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コストアプローチについて
企業買収を行う際、どのようにして対象企業の価値を評価するかは非常に重要なポイントです。その中でも「コストアプローチ」は、企業の貸借対照表に着目し、純資産価値を基に評価を行う方法として知られています。特に中小企業のM&Aにおいては、決算書から評価が行える手軽さや客観性の高さから、多く用いられる手法です。簿価純資産法、時価純資産法、清算価値法などの具体的な評価方法があり、資産と負債の明確化を通じて、企業価値の妥当性を見極めるのに役立ちます。
本記事では、これらの手法の特徴やメリット・デメリットについて、わかりやすく整理します。
ショート動画で解説!「コストアプローチとは?」

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コストアプローチとは?
コストアプローチは、企業買収における評価方法の一つで、売り手企業の貸借対照表の純資産価値に着目します。中小企業のM&Aでよく利用され、資産と負債の価値を明確化し、客観性が高い評価が可能です。ただし、業績や将来の収益価値を反映できないデメリットもあります。
本動画ではその点を分かりやすく解説しています。
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目次
コストアプローチとは?
コストアプローチとは、企業買収における主たる企業評価方法のひとつで、被取得企業の貸借対照表の純資産価値に着目した評価手法をいう。
コストアプローチは、決算書である貸借対照表から算出するため、中小企業のM&Aで利用されることが多い。
代表的なものでは、簿価純資産法、時価純資産及び清算価値法がある。

計算方法
計算方法については、簿価純資産法、時価純資産及び清算価値法の箇所をそれぞれご参照ください。
メリット
コストアプローチの主なメリットは、以下の3つが挙げられる。
資産及び負債価値の明確化
コストアプローチでは、企業の資産及び負債の内容を調べてその価値を算出するため、企業が保有する資産及ぶ負債の価値が明確になる。これにより、企業の資産及び負債の価値を適正に評価することができ、買収企業などが企業価値を判断する上で有用な情報となる。
客観性が高い
コストアプローチは、企業が保有する資産及び負債の価値を算出していくため、比較的客観的な評価が可能である。このため、主観的な要素に左右されることが少なく、評価の信頼性が高いとされている。
買収価格の目安になる
企業買収においては、買収価格が問題になることがあるが、コストアプローチによる企業価値評価は、売却側と買収側の交渉において、買収価格の目安として利用されることがある。
デメリット
コストアプローチの主なデリットは、以下の3つが挙げられる。
企業の業績や将来の収益価値を反映できない
コストアプローチでは、企業が保有する資産及び負債の価値を算出することに重点が置かれるため、企業の業績や将来の収益価値を反映できない。
評価に時間と費用がかかる
コストアプローチでは、企業が保有する資産及び負債の価値を調べていく必要があるため、他の方法と比較して、評価に時間と費用がかかることがある。また、評価に必要な情報が不足している場合は、評価に更に時間と費用がかかる可能性がある。
業種や市場の変化に対応できないことがある
コストアプローチでは、企業が保有する資産及び負債の価値を算出することが重視されるため、企業の業種や市場の変化に対応することができないことがある。
まとめ
コストアプローチは、企業評価において売り手企業の貸借対照表の純資産価値に焦点を当てた手法です。具体的な方法としては、簿価純資産法、時価純資産法、清算価値法などが存在します。
主なメリットとしては、企業の資産と負債の価値を明確化し、客観的な評価が可能となる点、そして買収価格の目安になることが挙げられます。
一方で、デメリットも存在します。コストアプローチは企業の業績や将来の収益価値を反映しにくいという点、評価に時間と費用がかかるという点、そして業種や市場の変化に対応できないことがあるという点です。
以上の要素を考慮に入れ、企業の状況に合わせて適切な評価手法を選ぶことが重要と言えます。
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よくある質問
- コストアプローチとは?
- 企業買収における主たる企業評価方法のひとつで、売り手企業の貸借対照表の純資産価値に着目した評価手法です。
- コストアプローチのメリットは?
- 資産と負債の価値を明確化し、客観性が高い評価が可能で、買収価格の目安になります。
- コストアプローチのデメリットは?
- 企業の業績や将来の収益価値を反映できず、評価に時間と費用がかかり、業種や市場の変化に対応できないことがあります。