インカムゲインとは? キャピタルゲインとの違いや具体例を解説

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インカムゲインについて

インカムゲインとは、株式の配当金や債券の利子、不動産の家賃収入など、資産を保有している間にその資産から継続的に受け取ることを期待できる収入を指します。資産を売却して得るキャピタルゲインとは収益の生じ方が異なり、収入の時期を見通しやすい一方、金額や継続性が保証されているわけではありません。

投資による収益を考える際は、得られる収入だけでなく、どのような仕組みで収益が生じるのかを理解しておくことが重要です。インカムゲインとキャピタルゲインでは収益を得るタイミングや考え方が異なるため、それぞれの特徴を整理したうえで、自身の目的に応じて検討する必要があります。
そこで本記事では、主にインカムゲインの概要、インカムゲインを生む資産の例、キャピタルゲインとの比較などをわかりやすく解説します。


インカムゲインの概要

インカムゲインは、英語の「income(収入)」と「gain(利得)」を組み合わせた言葉です。資産の保有そのものから生じる収入を指し、資産を売却して得る利益とは区別されます

ここでは簡単にインカムゲインの概要を以下のとおり整理して解説します。

インカムゲインとキャピタルゲインの違い

キャピタルゲインとは、保有している資産を購入したときよりも高い価格で売却した場合に得られる売却益をいいます。

インカムゲインが「持ち続けることで得る収益」であるのに対し、キャピタルゲインは「売却によって確定させる収益」である点が、両者の最も大きな違いです。

インカムゲインには、収入の時期についてあらかじめ見通しを立てやすいという特徴があります。株式の配当金であれば年1回または年2回、不動産の家賃収入であれば毎月というように、支払いの時期が定められているケースが多いためです。

もっとも、支払いの時期が定まっていることと、受け取れる金額が保証されていることは別の問題です。定期的な収入を期待しやすい仕組みではありますが、一定の水準の収入が確保されるという意味ではない点に注意が必要です。

インカムゲインとキャピタルゲインの違いの詳細については後述の「インカムゲインとキャピタルゲインの比較」で解説します。

元本割れのリスク

インカムゲインを生む資産であっても、資産そのものの価格が下落すれば、元本割れ(投資した金額を下回ること)が生じる可能性があります

例えば、配当金を毎年受け取っていたとしても、株価が購入時を大きく下回った状態で売却すれば、受け取った配当金の累計を上回る損失が生じることもあります。インカムゲインの水準だけでなく、保有している資産の価格変動もあわせて確認することが大切です。

分散投資という考え方

こうしたリスクへの対応として用いられるのが、分散投資という考え方です。分散投資とは、投資先を複数の資産・銘柄・地域などに分けることで、特定の資産の値下がりや収益の悪化が全体に与える影響を和らげようとする手法をいいます。

例えば、国内株式だけに集中して投資している場合、国内景気の悪化が保有資産全体の配当金の減少に直結します。これに対して、国内株式・債券・不動産といった値動きの要因が異なる資産に分けて保有していれば、一部の資産の収益が悪化しても、他の資産の収入によって全体への影響を抑えられる可能性があります。

ただし、分散投資はリスクを完全になくす手法ではありません。市場全体が下落する局面では、多くの資産が同時に値下がりすることもあります。

インカムゲインを生む資産の例

インカムゲインを得ることのできる資産には、さまざまな種類があります。ここでは代表的なものを順に説明していきます。

預金

預金は、金融機関に預け入れた資金に対して利息を受け取る仕組みであり、最も身近なインカムゲインの一つです。

預金保険制度の対象となる一般預金等は、金融機関が破綻した場合でも、1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。決済用預金は全額が保護されます。他の資産と比べて元本が毀損するリスクは小さい一方、受け取ることのできる利息の水準は相対的に低くなる傾向があります

債券

債券とは、国や地方公共団体、企業などが資金を調達するために発行する有価証券をいいます。債券のうち利付債では、保有期間中に利子(クーポン)を受け取ることができ、これがインカムゲインに該当します

債券の利子は、株式の配当金や不動産の家賃収入と並ぶインカムゲインの代表例です。発行時に利率と償還日が定められている固定利付債であれば、保有期間中に受け取る利子の額について、あらかじめ見通しを立てやすい点が特徴です。

ただし、債券にもリスクがあります。発行体の信用状態が悪化した場合には、利子の支払いや償還が滞る信用リスク(デフォルトリスク)があります。また、償還を待たずに市場で売却する場合には、市場金利の変動によって債券価格が上下するため、購入時の価格を下回る可能性があります。

