晴ればれ~M&Aご成約オーナー様の奥様インタビュー企画~

「正確、迅速、美しく」。 創業社長夫人として支え続けた会社の誕生から
M&Aまでの軌跡。

出演 株式会社ビバビーダメディカルライフ 野口 芳乃 夫人
集合写真

在日外国人向けの保険事業を展開し、ゼロから成長を遂げた株式会社ビバビーダメディカルライフ。さらなる発展を目指し、2022年に株式会社セブン銀行へM&Aによる事業承継をしました。
創業から現在に至るまで社長を公私にわたって支えたのは、取締役でもある野口芳乃夫人です。
会社の成長や従業員・そのご家族の人生など、重たい責任を抱えながら会社をけん引しM&Aを選択した経営者を支えてきた社長夫人にスポットライトを当てるインタビュー企画「晴ればれ」の記念すべき第一回目は、正確かつ柔軟な姿勢で会社と事業の成長を後押しした芳乃夫人の人生を紐解くインタビューをお届けします。
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銀行員から取締役へ。
いつも心に留める
モットーとは

御社では在日外国人向けの少額短期保険を扱っていますが、
会社自体はどのように始まったのでしょうか。

株式会社ビバビーダメディカルライフ 野口芳乃取締役(以下、芳乃夫人):

社長の野口は、会社を立ち上げる前は大手保険会社で働いていました。そしてその当時から、在日外国人向けの保険の必要性や需要を感じていたようで、自分で会社を立ち上げることを考えていたようです。当時すでに私は野口と結婚しており、子どもも2人いて、まさに子育て真っ只中でのことでした。

会社を立ち上げると聞いたとき、芳乃夫人はどのようなお気持ちでしたか?

芳乃夫人:

野口は言い出したら止めても聞かない性分ですから、会社を始めるという決意を聞いたときにはもう覚悟していました。会社に勤めてさえいれば、なんとか安泰に子供も育てて生きていけると思っていたので、まさに急転換でしたけども。

創業してすぐの頃、事業が軌道に乗るまでの間は、やはり収入は不安定になりましたね。野口から「会社で必要だからキャッシュカード貸してくれないか」って言われて、私個人のキャッシュカードを貸したのですが、気づけば口座からお金が引き落とせない状態になっていたこともありました。だから少しでも節約するために、自給自足的な要素も取り入れて生活をしていた時期もありました。

壮絶なお話ですね。野口夫人はその頃どのようにお気持ちを保っていたのですか?

芳乃夫人:

現実は厳しかったですけど、文句を言って不安になりすぎてもしょうがないですから、意識を逸らすために仕事以外の時間は塩野七生さんの『ローマ人の物語(新潮文庫)』を読むことに没頭していました。本から意識を離すと厳しい現実が待っていますが、それでもじっと堪えてやっているうちに、 石の上にも三年じゃないですけど、何とかなっていくものですね。少しずつ良くなってきて、追い風が吹いてくれるようにもなってきました。

芳乃夫人は取締役を担っていますが、どういったお仕事をされていたのですか?

芳乃夫人:

野口が営業の前線でお客様と接する一方、私は社内の事務全般を担当していました。総務や経理といった業務のほか、創業当初は私たち以外のスタッフが外国人だけだったので、日本語でかかってきた電話の対応もすべて私が行っていました。

独身の頃は銀行に勤めていたと伺いましたが、その頃と比べるとかなりのマルチタスクをこなしていたのですね。銀行での経験は創業後の仕事でも活きていましたか?

芳乃夫人:

銀行に入った当時、何度も言われ続けたことが「正確、迅速、美しく」という考え方です。お客様のお金を預かる銀行業務には、決して間違いがあってはなりませんからね。

その精神は、創業後も引き続き大切にしていました。保険金の請求はお客様にとって非常に大切なものですから、私たちの計算は一切の間違いは許されません。

でも当時はすべて手計算で、間違いを探すのにも一苦労。伝票も1枚1枚全部手作業で入力していたので、書き間違えがあれば、また一からやり直しです。あの頃Excelがあればどんなに楽だったかと思います。でも徐々にコンピューターの力を借りるようになって、その作業を楽にしてくれました。

会社の成長を支えた
独自開発のシステムと
人材育成

時代の流れとともに、パソコンをはじめとする様々な技術が発展していきます。芳乃夫人のお仕事はどのように変化しましたか。

芳乃夫人:

銀行員の頃はちょうどパソコンが導入され始めた時期でしたが、パソコンですべての業務を行うのは、会社を創業してからが初めてです。WordもExcelも使い方がまったく分からない状態だったので、まずはパソコン入門書を読んで学び、最終的には自社の少額短期保険のシステム開発を手がけるまでになりました。

ご自身でシステム開発を。

芳乃夫人:

顧客情報や保険のプラン情報を管理する箇所をつくり、それぞれをつなげて独自のシステムをつくっていきました。財務省の検査では、詳細な情報提出を求められるのですが、いつでも対応できるように、情報入力や管理を日常事務にどう落とし込むかという仕組みも考えていましたね。検査で数字の提出を求められたとき、すぐに提供できたことは会社への信頼獲得にもつながったと思います。

