M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#77

業界環境が変わる中で決断した2度のM&A。
事業譲渡と株式譲渡を経験した調剤薬局が描く未来とは。

富山県、石川県を中心に13店舗の調剤薬局を展開する株式会社ひかりファーマは、2003年の創業以来、地域の身近な「かかりつけ薬局」として愛されてきた。同社は2018年、薬局1店舗を事業譲渡、2023年には株式譲渡を行った。なぜM&Aを考え、株式譲渡先として株式会社スギ薬局を選んだのか。取締役会長の庄司 行輝 様、そのご子息である代表取締役 庄司 健太郎 様、取締役 営業部部長 庄司 康郎 様に、これまでの経緯と未来について伺った。

  • 譲渡企業

    会社名
    株式会社ひかりファーマ
    所在地
    富山県高岡市
    事業内容
    調剤薬局13店舗の運営
    資本金
    1000万円
    M&Aの検討理由
    安定的な成長のため
  • 譲受企業

    会社名
    株式会社スギ薬局
    所在地
    愛知県大府市
    事業内容
    ドラッグストアなど約1,500店舗の運営
    資本金
    5,000万円(2020年2月現在)
    M&Aの検討理由
    北陸エリアへの事業拡大のため

家族で力を合わせて多店舗展開を続けた

まずは株式会社ひかりファーマの沿革からお話いただけますでしょうか。

行輝
株式会社ひかりファーマ 取締役会長 庄司 行輝様(以下、行輝)

ひかりファーマは2023年に創立20周年を迎えた調剤薬局です。創業時の社長は妻でした。家族で調剤薬局を経営してみようと考えたのは私でしたが、当時医薬品卸の企業に勤務し、石川県の責任者を任されており、仕事が面白く会社を辞めたくなかったので、創業当初から数年は妻に会社を経営してもらおうと考えたのです。

妻に社長を任せていたものの、経営方針の策定や営業など実質、会社を率いているのは私でした。ですので、正式にひかりファーマに参画する前から、水面下ではさまざまな業務を行っていました。医薬品卸の企業への勤務と、ひかりファーマの運営、両輪で取り組んでいましたね。

 妻は薬剤師ではありませんでしたが、歯科衛生士だったので、医療費の計算に使われる単位である保険点数の知識はありました。もちろん、経営の経験や調剤薬局の知識がなかったので、開業前に別の調剤薬局で勤務して勉強をしてもらいました。最初に開局した店舗は思った以上に順調な滑り出しを見せました。1日に170名ほどの患者さんがいらっしゃったので、従業員7名体制で迎えました。その3年後にまず次男の康郎が入社し、長男の健太郎もそれに続きました。

お二人は、お父様に声をかけられて入社を決意したのですか。

康郎
株式会社ひかりファーマ 取締役 営業部部長 庄司 康郎様(以下、康郎)

当時私はまだ大学生でしたが、親に言われたからではなく自ら薬局で働きたいと思いました。今思うと、母が薬局で働いている様子が充実していて楽しそうに見えたからです。家族が経営する会社で働くことには特に抵抗はなかったのですが、実際に働いてみると“やりづらい”と感じることもありました。しかし自分で決めて入った以上は、きちんと仕事を続けたいと思っていました。

健太郎
株式会社ひかりファーマ 代表取締役 庄司 健太郎(以下、健太郎)

私が就職活動をしていた頃には、まだひかりファーマは開業しておらず、“薬局をやりたい”という考えは全くありませんでした。大学を卒業後、大手ホームセンターに勤務をしており、ひかりファーマが開業された後も、“両親の後を継ぐ”という気持ちは全くありませんでした。 ところが、2年、3年と時が過ぎていくと、ホームセンターの仕事が忙しくなりなかなか休みも取れなくなり、「このまま続けてもいいのかな」という疑問を感じるようになっていました。ちょうどその時に、ひかりファーマが2店舗目を開店するという話があり、自分もチャレンジしてみたいと両親に伝えました。25歳の頃です。

行輝

健太郎がホームセンターで勤務している頃、日々の仕事に追われ、とても疲れているように見えていました。私からひかりファーマに入社するように勧める中、本人から入社したいと話がありました。色々と話をすると、健太郎は入社をしたとしても薬局ではなく、ジェネリック医薬品の販売会社を作りたいと考えていることがわかったので、一緒に新しい事業を立ち上げようと考えました。そして薬局のほうは次男の康郎に任せようと、当時はそんな思いを持っていましたね。自分の子どもたちが一緒にやってくれるというのは、とてもありがたく思いました。

