M&Aの流れとは? 検討から統合までのプロセス、スムーズに進めるためのポイントを解説

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M&Aの流れについて

M&Aは、検討・準備から交渉、最終契約、PMI(統合)まで、複数のフェーズを経て実施されます。M&Aの成功率を高め、スムーズな事業承継や成長戦略を実現するには、各段階でのポイントを正しく理解し、適切な手順で進めることが重要です。

本記事では、「M&AM&Aとは?|詳細記事へ」の基本的な理解を踏まえたうえで、M&Aの各フェーズごとの詳細や、それらを円滑に進めるためのポイントを紹介します。


M&Aの全体的な流れ

M&A検討から成立までの流れ(一例)

M&Aは、売り手・買い手の戦略整理から始まり、候補企業の選定、秘密保持契約(NDA)、情報提供資料(IM)の開示へと進みます。
その後、意向表明書(LOI)を受けてトップ面談や基本合意(MOU)などを経て交渉が進行します。
そして買い手によるデューデリジェンス(DD)、最終契約書の締結、クロージング手続きの完了までが主要フェーズです。
最後に、PMI(統合)を通じて両社の組織・制度・文化を融合し、シナジーの最大化を図ります。

M&A各フェーズへのリンク

【M&Aの流れ①】検討・準備フェーズ

M&Aの検討・準備フェーズでは、M&Aそのものの検討や、専門家の選定・相談、企業価値評価、スキーム選定などを実施します。各段階について、詳しく見ていきましょう。

M&Aの検討を行う

まず、自社にとってM&Aが最適であるかを考慮したうえで、M&Aの実施を検討します。
その際は、M&Aの目的を明確にして、自社にとって譲れない条件を洗い出し、M&A実施後のビジョンを踏まえて検討を進めることが肝要です。

売り手側のポイント

M&Aにおける売り手側の目的は、「経営戦略としての再編」か「事業承継」に大別できます。株式の集約の視点や社内の意向を踏まえたうえで、自社における選択肢の一つとしてM&Aが適切であるかを検討しましょう。

M&Aの実施を決定したら、準備段階に入ります。譲渡の時期や譲渡後の関与、従業員の処遇、ブランドの引き継ぎ、個人保証の解消といった譲れない条件を具体的に洗い出しましょう。これらの条件が明確であるほど、交渉時に軸を持った判断がしやすくなります。
さらに、交渉を有利に進めるためには、自社の強み(収益性・技術力・顧客基盤など)と、弱み・リスク(法務・財務の懸念点など)を整理し、見える化しておくことが有効です。M&Aでは財務・法務の確認も重要な争点となるため、過去数期分の決算書や契約書類などを早めに整理しておくと、専門家との相談や買い手候補の検討もスムーズに進みやすくなります。

買い手側のポイント

買い手側としてM&Aを検討する際は、まず自社の成長戦略や経営課題を明確にし、買収によって何を実現したいのかを整理することが大切です。
そのうえで買収後の組織像やシナジーの方向性を描き、どのような企業をターゲットにするかを具体化していきましょう。これにより、仲介会社に依頼する場合も、相手企業に求める条件をより正確に共有できます。

専門家の選定・相談を行う

M&Aの準備段階では、信頼できる専門家との連携が欠かせません。
主な支援機関には、M&A仲介会社、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)、弁護士、公認会計士・税理士などがあります。それぞれ役割や特徴は下表のとおりです。

M&A仲介会社

主な役割 特徴
売り手・買い手の仲介、交渉支援
  • 双方の調整役として、中立的な立場からワンストップで支援を受けられる
  • 独自のネットワークからM&Aの相手候補を探せる

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)

主な役割 特徴
依頼者側の交渉・戦略支援
  • 売り手・買い手のどちらか一方に対して支援を行う
  • 上場企業同士やクロスボーダーM&Aで活用されることがある
  • 自社に寄り添った助言が得られる

弁護士

主な役割 特徴
契約書の精査、法的リスク対応
  • 表明保証・競業避止義務など法務面の支援を受けられる
  • 相手方とトラブルになった場合にも対応してもらえる

税理士・会計士

主な役割 特徴
財務・税務の分析と助言
  • M&Aに必要な財務や会計に関する高度な専門知識がある
  • 日頃から中小企業との付き合いが多いため内情を理解している

