【2025年】M&Aの市場規模 最新動向と今後の展望を解説

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M&Aの市場動向について

M&A市場の動向は、件数、取引金額、国内案件とクロスボーダー案件の内訳などから把握できます。近年の日本では、事業承継ニーズの高まりや企業の事業再編、海外展開を背景にM&Aが活発化しており、市場規模の変化は複数の指標をあわせて見ることで捉えやすくなります。

M&Aは、事業承継や成長戦略、事業再編を進めるうえで重要な選択肢として定着しつつあり、中小企業から大企業まで幅広く活用されています。2025年の日本のM&A件数は過去最多となる5,115件を記録し、取引金額も35.7兆円と過去最高額を更新しました。

こうした市場規模拡大の背景には、経営者の高齢化による事業承継ニーズ、企業の「選択と集中」戦略、クロスボーダー案件の活発化などさまざまな要因があります。

本記事では、M&A市場の動向と今後の展望を解説します。

また、M&Aの意味と基本知識について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

監修者情報

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 執行役員 コーポレートアドバイザリー部長 公認会計士 梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。 これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。


M&Aの市場規模

1985年以降のマーケット別M&Amp;A件数の推移のグラフ ※参照:レコフデータ-MARR online「1985年以降のマーケット別M&A件数の推移」

2025年の日本のM&A市場は、件数・金額共に過去最高水準を更新しました。ここでは最新データをもとに、市場規模の現状を解説します。

件数は5,115件と過去最多を記録

2025年における日本企業が関与するM&Aの公表件数は5,115件で、前年比8.8%増となり、過去最高を記録しました。2020年には前年の4,088件から3,730件にまで落ち込んだものの、2021年には4,280件へと増加し、2024年に4,700件に達するなど概ね増加傾向が続いています。

内訳は日本企業同士のM&A(IN-IN)が4,086件、日本企業による海外企業買収(IN-OUT)が657件、海外企業による日本企業買収(OUT-IN)が372件です。件数ベースでは国内再編が中心ですが、クロスボーダー案件も一定規模で推移しています。

IN-OUT案件の牽引により取引金額も過去最高額を更新

2025年の取引金額は35.7兆円となり、2024年の19.6兆円から約1.8倍に増加しました。特に日本企業による海外買収(IN-OUT)が18.2兆円と全体の約51%を占めており、海外展開を目的とした大型案件が市場規模を押し上げていることがうかがえます。

最新の国内事例については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

拡大が続くM&A市場の背景・要因

M&A市場が拡大を続ける背景には、構造的・戦略的な複数の要因があります。ここでは代表的な3つのポイントを解説します。

経営者の高齢化を背景とした事業承継型M&Aの増加

経営者の高齢化を背景とした事業承継型M&Aの増加
画像出典:2025年版 中小企業白書(HTML版) 第9節 事業承継

2025年版「中小企業白書」によれば、2024年時点で中小企業全体の後継者不在率は52.7%と依然として高水準にあります。特に経営者が60代以上の場合、不在率は60代で38.1%、70代で27.7%、80代以上でも22.2%と一定割合が残っています。

一方、2010年代後半と比較すると改善傾向も確認されているものの、母数自体が大きいことから、事業承継需要は依然として市場に継続的に存在しています。

この構造的課題を背景に、第三者承継(M&A)は廃業回避・雇用維持の有効な手段として位置付けられ、事業承継型M&Aが拡大しています。

「選択と集中」を目的とした再編型M&Aの拡大

企業が事業ポートフォリオの最適化を進めるなか、大企業による再編型M&Aの活用が拡大しています。成長性や収益性を基準に事業を選別し、非中核事業の売却や分社化を進める一方、DXや海外展開などの成長分野へ経営資源を集中させる動きが目立つ状況です。

こうした「選択と集中」は、企業単体の競争力向上にとどまらず、産業全体の再編や高度化を促す要因にもなっています。また、M&Aは生産性向上や成長投資を実現する手段として政策面でも位置付けられており、戦略的な事業再編は今後も継続的に進むと見込まれます。

