ホワイトナイトとは? 意味や事例について解説

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敵対的買収から企業を守るための一策、それが「ホワイトナイト」です。ビジネス戦略の一環として位置づけられるこの戦術は、企業が自身の存続と成長を守るために、友好的な第三者を呼び込むもの。その仕組みや具体的な活用事例、そしてホワイトナイトを選ぶ際のポイントについてご紹介します。

このページのポイント

~ホワイトナイトとは?~

ホワイトナイトとは敵対的買収から企業を守る買収防衛策の一つで、友好的な第三者が買収対象企業を敵対的買収者から守る役割を果たすことをいう。具体的には友好的な第三者が、敵対的買収を受けている対象会社の株式の購入や資本提供など、企業の保全に必要な行動を取る。

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1. ホワイトナイトとは

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ホワイトナイト(White Knight)とは、敵対的買収を仕掛けられた際の買収防衛策のひとつであり、他の企業が敵対的買収を試みる中で、買収対象企業を守るために介入する企業や個人を指す。ホワイトナイトは、買収対象企業が自身を守るために呼び込み、友好的な第三者で、買収対象企業を敵対的買収者から守るために行動する。ホワイトナイトを直訳すると「白騎士」で、元々は中世の騎士道精神からきている。

2. ホワイトナイトの役割

ホワイトナイトの主な役割は、敵対的買収者から企業を守ることである。ホワイトナイトは買収対象企業と友好的な取引を行い、敵対的買収者による買収を防ぐために必要な行動をとる。これには、株式の購入、資本提供、企業の経営参画などが含まれることがある。
敵対的買収は買収対象企業にとって必ずしも最善の選択でないことがある。例えば、経営方針の変更、企業文化の破壊、従業員の解雇など、買収対象企業にとって大きな影響を及ぼす可能性があるため、ホワイトナイトの介入により、これらのネガティブな影響を避けることができる場合がある。

3. ホワイトナイトの事例

日本における、ホワイトナイトの事例として、ドン・キホーテによるオリジン東秀への敵対的公開買付(TOB)が挙げられる。
具体的には、2005年にドン・キホーテがオリジン東秀の創業者一族から発行済株式の約24%を取得した。しかし、ドン・キホーテとオリジン東秀との間の業務提携は順調に進まず、2006年にドン・キホーテがオリジン東秀に対して敵対的公開買付(TOB)を行なった。これに対し、オリジン東秀はイオンをホワイトナイトとして呼び入れ、ドン・キホーテとイオンによるTOB合戦の結果、オリジン東秀はイオンの子会社となった。この事例では、ホワイトナイト(イオン)が敵対的買収者(ドン・キホーテ)よりも高い価格でTOBをかける方法で、敵対的買収を防ぐことができた。

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4. ホワイトナイトを選ぶ際の考慮点

ホワイトナイトを選ぶ際の主な考慮点は以下のとおりである。
財務力:ホワイトナイトは、敵対的買収者に対抗するためには十分な資金力を持っている必要がある。
事業適合性:ホワイトナイトとなる企業の事業領域や戦略が買収対象会社の事業領域や戦略と一致または補完している場合、買収後の統合がスムーズに進む可能性が高まるといえる。
長期的な関係:ホワイトナイトを選ぶ際には、その企業との長期的な関係を考慮することが重要である。ホワイトナイトとなる企業との関係が良好で、相互の信頼関係が築けている場合、買収後も安定した経営が期待できる。

5. まとめ

ホワイトナイトとは敵対的買収から企業を守る買収防衛策の一つである。友好的な第三者が買収対象企業を敵対的買収者から守る役割を果たす。株式の購入や資本提供など、企業の保全に必要な行動を取る。ホワイトナイトの介入は、経営方針の変更や企業文化の破壊、従業員の解雇など、買収対象企業に大きな影響を及ぼす可能性がある敵対的買収のネガティブな影響を避けることができる場合がある。日本での具体的な事例としては、オリジン東秀がイオンをホワイトナイトとして呼び入れ、ドン・キホーテによる敵対的公開買付(TOB)を防いだ例が挙げられる。ホワイトナイトを選ぶ際の主な考慮点としては、財務力、事業適合性、長期的な関係が重要である。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社コーポレートアドバイザリー部 部長公認会計士梶 博義
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 コーポレートアドバイザリー部 部長
公認会計士梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。
これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。

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