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近年では、事業承継などの手法の1つとして特に中小企業などでM&Aが注目されています。
上記の図の通り、M&Aの件数は2011年より増加している状況ですが、まだまだ中小企業においてM&Aを検討している企業は少なく、中にはM&Aというものを認知していない経営者の方もいるのが現状です。
この記事では、中小企業白書内に記載している中小企業へのアンケート結果を元に、中小企業におけるM&Aの実績を分析し、課題や満足度などについて解説しています。
このページのポイント
~中小企業のM&A件数の推移~
M&Aの件数は2011年より増加している状況であり、他のスキームよりも大きな創業者利潤を得られ、後継者問題の解決や事業継続・拡大に寄与する選択肢の一つである。ただしM&Aは相手がいる交渉事のため、想定した企業評価で譲渡できるとは限らない点などには留意が必要である。
目次
中小企業のM&A実績
2018年版の中小企業白書の中で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2017年11月に中小企業30,000社(サービス業で売上高5億円以上、その他業種で売上高10億円以上)を対象に実施したアンケート調査(回収率 14.9%)に基づき中小企業のM&A実績を伺い知ることができます。
そのアンケート回収の結果を見てみると、中小企業において実際にM&Aを実施したことがある企業の割合は、11.6%で、検討をしたことある中小企業を含めても30%未満とまだまだ少ない現状であることが分かりました。
M&Aの過去の実施状況
M&Aの実施件数
次に、アンケート回収企業のM&Aの実施件数については、「1 件」が約60%で最も多いものの、残りの約40%は複数回実施している状況です。
M&Aの実施時期
直近のM&Aの実施時期については、「2015 年以降」が44%で、直近でM&Aが盛んに実施されている状況です。
M&A資金の調達方法
M&A資金の調達方法について見ていくと、「会社の自己資金」が 49.5%、「金融機関からの借入」が 42.3%でこの2パターンとなっています。
M&Aの相手先を見つけたきっかけ
M&Aの相手先を見つけたきっかけについては、「第三者から相手先を紹介された」という割合が42.3%を占めています。
一方で、「相手先から直接売り込まれた」という企業が30.2%、「自社で相手先を見付けた」27.5%と、アンケート回収先の企業については、6割弱が第三者を介さずに相対でM&Aを実施している状況です。
「第三者から相手先を紹介された」42.3%の内訳を見ていくと、「金融機関」が28.5%、「他社(仕入先・協力会社)」が26.9%、「専門仲介機関」16.6%、「コンサルティング会社」5.2%と続いていきます。
M&A実施後の効果について
M&A実施後の総合的な満足度
はじめに、M&Aを実施した後の総合的な満足度について見てみると、「期待を大きく上回っている」、「期待をやや上回っている」、「ほぼ期待どおり」と回答した割合は計 68.3%であり、多くの企業が肯定的に評価していることがうかがえます。
M&Aの満足度が期待を下回った理由
他方で、満足度が期待を下回った企業においては、その理由として「相乗効果が出なかった」を挙げる声が最も多く 44.7%を占めています(第 2-6-26 図)。期待した効果を発揮する上では、事業間のシナジーを発揮していく点が重要といえます。
まとめ
今回の調査により、中小企業のM&Aが増加傾向であることが分かったものの、大多数の企業でM&Aを活用できておらず、当社(M&Aキャピタルパートナーズ)をはじめとする専門仲介機関が支援をする余地がまだまだ多い状況であるようです。