このほか、銀行などの金融機関、商工会議所などの団体組織からの支援を受けることも可能です。各専門家ごとに得意分野が異なるため、うまく選び分けながら、自社の課題や目的に合った支援体制を構築しましょう。
初回相談では、自社の現状や希望条件を整理したうえで率直に共有し、専門家からの実践的なアドバイスを引き出すのが望ましいといえます。

企業価値評価を行う

相手企業に求める条件の設定や、売り手企業の譲渡価額算出のために「企業価値評価」を行います。企業価値評価の主な手法には、コスト・アプローチマーケット・アプローチインカム・アプローチの3つがあります。

コスト・アプローチ

  • 売り手企業の貸借対照表の純資産価値に着目した評価手法
  • 代表的な手法に簿価純資産法、時価純資産法および清算価値法がある

マーケット・アプローチ

  • 類似会社の株式市場での相場に着目した評価手法
  • 代表的なものに、マルチプル法(類似上場企業比較法)および類似取引比較法がある

インカム・アプローチ

  • 将来見込まれる収益の価値に着目した評価手法
  • 代表的な手法にDCF法、収益還元法および配当還元法がある

M&Aスキームを選択する

M&Aの取引には複数のスキーム(手法)があり、どの方式を採用するかによって、税務や法務、手続きの複雑さが異なります。主なスキームには、株式譲渡事業譲渡会社分割合併などがあり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

例えば、株式譲渡は手続きが比較的シンプルで、従業員や契約関係をそのまま引き継ぎやすい点が魅力です。一方、事業譲渡は譲渡対象を選別できる反面、個別契約の移転手続きが必要で、煩雑になりやすい側面があります。

どのスキームが最適かは、譲渡側の事業構造やリスク、譲渡後の関与希望などによって変わります。そのため、専門家の助言を受けながら慎重に選定するのが望ましいでしょう。

【M&Aの流れ②】打診・交渉フェーズ

M&Aの打診・交渉フェーズでは、交渉相手の選定や、秘密保持契約を結んだうえでの情報開示、トップ面談、条件交渉といった段階を踏み、相互理解と信頼構築を図ります。

交渉相手を選定する

M&Aの交渉を進める前に、希望条件に合う相手企業を選定します。具体的には、ロングリストの作成から、ノンネームシートによる打診、最終的なショートリストの整理などを行います。売り手・買い手どちらの立場であっても、戦略的に動くことが求められる場面です。

売り手側のポイント

売り手側は、自社の希望条件に合う企業を20〜30社ほどリストアップし、専門家と連携しながらロングリストを作成します。その後、優先度などを踏まえて候補を絞り、ショートリストへと整理します。相手への打診時には、自社名を伏せたノンネームシート(匿名資料)の作成が必要です。ノンネームシートを作成する際は、業種や売上規模、事業内容、収益性などを簡潔にまとめ、買い手の興味を引くことがポイントです。

交渉相手は、単なる買い手ではなく、自社の事業や従業員の将来を託す相手でもあります。そのため、企業文化や経営方針といった定性的な要素も考慮しながら選定する視点が大切です。

買い手側のポイント

買い手側は、成長戦略や事業課題に基づいて、自社にとってシナジーが期待できる売り手企業を選定します。仲介会社やFAから持ち込まれる案件の中から興味のある企業を選び、まずはノンネームシートの確認が必要です。この時点では企業名が伏せられているため、事業内容・収益性・市場ポジションなどの情報をもとに、自社の戦略との整合性を検討します。売り手との交渉に進むかどうかは、この段階である程度判断されるため、「どのような観点で評価するか」「どのような点が譲れないか」を社内であらかじめ明確にしておくことが重要です。

秘密保持契約を結ぶ

買い手が売り手に強い関心を示した場合、次のステップとして秘密保持契約(NDA)を締結します。

契約書には、秘密情報の範囲、保持期間、違反時の対応などが明記されます。これは、売り手側が社名や財務、契約内容などの詳細情報を開示するにあたって、万が一の情報漏洩や不正利用に備えた抑止力として機能するものです。
NDAの締結は、買い手・売り手双方が安心して交渉を進め、信頼関係を築くために欠かせません。契約後は社内でも情報管理体制を徹底し、担当者の選定や資料の取扱いルールを明確にしておくことが求められます。

