非連結会社とは? 意味や定義・設立するメリット・注意点を解説

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非連結会社について

非連結子会社とは、親会社が支配しているものの、連結財務諸表には含まれない子会社のことです。非連結会社となった場合、財務上の柔軟性や経営の独立性を確保できます。

この記事では、非連結子会社の定義や、連結子会社・関連会社との違い、設立するメリット・注意点などについて、詳しく解説します。

このページのポイント

~非連結会社とは?~

非連結子会社とは、親会社が支配しているものの、連結財務諸表には含まれない子会社のことです。本記事では、非連結子会社の定義や、連結子会社・関連会社との違い、設立するメリット・注意点などについて詳しく解説します。

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非連結子会社とは

グループ会社のイメージ

非連結子会社とは、子会社のうち、連結子会社には該当しない企業のことを指します。

そもそも子会社とは、株式の過半数が親会社に保有されている、もしくは役員派遣などによって実質的に経営を支配している企業のことを指します。子会社のうち、親会社の連結決算の対象となる企業が「連結子会社」です。連結決算では、親会社と子会社の決算を合算し、グループ内で発生した内部取引を相殺するなどの処理を行ったうえで、連結財務諸表を作成します。

しかし、子会社のすべてが連結決算の対象となるわけではありません。一定の条件を満たす子会社は、連結子会社から除外することが認められています。この除外された子会社が「非連結子会社」となります。子会社を非連結子会社とする主な理由としては、以下が挙げられます。

  • 資産規模や売上高が小さく、連結財務諸表に含めても企業グループ全体の財政状態や経営成績に大きな影響を与えない
  • 親会社による支配が一時的である企業
  • 連結によってステークホルダーの判断を誤らせるおそれがある
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完全子会社との違い

非連結子会社と完全子会社との最も大きな違いは、親会社の持株割合です。完全子会社とは、親会社が発行済株式の100%を保有し、経営において完全に支配している子会社を指します。他の少数株主が存在しないため、親会社の意向がそのまま意思決定に反映されます。

これに対し、非連結子会社は親会社が発行済株式の50%以上を保有しているものの、親会社の意向が必ずしもすべて反映されるわけではありません

なお、完全子会社であっても、上述のグループ全体の財政状態に影響を与えないなど、ステークホルダーの判断を誤らせる恐れがない場合は、非連結子会社として区分されることもあります。

関連会社との違い

非連結子会社は、基本的には親会社が議決権の50%超を保有しており、子会社としての支配関係はあるものの、重要性などの観点から連結財務諸表の対象外としている企業です。

これに対し、関連会社とは、親会社が子会社の議決権の20%以上50%以下を保有している会社のことです。持株比率が低いため、子会社に対するほどの影響力はありませんが、それでも一定以上の影響力を行使することは可能です。

なお、親会社の影響力の強弱は、持株比率によって変わり、取締役の派遣や、経営方針への関与の度合いなどに反映されます。

また、非連結子会社と関連会社はどちらも「持分法適用会社」として扱われる場合があります。持分法適用会社とした場合には、親会社の財務諸表に反映されることがあります

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非連結子会社に該当した場合のメリット

非連結子会社は、連結子会社と比較すると財務諸表に与える影響が小さいため、親会社も子会社への関与が小さくなる傾向があります。非連結子会社に該当した場合の主なメリットは以下のとおりです。

それぞれ見ていきましょう。

親会社の財務諸表上の数値が管理しやすくなる

非連結子会社に該当した場合、親会社の連結財務諸表に含まれなくなるため、連結子会社となった場合と比較して管理しやすくなります

連結子会社として扱う場合、グループ内の決算を統合し、内部取引の消去など複雑な会計処理が必要になりますが、非連結子会社であればこれらの手続きが不要です。

また、非連結子会社に該当した場合には、親会社の業績や財務状況に反映されないため、経営判断にも影響を与えません。あわせて、非連結子会社は財務状況に影響を与えないため、連結財務諸表には反映されておらず、投資家や金融機関に対して説明をしなくても影響はありません。

ただし、グループ全体の実態を正確に伝えるため、非連結子会社の業績やリスクを適切に管理し、開示する情報とのバランスを取らなければなりません。

親会社の経営戦略の多角化・持続的な成長に貢献する

非連結子会社は、親会社の連結財務諸表に含まれないため、子会社として財務管理ができていれば問題は生じません。そのことにより、新規事業への参入や異業種展開など、連結子会社に含まれている場合よりも選択しやすくなります。ただし、財務状況を与えないほどの規模感であるため、選択肢は限られます。

また、非連結子会社に該当する場合には、親会社の財務リスクに影響を与えず、成長分野への投資を行うことができます。例えば、リスクの高い事業や市場の変動が大きい分野に進出する際、親会社の業績や財務指標に含まれないため、影響を与えることはありません。

さらに、事業の多様化が進めば、新市場への迅速な参入が可能になるため、グループ全体の競争力向上にもつながります。

非連結子会社を設立する際の注意点

非連結子会社は、親会社の連結財務諸表に取り込まれないため、業績が直接反映されることはありません。そのため、親会社は非連結子会社の財務状況などは別管理で管理され、事業運営の詳細を把握しづらく、情報入手が制限されることになります

非連結子会社の場合、会社全体に影響を及ぼすことがないため、全ての情報を把握しなくても問題ありません。ただし、把握していない期間で想定されるリスクより大きなリスクを抱えた場合、親会社運営に影響を与える可能性があります。

また、非連結子会社であっても、親子関係が構築されていることで、その業績や活動により親会社に悪影響を与える可能性も排除できません。特に、非連結子会社が不祥事や社会問題を引き起こした場合、親会社の信用に影響を与え、ブランドイメージの毀損につながるリスクがあります。また、非連結子会社が多額の負債を抱えた場合などは、親会社が金融機関や取引先から支援を求められるケースも想定され、連結子会社に分類される可能性もあるため、事前に対策を講じておかなければなりません。

したがって、非連結子会社であっても定期的に経営状況をモニタリングし、必要に応じて経営支援や指導を行うことが重要です。

まとめ

非連結子会社は、親会社の業績への影響が少なく、連結財務諸表には取り込まれず、管理などは連結子会社と比較して簡易な管理となるケースも多くあります。しかし、非連結子会社に該当したとしても情報管理やガバナンスの課題などはあるため、慎重な検討が必要です。

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よくある質問

  • 非連結子会社とは何ですか?
  • 非連結子会社とは、親会社が支配しているものの、連結財務諸表には含まれない子会社のことです。非連結会社となった場合、財務上の柔軟性や経営の独立性を確保できます。
  • 非連結子会社のメリットは何ですか?
  • 非連結子会社のメリットには、親会社の財務諸表上の数値が管理しやすくなることや、親会社の経営戦略の多角化・持続的な成長に貢献することが挙げられます。
  • 非連結子会社を設立する際の注意点は?
  • 非連結子会社は、親会社の連結財務諸表に取り込まれないため、業績が直接反映されることはありません。そのため、親会社は非連結子会社の財務状況などを別管理で管理し、事業運営の詳細を把握しづらくなります。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社コーポレートアドバイザリー部 部長公認会計士梶 博義
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 コーポレートアドバイザリー部 部長
公認会計士梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。
これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。

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