シナジーとは? ビジネス上の意味やシナジー効果を生む手法について解説

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シナジーは、日本語で「相乗効果」を意味する言葉です。ビジネスにおいては、複数の企業が協力して新たな価値を生み出すことや、グループ会社や部署間で業務を統合し、コスト削減を目指すことなどが「シナジー」にあたります。
シナジーは、事業・組織・財務に大別でき、シナジーを生み出す手法にもいくつかの種類があります。本記事で詳しく解説しますので、シナジーについて理解を深めましょう。

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1. シナジーとは


まずは、「シナジー」の意味を確認しましょう。反対語の「アナジー」との違いも詳しく解説します。

1-1. シナジー効果の意味

シナジー効果は、日本語で「相乗効果」という意味の言葉です。
それぞれが単独で活動している状態よりも、協力して行ったほうが効果を高められる状態のことで、1+1が2以上の効果があるときに「シナジー効果が働いている」といえます。
企業間で協力することだけでなく、部署間の協力でもシナジー効果を得ることは可能です。また、片方だけが利益を得られる状態は、シナジー効果とはいえません。すべての関係者にメリットがあり、2つ以上のものが合わさることで効果が高まることが必要です。

1-2. 反対語の「アナジー」とは

シナジー効果の「シナジー」の反対語は、「アナジー」です。
相乗効果の逆の意味であり、企業同士が協力することでデメリットが増える状態を指します。マイナスシナジー、ネガティブシナジー、負のシナジー、ディスシナジーと呼ぶこともあります。
例えば、2つの事業それぞれの価値を10としたときに、協業や統合によって20以上の価値になれば、シナジー効果があるといえます。反対に、協業や統合によって20よりも価値が減ってしまった状態が「アナジー」です。

2. ビジネスにおける3つのシナジー

ビジネスにおける3つのシナジー イメージ画像
ここでは、ビジネスにおける3つのシナジーを解説します。シナジーを分類することで、その効果がわかりやすくなるでしょう。

2-1. 事業シナジー

事業シナジーは、複数の事業者が協力して事業を行うことで得られるシナジー効果です。重複している部門を統合したり、見直したりすることで実現するコスト削減が事業シナジーにあたります
例えば、事業規模を拡大することで大量仕入れが可能となり、さらに配送部門も統一できるため、コスト削減につながるでしょう。
また、一回の生産量を増やして効率化することによるコスト削減など、スケールメリットも得られます。収益や利益が増加するだけでなく、経営の効率化にもつながり、競合他社よりも優位に立つなど、成長性や持続性に向けた好循環を生み出すことが可能です。
複数の事業者で協力して人材の獲得・活用をすることもでき、能力が高い人材の確保にも役立ちます。その結果、生産性が向上し、業績アップにもつながります。

2-2. 財務シナジー

財務シナジーは、M&Aなど、事業を合併することでお金や税金に関して得られるシナジー効果です。
複数の企業が合併することで余剰資金が活用しやすくなり、新規事業や人材の確保といった、企業の成長につながる戦略に役立てられます。
また、M&Aにおいて、繰越欠損金などの債務を引き継ぐことにより、黒字の幅を削減する効果も期待できるでしょう。黒字幅の削減によって課税対象額が少なくなるため、節税効果があります。

2-3. 組織シナジー

組織シナジーは、企業同士が互いに協力して活動することで得られるシナジー効果です。
いわゆる「チームワーク」のことで、協力し合うことで生産性向上につながります。具体的には、業務効率化や社員のモチベーションアップなどの効果が期待できるでしょう。
他者と協力することにより、個人同士が切磋琢磨する環境が生まれ、スキルアップすることで効率よく利益を生み出すことが可能になります。また、従業員の向上心も高まり、モチベーションの維持にも役立ちます。

3. シナジーを生み出す手法

ここでは、シナジーを生み出す手法を具体的に解説していきます。既存の組織体制を変更する方法や、他の企業と協力する方法、合併や吸収によって新たな組織を作り出す方法もあります。

3-1. M&A(買収・合併)

M&Aは、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」のことを指します。
複数の企業が一つになることで、事業の多角化や業務効率化、優秀な人材の確保が可能になります。それぞれの企業が持つノウハウや技術も活用できるようになり、生産力の向上にもつながるでしょう。
繰越欠損金の特例の利用や財務力の強化など、お金や税金の面でメリットが多いのもM&Aの特徴です。

