フリーキャッシュフローとは? 意味や計算方法について解説

更新日


企業の経済活動を評価する際に注目される指標の一つが、フリーキャッシュフロー(FCF)です。このFCFは、企業が日々の運営と投資活動の後に残るキャッシュを示すもので、企業の財務健全性や価値を判断するための重要な基準となります。本記事では、そのフリーキャッシュフローについて詳しく解説します。

このページのポイント

~フリーキャッシュフローとは?~

企業が日々の運営と投資活動の後に残るキャッシュ(現金及び現金同等物)を示すもの。フリーキャッシュフローが多ければ多いほど、一般的に企業の財務内容は健全であり、企業価値も高いと評価される。フリーキャッシュフローを計算する際に注意すべきなのは、資産の売却などによる一時的なプラスは安定経営にはつながらないということである。

無料で相談する

1. フリーキャッシュフローの概要

1-1. フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフロー(FCF)とは、企業が日々の運営と投資活動の後に残るキャッシュ(現金及び現金同等物)を示すものである。これは、企業が日々のビジネスで得たキャッシュから、新しい設備に投資したり、借金を返済したりといった必要な出費を引いた残りのキャッシュを指す。このフリーキャッシュフローが多ければ多いほど、一般的に企業の財務内容は健全であり、企業価値も高いと評価される。

2. フリーキャッシュフローの計算方法

2-1. 基本的なフリーキャッシュフローの計算式

基本的なフリーキャッシュフローの計算式 イメージ画像

フリーキャッシュフローの計算は、営業キャッシュフローと投資キャッシュフロー(具体的には、固定資産などの設備投資に関連する支出)を足すことで求められる。

2-2. フリーキャッシュフロー計算の実例

例えば、企業が1年間で1,000万円の営業キャッシュフローを得て、そのうち500万円を設備投資に使った場合、フリーキャッシュフローは500万円となる。

2-3. フリーキャッシュフローの計算における注意点

計算する際の注意点としては、一時的な収入や支出を考慮に入れることが重要であり、例えば、資産の売却による一時的なフリーキャッシュフローのプラスは安定経営にはつながらないことに留意が必要である。

3. フリーキャッシュフローの解釈

基本的なフリーキャッシュフローの計算式 イメージ画像

3-1. フリーキャッシュフローがマイナスになる理由

フリーキャッシュフローがマイナスになる理由は、主に大規模な投資が行われ、それが営業キャッシュフローを上回る場合が挙げられる。これは企業が成長期にあることを示している可能性があるが、同時に財務リスクが高まっている可能性もある。

3-2. フリーキャッシュフローを用いた企業評価

フリーキャッシュフローを用いた企業評価では、将来のフリーキャッシュフローの予測と割引率を用いて、現在の企業価値を算出するディスカウント・キャッシュフロー法(DCF法)が一般的である。

関連記事
DCF法とは?~概要や計算方法、メリット・デメリットを解説~

4. その他のキャッシュフローについて

4-1. 営業キャッシュフロー

営業活動のキャッシュフローは、商品の販売・仕入や経費・人件費の支払いなどの営業活動から生じるキャッシュの流入量を指す。企業の営業活動はキャッシュを獲得するために行っているものなので、営業活動のキャッシュフローはプラスであることが望ましいといえる。その反面、マイナスの場合は営業活動がうまくいっていないことを表すといえる。

4-2. 投資活動のキャッシュフロー

投資活動のキャッシュフローは、固定資産(土地・建物・機械設備など)の取得・売却などの投資活動から生じるキャッシュの流入量を指す。投資活動のキャッシュフローは、固定資産を取得したときはキャッシュが流出するためマイナスとなり、固定資産を売却したときはキャッシュを獲得するためプラスとなる。

5. まとめ

フリーキャッシュフローは、企業が日々のビジネスで得たキャッシュから必要な出費を引いた残りのキャッシュを示す指標である。この値が多いほど、企業の財務状態は健全であり、企業価値も高いと評価される。計算方法は、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足すことで求めることができる。ただし、一時的な収入や支出を考慮に入れることが重要である。また、フリーキャッシュフローがマイナスになる理由としては、大規模な投資が行われ、それが営業キャッシュフローを上回る場合がある。


ご納得いただくまで費用はいただきません。
まずはお気軽にご相談ください。

監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズコーポレートアドバイザリー部 部長公認会計士梶 博義
M&Aキャピタルパートナーズコーポレートアドバイザリー部 部長
公認会計士梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。
これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。

詳細プロフィールはこちら

M&A関連記事

M&Aへの疑問

M&Aへの疑問のイメージ

M&Aに関する疑問に市場統計や弊社実績情報から、分かりやすくお答えします。

業種別M&A動向

業種別M&A動向のイメージ

日本国内におけるM&Aの件数は近年増加傾向にあります。その背景には、企業を取り巻く環境の変化があります。

M&Aキャピタルパートナーズが
選ばれる理由

創業以来、報酬体系の算出に「株価レーマン方式」を採用しております。
また、譲渡企業・譲受企業のお客さまそれぞれから頂戴する報酬率(手数料率)は
M&A仲介業界の中でも「支払手数料率の低さNo.1」となっております。