農林水産業界 市場規模や買収・売却事例について解説

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農林水産業界は、人々の食料供給や自然資源の利用に不可欠な業界です。農業は作物の栽培、林業は木材の生産、水産業は水産物の収穫を通じて、私たちの生活を支えています。

しかし、近年では高齢化や気候変動、人手不足といった課題が深刻化しており、技術革新や効率化への取り組みが求められています。そこで本記事では、農林水産業の概要や関連業種の一覧、各事業の特徴について紹介します。

農林水産業界の特徴

農林水産業とは、耕種農業、畜産業、育林業、素材生産業、水産業(漁業・養殖)などを含む第一次産業のことです。日本における農林水産業はGDPの約1%を占めますが、流通や食品加工、外食産業を含めた「食品産業」としてみると、GDPの約10%を占めています。

また農林水産業界は、雇用面では製造業の約8割に相当する人々を支えていることから、日本経済において欠かせない役割を果たしています。加えて、近年は持続可能な農業や林業、水産資源の保護なども重要な課題です。

農林水産関連業種一覧

農林水産業界には、さまざまな関連業種が存在します。そのなかでも特に重要で代表的な業種が、以下の4つです。

  • 農林業
  • 木材
  • 水産
  • 漁業

農林業の特徴

農林業とは、農作物の栽培、家畜の飼育、森林の管理や木材の生産を営利目的で行う産業のことです。これには畜産業や園芸業、林産業なども含まれます。

農業は「耕種農業」「畜産農業」「混合農業」の3つに分かれ、国民の食生活を支える重要な役割を果たしています。また、農地中間管理機構による遊休農地の活用が進んでいることから、農業以外の分野からも新たに関心を寄せる人が増加傾向です。

一方、林業では生産性の向上が進んではいるものの、さらなる効率化が求められています。特に、作業システムの普及・定着や意欲ある林業事業者への施業集約化をどのように進めて行くのかが大きな課題です。近年は、木材のカーボンニュートラル化が注目されており、環境に優しい林業への転換も重要なテーマとなっています。

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木材の特徴

木材業は、木材の生産から流通までに関わる業種です。大きく分けると「素材生産」、「製材」、「材木商」の3つに分類することができます。

また、木材の輸入業者、卸売業者、小売業者もこの業界に含まれており、どの商品を取り扱うかによって、原木問屋、製品問屋、銘木問屋、市売問屋、センター問屋、付売問屋など、さまざまな業態があります。これらを総称したものが「木材業」です。

木材業の現在の課題としては、森林の所有権が相続などを通じて細分化された結果、効率的な林業経営が難しくなっている点があります。また、所有者が不明な森林が多く存在しているため、林業再生の大きな障害となっていることも課題です。

こうした状況を受け、近年は持続可能な木材利用への関心が高まっており、再生可能資源としての木材の価値を見直し、環境保護と経済活動の両立を図る動きが進行しています。

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水産業の特徴

水産業とは、人々の生活に必要な水産資源を開発し、それを利用する業種のことです。漁業だけでなく、漁獲を主体とする漁業、育成や繁殖を目的とする水産養殖業、水産物を加工する水産製造加工業、さらに水産商品の取引を行う水産流通業まで幅広く含まれます。

漁業の現場では、海上での漁獲活動や市場での流通・加工において、ライバル意識よりも協力的な関係が重視されることが特徴です。ただし、業界全体としては閉鎖的で保守的な面が強く、内部からの技術革新が遅れがちであり、外部からの新規参入を拒む傾向があります。

近年では水産資源の枯渇や環境保護の観点から、持続可能な漁業と水産養殖の導入が急務とされており、国際的な取り組みが求められています。

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漁業の特徴

漁業とは、営利目的で魚介類や海藻類の捕獲や養殖を行う産業のことで、前述の水産業の一分野に含まれます。また、漁業は「沿岸漁業」「沖合漁業」「遠洋漁業」に大きく分かれます。日本では「沿岸漁業」が最も盛んです。

令和5年の日本の漁業・養殖業の生産量は372万4,300トンで、前年より19万2,700トン(4.9%)減少しました。日本の漁業生産量は1984年の1,282万トンをピークに、1990年代半ばまでに急激に減少しており、これは深刻な課題となっています。

また、漁業就業者の減少や高齢化が進行しており、後継者不足も大きな問題となっています。そのため、持続可能な漁業への取り組みが急務であり、また環境保護の観点からも漁業の見直しが求められています。

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まとめ

農林水産業界では、農業、林業、水産業という第一次産業を基盤に、多様な関連業種が支え合っています。これらは人々のの食糧供給と、自然資源の活用において欠かせない、重要な産業です。

しかし、技術革新の遅れや従事者の高齢化、資源管理の課題など、多くの問題に直面しています。そのため、持続可能な産業への転換と効率的な資源利用が、今後の発展に向けた大きなテーマとなっています。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社広報室 室長齊藤 宗徳
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 広報室 室長
株式会社レコフ リサーチ部 課長
齊藤 宗徳

立教大学経済学部卒業後、2007年国内大手調査会社へ入社し、国内法人約1,500社の企業査定を行うとともに国内・海外データベースソリューション営業を経て、Web戦略室、広報部にて責任者として実績を重ねる。2019年大手M&A仲介会社へ入社し、広報責任者として広報業務に従事。2021年当社入社後は、広報責任者としてグループ広報業務全体を管掌。

一般社団法人金融財政事情研究会認定 M&Aシニアエキスパート
厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」M&Aアドバイザー担当
MACPグループ「地域共創プロジェクト」責任者


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