IMの提示・検討を行う

IM(Information Memorandum)とは、秘密保持契約(NDA)締結後に売り手側から買い手側へ開示される、企業の詳細情報をまとめた資料です。具体的には、会社概要、組織体制、財務情報、事業内容、顧客構成、仕入先、知的財産、リスク要因などが記載されます。

IMは、ノンネームシートで関心を持った買い手が、より具体的な投資判断を行うための重要な材料です。売り手がIMを作成する際には、正確性・客観性を重視し、過剰なアピールや都合の良い情報に偏らないよう注意しましょう。
また、開示範囲や資料の更新タイミングについても、事前に専門家と連携しながら慎重に管理することが大切です。

意向表明書を提出する

意向表明書(LOI:Letter of Intent)は、買い手が売り手に対して買収の意志を明示するための文書です。秘密保持契約を経てIMを受領し、内容を検討したうえで、交渉を本格化させる前段階で提出されます。

LOIには、買収金額の目安、買収スキーム、今後のスケジュール、買収後の方針、デューデリジェンスの実施希望などが記載されます。提出時点では法的拘束力を持たないことが多いものの、売り手にとっては「どこまで真剣か」を判断する材料になります。書面の内容はできるだけ具体的に示しつつも、過度に断定的な表現は避けるのが原則です。

トップ面談を行う

トップ面談は、売り手と買い手の経営者同士が直接会い、互いの価値観や企業理念を共有する重要なステップです。条件交渉ではなく、数字では見えない相性や信頼感を確認する場です。

この面談では、売り手が自社の想いや事業の方向性を伝え、買い手は買収後のビジョンや従業員への配慮などを説明します。また、相互理解を深めるため、質疑応答や追加情報の開示も行われます。
なお、1回のトップ面談で基本合意に至るとは限りません。状況によってはトップ面談が複数回実施されるケースもあります。

条件交渉ののち基本合意書を締結する

トップ面談を経て、双方がM&Aを前向きに進めたいと確認できた場合、専門家の助けを借りながら譲渡条件やスケジュール等の調整を行います。その内容を基本合意書(MOU)で明文化します。

基本合意書では、譲渡価格の目安、M&Aスキーム、今後のスケジュール、独占交渉権や秘密保持義務などが記載されることが一般的です。
なお価格や譲渡条件については、この段階では法的拘束力を持たせないのが一般的です。とはいえ、最終契約前に大まかな合意事項を整理することで、後続のデューデリジェンスや最終契約への移行がスムーズになります。そのため、曖昧な合意を避け、専門家と協力して内容を慎重に詰めることが重要です。

【M&Aの流れ③】最終契約フェーズ

M&Aの最終契約フェーズでは、デューデリジェンスを経て条件交渉を行い、譲渡価格・リスク分担・運営体制などを詰めたうえで最終契約を締結します。

デューデリジェンス(DD)を行う

M&Aの交渉が基本合意に至ったら、買い手側によるデューデリジェンス(DD)が行われます。DDの目的は、譲渡対象となる企業や事業の実態を詳しく調査し、想定していた価値やリスクとの乖離が無いかを見極めることです。

売り手から提供される情報だけでは、財務・法務・労務などに潜在的なリスクが隠れている可能性を否定できず、買収後にトラブルとなるケースも少なくありません。こうしたリスクの見落としを防ぐため、買い手側は弁護士や会計士などの専門家と連携しながらDDを実施し、必要な調査を多角的に進めることが求められます。

財務デューデリジェンス(財務DD)

調査概要 主な確認項目
財務内容の信頼性や収益力、将来性を調査 収益性、運転資本、設備投資、簿外債務・偶発債務など

法務デューデリジェンス(法務DD)

調査概要 主な確認項目
契約や法令遵守状況、法的リスクを調査 組織・株主、契約内容、許認可・法令遵守、人事労務訴訟・その他紛争など

税務デューデリジェンス(税務DD)

調査概要 主な確認項目
税務リスクの有無や申告の適正性を調査 納税状況、繰延税金資産の妥当性、税務調査履歴など

人事デューデリジェンス(人事DD)

調査概要 主な確認項目
労務管理や人件費に関するリスクを調査 雇用契約書の整備、賃金体系、未払い残業代の有無など

ITデューデリジェンス(IT DD)