ひかりファーマに正式に参画されたのは、行輝さんが一番最後だったのですね。

 

行輝
行輝

そうなんですよ。初代社長の妻が5年ほど頑張った後、勤めていた会社を辞めた私が二代目社長に就任しました。私が55歳、ちょうど3店舗目の開業が決まった時でした。当初は、勤めていた医薬品卸の会社で専務になるぐらいまで頑張りたいと考えていたのですが、結局その予定を早めることにしました。ひかりファーマの経営は順調でしたが、家族のためにひかりファーマの経営に本腰を入れないといけないと感じたからです。会社に入ってくれた健太郎も康郎も相次いで結婚し、その家族の生活のこともしっかり考えなければならなくなり、私たち家族が一丸となって経営していく必要がありました。
私の強みは、医薬品卸の会社に勤めていた頃に培った医者との関係性です。ですので、ジェネリックの医薬品販売事業は長男の健太郎に任せて、私は薬局の店舗を増やすことに注力することにしました。そこから3年ほどはあまり記憶にないくらい、必死になって事業拡大を進めました。私が負けたら子供たちの生活も終わってしまうという、一種の使命感を持っていました。
もともと門前薬局(病院やクリニックのすぐ近くにあり、近隣の医療機関からの処方箋に基づいて、薬を調剤したり販売したりする薬局)がないエリアだったことも功を奏しました。薬局が近くにない医院の先生にお声がけしながら、5店舗出店を目標に事業拡大を進めていきました。前職を辞めるときに同僚から「出世コースに乗っているのに、なぜ辞めるのか」と言われて、とても悔しかったこともあり、“5店舗出せれば、皆を見返せる”という意識が働いていたのでしょう。結果的には私が参画してから3年が経過した時点で、7店舗を開店。“やりきった”と感じました。

お二人は、その当時のお父様の姿をどのように見ていましたか。

健太郎
健太郎

父は自分の感性を信じて仕事を進める性格で、私は父の推し進める業務に付随する許可取りなどをして支えていきました。お互いに足りないところを補っていた感覚です。私は、補助する業務は嫌いではなかったので、“それで会社が成長していくのであれば良いのではないか”と思ってはいました。休みであっても、時間があれば仕事をしていましたが、父のためというわけではなく、“従業員や患者さんのために会社の成長させたい”という気持ちで動いていました。

康郎

私は正直、複雑な思いを持っていました。会社や従業員の雇用を守るためにも新規出店をしなければならないということは分かっていましたが、一方で従業員から、「なぜ今出店するのか?」という疑問や批判の声が上がっていたのも確かです。その声は、すべて私が受け止めるしかありませんでした。そのような話を父にしても、性格的に聞く人ではないとわかっていました。それぞれの性格を理解しながら、自然と役割分担ができていたのでしょう。

疲弊した組織を立て直すために

ご家族で力を合わせて経営をしてこられたのですね。ここからは、担当アドバイザーの山﨑さんも交えてお話を伺います。M&Aキャピタルパートナーズとの出会いについて、教えてください。

行輝

今から7年前の2017年、ちょうど7店舗目を出した頃ですね。最初は別の担当が顔を出されていて、その後山﨑さんが訪問されるようになりました。当時は、自分が当事者としてM&Aをしようと思っていたわけではなく、年に何度か講演会を依頼されることがあったので、そこで話をするネタを収集するという目的でお会いしていました。当時から、地域の経営者の中で後継者不在の問題は大きな関心事でしたから、山﨑さんからいただいた情報を発信させていただいていましたね。

 

山﨑
M&Aキャピタルパートナーズ 執行役員 企業情報部部長 山﨑 研(以下、山﨑)

連絡を取って、定期的にお伺いしていました。業界についての情報提供を主に行っていましたが、何度かお話をしているうちに「最初に出した1号店を譲渡したい」というお悩みを打ち明けていただきました。2018年に1店舗の事業譲渡の支援をさせていただきました。

行輝

何度かお会いして、山﨑さんは信頼できる人だと感じていたので、思い切って相談をしてみました。実をいうと他にもM&Aの仲介会社の人と複数会っていましたが、自分がM&Aを考えていない時に、M&Aの話を推し進めてくる仲介会社の人もいる中、山﨑さんだけは、無理に話を進めようとせず、とても紳士的で好感が持てました。譲渡しようと考えていた店舗は当時、従業員から「この店で働きたくない」「他の場所で働きたい」という意見が出ていました。

