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NDA(Non-Disclosure Agreement)は、日本語で機密保持契約と言われています。取引やプロジェクトにおいて、情報の提供者と受け手が機密情報を共有する際に、情報漏洩を防ぐための合意とされています。機密情報を保護することで、ビジネスの競争力を維持することができるとされています。特にM&A(企業の合併・買収)においては、企業価値や戦略、財務状況などの重要な情報が交換されるため、NDAは極めて重要です。本記事では、NDAのポイントや注意事項についてご説明します。
1. NDA(機密保持契約)とは
NDAはNon-Disclosure Agreementの略称で、日本語で機密保持契約と言われている。NDAは、情報の提供者と受け手が取引やプロジェクトのために機密情報を共有するときに、その情報が不適切に漏れることを防ぐための合意であり、情報を守ることで、ビジネスの競争力を保つことができるとされている。
1-1. M&AにおけるNDAの重要性
特にM&A(企業の合併・買収)の際には、企業価値や戦略、財務状況などの重要な情報が交換されるため、NDAは極めて重要である。これにより、情報が第三者や競合他社に漏れることを防ぐことができることになる。
2. NDAを締結する際のポイント
NDAを締結する際の主なポイントは以下のとおりである。
- 機密情報の範囲:具体的に何が機密情報とされるか明確に定義することが必要である。
- 保護期間の設定:期間は情報の性質によるが、情報の機密性が続く期間を設定する必要がある。
- 禁止行為の明確化:情報をどのように利用・管理し、どのような行為が禁止されるかを明示することが重要であり、例えば、反社条項(契約相手が反社会的勢力でないことを確認するための条項)を取り入れることが一般的である。
また、必要がある場合には、例外的に開示できる第三者・場合をNDAに規定をしておくことが重要である。例えば、資本提携・業務提携において、機密情報をグループ会社に開示する必要が生じることがある場合には、例外的に開示できる第三者を規定することがある。
3. NDA締結後の留意事項
NDA締結後は、主に以下の点に留意する必要がある。
秘密情報の取り扱い:秘密情報を適切に管理し、無許可の開示や利用を避けることが重要である。情報が紙媒体の場合は、ロックされたファイルキャビネットや安全な場所に保管し、デジタル情報の場合は、パスワードで保護したり、適切な暗号化を使用したりすることが必要である。
適切な通信と記録:秘密情報をどのように共有するか、誰と共有するかを慎重に考える必要がある。また、秘密情報の使用や共有に関する記録を保持することも重要である
4. 契約終了後の取り扱いと留意点
NDAの契約終了後、機密情報の取り扱いは契約によるが、通常、情報は返却または破棄されることが求められる。しかし、場合によっては一定期間保持が許可されることもあるが、この点は契約で明示的に記載されることが一般的である。
また、留意点としては、契約が終了したとしても機密情報の保護義務は継続することが実務上多く、契約終了後も機密情報を不適切に利用・公開してしまうと、契約違反となり法的な責任を問われる可能性がある
5. まとめ
NDAは取引やプロジェクトのために情報を共有する際のセキュリティを保証するための重要なツールであり、特にM&Aの際にはその価値が増す。締結時には機密情報の範囲、保護期間、禁止行為、そして例外的な開示可能な第三者を明確に規定することが重要だ。契約後は適切な情報の取扱いと、通信・記録の方法に留意が必要となる。また、契約終了後も情報の返却や破棄、そして機密情報の保護義務が継続することを覚えておくべきである。