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医薬品・医療機器業界は、患者さんを直接診察・治療する医療機関をサポートしています。
そのため、医療機関とのつながりは強く、市場規模も大きいです。本記事では、医薬品・医療機器業界の特徴や、関連する業種を詳しく紹介します。医薬品・医療機器業界について知りたい方は参考にしてください。
医薬品・医療機器業界の特徴
医薬品・医療機器業界は、医療業界と密接な関わりがある業界です。国民の健康的な生活を支え、国の経済活動や消費者活動の活発化にも寄与しています。
医薬品業界の市場は2021年は10.6兆円 、医療機器業界は2023年で4.5兆円 となっており、いずれも市場規模が大きく、国内において安定した需要を維持している数少ない業界です。高齢化社会の進展により、今後も市場規模は拡大していくでしょう。
ただし、知識・技術集約型の産業形態であるため、科学技術力の向上とイノベーションの実現が必要不可欠となっています。
医薬品・医療機器関連業種一覧
医薬品・医療機器業界の関連業種として、以下の3つを紹介します。
- 製薬
- 医薬品卸
- 医療機器関連
それぞれ見ていきましょう。
製薬業の特徴
医薬品関連業は医薬品の開発から効果検証、品質管理、販売などを行う業種です。取り扱う医薬品には、処方箋が必要な「医療用医薬品」と、市販薬として直接購入可能な「一般用医薬品(OTC)」に分類 されます。
医薬品開発のうち、新薬の開発には9〜17年の期間と数百億円以上の費用が必要となるなど、多くのコストが必要です。莫大な時間とお金を投資しても、新薬が開発できる可能性は23,000分の1と言われてお り、リスクも大きいです。そのため、多くの経営資源を保有する大手製薬メーカーが主導的に行っています。
また、日本国内では、高齢化による医療費増加に加え、高額医薬品の登場による医療保険財政圧迫の課題を抱えています。例えば、遺伝子治療として使われるゾルゲンスマの薬価は2021年4月時点で約1億6,000万円です。 ゾルゲンスマ以外にも数千万円する医薬品が複数あり、医療費の増加と医療保険財政圧迫は深刻な状況です。
課題の解決策として、AIやIoT技術を活用した新薬開発および医薬品の管理が挙げられます。
医薬品卸の特徴
医薬品卸は製薬会社から医薬品を仕入れ、医療機関や薬局に販売する専門商社のことです。医療用医薬品の9割以上、一般医薬品の5割が卸を経由して流通しています。
業界再編が進み、会員数は1978年の615社から2022年には70社まで減少しています。医薬品卸業界の市場売上は大手4社(メディパル、アルフレッサ、スズケン、東邦)が90%を占め、地方の医薬品卸会社の売上は厳しい状況です。
医薬品の品質保持および安定供給のためには、物流システムの品質向上が課題です。製薬会社と医療機関を結ぶ医薬品卸は、毛細血管のような細かい流通経路を災害時でも維持する必要があり、自動化や効率化を実現するシステムの効率が求められています。
医療機器の特徴
医療機器業界は以下の種類に分けられます。
医療機器業界の会社の種類 | 医療機器の具体例 | 医療機器メーカー |
---|---|---|
診療機器 | 血圧計 超音波診断装置 胃カメラ CT MRI |
富士フイルムヘルスケア キヤノンメディカルシステムズ オリンパス |
治療機器 | 電気メス 輸液ポンプ 除細動器 低圧持続吸引機 |
セムコ 泉工医科工業 テルモ 日本光電工業 |
生体機能補助・代行機器 | 人工呼吸器 人工心肺装置 ペースメーカー 人工腎臓装置 |
フクダ電子 テルモ 日本ライフライン |
その他 | 歯科材料 手袋・ガウンなどの衛生材料 家庭用医療機器 |
マスダ 三井化学 ナカニシ |
日本企業は特に、診療機器分野に強い傾向があります。
また、高齢化による需要増加が見込まれる一方、国内では医療費抑制政策の影響を受けており、市場増加は厳しい状況です。今後の事業拡大においては、中国やインド、新興国への輸出が重要になるでしょう。
さらに、AIやIoT技術を活用した新製品開発やオンライン診療用機器の需要増加も見込まれています。
まとめ
医薬品業界と医療機器業界は医療機関とのつながりが強く、市場規模が大きいです。景気の影響を受けにくく、安定した業績を保てます。
いずれも各分野に特化した業務内容になっており、患者さんの健康維持に間接的に貢献する職種です。医薬品・医療機器業界のM&A案件や製薬事例は以下のURLからご確認ください。
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