康郎

その店舗は朝が早く、終わる時間も日によっては22時を回ってしまうということもあったのです。いつ仕事が終わるか分からないくらいにハードだったため、従業員の不満が溜まってしまったのだと思います。

行輝

7店舗の中で、当時、この店舗が全体の売り上げの3割を占めていました。さらに近くにある病院の先生には昔からとても良くしてもらっていたので、そこを譲渡するという決断はなかなか難しかったです。その悩みを山﨑さんにも本音でお話しし、的確なアドバイスを受けながら決断を下しました。その時に、山﨑さんはこちらの話をしっかり聞いてくれて成果を出してくれました。その経験によって、山﨑さんに対する信頼度が高まりました。

事業譲渡から5年後、今回は株式譲渡の決断をされたということですが、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

行輝
行輝

2022年の時点で、おそらく2023年は過去最高の売り上げと利益が出るという見通しが立ちましたが、課題もありました。急拡大を進めてきたことで、組織体制が崩壊寸前になってしまっていると康郎から指摘があり、拡大をやめてほしいと意見をもらいました。私は会社が拡大して、みんなが喜んでくれていると思っていたのですが……改めて組織内を見てみると、“拡大路線を止めたほうがいい”と感じました。

康郎

一気に出店を加速したため、従業員が対応できないという雰囲気になっていました。「なぜまた出店するのか」といった不満の声が次々に上がり、従業員がどんどん辞めていきました。しかし父は、そのまま出店を続けていたので常に人手不足の状態に陥り、一人ひとりの業務量が増えてしまっていました。長く勤めてくれていた人も辞めてしまう状況だったので、限界を感じ、父を説得しようと思いました。

行輝

次男の話を聞いて納得しました。冷静になって考えると、私は既に70歳を越えていたので、このまま私が経営を続けていくことは難しいと考えるようになりました。今まで頑張ってくれた従業員の雇用を守らなければならないので、会社の状態が良い時に、今後も従業員を守ってくれる会社と一緒になった方が良いのではと考えました。

息子さんたちを後継者にするという選択はなかったのでしょうか。

行輝
行輝

私は、自分が持っている医者との関係性を最大限に利用してきましたが、医者も世代交代が進んでいます。息子たちが私と同じようなことをできるのかというと、そんなに簡単なことではないです。私が辞めて、その後を二人に任せるとなると、息子たちが大変な思いをするのではないかと考えました。今は良い状況ですが、将来を見据えて次の展開を考える必要があります。そこで約4年ぶりに山﨑さんに連絡を取って、相談することにしました。それから、山﨑さんに相談して話を進めていきました。私の希望は、調剤薬局で、現在北陸には展開されておらず、“これから北陸に進出したいと考えているところと一緒になりたい”ということでした。そこでいくつかお相手先の候補を出してもらった時、息子たちにもM&Aを考えていることを伝えました。

 

康郎

急に「会社を譲渡することに決めた」と父が言い出しました。正直驚きましたし、最初は反対しました。この会社のために頑張っていた従業員たちに対して申し訳ないという気持ちがあったのです。しかし、父からは「従業員を守るために譲渡する」と説明を受け、「自分たちで従業員を守れるのか?」という問いかけに対して、確かに5年後どうなっているかも分からない状態の中で、明確な指針もなく独立経営を続けていくのは無責任かもしれないと考えるようになりました。

健太郎

私は、以前から父がM&Aを考えていたのは知っていました。私も“このまま続けていくのは難しいのだろう”と思っていましたので、今回の件を聞いたときも“そういう考え方もあるな”とは思いました。しかし、会社自体が行き詰っているわけではなかったので、私の中では“まだ早い”とも感じていましたし、戸惑いも少なからずありました。
しかし、考えれば考えるほど、その戸惑いも薄れていきました。例えば、2025年には団塊の世代が75歳以上になるといった知識や調剤報酬改定についての情報には常に触れているので、“タイミング的にも良いのかもしれない”と思うようになり、さらに薬局を取り巻く環境などを自分の中で整理して考えていくうちに、“今しかない”という考えに変わっていきました。

担当アドバイザーが新しい可能性の扉を開いてくれた

山﨑さんは、どのような提案をされたのでしょうか。

山﨑
山﨑

行輝様が希望されていた調剤薬局を運営しているかつ、北陸に展開していないところとなるとお相手候補先がかなり限られてしまいます。しかもひかりファーマはすでに13店舗まで店舗拡大をしていたので、この規模の会社を譲り受けられるお相手となるとさらに限定されてしまいます。そこで考え方を変えて、ドラッグストアも選択肢に入れてみました。今回、ご一緒されることになったスギ薬局は、北陸エリアに力を入れたいという考えがありました。ひかりファーマは、北陸エリアでの豊富な医師のネットワーク・地域でのブランド力を持っており、スギ薬局は、出店の資本力・採用ノウハウを持っています。相互に強みと弱みを補完するのではと考えました。