不動産

不動産投資では、保有する物件を第三者に賃貸することで、毎月の家賃収入を得ることができます。これがインカムゲインにあたります。

不動産のインカムゲインを検討する際は、家賃収入をそのまま物件価格で割った表面利回りだけでなく、経費を差し引いた実質利回りをあわせて確認することが重要です。

計算例:表面利回りと実質利回り

例えば、3,000万円で購入した賃貸物件から、年間240万円の家賃収入が得られるケースを考えます。

表面利回り=年間家賃収入240万円 ÷ 物件価格3,000万円 × 100 = 8.0%

ここから、管理費・修繕費・固定資産税・損害保険料などの年間経費が60万円発生する場合、実際に手元に残る収入は年間180万円となります。

実質利回り=(年間家賃収入240万円 - 年間経費60万円)÷ 物件価格3,000万円 × 100 = 6.0%

このように、表面利回りと実質利回りには差が生じます。さらに、空室が発生すれば家賃収入そのものが減少するほか、借入により物件を取得している場合には返済負担も考慮する必要があります。

株式

株式を保有していると、発行会社の業績等に応じて配当金を受け取ることができる場合があります。この配当金がインカムゲインに該当します。

配当金の水準を測る指標としては、株価に対する年間配当金の割合を示す配当利回りが用いられます。

計算例:配当利回り

例えば、株価2,000円の銘柄が1株当たり年間60円の配当を実施している場合、配当利回りは以下のとおりです。

配当利回り=1株当たり年間配当金60円 ÷ 株価2,000円 × 100 = 3.0%

ただし、配当金は会社が必ず支払わなければならないものではありません。業績の悪化や配当政策の変更によって、減配・無配となる可能性があります。

なお、株主優待制度を実施している会社もありますが、これも実施の継続が保証されているものではない点に留意が必要です。

投資信託

投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を運用の専門家がまとめて運用し、その成果を投資家に分配する金融商品をいいます。投資信託から支払われる分配金は、インカムゲインの代表例として紹介されることの多いものです。

ただし、分配金のすべてが運用によって得られた収益を原資としているとは限りません。分配金の原資には、投資先から受け取った配当金や利子のほか、保有資産の売買益や、元本の払戻しに相当する部分が含まれる場合があります。

税務上も、収益から支払われる普通分配金と、元本の払戻しに相当する元本払戻金(特別分配金)とでは取り扱いが異なります。分配金の額面だけで判断せず、その原資がどのように構成されているかを、目論見書や運用報告書で確認することが大切です。

FX(外国為替証拠金取引)

FXでは、2つの通貨の金利差に相当するスワップポイントを受け取ることができる場合があり、これがインカムゲインに相当します。低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買う取引を保有し続けることで、日々スワップポイントが発生する仕組みです。

ただし、スワップポイントは各国の金利政策によって変動し、金利差が逆転した場合には支払う側に回ることもあります。また、FXはレバレッジ(証拠金の何倍もの取引を行う仕組み)を利用できるため、為替相場の変動により、受け取ったスワップポイントを大きく上回る損失が生じる可能性があります。

インカムゲインとキャピタルゲインの比較

ここでは、インカムゲインとキャピタルゲインの違いを比較し、それぞれのメリット・デメリットと、どのような考え方を持つ人に向いているかを整理します。

インカムゲインとキャピタルゲインの比較表

両者の主な違いは、以下のとおりです。

比較項目 インカムゲイン キャピタルゲイン
収益の源泉 資産の保有 資産の売却
収益が生じるタイミング 保有期間中に継続的に生じる 売却時に確定する
収益の見通し 時期について見通しを立てやすい 売却価格次第で大きく変動する
想定される収益の大きさ 1回当たりは相対的に小さい傾向 大きな利益となる場合がある
主な例 配当金、利子、家賃収入、分配金 株式・不動産等の売却益
主なリスク 減配・無配、分配金の減額、空室、資産価格の下落 売却価格の下落、売却の判断の難しさ

両者を比較する際に注意したいのは、どちらが優れているかという観点で選ぶものではないという点です。インカムゲインは収入の時期について見通しを立てやすい反面、1回当たりの金額は限られます。キャピタルゲインは大きな利益となる可能性がある反面、その金額は売却時まで確定しません。

いずれもリスクの性質が異なるだけで、リスクの有無を分けるものではありません。保有している間に収入を受け取りたいのか、値上がりによる利益を目指すのかという目的に加え、その資金をいつまで使わずにおけるのかという時間軸をあわせて検討することが、選択の出発点となります。

