産業でもあり最大の輸出国はロシアである。輸出国の経済状況で輸出額が上下するマクロ環境に置かれており、自助努力ではカバーしきれない要因を持っている。
日本のカー用品業者は、アメリカのような「オイル交換専門店」「タイヤ販売専門店」という専門店化はされておらず、カーアクセサリーなど嗜好品を売りながら、タイヤ販売からメンテナンス・オイル交換・車検などモノに加えてクルマ関連のあらゆるサービス販売を充実させて成長してきた。
今後も単純に商品を売るだけでなく「車のことで困ったらいつでもどうぞ」と想起してもらえるように技術やサービスを提供できるような戦術を進めていかなければ生き残れないという危機感がある。
市場の規模
株式会社矢野経済研究所の調査によると、2018年の自動車アフターマーケットの市場規模は19兆6,490億円と推計された。日本の中古車は自動車メーカーが築き上げてきた技術により、高い品質とブランド力を持つことに加え、車検制度があることから海外での需要が高く、2018年に海外に輸出された車両は132.7万台であった。

出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2137
中古車販売の売上を企業別にみると株式会社IDOM(旧ガリバーインターナショナル)が3,094億円、株式会社ネクステージが1,631億円、株式会社ケーユーホールディングス972億円、株式会社ユー・エス・エス799億円となっている。
カー用品業界の市場規模は、新車販売・中古車販売の動向に大きく左右されており、近年はユーザーの節約志向・低価格志向・生活防衛意識の高まりが需要を伸長させない原因の一つになっている。スマートフォンの地図アプリケーションの普及によりカーナビゲーションの需要低下が起きている。IoTの技術革新がコネクテッドカーなどでカー用品業界の市場を左右し、他業界との連携も必須になってきている。
課題と展望
中古車業界は大手が独占している寡占業界になっている。経済産業省の調査によれば、中古車販売会社の90%以上は従業員9人以下で、さらにそのうち最も多い規模が従業員2名以下の小規模零細企業となっている。
規模の追求など、経営改革が必要となっている。また、ロシアの中古車に対する関税引上げによる輸出の落ち込みなど、カントリーリスクとも直面している厳しい経営環境である。
イエローハットは2012年に出光興産と業務・資本提携してガソリンスタンドでカー商品を販売する「アポロハット」を展開。共同仕入れなどの経営努力により2019年の営業利益率は6.9%の高収益を確保している。同年のオートバックスの営業利益率は3.5%であった。
中古車・カー用品業界のM&A動向
中古車業界・カー用品業界のM&Aは、国内・国外とも同業に対するM&Aがほとんどである。大手それぞれの企業は目立たないが頻繁にM&Aを繰り返して業界の再編を進めている。
2018年,株式会社IDOMは、豪州メルボルンにある新車・中古車販売のAWMグループ5社の株式を取得しM&A成立。AWMグループの直近売上高は225億円であった。
2011年、株式会社IDOMは、千葉県でBMWの新車販売ディーラーである株式会社NakamitsuMotorsの株式を取得しM&A。同社は、BMW販売店5店舗・MINI販売店4店舗・BMW認定中古車販売店3店舗を展開し、直近の売上高は101億円であった。
2019年、株式会社オートバックスセブンは、長野県飯田市にある株式会社コクサイショパーズエイトの全株を取得しM&A成立。同社はオートバックス美濃に商号変更した。株式会社コクサイショパーズエイトは株式会社オートバックスセブンのフランチャイズチェーン加盟法人であり、岐阜県・長野県・愛知県にて7店舗のオートバックスを経営している。
2019年、株式会社オートバックスセブンは熊本県にある株式会社オートスターズの株式83.3%を取得しM&A。同社は、熊本県で8店舗のオートバックスを展開している。
2020年、株式会社オートバックスセブンは、三重県にて車検・整備・板金等を行う高森自動車整備工業株式会社の全株を取得してM&A成立。同社は同県にて4ヶ所の事業所を持っており、オートバックスセブンは「次世代技術に対応する整備ネットワークの構築」の一環が目的としている。
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