調査概要 主な確認項目
IT環境やシステム整備状況を調査 システムの老朽化、情報セキュリティ、運用体制など

ビジネスデューデリジェンス(ビジネスDD)

調査概要 主な確認項目
事業モデルや競争環境、成長可能性などの実態を調査 事業戦略、市場シェア、顧客基盤、販売チャネルなど

環境デューデリジェンス(環境DD)

調査概要 主な確認項目
環境関連法令の遵守状況やリスクを調査 土壌・大気・水質の汚染状況、リスクに対する原状回復費用など

最終条件交渉を行う

基本合意後、デューデリジェンスの結果を踏まえて、最終契約に向けた条件交渉が行われます。リスクの所在や譲渡後の体制までを含む最終的な調整プロセスとなります。

価格調整・補償の取り決め

デューデリジェンスの結果、簿外債務や訴訟リスクなどが発見された場合、買い手は譲渡価格の見直しを求めることがあります
また、これらのリスクに備えるため、最終契約書には表明保証や補償条項が盛り込まれ、売り手が一定期間リスクを負う内容になることもあります。

クロージングの前提条件(CP)の設定

最終契約の成立には、いくつかの前提条件(CP:Conditions Precedent)が必要です。例えば、株主総会の承認、主要取引先や金融機関からの同意取得、許認可の承継などが挙げられます。これらは買い手がクロージングを実行するための必須条件であるため、双方で事前に明確にしておくことが重要です。

譲渡後の運営体制に関する調整

譲渡後の役員体制や従業員の雇用継続、現経営者の関与期間など、PMIに直結する要素も調整します。買い手が安心して経営を引き継げるようにすることはもちろん、売り手側にとっても、従業員の処遇や企業理念の継続性が確保できるかが重要な論点となるでしょう。

最終契約書を締結する

最終条件の交渉がまとまったら、最終契約書を締結します。

最終契約書はM&Aにおける最終的な合意内容を法的に明文化したもので、譲渡価格や支払条件、譲渡対象の範囲、リスク分担に関する条項などが記載されます。契約書に盛り込まれる主な条項は以下のとおりです。

  • 譲渡対象の詳細
  • 譲渡価格と支払条件
  • クロージングの前提条件
  • 表明保証
  • 補償や損害賠償の範囲
  • 秘密保持、競業避止、従業員の処遇に関する取り決め

M&A契約では、交渉時の口頭合意だけでなく、将来的なトラブルを防ぐためにも文言レベルでの詰めが不可欠です。契約書の作成には弁護士などの専門家が深く関与し、リスクを見落とさないように調整することが求められます。

【M&Aの流れ④】M&A成立後

M&A成立後は、クロージングや情報開示、PMIを進めていきます。

クロージングを実施する

クロージングとは、最終契約で定めた条件を実行し、M&Aの取引を正式に成立させる手続きのことです。売り手・買い手が合意した取引条件やクロージング前提条件をすべて満たしたうえで、実際の株式譲渡や事業譲渡が行われます。

具体的には、譲渡対価の支払い、株式や資産の引渡し、登記変更など、法的・実務的な手続きを双方で完了させることです。

この時点でM&Aが法的に成立したとみなされるため、以後の運営は買い手企業の管理下に置かれます。トラブルを防ぐためにも、各種手続きは専門家と連携しながら慎重に進めることが重要です。

関係者への情報開示を行う

クロージングが完了したら、関係者に対し、M&Aの成立を正式に開示します。社内・社外それぞれに対して、丁寧に説明することが重要です。

社内向けには、従業員や役員に対してM&Aの背景や今後の方針を説明する場を設け、不安や誤解を解消することが求められます。特に従業員にとっては、雇用条件や勤務環境の変化が気になるポイントとなるため、誠実で透明性のある対応が欠かせません。
社外向けには、主要取引先や金融機関、顧客などへの通知・説明を行います。事前に準備した説明資料をもとに、混乱を招かないよう段階的に周知することがポイントです。また、プレスリリースなどを通じた公表が検討される場合があります。
M&A後の信頼関係の維持・構築に向けて、情報開示のタイミングと内容には細心の注意を払いましょう。

PMIの実行とモニタリングを行う

PMI(Post Merger Integration)とは、M&A成立後に売り手と買い手の組織・制度・文化などを統合し、シナジーを最大化するためのプロセスです。