そうやって一つずつ乗り越えていくと、 野口のスタイルを気に入ってくださる方が少しずつ現れてきました。何もない、ゼロから会社が始まって、時にはマイナスになったこともありましたが徐々にお客様が増えていきました。少しずつ信頼を築き上げ、自分から発信したものがそういう形で返ってくるというのは、仕事の面白い部分でもありますね。

今に至るまでに、不安定な情勢も乗り越えてきたのではないかと思います。

芳乃夫人:

少額短期保険会社になるにあたっては、国の規制やその準備に莫大な資金を費やしました。 それを乗り越えたら次はリーマンショックが起きて。でも何とか乗り越えて、そうしたら今度はコロナ禍が。登って降りて、登って降りての繰り返しでしたが、その都度どうやって乗り越えていこうと考え続けてきて、今に至ります。

いくつもの山を乗り越えられた理由は何だと思いますか。

芳乃夫人:

私も野口もただ困難に飲まれるのではなく、前向きに解決策を模索するタイプだったことは大きいと思います。コロナ禍の最中は外国人が日本に来ることがなく、保険もなかなか売れませんでした。そのような状況でも、国からの補助金を活用しながらスタッフに給料をしっかり全額払ったうえで、余った時間を今後に役立つ資格の勉強に使ってもらいました。
従業員の働く環境を整えるために、全員が自分以外の担当業務を覚えられるような体制も作りました。その甲斐あって、誰かがお休みをしても、他の誰かが仕事を代われるようになっています。現在、リーダー格のスタッフが産休に入っていますが、なんとか回っています。

従業員の皆さんの働く環境をとても大切にしていらっしゃるんですね。

芳乃夫人:

スタッフ全員を一人ひとり見るようにして、何かあったらいつでも言える雰囲気づくりも心がけています。おかげさまで、うちのスタッフはみんな優秀で、よく育ってくれたと思います。

持続可能な
パートナーシップと
企業経営の秘けつ

お仕事と私生活両面において、野口社長とパートナーとして歩んできたわけですが、
芳乃夫人にとってそのパートナーシップはどのように築いてきましたか。

芳乃夫人:

今でこそ私も我慢せずに意見を言って話し合っていますが、私の実家は何代も事業等が続いている家柄で、時代の力も相まって「女性たるは良妻賢母であるべき」という価値観で育てられました。ですので、夫である野口に対して一歩引くことが普通だと思っていたのですが、一緒に仕事をしてみると、なんだかそれまでの考えが馬鹿馬鹿しくなっていきましたね。

それはなぜでしょう?

芳乃夫人:

野口は言いたいことは言うし、やりたいことをやる性分。正直、「いい加減にしてよ」と思うこともありました。それでも、良妻賢母であれば黙ってついていくのでしょうけど、だんだんと時代的にも、そういう風潮がなくなってきましたよね。それで時代の流れに乗って、私も10年ほど前から、野口に対しても言いたいことを言うようになっていきました。そうすると野口も何か変わったなと思い始めたようで、今ではお互いに言いたいことを言い合える関係です。

意見がぶつかることもありますか?

芳乃夫人:

もちろんありますよ。でも、思っていることは言った方が仕事も生活もやりやすいですよ。ちゃんと言葉で言わないと、こちら側の気持ちなんて相手も気づかないでしょうから。

2022年に行ったM&Aについても、ご自身の意見を伝えましたか。

芳乃夫人:

そうですね。私と野口だけでずっと続けてはいけないと思ってはいたのですが、 従業員はみんな20〜30代。彼女たちがより良い環境で働けるようになってほしいですし、会社自体ももっと大きく、より良くなってくれたらいいなと思っていました。ただ、単にM&Aをすればいいというわけではなく、金融庁財務局の許可が降りる体制を構築する必要もあるので、それらが叶うお話があればいいなと話していました。

そうした中でセブン銀行とのM&Aのお話が出てきますが、仲介を担当した
M&Aキャピタルパートナーズと、担当アドバイザーの印象はいかがでしたか。

芳乃夫人:

最初にお話いただいたときは、相手方が金融機関系というお話だけ伺っていたのですが、銀行であればいいお話かと思い、進めていただくことにしました。

担当アドバイザーの山田さんは、土日・昼夜問わず連絡をくださって、有難いなと思う一方で、ちゃんと寝ているのか心配していました。M&Aのサポートは山田さん含め他の皆さんも至れり尽くせりで、デューデリジェンスの細かい資料についての疑問もすぐにお答えいただき、大変助かりました。

では実際にM&Aをされてみて、いかがでしたか。

芳乃夫人:

まずは、本当に安心しました。セブン銀行さんから来ていただいた方もみんな若くて、あと何年かして私たち二人がいなくなれば、本当に若さ溢れる会社に生まれ変わると思います。

