シナジーバイヤーとは? 概要、役割と、ファイナンシャルバイヤーとの違いや留意点を解説

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日本のM&A(Mergers & Acquisitions、合併・買収)市場は、近年、中小企業の後継者不足などの背景から急速に拡大しています。その中で、シナジーバイヤー(Synergy Buyer)の存在感が増してきました。彼らは単なる投資家でなく、ビジネスの補強や成長を追求する専門家としての側面も持っています。今回は、シナジーバイヤーの概要、役割とファイナンシャルバイヤーとの違い、特徴および留意点について詳しく説明します。

ストラテジックバイヤーとフィナンシャルバイヤーの比較 イメージ

このページのポイント

~シナジーバイヤーとは?~

M&Aの買収によって自社の事業を強化・拡大しようとする買手企業のことをいい、ストラテジックバイヤー(Strategic Buyer)とも呼ばれている。シナジーバイヤーは法的整理手続の中で行われる再生型M&Aを好む場合があり、経営戦略に適した事業会社を買収し、高い事業シナジーを短い期間で発揮することを目指すため、売り手企業にとってはシナジー価値を売却価格に含めることで高い買収金額を提示可能だが、現経営陣が当該企業に残留できない可能性もある。

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シナジーバイヤーとは

シナジーバイヤーとは、M&Aの買収によって自社の事業を強化・拡大しようとする買手企業のことをいい、ストラテジックバイヤー(Strategic Buyer)とも呼ばれています。買手企業は、法的整理手続の中で行われる再生型M&Aを好む場合があり、経営戦略に適した事業会社を買収し、高い事業シナジーを短い期間で発揮することを目指すため、売手企業にとっては、シナジーの価値を売却価格に含めることでファンドなどのファイナンシャルバイヤーよりも高い買収金額を提示できます。しかし、対象企業の現在の経営陣が企業に残留できない可能性があるという特徴があります。

M&Aにおけるシナジーバイヤーの役割とフィナンシャルバイヤーとの違い

M&A市場において、シナジーバイヤーの買収動機は、主に既存事業に対するシナジー効果の出現や将来の営業キャッシュ・フローの増強にあり、投資回収期間も8~15年程度と比較的長期にわたります。

一方、フィナンシャルバイヤーの買収動機は、主に短期での投資回収を目的とした事業投資で、基本的に投資利回りなど数値で判断します。投資回収期間も3~5年と比較的短期であり、場合によっては1年以内に再売却することもあります。

なお、シナジーバイヤー、フィナンシャルバイヤーともに投資回収を考慮に入れて投資判断を行う点は共通です。

シナジーバイヤーの特徴

シナジーバイヤーは、買収先の既存ビジネスの価値だけでなく、一緒になることで生み出される価値まで含めて、買収先の価値を評価します。また、買収先が同業他社の手に渡った場合のリスクも勘案して値付けを行います。売り手の目線から見れば、より高い値段をつけてくれやすいということになります。

事業運営の観点でいえば、徹底してバリューアップを行うフィナンシャルバイヤーほどシビアでなく、既存の体制が維持されることも多い一方、V字回復して事業拡大といったことも起こりづらいと一般的に考えられています。

シナジーバイヤーの留意点

シナジーバイヤーは、戦略的に対象会社を含めた自社全体の事業活動に貢献することをM&Aの目的としています。基本的に買収後は対象会社の株式を保有し続けて、対象会社が中長期的にも成長することを主眼に置くことが多いです。そのため、シナジーバイヤーの場合には、主に以下の項目に留意する必要があります。

  • 取り巻く外部環境が対象会社の事業にどのように影響を与えるか
  • 長期的に競争力を維持出来るか
  • 対象会社の事業がどのように業績やオペレーションに貢献するか
  • 自社戦略に対象会社を買収することが方向性として合致するか
  • どのようなシナジー効果が想定されるか。

まとめ

今回は、シナジーバイヤーについて説明しました。

経営者であれば、シナジーバイヤーについて理解し、M&Aを検討する際には適切に対応することが望ましいです。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社コーポレートアドバイザリー部 部長公認会計士梶 博義
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 コーポレートアドバイザリー部 部長
公認会計士梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。
これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。

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