海外展開・円安を背景としたクロスボーダーM&Aの活発化

日本のクロスボーダーM&Aは、企業の海外展開戦略と為替環境の変化を背景に活発化しています

円安局面においては、日本企業や国内資産が外貨建てで相対的に割安となるため、海外企業や投資ファンドによる日本企業買収(OUT-IN)の意欲が高まります。

一方、日本企業による海外買収(IN-OUT)については、円安による取得コストの上昇という懸念はあるものの、国内市場の縮小を見据えた「海外での収益基盤確保」という中長期的な戦略のもとM&Aが、実施されていると考えられるでしょう。

このような為替環境と各社の成長戦略が噛み合うことで、市場全体の推進力を生み出します。

今後のM&A市場の予測

制度整備が進む中、日本のM&A市場は今後どのような方向へ向かうのでしょうか。最新の動向をもとに予測を解説します。

国・業界団体によって進む市場基盤の整備

中小企業のM&A件数が増加するなかで、手数料の不透明さや不適切な買い手によるトラブルなど、市場の不健全化が課題として指摘されるようになりました。こうした状況を受け、近年は、中小企業庁や業界団体を中心に、中小M&Aガイドラインの改訂やM&A支援機関登録制度の運用強化、不適切な買い手への対応強化など、市場の健全化に向けた制度整備が進んでいます。こうした取り組みにより、今後は取引の透明性や安全性が高まり、より安心してM&Aを進めやすい市場基盤の整備が進むとみられます。

今後も底堅い需要のもと拡大が続く見通し

現時点では、日本のM&A市場が急激に縮小する状況にはないと考えられます。

中小企業白書が示すように、後継者が決まっていない企業は依然として多く、事業承継を目的としたM&Aのニーズは今後も続く見通しです。また、2024年以降はガイドラインの改訂や市場改革が進み、手数料の透明化やルールの明確化が強化されています。

一方、金利環境の変化により資金調達コストも意識される局面に入りつつあり、案件の選別はより慎重になる可能性もあるでしょう。

これらを踏まえると、今後のM&A市場は件数自体は底堅く推移しながらも、より戦略性と健全性が重視される方向へ進んでいくと考えられます

まとめ

2025年の日本のM&A市場は件数・金額共に過去最高水準を更新し、事業承継や成長戦略を背景とした取引が活発に行われています。

制度整備の進展により市場の健全性も高まる中、今後は「案件の量」よりも「自社が選ばれる準備と戦略」が成果を左右する時代へと移行しています。

まずは専門家に相談し、自社にとって最適なM&Aの戦略を検討するのがおすすめです。



よくある質問

  • 2025年の日本のM&A件数はどのくらいですか?
  • 2025年に公表された日本企業が関与するM&A件数は5,115件で、前年比8.8%増となり、過去最多を更新しました。
  • 2025年のM&A取引金額はどのくらいですか?
  • 2025年の取引金額は35.7兆円で、2024年の19.6兆円から大きく増加し、過去最高額を更新しました。
  • M&A市場規模の拡大を支えている主な要因は何ですか?
  • 経営者の高齢化を背景とした事業承継型M&Aの増加、大企業による選択と集中を目的とした事業再編、日本企業の海外展開やクロスボーダー案件の活発化が主な要因です。
  • 国内案件とクロスボーダー案件ではどちらが中心ですか?
  • 件数ベースでは日本企業同士のM&AであるIN-INが中心です。一方で、取引金額では日本企業による海外買収であるIN-OUTの影響が大きく、市場全体を押し上げる要因となっています。
  • 事業承継ニーズは今もM&A市場を支えていますか?
  • はい。後継者不在率は改善傾向にあるものの、中小企業の経営者年齢は依然として高水準であり、第三者承継を含む事業承継型M&Aの需要は引き続き市場を支える要因となっています。
  • 制度整備はM&A市場にどのような影響を与えていますか?
  • 中小M&Aガイドラインの改訂やM&A支援機関登録制度の運用により、手数料の透明性や支援の質、安全性に関するルール整備が進み、市場の健全化が後押しされています。

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