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M&Aとは?M&Aの基本的な意味や流れ、費用などをわかりやすく解説

ここで、M&Aによるシナジー効果の例を一つ紹介します。
楽天グループは、2003年に「旅の窓口」をM&Aで買収し、楽天トラベルを誕生させました。買収によって楽天ポイントの活用が可能になり、多くの楽天会員が利用しています。
楽天トラベルが事業に加わったことで楽天ポイントを活用する幅が広がり、楽天会員の増加にもつながりました。
今回のケースでは、「旅の窓口」と楽天グループの資産やノウハウが一緒になることで、新たな価値が生まれています。しかし、M&Aを検討する場合、シナジーを事前にシミュレーションすることは難しいでしょう。
たとえ買収金額が高額になっても、シナジー効果が最大化した際には、対価以上の利益を得られる可能性があります。
M&Aによるシナジー効果を得るためには、売り手・買い手企業のマッチングが大切です。
M&Aでシナジー効果を生み出したいとお考えの経営者様は、国内トップクラスの成約件数実績を誇るM&Aキャピタルパートナーズへご相談ください。
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3-2. 業務提携

業務提携は、異なる事業を行っている企業同士が提携して、双方の経営課題を解決するための手段です。双方の強みを活かし、弱みを補完することによって企業価値が高まり、シナジー効果が得られます。
シナジー効果が生まれやすい業務提携は、「販売提携」と「技術提携」です。
販売提携とは、商品の販売を提携先に委託することを指し、販売網が無い企業にとっては有効な手段の一つになります。技術提携は、技術や特許を他社に開放し、技術開発だけでなく販売や製造も協力して行う手段です。
業務提携の一例として、自動車メーカーのトヨタとスズキの技術提携があげられます。スズキがインドで生産する小型車をトヨタにOEM供給する形で協業し、シナジー効果を得ています。

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3-3. 多角化戦略

多角化戦略とは、経営資源を別の分野の事業に投資することで、企業全体の売上アップにつなげ、シナジー効果を得る方法です。
多角化戦略は、次の4つに大別できます。

水平型多角化戦略

現在と同じ顧客を対象に新商品を投入する戦略。企業が培ってきた技術を活かした多角化戦略となる。自動車メーカーがオートバイの生産を手がける手法などが水平型多角化戦略にあたる。

垂直型多角化戦略

バリューチェーンの川上から川下、またはその逆へと領域を広げる多角化戦略。生産・流通・加工・販売のすべてを自社で行うメーカーや飲食店チェーンで行われていることが多い。

集中型多角化戦略

技術もしくは顧客、あるいは両方が関連する領域へ進出する多角化戦略。現在持っている技術を新しいものと結びつけて、新規の市場に進出する方法が一般的。カメラのメーカーが医療分野に進出した事例が有名。

集成型多角化戦略

既存の事業とはまったく関係の無い事業に進出する多角化戦略。比較的リスクが高い。

3-4. グループ一体経営

グループ一体経営とは、複数のグループ会社を持つ企業が、共通する業務を一体化することで得られるシナジー効果のことです。コスト削減や経営のスリム化につながります。
共通のニーズを持っている顧客に対して、別の商品やサービスを訴求することが可能になり、金融業界で多く見られる手法です。

4. まとめ

シナジー効果とは、2つ以上の事業を一緒に行うことで相乗効果が発揮され、それぞれ単独で行うよりも効果が高まることを意味します。
ビジネスにおいては、事業シナジー・財務シナジー・組織シナジーの3つのシナジー効果があります。また、シナジー効果を生み出す手法は、M&A(買収・合併)・業務提携・多角化戦略・グループ一体経営の4つに分けられます。自社の状況に合わせて、最適な方法を検討しましょう。
M&Aは、適切なパートナーを見つけることで大きなシナジー効果が期待できる手法です。
ただし、綿密な戦略設計やマッチングが必要で、見通しを誤ると逆にアナジーの状態になりかねません。M&Aによるシナジー効果を最大化するためにも、専門家にアドバイスを受けながら進めると良いでしょう。
M&Aキャピタルパートナーズは、東証プライム上場の信頼と豊富な実績でお客様のご希望に合わせた提案を行っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズコーポレートアドバイザリー部長 梶 博義
M&Aキャピタルパートナーズ 
コーポレートアドバイザリー部長
公認会計士梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。
これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。

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