後継者のいない会社を買うメリットは? 経営資源承継や低リスク参入など買収メリットを整理

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後継者のいない会社の買収について

後継者のいない会社を買うメリットは、売り手企業が長年培ってきた技術やノウハウ、人材、顧客基盤といった経営資源をまとめて承継できる点にあります。新規創業では時間・コストがかかる要素を一括で取得でき、事業への参入リスクを抑えながら早期の収益化を狙えるのが特徴です。また、後継者不在による廃業を回避し、地域や業界の維持にも貢献できる点も重要なメリットです。

後継者のいない会社を買うことは、単なる事業取得ではなく、既に形づくられた経営資源を活かして事業を継続させる有効な手段として注目されています。売り手企業が築いてきた技術やノウハウ、経験豊かな従業員、安定した取引関係といった資源をそのまま引き継げるため、新規で事業を立ち上げる場合と比べ、初期投資や立ち上がりのリスクを大きく抑えられる点が魅力です。また、後継者不在による廃業を防ぐことで、地域経済や業界の維持にも寄与できる側面があります。

M&Aによる事業承継を成功させるには、事前準備の徹底や信頼関係の構築などポイントをおさえることが肝要です。

本記事では、「M&AM&Aとは?|詳細記事へ」の基本的な理解を踏まえたうえで、後継者のいない会社を買うメリットを中心に、買収の背景や方法、注意すべきリスクについて本文の内容に基づき整理して解説します。


後継者のいない会社を買う事例が注目を集めている理由

後継者のいない会社を買う事例が注目を集めている理由は、会社経営者の高齢化や親族内承継の減少など中小企業の後継者不在問題が増加しているためです。株式会社東京商工リサーチの調査によると、2021年の後継者不在率は、2020年の57.53%より1.09%増加し、58.62%となっています。
企業の後継者不在率の上昇に伴いM&Aの全体数が増え、また、M&Aマッチングサイトの登場によって小規模なM&A(スモールM&A)が増えていることも注目を集める理由です。

会社経営者の高齢化

会社経営者の高齢化は、後継者不在問題における重要な課題です。2021年に行われた調査によると、全国における会社経営者の平均年齢は62.49歳となっており、年々、高齢化が進んでいます。

70代、80代と年を重ねると体力的な理由から経営が難しくなり、また、後継者を見つけるのが難しくなるため、廃業の危機が高まります。実際に、株式会社東京商工リサーチの調査結果では、2023年4月における後継者難に起因する倒産件数は43件に及んでおり、企業存続のためには、後継者育成や事業承継の準備が必要です。

親族内承継の減少

親族内承継の減少も後継者のいない会社を買う事例が注目を集める理由の一つです。株式会社帝国データバンクが実施した「全国企業「後継者不在率」動向調査(2022)」によると、これまで後継者候補として最も高い回答であった「子ども」を抜いて、「非同族」が首位の36.1%となりました。
経営者の親族における承継意欲の低下や個人主義も起因して、事業承継における脱ファミリー化や親族外承継が進んでいます。

業績悪化によるニーズ拡大

中小企業におけるM&Aの増加は、2020年以降顕著となったコロナ禍による業績悪化や、それに伴って後継者不在の企業が増えたことも要因です。特に、親族内で後継者がいない場合は第三者による事業承継の需要が高まっており、M&Aによる事業承継の割合も拡大しています。
このようなニーズの変化を背景に、経済産業省では2021年に「中小M&A推進計画」をとりまとめました。国によるM&A支援が進められ、後継者のいない会社を買いたい個人にとってチャンスとなっています。

後継者のいない会社を買うことは“個人”でも可能

従来、M&Aといえば、大企業や上場企業が行うものでしたが、昨今は個人によるM&Aも増えており、後継者のいない会社を買うことは個人でも可能です。
M&Aは一般的に大規模なものを想像しがちですが、100万円程度の資金で事業承継を実施するようなスモールM&Aや譲渡価格がゼロ円のM&A案件も存在します。安価でM&Aを実施できる理由は、後継者不足によって買い手市場となっているからです。

もちろん、このような会社の買収は現状は債務を抱えていたり赤字であったり、リスクを伴うものですが、事業存続を望む経営者や事業承継を行いたい個人にとって双方の利益を満たすものといえるでしょう。

後継者のいない会社を買うメリット

後継者のいない会社を買うメリットは、次の3点です。

経営資源の継承

後継者のいない会社を買うメリットは、売り手企業の持つ優れた技術やノウハウ、従業員など、経営資源の継承が可能となる点です。

廃業となれば、貴重な経営資源が失われてしまい経済的にもマイナスの影響を及ぼします。
一方で、後継者のいない会社を買うことは社会的にも重要な役割を果たします。後継者のいない会社を買うことで日本のものづくりを支える中小零細企業の廃業リスクを回避でき、社会全体を活性化できるからです。