インカムゲインのメリット

インカムゲインの主なメリットは、以下の事項が挙げられます。

それぞれについて、詳しく説明していきます。

資産を保有したまま収入を受け取れる

インカムゲインは、資産を売却しなくても収入が発生します。そのため、資産そのものを保有し続けながら、配当金や家賃収入といった収入を受け取ることが期待できます

収入の時期について見通しを立てやすい

配当金や利子、家賃収入は、支払いの時期や算定の基礎となる利率・賃料があらかじめ定められているケースが多いため、いつ頃どの程度の収入が見込まれるかを検討しやすいという特徴があります。

長期の保有を前提とした運用と組み合わせやすい

売却のタイミングを常に意識する必要がないため、日々の値動きを追い続けることが難しい場合でも取り組みやすい考え方です。受け取った収入を再投資に回すことで、保有資産を積み増していく方法も選択できます。

インカムゲインのデメリット

一方、インカムゲインには主に以下のようなデメリット・リスクもあります。

それぞれについて、詳しく説明していきます。

1回当たりの収益は相対的に小さい傾向がある

インカムゲインは保有期間に応じて少しずつ受け取る性質のものであるため、資産価格の上昇によって短期間に大きな利益が生じるキャピタルゲインと比べると、1回当たりの金額は小さくなる傾向があります。

収益が減少・停止する可能性がある

株式の配当金は業績や配当政策によって減配・無配となる可能性があり、投資信託の分配金も減額されることがあります。賃貸物件では空室が発生すれば家賃収入が途絶えます。継続的な収入を期待できる仕組みではあるものの、その継続が保証されているわけではありません

資産価格の下落による元本割れの可能性がある

インカムゲインを継続的に受け取っていたとしても、資産そのものの価格が購入時を大きく下回れば、全体では損失となる場合があります。

インカムゲインは、キャピタルゲインと比べて資産価格の値動きによる影響を直接受けにくい側面はありますが、低リスクであることや元本が保証されていることを意味するものではない点に留意が必要です。

税金によって手取り収益が減少する場合がある

配当金や利子、投資信託の分配金、不動産の家賃収入などには、所得の種類や保有方法に応じて税金がかかる場合があります。そのため、表示されている利回りや受取額がそのまま手元に残るとは限りません。税務上の取り扱いは、資産の種類や保有する口座、投資家の状況などによって異なるため、実際の手取り額を確認する際には税引後の収益も考慮することが重要です

キャピタルゲインのメリット

次に、キャピタルゲインの主なメリットは、以下の事項が挙げられます。

それぞれについて、詳しく説明していきます。

短期間で大きな利益を得られる可能性がある

資産価格が大きく上昇した局面で売却できれば、インカムゲインでは得にくい規模の利益を短期間で得られる可能性があります。保有期間に応じて少しずつ受け取るインカムゲインとは異なり、値上がり幅がそのまま収益に反映される点が特徴です。

利益を確定させる時期を自身で判断できる

キャピタルゲインは売却によって確定するため、いつ利益を確定させるかを自身の判断で決めることができます。値上がりした局面で売却する、あるいは保有を継続してさらなる上昇を待つといった選択が可能です。

少額から取り組める対象が幅広い

株式や投資信託のように、比較的少額から購入できる資産も値上がり益の対象となります。まとまった資金を必要とする不動産のような資産と比べ、取り組みやすい選択肢がある点も特徴といえます。

キャピタルゲインのデメリット

一方、キャピタルゲインには主に以下のようなデメリット・リスクもあります。

それぞれについて、詳しく説明していきます。

資産価格が下落すれば損失が生じる

資産価格は経済情勢や市場環境によって変動するため、購入時の価格を下回る可能性があります。購入時より低い価格で売却すれば、その差額が損失(キャピタルロス)となります。値上がり幅がそのまま収益になる一方、値下がり幅がそのまま損失になる点は表裏の関係にあります。

売却するまで収益が確定しない

保有している間の価格上昇は、あくまで評価上の利益にすぎません。実際に売却するまで収益は確定せず、売却前に価格が下落すれば、その利益は失われます。保有期間中に収入が生じるインカムゲインとは、この点が大きく異なります。

売却の時期を判断する必要がある

利益を得るためには売却の時期を見極める必要があり、そのためには相応の情報収集と判断が求められます。価格の動きを継続的に確認する必要があるため、時間的な負担が生じる場合もあります。