株式会社セブン銀行とのご成約式での一枚
撮影日:2022年11月2日

懸念されていた従業員の皆さんの働く環境はどうでしょうか。

芳乃夫人:

もっと変えていくべきことがあるのかなと思っておりましたが、M&A後も想像以上に今まで通りのやり方で仕事できています。大企業のレベルに合わせ、セキュリティ面は今まで以上に強化しましたが、仕事のやり方については尊重していただいており、スタッフもやりたいようにできているのかなと感じます。

M&A後の今思う、
会社とライフスタイルの展望

M&A後、仕事と私生活に変化はありましたか。

芳乃夫人:

私の仕事は早く他の従業員に任せたいと思っていたのですが、ちょうどリーダー格のスタッフが産休に入ったので、彼女が復帰する来年4月まではこれまでと変わりません。彼女が復帰してから、少しずつ業務を引き継いでいこうと思っています。

また、セブン銀行からいらしている方には、私がやっている業務を見てもらったうえで、全部を教えるというよりは、自分で考えてやってみてもらっています。先日、M&A後の初めての決算が終わったところなので、決算の数字がどうやってできているかを自分で考えて、業務に落とし込んでもらっています。

私生活では、以前から旅行が大好きで、コロナ禍前は月に一度は海外旅行に行っていましたが、コロナ禍が落ち着いてきてからは、オーストラリア、ポルトガル、イスラエル、ハワイ、スリランカへ行きましたよ。

次に行きたい国はどこですか?

芳乃夫人:

次は8月にイタリアに行きます。先ほども『ローマ人の物語』の話をしましたが、私は本当にローマ帝国が大好きなんです。ローマ帝国の遺跡があるところをずっと巡っています。コロナ禍前は、毎年2週間くらいイタリアで民泊をしていました。飛行機も自分で取って、現地の人が使うバスに乗って。全部自分で調べて手配して行くようにしているんですよ。

野口社長の変化を感じることもありますか。

芳乃夫人:

私と同じくほっとしていると思います。セブン銀行から来てくださった方々に、ゼロから積み上げたノウハウをもっとお伝えして、今後もお客様に信頼してもらえる会社であってほしいと話していましたね。 良いものを提供しなければお客様はついてこないので、引き継ぎたいことはたくさんあると思います。

今後の楽しみはどんなことでしょう?

芳乃夫人:

天気がいいとき山に登ることですね。「今日は天気がいいな、どこ行こう」という感じで、のんびり過ごしていきたいです。今は事前に予定を立ててから休んでいますが、仕事がひと段落ついたら、「今日は晴れたから〇〇へ行ってみよう」というように、その日の天気や気分で出掛ける場所を決めたりしたいですね。あとは、ずっと趣味で茶道をやっていますので、四季折々のお茶会も開きたいです。健康にも気を遣いながら、これからも元気に、いろいろなことを楽しみたいなと思います。

「ご自宅の茶室でご友人にお茶を点てる芳乃夫人」

担当アドバイザー
山田・井野が語る、
芳乃夫人の素敵ポイント

集合写真

初めて芳乃夫人とお会いしたとき、野口社長を裏で支えていらっしゃるという印象を持っていたのですが、次第にお二人の役割がそれぞれあることに気づきました。社長は常に攻めの姿勢である一方、野口さんは会社の中を守る役割をしっかりと担っていらっしゃる。そのバランスがあるからこそ、経営が安定し、成長してきたのだと思いました。M&A時に行ったデューデリジェンスは芳乃夫人がしっかり情報を管理していたおかげで、求められた数字や資料をすぐに提出できました。ここまでの管理力は金融庁の許認可を受けている会社でもなかなかないと思います。ご自宅にある茶室でお茶を出していただき、素晴らしいホスピタリティにも触れることができました。いつも本当にありがとうございます!

担当者プロフィール

企業情報部 主任 山田

企業情報部主任 山田  啓

大学卒業後、大手金融機関に入社。主に経営者、富裕層に対して、金融商品を活用した資産運用、相続対策、リスクマネジメント等のコンサルティングに従事。営業活動の中でお客様からM&A戦略や事業承継等のご相談を受けることが多く、より一層寄与したいという思いから、M&Aキャピタルパートナーズに参画。金融業全般、FAメーカー、建設関連、IT、人材派遣、医療法人等、幅広い分野にてご支援実績を有する。

企業情報部 主任 井野

企業情報部部長 井野  幹也

米国の大学を卒業後、Big4(世界4大監査法人)にてメガバンク及び大手証券会社などの金融機関向けの会計監査・コンサルティング業務に従事。その後、外資系メーカー(ファイナンス部)、Big4系FAS(投資銀行業務・FA業務)、投資ファンド(プライベートエクイティ)などを経て弊社入社。現在は、金融・物流・飲食・コンサルティング・建設・工事業界など、幅広い業種のM&A案件を手掛ける。米国公認会計士

オーナー経営者様と
そのご家族にとって、
大きな節目であるM&A。

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