低リスクでの事業参入

低リスクで事業参入ができる点も、後継者のいない会社を買うメリットの一つです。

中小企業庁による「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」についての報告では、2025年までに後継者不在によって黒字廃業に陥る可能性のある件数は約60万件とされています。これらの企業は事業に必要な要素は揃っている状態であるため、M&A実施後の早期収益化も見込めます。リスクを抑えて新規事業を開始できる点は大きなメリットといえるでしょう。

起業コストの軽減

後継者のいない会社の買収は、起業コストを軽減できる点もメリットです。新規事業の立ち上げや従業員の育成には少なからずコストがかかってしまいますが、M&Aではかかるコストの節約が可能です。
M&Aによる買収費用は必要ですが、起業にあたっての初期投資が不要であるため、希望に適う会社とのM&Aが実現しやすくなります。

後継者のいない会社を買うリスク

後継者のいない会社を買うケースには多くの魅力的なメリットがありますが、同時に次のようなデメリットもあるため留意が必要です。

従業員や取引先との関係維持の労力

後継者のいない会社を買った後は、従業員や取引先との関係を維持・向上させるための労力がかかります。先代経営者との信頼関係があってこその雇用や取引関係が維持されているからです。
経営者交代によってゼロから信頼関係を構築するためには、積極的にコミュニケーションを図っていかなければなりません。また、従業員からの理解を得て、業務に対するモチベーションを向上させるためにも、今後の会社の方向性やビジョンについて説明を行うなど、努力しなければならない点に留意しましょう。

債務の引き受けリスク

M&Aによって売り手企業の不要な資産や簿外債務を引き継ぐ可能性があります。このようなリスクを最小限に抑えるためには、デューデリジェンスなどの調査を実施することが肝要です。
簿外債務の調査にあたっては、未払い残業代や退職給付引当金のほか、債務保証の有無や偶発債務について確認しましょう。このような項目は隠れ債務として買収価格に反映されない可能性があります。少しでも不安が伴う場合は、M&Aの専門家に相談するなど、リスクを回避する姿勢が大切です。

後継者のいない会社を買う方法

ここからは、後継者のいない会社を買う3つの方法を解説します。

M&Aマッチングサイト

M&Aマッチングサイトは、インターネット上でM&Aの売り手・買い手を探せるプラットフォームです。法人による利用に限らず、個人利用も可能なM&Aマッチングサイトも多く、マッチングのための費用を削減することでスモールM&Aの推進を後押ししています。
M&Aマッチングサイトでは、デューデリジェンスや資金相談も可能です。ただし、売り手企業よりも買い手の登録者が多いため、より良いM&Aを行うためには常に情報を確認することが大切です。

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業や小規模事業の事業承継を支援する目的で設置された国の機関です。「後継者人材バンク」では、後継者不足の売り手企業と創業を目指す起業家を引き合わせ、M&Aなどを通じて事業承継を推進します。
事業承継・引継ぎ支援センターは公的機関であり全国各地で相談が可能です。また、税理士や中小企業診断士などの専門家に無料相談できるメリットもあります。ただし、直接的なM&A仲介や交渉はサポート外のため注意が必要です。

M&A仲介の専門家

M&Aマッチングサイトや公的支援機関を活用すれば、比較的手軽にM&Aの第一歩を踏み出すことができます。
しかし、売り手企業との交渉や契約条件の調整、デューデリジェンスなど、実務の過程では専門的な知識や経験が求められる場面も少なくありません。そうした場面で頼りになるのが、M&A仲介の専門家です。
第三者の立場で客観的なアドバイスを提供しながら、成約に向けてプロセス全体を丁寧に支援してくれる存在として、多くの買い手・売り手から活用されています。

特に中小企業のM&Aでは、経営者の想いや企業風土に配慮した対応が必要とされるため、専門家の関与により円滑な交渉や着実な事業承継が実現しやすくなります。

後継者のいない会社を買う際のポイント

後継者のいない会社を買う際は、次の2点をおさえることでスムーズなM&Aが期待できます。

事前準備の徹底

後継者のいない会社を買う際は事前準備を徹底することが重要です。自社の事業や予算に合った対象企業を選定し、財務諸表分析などを進める必要があります。
先方との交渉においては、M&A仲介業者など専門家のサポートを受けるのも方法の一つです。ただし、費用が高額になる可能性もあるため、どの程度の費用がかかるのかも検討してください。また、費用をおさえるために自身で交渉や面談を実施する場合はM&Aの知識の習得が必要となります。