売却益に対して税金がかかる

資産を売却して利益が生じた場合、その利益に対して税金がかかります。インカムゲインが保有期間中に少しずつ課税されるのに対し、キャピタルゲインは売却した年に利益がまとめて生じるため、その年の税負担が大きくなる場合があります。税務上の取り扱いは資産の種類や保有する口座によって異なるため、売却前に税引後の手取り額を確認しておくことが大切です。

インカムゲインとキャピタルゲインのどちらが向いているか

最後にどういった人がインカムゲインとキャピタルゲインのどちらに向いているかについて、解説します。

インカムゲインが向いている人

インカムゲインは、資産を長期にわたって保有し、保有期間中に受け取る収入を重視する人に適しています。日々の値動きを追いかけることが難しい場合や、一定の間隔で収入を受け取ることを希望する場合に、検討しやすい選択肢といえます。

ただし、値動きの影響を直接受けにくいことと、リスクが小さいことは同じではありません。保有する資産に応じて、減配、分配金の減額、空室、資産価格の下落といったリスクがある点を理解したうえで検討することが大切です。

キャピタルゲインが向いている人

キャピタルゲインは、価格の変動を分析し、相場の動きに応じて機動的に売買を行う方針をもつ人に適しています。情報収集や判断に一定の時間を割くことができ、価格の下落が生じた場合にも対応できる範囲で取り組むことが前提となります。

なお、両者は排他的な関係にあるわけではありません。例えば、株式を保有していれば配当金というインカムゲインを受け取りつつ、値上がり後に売却すればキャピタルゲインも得られます。どちらか一方に限定するのではなく、目的や資金の性質に応じて組み合わせを検討することが一般的です。

まとめ

今回は、インカムゲインについて解説しました。

インカムゲインとは、資産を保有している間に継続的に受け取ることを期待できる収入をいい、預金の利息、債券の利子、株式の配当金、不動産の家賃収入、投資信託の分配金などが代表例です。資産を売却することなく収入を得られる点や、収入の時期について見通しを立てやすい点が特徴といえます。

一方で、インカムゲインは収益が保証されているものではありません。減配や無配、分配金の減額、空室などによって収入が減少・停止する可能性があるほか、資産価格そのものが下落すれば元本割れが生じることもあります。また、投資信託の分配金のように、その全額が運用収益を原資とするとは限らないケースもあります。

インカムゲインとキャピタルゲインは、収益の生じ方もリスクの性質も異なります。両者の違いと、各資産に固有のリスクを理解したうえで、自身の目的に合った方法を選ぶことが重要です。



よくある質問

  • インカムゲインとは何ですか?
  • インカムゲインとは、資産を保有している間に、その資産から継続的に受け取ることを期待できる収入です。代表例として、預金の利息、債券の利子、株式の配当金、不動産の家賃収入、投資信託の分配金などがあります。
  • インカムゲインとキャピタルゲインの違いは何ですか?
  • インカムゲインは、資産を保有している間に生じる収入であるのに対し、キャピタルゲインは資産を売却することで得る利益です。インカムゲインは収入の時期を見通しやすい一方、キャピタルゲインは売却価格によって利益が変動します。
  • インカムゲインを生む資産には何がありますか?
  • 代表的な資産には、預金、債券、不動産、株式、投資信託などがあります。FXでは、金利差に相当するスワップポイントを受け取れる場合があり、これもインカムゲインに相当します。
  • インカムゲインは保証された収入ですか?
  • いいえ。インカムゲインは、金額や継続性が保証されているわけではありません。株式の配当金は減配・無配となる可能性があり、不動産では空室によって家賃収入が減少することがあります。
  • インカムゲインを得ていても元本割れすることはありますか?
  • あります。配当金や利子などを継続的に受け取っていても、保有している資産の価格が購入時を大きく下回れば、全体として損失となる場合があります。インカムゲインだけでなく、資産価格の変動も確認することが重要です。
  • 投資信託の分配金はすべてインカムゲインですか?
  • すべてがインカムゲインとは限りません。投資信託の分配金の原資には、投資先から受け取った配当金・利子といった収益のほか、保有資産の売買益や、元本の払戻しに相当する部分が含まれる場合があります。税務上も、収益から支払われる普通分配金と、元本の払戻しに相当する元本払戻金(特別分配金)とでは取り扱いが異なります。分配金の額面だけで判断せず、目論見書や運用報告書でその内訳・原資を確認することが重要です。

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