行輝

私の頭の中の選択肢には調剤薬局しかなかったので、最初聞いたときは“なぜスギ薬局?”と疑問に思いました。しかし、“スギ薬局”の名前を聞いた次男の態度が変わったのです。

康郎

10年ほど前に、たまたまTVでスギ薬局の会社紹介をする番組を見て、“すごい会社だな”という印象を受け、“こういう会社を目指したい”と思った記憶がありました。なので、お相手先の候補としてスギ薬局が候補に挙がったのを知り、直感的に“良いかもしれない”と思いました。逆に中堅の調剤薬局チェーンであれば、お断りをしていたかもしれません。

健太郎

まさかスギ薬局から声がかかるとは思っていませんでした。正直、一緒になるイメージもあまりできてはいませんでしたね。もちろん、素晴らしい会社であるということは分かっていますが、私たちに何を求めているのだろうと戸惑いました。

行輝

私は、お相手は調剤薬局を考えていたため、当初はあまり乗り気がしませんでした。約1,500店舗もドラッグストアを運営しているスギ薬局がひかりファーマに声をかけてくるというのは、“何か裏があるのでは?”と、どうしても悪いイメージを持ってしまっていたのですね。健太郎も私と同じように、調剤薬局と一緒になる方が良いと思っていました。

しかしスギ薬局の売り上げ構成を見ると、調剤が20%で物販が80%です。調剤はこれから業界的に厳しくなっていくことが予測される中で、化粧品などの物販が本業であれば大丈夫なのではと康郎が言っており、私も“そうかもしれない”と思うようになっていました。とはいえ、あまりにも大きな会社なので、どのような目線で一緒になれるかが分からなかったのは確かです。ですので、康郎が言っていることも理解できるし正しいと思うけれども、スギ薬局の経営陣がどのような人であるかが重要だと考えていました。実際にトップ面談で副社長とお会いすると、印象が大きくと変わりました。感想を一言で言えば“負けたな。すごい方だな”ということです。それから本社で社長と会長にもお会いしましたが、皆さんに同じ印象を持ちました。

康郎

偉ぶっているところがまったくなく謙虚で、とても印象が良かったです。帰りの車の中で、私はもう話を前に進める気持ちになっていました。

譲渡先企業をこのエリアでNo.1の存在にしたい

実際に成約された時の率直な気持ちをお聞かせください。

行輝

成約するまでの間に、何度も山﨑さんに「この話は無しにする!」と連絡をしました。とにかく気持ちが揺れていました。会社の規模が全く違うので、デューデリジェンスをはじめとする手続きの過程で“なんでこんなに細かいことまで……”と、一時的に不満と不安が生じて混乱していたのでしょう。しかし、息子たちは常に落ち着いていて、きちんと対応してくれていたのが印象的でした。

康郎
康郎

私は特に不満はありませんでした。“デューデリジェンスや成約前の手続は、そんなもんだろう”と思っていたので、反対に父は何が不満なのかと疑問に思っていたほどです。私は成約後、本当にホッとしました。従業員に説明しましたが、みんな納得してくれたので、それを見てさらにホッとしました。話は進めているなかで従業員に内緒にして話せていないときが一番辛かったですね。

 

健太郎

従業員の反応はさまざまですね。良く捉えている人もいるし、不安に感じている人もいます。不安感がある人に対しては、こちらがそれを取り除く努力をして“良かった”と思ってもらえるようにしていきたいですね。

スギ薬局のグループの一員になることについて、どのような思いをお持ちですか。

康郎

不安よりも期待の方が大きいですね。これまでは「店舗を増やす」と何となく言われていただけだったので、計画や目標と言えるようなものがありませんでした。それがスギ薬局のグループになることで明確な計画が立てられて、そこに向かって仕事ができるのはとても良いことだと思っています。

お互いに良いところがあると思いますが、ひかりファーマとしてはスギ薬局が持っている物販の強さや、組織づくりのアドバイスの部分に良さを感じています。まずは、課題となっていた組織づくりに取り組んでいかなければ、ひかりファーマとしての会社の成長はないと考えているので、良いものを取り入れて会社を強くしたいと思っています。そして、従業員のことをしっかりと守っていきたいですね。