信頼関係の構築

第三者が後継者のいない会社を買う場合は、従業員や取引先など関係者との信頼関係の構築が求められます。M&A実施後は、自由に事業を行いたくなるかもしれませんが、一方的に経営方針や取引先を変更してしまうと、関係者が離れるリスクが高まってしまいます。
まずは時間をかけて信頼関係の構築に努め、関係者からの理解を得たうえで、変更に踏み出すようにしましょう。M&Aを成功させるためには、関係者と信頼を築きながら事業を進めることが大切です。

まとめ

後継者のいない会社を買うことは、単なる事業取得にとどまらず、地域経済や社会に貢献する手段としても大きな意味を持ちます。買収によって、優れた技術や人材といった経営資源を引き継ぐことが可能になり、さらに、起業時のリスクやコストを抑えることもできます。ただし、従業員との信頼関係の構築や債務の確認といったリスク対策は欠かせません。成功の鍵は、事前準備の徹底と、誠実な姿勢による信頼の積み重ねです。
また、M&Aを成功させるには徹底した事前準備が必要です。後継者不在の会社買収にあたってはM&Aの専門家などのサポートを活用しながら交渉を進めるようにしましょう。

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よくある質問

  • 後継者のいない会社を買う最大のメリットは何ですか?
  • 最大のメリットは、売り手企業が持つ技術やノウハウ、従業員、顧客基盤といった経営資源をそのまま承継できる点です。新規創業では時間も費用もかかる部分を一括で引き継げるため、事業開始時の負担を抑えながら早期の収益化を狙うことができます。本文では、これらの資源継承が事業の継続性や価値維持にも寄与する点が強調されています。
  • 経営資源を承継できると、具体的にどのようなメリットがありますか?
  • 後継者不在企業の買収では、技術やノウハウだけでなく、従業員や取引先との関係も引き継げます。これにより、事業に必要な人的資源や顧客ネットワークが維持され、新規参入時に必要な採用や営業開拓の手間が大幅に省かれます。本文では、これらが地域経済や業界の維持にも貢献する“社会的メリット”としても位置づけられています。
  • 後継者不在の会社を買うと、事業リスクを抑えられるのはなぜですか?
  • 既に事業が成立している企業を承継するため、設備や顧客基盤などの土台が整っており、一から事業を立ち上げる場合と比べて不確実性が少ないからです。本文では、黒字廃業が増える社会背景により、事業の存続価値が高い企業が多い点も“低リスク参入”の理由として示されています。
  • 起業と比較したときのコスト面のメリットはどのようなものがありますか?
  • M&Aでは買収費用は必要ですが、起業時に求められる設備投資や人材育成の初期コストを抑えられます。本文では、スモールM&Aとして100万円程度の案件や、譲渡価格ゼロ円の案件があることが紹介されており、負担を軽減しながら事業を始められる点がメリットとされています。
  • 後継者のいない会社を買うことは社会的にもメリットがあるのですか?
  • あります。後継者不在で廃業の危機にある企業を承継することで、地域に根付いた技術や雇用を守ることができます。本文では、中小零細企業の廃業を防ぐことが“社会的に重要な役割”を果たすと述べられ、事業承継が地域経済の活性化にもつながるとされています。
  • 後継者不在企業を買う際のメリットを最大化するには何が重要ですか?
  • 本文では、事前準備の徹底と信頼関係の構築が重要とされています。対象企業の財務分析やリスク確認を行い、M&A仲介業者など専門家の支援を受けることで、より適切な条件での買収が可能になります。また、買収後は従業員や取引先と丁寧にコミュニケーションを取り、信頼を積み上げることがメリット活用の鍵になります。
  • 個人が後継者のいない会社を買う場合にもメリットは同じですか?
  • 同じです。本文では、個人によるスモールM&Aが増えている理由として、低コスト・低リスクで事業を承継できる点が挙げられています。個人でも技術・人材・顧客基盤を承継できるため、創業時の負担を抑えつつ実現可能性の高い事業運営が期待できます。ただし、赤字や債務を抱えるケースもあるため慎重な判断は必要です。
  • メリットが大きい一方で、注意すべきリスクは何ですか?
  • 従業員・取引先との信頼関係を再構築する労力や、未払残業代・退職給付引当金・債務保証などの簿外債務を引き継ぐ可能性が挙げられます。本文では、これらを避けるためにはデューデリジェンスの実施が不可欠だと説明されています。

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