M&Aは契約の締結で終わりではなく、むしろこのPMIの成否が、その後の企業価値に大きく影響します。具体的には、人事制度や業務プロセスの統合、ブランド・サービスの一元化、ITシステムの連携、社内コミュニケーションの強化などが必要です。両社の企業文化の違いを埋める取り組みや、従業員の不安解消やモチベーション維持にも配慮が欠かせません。

また、PMIでは、統合の進捗や効果を継続的にモニタリングする体制づくりも重要です。KPIの設定や定期的なレビューを通じて、目指す成果に向けた軌道修正を図っていく必要があります。

M&Aの流れをスムーズに進めるためのポイント

M&Aには相当の時間が必要となるため、少しでも円滑に進めなければなりません。具体的には、以下に紹介する9つのポイントを押さえると良いでしょう。

M&Aの目的を明確にしておく

M&Aをスムーズに進め、効果を最大化するためには、M&Aを選択する目的と期待される成果を明確にすることが欠かせません。

目的が明らかでなければ、各プロセスにおいて時間が滞るばかりか、取引条件に妥協した場合、M&A成立後に「シナジー効果を見込めない相手と契約を締結してしまった」と気付く可能性すらあります。

まずは、自社がM&Aを行う理由や期待する効果を明確化し、その軸に基づいて戦略策定を行い、各手順を踏んでいくことが必要です。M&Aの目的が明確であれば、適切なパートナーを見つけ、効果的な交渉を行い、最終的な成果の最大化が可能になります。 目的を明確にするためには、自社のビジネス戦略を見直し、M&Aがどのように貢献するかを理解することが重要です。また、M&Aによって達成したい具体的な目標を設定し、それを全社員に伝えることも肝要です。

利害関係者を把握しておく

株主・取引先・役員・従業員・金融機関などの利害関係者を把握しておくことも、M&Aを円滑に進めるために必要です。利害関係者とのコミュニケーションプランを策定しておくことが求められます。

また、持ち分比率の高い株主が反対した場合には、M&Aの手続きが遅延する可能性があります。株主の持分比率を確認し、M&Aに反対しそうな利害関係者を早期に特定したうえで、交渉戦略を策定しておくこともポイントです。
利害関係者の理解と協力があれば、M&Aのプロセスはスムーズに進行し、予期しない問題や遅延を回避できます。利害関係者の把握には、すべての関係者をリストアップし、それぞれの関心事や影響度の評価が欠かせません。
利害関係者とコミュニケーションをとり、定期的に情報を共有し、フィードバックを得ることも重要です。

議決権を確保しておく

M&Aをスムーズに進めるためには、議決権を確保しておくことが大切なポイントです。

議決権の確保によって、M&Aの決定を迅速に行うことができ、取引が滞りなく進みます。議決権を確保するためには、株主構成を見直し、必要に応じて株式を集約するなど、確保に向けた戦略を立てることが重要です。
議決権の確保に向けた戦略を立てる際には、法律や規制、企業のガバナンスへの配慮も求められます。

売却価格をイメージしておく

自社の時価純資産や営業利益などをもとに、売却価格を推定します。専門家による評価を受け、市場価値を把握しておくことが大切です。売却価格の設定における交渉戦略を検討し、自社の強みを活かした価格引き上げの可能性を探ります。

また、売却後の手残り金額に関する期待値の設定も重要です。売却価格を適切に設定することで、適正価格での取引を実現し、企業価値を最大化できます。売却価格を設定するためには、自社の財務状況の詳細な分析なども欠かせません。 自社の強みや競争優位性を考慮に入れ、価格引き上げの可能性を探ることも求められます。

専門家を含め協力者を確保しておく

M&Aに関わる社外の専門家と連携し、財務・税務上の問題点を事前に把握します。M&Aプロセスに必要な資料の準備を行い、決算書の内容を理解し、必要に応じて説明できることが必要です。
専門家や協力者の支援があれば、M&Aのプロセスがスムーズに進行し、予期しない問題や遅延を回避できます。専門家や協力者を確保するためには、自社の経理や総務部門の責任者と協力体制を築くことが不可欠です。

不利な情報は先に公開しておく

会社の弱点やリスク要因を事前に開示し、信頼関係の構築のために透明性を保つことが重要です。デメリットな情報を隠さず正直に伝え、条件交渉において誠実な対応を心がけます。

