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- #業種別M&A動向
- #技術サービス業界 M&A
業界の定義
技術サービス業とは、技術的なサービス等を提供する事業のことを指す。具体的には、獣医学的サービスや土木建築に関する設計や相談のサービス、商品検査、計量証明および写真制作などの技術サービスが挙げられる。
技術サービス業は、日本標準産業分類の大分類においては「学術研究・専門・技術サービス業」に分類され、専門的な技術サービスなどを提供する事業所かつ、他の大分類に該当しない技術サービスを提供する事業所のことを指している。
業界の特色

技術サービス業界は技術力が必要なため、優秀な技術者を確保することが事業規模拡大の大きな鍵となる点が大きな特色といえる。また、技術サービス業界は多様な業種で構成されている。構成している業種に下記の業種が挙げられる。
獣医業:獣医学上の内科的、外科的、歯科的な技術サービスを提供する事業。
機械設計業:各種機械の設計を行う事業。
計量証明業:主として委託を受け、貨物の長さ、質量、面積、体積または熱量及び環境の状態に関し、濃度、騒音レベル、振動レベル、放射能などを計量し、その結果の証明(証明行為の形式を問わない)を行う事業。貨物以外又は環境の状態以外の物象の状態の量に関しても同様の技術サービスを行う。
写真業:主として肖像撮影を行う事業所及び広告、出版、その他の業務用写真の撮影などの技術サービスを提供する事業。
プラントエンジニアリング業:石油精製、化学、製鉄、発電等のプラントを対象として、企画、設計、調達、施工、施工管理を一括して請負い、これらの技術サービスを提供する事業。
市場の規模
総務省統計局の「サービス産業動向調査」 平成28年拡大調査結果によると、2015年の「学術研究・専門・技術サービス業」の市場規模は、前年比5.4%増の28.6兆円であった。2012年は24.6兆円、2013年は25.6兆円、2014年は27.2兆円と「学術研究・専門・技術サービス業」の市場規模は、拡大傾向にある。技術サービス市場を種別ごとに比較すると、下記の通りとなる。

出典:http://www.stat.go.jp/data/mssi/report/k2016/pdf/result.pdf
・商品・非破壊検査業
株式会社矢野経済研究所の調査によると、2017年度の非破壊検査日本市場は2,293億円と推計している。市場が成長している背景としては、インフラの老朽化による受託業務市場の拡大が要因となっている。今後は新設する建造物が増大する新興国への非破壊検査に需要がシフトしつつあるため、海外展開することで売上の増加が期待される。
・機械設計業
経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によると、デザイン・設計業の2017年の年間売上高は8,029億円であった。外部委託や人材派遣が中心であり、企業の種類としては機械メーカーの系列企業のほか独立系企業が多い。機械設計ソフトウエアのIT技術の普及により機械設計の受注増および売上増加が予想されている。
・計量証明業
経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によると、計量証明業の2017年の年間売上高は1,992億円であった。
課題と展望
技術サービス業界の課題として、国内市場の需要拡大が見込めない点が挙げられる。技術サービス業界内のプラントエンジニアリング市場に関していうと、一般社団法人エンジニアリング協会の「エンジニアリング産業の実態と動向(エンジニアリング白書)」には、2017年版業界全体の国内プラント受注額は約5兆円規模となり、技術サービス業界において最も大きな市場になっていると記されている。
しかし、国内プラント市場の水準は過去数年大きな変化がなく、今後も日本国内のプラント需要の拡大見込みは少ないと予測されている。
国内プラントエンジニアリング各社は、市場を海外に向ける必要がある。
技術サービス業界のM&A動向
技術サービス業界では、優秀な人材確保を目的としたM&Aが活発に行われている。クライアント側のニーズに応えられるような技術者の確保が、会社の業績や売り上げに直結する。獣医業を例にすると、優秀な獣医師確保することでその獣医のもつ顧客と地域エリア、施設設備、および獣医師自身の技術力を獲得することとなる。
2020年、株式会社うるるは、出張撮影マッチングサービスを展開するOur Photo株式会社の全株式を取得しM&Aした。株式会社うるるが手がける幼稚園・保育園向け写真販売システムとマッチングサービスと連携することで新たな技術サービスを提供し、事業拡大が図られた。
2018年、IT分野を得意とする株式会社セラクは、CAD(コンピューター支援設計)技術者の育成を手がける株式会社ピーズスタッフをM&Aした。株式会社セラクは、年間300人以上の技術者を輩出しており、IT運用案件プロジェクトで実績を積んでいる。近年は自動車を中心に機械電機分野での技術サービスに力を入れており、同分野に強みを持つ株式会社ピーズスタッフをM&Aすることにより、機械電機分野の事業規模拡大が図られた。
2014年、株式会社ヤマトキャピタルパートナーズは100%子会社である株式会社YCP Lifemateを設立した。その後、同年に川村動物病院をM&Aした。また、2018年に山口獣医病院、2020年に西荻窪動物病院と紙石神井動物病院をM&Aし、東京都と神奈川県において展開しているライフメイト動物病院グループの運営強化を図った。
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