行輝
行輝

私は今、スギ薬局グループを富山県内No.1の調剤薬局にしたいと思っています。今後3年間で10店舗増やしていきたいので、目標に向けて動き始めています。その原動力が何かは私にも分かりませんが、以前よりも事業成長への思いが強くなっています。そして、ひかりファーマに対する思いよりも、スギ薬局グループをこのエリアでNo.1にしたいという思いの方が強いんです。私たちを選んでくれたスギ薬局への恩返しの方法はこれしかないと思っています。今年72歳になるのですが、今のところ75歳になっても辞めたいとは思っていません。私は今とてもやる気がみなぎっていますが、息子たちがこれから中心になっていくのに、今まで通り動いてもよいのかという疑問はありますが……。

康郎

父がさらに出店に力を入れるだろうということは、私たちもわかっています。こちらでも準備は進めていて、今教育に力を入れているところです。

M&Aキャピタルパートナーズはどのようにお役立ちになりましたでしょうか。

行輝

山﨑さんでなかったら、このような結果にはなっていなかったでしょうね。5年前事業譲渡の時も悩んで決断しましたが、今回の株式譲渡も私の悩みに寄り添ってくれる山﨑さんに相談して本当に良かったと思っています。

健太郎

父は好き嫌いがはっきりしているので、嫌いな人とは付き合いません。付き合いの長い山﨑さんは誠実な方で、父とは本音を包み隠さず語り合える仲になっていたと感じていました。もちろん私たちもとても信頼していました。

康郎
康郎

これまではM&Aなど考えたこともありませんでしたし、譲渡することに対してもあまり良いイメージを持っていなかったのですが、今回山﨑さんにお話をまとめてもらって、私も考えがガラッと変わりました。実際に譲渡をして、M&Aは素晴らしいことだと感じました。後継者不足などで困っている方はたくさんいらっしゃると思うので、悩みがあればまず相談だけでもしてみるべきだと思います。調剤薬局の業界は、今後厳しい環境になり、辞めていく店も増えてくると思います。単独で続けていくのは難しく、お互いの良いところを融合させていかなければ残れない時代になるでしょう。そうなったときにM&Aという選択肢を考えるのは良いことだと思いますし、だからこそ会社が存続できる場合もあると思います。私たちも、互いの良いところを融合させることで、さらに会社が発展できると考えていますので、目標を達成できるよう頑張っていきたいです。

山﨑

スギ薬局は、健太郎様と康郎様に非常に大きな期待を寄せていらっしゃいます。会社が成長するためにも、「二人の素晴らしいエンジンを使って、両社で発展しよう」という言葉を伝えられていたのが印象的でした。“M&Aは出口だ”と思われがちですが、今回の話はパートナーとして伴走していくという意味で、とても良い関係性が作れるのではないかと感じています。

 

ありがとうございます。最後に、これからM&Aを検討する経営者の方々にメッセージをお願いします。

山﨑 康郎 行輝
行輝

不安な気持ちを抱えたまま経営はできないと思うので、少しでも不安が過ったときの選択肢として、M&Aがあることをまず知ってほしいと思います。調剤薬局は売り上げが上がっても利益は下がる一方です。それは経営者であれば分かっていることだと思います。分かっていても対策をできていない経営者の方々が多くいらっしゃると思うので、先のことを考えて行動する必要があると考えます。

山﨑

行輝様と初めてお会いしてから7年が経過しましたが、この間に調剤薬局を取り巻く業界環境は大きく変わりました。7年前には創業者が多かったのですが、今は代替わりをしていて、二代目の方からM&Aのご相談をいただくことが増えています。二代目の方々は30~50代とお若いことが多いため、これからの10年20年先を見据えた経営が必要になります。今回のご縁組みも、お三方が将来をお考えになり経営をされていた先見性のある経営者だったため、このタイミングでM&Aという決断をされたと感じています。どの会社においても、いずれは事業承継や事業成長のための決断をしなければならない時がくるかと思います。まずは情報収集から始めていただき、比較検討したうえでベストな答えを導き出していただければと思います。


(左から)弊社 山﨑、行輝様、康郎様

文:伊藤 秋廣  写真:山崎 茂樹 取材日:2024/2/1

担当者プロフィール

  • 執行役員 企業情報部 部長 山﨑 研

    執行役員 企業情報部部長山﨑 研

    大手証券会社にて上場・未上場企業オーナーの資産運用およびIPO支援・M&A支援に従事。2011年から当社に参画し、現在は社内トップクラスのM&A成約実績を重ねている。

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