ゲーム・エンタメ業界 市場規模や買収・売却事例について解説

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業界の定義

ゲーム会社は大きく分けてゲーム機の開発会社、ゲーム機向けソフトの開発会社、ソーシャルゲームの開発会社、プラットフォームの開発会社の4つに分類される。

ゲーム機の開発会社は、任天堂やSony、マイクロソフトが有名で、それぞれNintendo SwitchやPlayStationシリーズ、Xboxなどのゲーム専用機を開発している。ゲーム機向けソフトの開発会社は、先述のゲーム専用機上で利用できるゲームソフトを制作している会社である。ソーシャルゲームの開発会社は、スマートフォンやタブレットなどで利用できるゲームソフトを制作する会社である。プラットフォームの開発会社とは、国内ではMobage、GREE、Yahoo!ゲームなどのプラットフォームを開発する会社を指し、そのプラットフォーム上に様々なゲームアプリケーションを公開している。

業界の特色

ゲーム業界イメージ画像

ゲーム業界は、ゲーム機市場とソーシャルゲーム市場に二分されている。2000年代初頭はPlayStation2やニンテンドーDSのヒットなどゲーム機市場が大きく収益を伸ばしていたが、スマートフォンが普及し、ソーシャルゲームが登場すると、若年層を中心に大きく利用者を増やし、市場規模が拡大した。

コスト面において、ゲーム機向けソフトの開発会社やソーシャルゲームの開発会社は、ゲーム機やスマートフォンの性能向上により、ゲームソフトにも高い性能が求められていることから、ゲームの開発費用が増加しており、負担になっている。

この開発費用を回収する手段はゲーム機向けソフトの開発会社とソーシャルゲームの開発会社で異なっており、ゲーム機向けソフトの開発会社はパッケージ販売による売上がメインだが、ソーシャルゲームの開発会社は、ゲーム内での課金システムがメインの売上になる。

近年では、eスポーツという言葉がニュースでも度々注目を集めており、ゲーム業界にとって大きな追い風になっている。eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツの略である。広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、言い換えるとプレイヤー同士が対戦するゲームをスポーツ競技として捉えるものである。eスポーツの市場が急速に拡大していることから、各ゲーム会社はこの分野に注力することがゲーム業界のトレンドにもなっている。

市場の規模

一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会の調査によると、2018年のゲーム業界の売上はハードウェアが1,710億円、ソフトウェア(パッケージ)が1,796億円の合計3,506億円であるとされている。

株式会社矢野経済研究所の調査によると、2018年度の国内スマホゲーム市場は、1兆850億円であることがわかった。2019年度には1兆1,380億円に拡大すると予測しており、今後も成長し続けることが予測されている。



矢野経済研究所による「国内スマホゲーム市場規模推移・予測」
出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2349


もちろんゲーム関連のプロダクトや海外を含めた売上を計上するとより大きな売上高になる。

これらを含めた売上高を企業別に比較すると、ソニー(ゲーム&ネットワークサービス事業)が2兆2,246億円、任天堂が1兆2,005億円、バンダイナムコHD(ネットワークエンターテインメント事業)が3,338億円、スクウェア・エニックスHDが2,710億円、ネクソンが2,537億円、セガサミーHD(エンタテインメントコンテンツ事業)が2,196億円、サイバーエージェント(ゲーム事業)が1,461億円、コナミHD(デジタルエンタテインメント事業)が1,416億円となっている。



課題と展望

近年、ソーシャルゲームの登場により、ゲーム業界のバランスはゲーム機向けゲーム市場が全盛の時代から大きく変わり、ソーシャルゲームが業界を牽引している状況である。しかし、ソーシャルゲームの収益源であるゲーム内課金についてのトラブルが多く発生したことから、課金システムに対して悪いイメージを持つ人も少なくない。現状、課金システムは法の制限下にあり、一定の秩序が保たれているが、今後も課金システムの在り方は問われ続けられるものと考える。

展望としては、近年盛り上がりを見せるeスポーツの登場に期待が寄せられている。eスポーツはアジア大会として正式競技に採用されるなど、ゲーム業界内でも注目される存在となっており、再度ゲーム業界に変革をもたらす可能性がある。
 

ゲーム業界のM&A動向

ゲーム業界のM&Aのトレンドは、プラットフォームの開発会社が、コンテンツ拡充のためにソーシャルゲームの開発会社をM&Aするケースである。また国内で成功したゲームを海外展開するため、海外のゲーム会社とM&Aを行うケースもみられる。

2020年、ブロードメディア株式会社は、eスポーツコネクト株式会社から、同社が運営するプロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」を、2020年3月を目途に譲り受けることについて基本合意した。これにより、ブロードメディア株式会社のeスポーツ関連事業の育成が図られた。

2019年、株式会社セガゲームスは欧米地域における新たなIP創出に向けて、Two Point Studios Limited(本社:イギリス ファーンハム、以下Two Point Studios)の全株式を取得し、M&Aを行った。

2014年、株式会社Cygamesは株式会社WITHの株式を取得し、子会社化した。優れたゲームを制作力を持つ株式会社WITHをM&Aすることにより、よりよいゲーム制作のための相乗効果が図られた。


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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社広報室 室長齊藤 宗徳
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 広報室 室長
株式会社レコフ リサーチ部 課長
齊藤 宗徳

2007年、立教大学経済学部経営学科卒業後、国内大手調査会社へ入社し、国内法人約1,500社の企業査定を行うとともに国内・海外データベースソリューション営業を経て、Web戦略室、広報部にて責任者として実績を重ねる。2019年大手M&A仲介会社へ入社し、広報責任者として広報業務に従事。
2021年M&Aキャピタルパートナーズ入社後は、広報責任者として、TV番組・CMなどのメディア戦略をはじめ広報業務全体を管掌、2024年より現職。
一般社団法人金融財政事情研究会認定M&Aシニアエキスパート
厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」M&Aアドバイザー担当
MACPグループ「地域共創プロジェクト」責任者


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