不利な情報を先に公開することで、取引相手との信頼関係を構築し、M&Aの成功につなげます。
問題があとから発覚した場合には、取引が破談になる恐れもあるため、留意が必要です。不利な情報を公開するためには、自社のマイナス要因を詳細に分析し、それらを取引相手に正確に伝えることが求められます。

潜在的な問題点に対する解決策を提示し、問題解決に向けた協力を求めることも有効でしょう。

情報管理を徹底する

M&Aに関する情報漏洩を防ぐための体制を整えます。情報管理を徹底するために、ガイドラインを策定し、関係者に対する情報開示の範囲とタイミングを決定します。
なお、社外での情報管理には「秘密保持契約」が必要です。社内の情報管理では、周知するメンバーを限定するといった対策が必要でしょう。
情報漏洩によるリスクを低減するための対策を講じておくことで、リスクを最小限に抑えられ、M&Aの成功につながります。

PMIの重要性を理解する

PMIの目的と重要性を認識して、経営統合における短期・中長期の計画を策定します。具体的には、詳細なアクションプランを作成し、経営統合に関わる従業員のトレーニングとサポートを計画します。
PMIは、M&A後の組織の統合と、シナジー効果の実現に向けた重要なプロセスです。成功すればM&Aの目的を達成し、企業価値の最大化が可能になります。PMIを行う際は、PMIコンサルティングの専門家からサポートを受ける検討も必要でしょう。

クロージング後の事業展開を明確にする

M&A後のビジョンと戦略を明確にして、新たに獲得したリソースの活用方法を計画します。また、クロージング後の事業展開における具体的な目標を設定し、シナジー効果を最大化するための戦略を策定しておくことで、達成したい長期的な成果を視野に入れます。
M&A後の事業展開の明確化によって、得られたリソースを最大限に活用でき、企業価値の最大化が可能になるでしょう。

まとめ

M&Aは、検討・準備/打診・交渉/最終契約/PMIの4つのフェーズで進みます。
それぞれの段階で「目的の明確化」「情報管理」「契約条件の整理」「PMIの体制設計」を適切に行うことが、成約後のトラブル回避とシナジー実現につながります。

フェーズごとに判断すべき要点が異なるため、専門家と連携し、リスク対応や統合体制の整備を行いながら進めることで、M&A全体の成功率を高められます。

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よくある質問

  • M&Aの流れはどのようなフェーズで構成されていますか?
  • M&Aは「検討・準備 → 打診・交渉 → 最終契約 → PMI(統合)」の4つのフェーズで進行します。検討では戦略整理や専門家選定、交渉では候補選定や条件調整、最終契約ではDD結果を踏まえた契約締結、成立後はPMIで統合を進めます。
  • なぜM&AではPMIが重要とされていますか?
  • PMIはPost Merger Integrationの略で、M&A後の組織・制度・文化を統合し、シナジー実現や企業価値向上を図るためのプロセスです。統合作業が不十分な場合、目的が達成されず、事業運営にも支障が生じる可能性があります。
  • デューデリジェンスでは具体的に何を確認しますか?
  • デューデリジェンスでは、財務・法務・人事・労務など多面的に企業の実態を調査し、リスクや企業価値の妥当性を確認します。これらは譲渡後のトラブルを回避し、取引条件の適正化に役立ちます。
  • M&Aの検討開始から成約まで、一般的にどれくらいの期間がかかりますか?
  • 通常は「検討・準備から交渉、最終契約、成立後の統合(PMI)」まで約半年〜1年程度要することが一般的です。フェーズごとに必要な作業が異なるため、準備状況や案件特性によって期間は前後します。
  • M&Aプロセスではどの段階で費用が発生しますか?
  • 仲介会社への支払いは、検討・準備段階での専門家選定後から発生します。また、デューデリジェンスや各種専門家(弁護士・会計士・司法書士)への依頼では、内容に応じて追加の費用が必要となります。
  • M&Aを進める中で注意すべき主なリスクや失敗要因は何ですか?
  • 情報漏洩リスクや、デューデリジェンスでの調査不足、条件整理の不備、PMI準備の遅れなどが代表的です。特に情報管理は重要で、開示範囲やタイミングの設計、NDA(秘密保持契約)の締結が不可欠です。

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