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コントロールプレミアムについて
コントロールプレミアムとは、企業の支配権に大きな変動が生じる株式取引において、シナジー効果などを加味して直近の株式価値に上乗せされる追加支払い分の代金を指します。M&Aでは、議決権の50%超を取得して支配権を得る場面などで認識される価値です。
M&Aでは、単に株式を取得するだけでなく、対象会社の支配権を得ること自体に価値が認められる場面があります。そのときに論点となるのが、直近の株式価値にどこまで上乗せして買収対価を支払うかという考え方です。とくに、少数株主から株式を集めて議決権の過半数を確保する場合には、通常の株価だけでは成立しにくいことも少なくありません。また、支配権価値はディスカウントの概念とも密接に関わります。
本記事では、コントロールプレミアムの概要、算出方法、ディスカウントとの関係について解説します。
また、M&Aの意味や基本知識について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
コントロールプレミアムとは?
コントロールプレミアムは、企業の支配権に大きな変動が生じる株式の売買取引において、シナジー効果等を加味して認識される、直近の株式価値に上乗せされた追加支払い分の代金をいいます。
一般に、上場会社又は非上場会社の支配権の獲得等を目的としたM&A取引では、「買収プレミアム」とも呼ばれます。また、株式非公開化や上場企業のM&A等を目的としたTOB(株式公開買付)案件では、主に「TOBプレミアム」とも呼ばれます。
M&Aにおけるコントロールプレミアムでは、企業の支配権(議決権の50%超)を獲得する場合に認められる株価のプレミアムのことをいいます。
通常、企業の株式を買い集めて支配権を獲得するには、多くの少数株主から株式売却の同意を取り付けなければなりません。そのためには、株式の買い取り価格に上乗せが必要です。その上乗せ分がコントロールプレミアムに該当します。
基本的には、買収額と時価総額の差額がコントロールプレミアムとなります。
コントロールプレミアムの算出方法
次にコントロールプレミアムの算出方法ですが、コントロールプレミアムのみを切り出して、合理的に算出する方法はありません。
一般的には、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどのバリュエーションに、内包して評価することとなります。
ここでのポイントは、バリュエーション内に支配株主の関与があるかどうかです。
支配株主の関与がある場合は、そのバリュエーションに支配権が含まれるため、コントロールプレミアムを内包しているとの見方ができます。
一方、支配株主の関与がないバリュエーションは、支配権を含まないため、コントロールプレミアムを評価できない手法と判断します。
コントロールプレミアムとディスカウントとの関係
コントロールプレミアムとディスカウントとの関係を説明します。
まず、価値の上乗せをプレミアムと呼び、反対に価値が減額されることをディスカウントと呼びます。ここでは、コントロールプレミアムに関連する以下の2つのディスカウントを紹介します。
マイノリティ・ディスカウント
マイノリティ・ディスカウントとは、コントロールプレミアムと対極する価値減額のことをいいます。TOBの実施により証券市場外で株式等を大量に取得し大規模な支配権の変動が生じる場合、新たに支配株主となる者は支配株主(コントロール)価値を認識し、逆に新たに少数株主となる者(旧支配株主)は少数株主(マイノリティ)価値を認識します。一般に支配権等の有無の観点から、「支配株主価値」≧「少数株主価値」となることから、支配権等の喪失による価値低下のことをマイノリティ・ディスカウントと呼んでいます。このマイノリティ・ディスカウントとコントロールプレミアムは表裏一体の関係にあるといえます。
非流動性ディスカウント
非流動性ディスカウントとは、非上場企業株式の流動性の低さに着目した価値減額をいいます。上場企業の株式は、市場での取引が可能なため、買い手を見つけやすく流動性が高いといえます。
一方、非上場企業は市場での取引ができないため、自ら買い手を探す必要があり、手間がかかります。
この流動性の低さに着目し、類似する上場企業の株価から減額する部分を非流動性ディスカウントといいます。
例えば、M&Aを実施し、大量に株式等を買い集めた後、非上場化又は非公開化する場合、当該対象会社の株式等を不特定多数の投資家と自由に売買できなくなります。ここで、支配株主と少数株主の双方が流動性リスクを認識するため、非流動性ディスカウントを認識することになります。
まとめ
コントロールプレミアムは、M&Aにおいて企業の支配権を取得する際に、株式価値へ上乗せして支払われる価値です。基本的には買収額と時価総額の差額として捉えられますが、実務上はコスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどのバリュエーションに内包して評価されます。また、マイノリティ・ディスカウントや非流動性ディスカウントとの関係も踏まえなければ、支配権の有無による価値差を適切に把握できません。M&Aの価値算定は複雑になりやすいため、実際の検討では財務やM&Aの専門家とともに総合的に判断することが重要です。
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よくある質問
- コントロールプレミアムとは何ですか?
- 企業の支配権に大きな変動が生じる株式の売買取引において、シナジー効果などを加味して株式価値に上乗せされる追加支払い分の代金です。M&Aでは、支配権の獲得を目的とした株式取得で認識されます。
- コントロールプレミアムはどのような場面で認識されますか?
- 上場会社または非上場会社の支配権獲得を目的としたM&A取引で認識されます。特に、議決権の50%超を取得して企業の支配権を得る場合に問題となります。
- コントロールプレミアムはどのように考えますか?
- 通常、支配権を獲得するためには多数の少数株主から株式売却の同意を得る必要があり、そのために株式の買い取り価格へ上乗せが必要になります。この上乗せ分がコントロールプレミアムです。
- コントロールプレミアムはどのように算出しますか?
- コントロールプレミアムのみを切り出して合理的に算出する方法はなく、一般的にはコスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどのバリュエーションに内包して評価します。
- バリュエーションで何がポイントになりますか?
- 支配株主の関与があるかどうかがポイントです。支配株主の関与があるバリュエーションは支配権を含むため、コントロールプレミアムを内包していると考えられます。
- マイノリティ・ディスカウントとは何ですか?
- 支配権の喪失による価値低下を指します。一般に支配株主価値は少数株主価値以上と考えられるため、支配権のない少数株主持分には価値減額が認識され、この考え方はコントロールプレミアムと表裏一体の関係にあります。
- 非流動性ディスカウントとは何ですか?
- 非上場企業株式の流動性の低さに着目した価値減額です。市場で自由に売買しにくいことを理由に、類似する上場企業の株価から減額する考え方をいいます。
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