リーグテーブルとは? 企業・投資家にとっての重要性や見方、活用する際の注意点について解説

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リーグテーブルについて

リーグテーブルとは、金融専門誌や調査機関が作成する、投資銀行や証券会社のランキングです。M&Aや金融の分野では、投資家の意思決定における重要な判断材料になります。

本記事では、リーグテーブルの基本的な概要や重要性、注目するべき項目、活用する際の注意点などについて解説します。

このページのポイント

~リーグテーブルとは?~

リーグテーブルとは、投資銀行や証券会社が取り扱った引受実績をランキング形式で示した指標のことです。本記事では、リーグテーブルの基本的な定義、重要性、企業や投資家にとっての活用方法、注目すべき項目、ランキングの見方、発行元による評価基準の違いなどについて詳しく解説し、注意点も紹介します。

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リーグテーブルとは

リーグテーブルとは、投資銀行や証券会社などの引受業者が取り扱った引受実績を、ランキング形式でまとめた表のことです。International Financial Review(IFR)誌をはじめ、さまざまな金融専門誌や調査機関によって、定期的に発表されています。

リーグテーブルのランキング作成は、一定の算定基準に基づいており、主幹事証券会社として取り扱った案件の総額や件数などがその評価対象とされています。例えば、ユーロ債などの国際的な債券は暦年ベースで集計されることが多いのに対し、日本国内の債券は年度ベースで集計されることが一般的です。

リーグテーブルで上位にランクインすることは、引受業者にとって高い引受能力を示す証となり、市場でのプレゼンス向上にも大きく影響します。そのため、多くの金融機関がこのランキングでの評価を重要視しています。

リーグテーブルの重要性

リーグテーブルは、企業経営や投資判断に欠かせない指標です。ここでは、経営者・投資家・投資銀行それぞれにとって、リーグテーブルがどのような意義を持つのか、詳しく解説します。

経営者・投資家にとって重要な理由

リーグテーブルは、経営者や投資家にとって、投資銀行の業界内での立ち位置やパフォーマンスを把握するための重要な指標です。

例えば、引受件数を基準としたリーグテーブルを見れば、どの投資銀行が最も多くの取引を行っているかを一目で確認することができます。

また、リーグテーブルには、取扱総額や案件数、1案件あたりの取扱額など、さまざまな評価項目が設けられているため、各セグメントごとの数値や順位を分析すれば、投資銀行ごとの強みや特徴を把握することも可能です。

リーグテーブルで得た情報は、経営者が新たなパートナーシップを検討する際や、引受先を選定する際の重要な判断材料となります。さらに、投資家にとっても、対象となる金融機関の収益性や将来性を分析するうえで役立つため、リスクを抑えた投資判断を行うための指標として用いることができます。

投資銀行にとって重要な理由

投資銀行にとって、リーグテーブルに掲載されることは、市場における競争力の証となります。このランキングで上位に位置すれば、顧客からの評価が高まり、新規の取引依頼や案件数の増加が期待できます。

さらに、市場における自社の立場を明確に示すことができるため、パートナーシップの交渉でも優位に立つことができます。このように、リーグテーブルは単なる実績の可視化にとどまらず、投資銀行の企業価値や競争力向上にも大きく寄与する重要な指標といえます。

リーグテーブルの見方・重要項目

リーグテーブルを正しく理解するためには、いくつかの重要な指標を押さえることが不可欠です。そのなかでも主要な2つの項目について、以下で紹介します。

ランクバリュー

ランクバリューとは、投資銀行が1年間に関与した案件の、純負債も含む取引額の合計のことです。

ランクバリューは、その投資銀行が、市場でどれだけの存在感を示しているかを測る指標です。ランクバリューが高いほど多くの案件あるいは規模の大きな案件に関わっており、市場での影響力も大きいと評価されます。

案件数

案件数とは、その年に投資銀行が関与した案件の総数を示す指標のことです。一般的に、案件数が多い投資銀行ほど、豊富な案件執行(エグゼキューション)経験と、高いスキルを持っているものとみなされます。

リーグテーブルを活用する際の注意点

リーグテーブルは有益な指標ですが、正しく活用するためには、いくつかの注意点を押さえる必要があります。なかでも重要なのが、以下の2点です。

発行元によって評価基準が異なる

リーグテーブルは、発行元によって、ランキングの基準や算出方法が異なります。具体的には、データの収集方法や対象期間、取引額の算出方法、案件の評価基準などに違いがあります。

例えば、M&A案件の総額ベースで評価する発行元と、案件数や取引の種類に重点を置いて評価する発行元とでは、同じ会社でも異なる順位になるでしょう。したがって、一つのリーグテーブルを鵜呑みにせず、複数のリーグテーブルを比較することが重要です。

また、業界全体のトレンドや市場動向、企業の財務状況など他の情報源と組み合わせ、多角的に分析することも重要です。リーグテーブルはあくまで、企業を多角的な視点で分析する際の、視点の一つとしてとらえましょう

非公表のM&A情報は反映されていない

M&A取引では、取引金額が非公表とされる案件も少なくありません。非公表だった場合、たとえ実際には数百億円規模の取引だったとしても、リーグテーブル上では0円として扱われます。また、案件によっては関与したアドバイザー自体が非公表とされることもあります。その場合も、アドバイザーによる申請がない限りリーグテーブルに反映されることはありません。

したがって、リーグテーブルだけでM&A市場の全体像を把握することは、かなり難しいといえるでしょう。正確な情報を得るためには、リーグテーブルだけに頼るのではなく、業界紙やニュースサイトなどの情報源も活用し、複数の視点からの判断が求められます。

こうした注意点を踏まえたうえで、リーグテーブルを活用すれば、より正確で信頼性の高い情報を得ることができます。そのため、常に多角的な視点を持ち、複数の情報源を組み合わせて分析することが大切です。

まとめ

リーグテーブルは、投資銀行の実績や市場での影響力を把握する重要な指標です。ただし、発行元ごとに評価基準が異なり、非公表の情報も反映できないため、リーグテーブルだけを見てM&A市場の全容をとらえることはできません。適切な判断を下すためには、信頼できる情報と的確なサポートを得ることが大切です。

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よくある質問

  • リーグテーブルとは何ですか?
  • リーグテーブルとは、投資銀行や証券会社が取り扱った引受実績をランキング形式で示した表のことです。投資家や企業が金融機関の実績を判断する指標として活用されます。
  • なぜリーグテーブルは重要なのですか?
  • 投資銀行にとっては市場での競争力を示す指標であり、企業や投資家にとっては適切な金融機関を選ぶ際の参考になります。
  • リーグテーブルの見方で重要な項目は?
  • 主要な指標として「ランクバリュー(取引総額)」と「案件数」があります。ランクバリューが高いほど市場での影響力が大きく、案件数が多いほど実績が豊富とされます。
  • リーグテーブルを活用する際の注意点はありますか?
  • 発行元ごとに評価基準が異なる点や、非公表案件が反映されない点に注意が必要です。単独のリーグテーブルだけを判断基準にするのではなく、複数の情報源と組み合わせて分析することが大切です。
  • リーグテーブルの情報をどのように活用すれば良いですか?
  • 企業が引受業者を選定する際の判断材料や、投資家が金融機関の実績を評価する際の指標として活用できます。また、投資銀行自身が競争力強化のための戦略立案にも役立てられます。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社コーポレートアドバイザリー部 部長公認会計士梶 博義
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 コーポレートアドバイザリー部 部長
公認会計士梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。
これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。

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