M&A調査レポート 【2026年「調剤報酬改定」に関する意識調査】

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8割以上が経営上の課題増加を実感
今後のM&A検討は7割以上
〜報酬改定を機に広がりつつある第三者承継の選択肢〜

※2026年7月24日時点の調査結果 2026年「調剤報酬改定」に関する意識調査
調査結果について

今回は、政令指定都市及び東京23区にある調剤薬局の経営・運営に携わっている方54名を対象に、「調剤報酬改定」に関する意識調査を実施しました。その結果、令和8年度調剤報酬改定により85.1%が経営上の課題が増加したと回答し、今後のM&A(第三者承継)を検討する回答者が7割以上に上ることが明らかになりました。

まず、業界の先行きについては半数が「あまり良くない」「全く良くない」と回答しました。また、今後の脅威・課題では「調剤報酬改定」が74.1%で最も多く挙がりました。次に、報酬改定後に増加した課題としては「門前薬局モデルからの転換」(63.0%)が首位となりました。さらに、周囲に第三者承継(M&A)の経験者が「いる」との回答は83.3%に上りました。M&Aを検討する理由は「後継者がいない」「薬剤師の確保が難しい」がともに57.9%で並び、仲介会社を選ぶ際は「手数料の料金体系が売り手と買い手で公平であること」(68.4%)が最も重視されました。一方で、業界再編が進むことについては6割以上が「ポジティブ」と捉えていることも分かりました。

本調査から、令和8年度調剤報酬改定を契機に調剤薬局の経営環境が変化し、第三者承継(M&A)を経営の選択肢として捉える動きが広がりつつある様子がうかがえます。仲介会社に対しては手数料の公平性や透明性を求める声が目立っており、こうした基準が今後のパートナー選びの論点となりそうです。

■調査概要

  • 《業界別調査》
  • 調査名称:2026年「調剤報酬改定」に関する意識調査
  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®」の企画によるインターネット調査
  • 調査期間:2026年6月24日~同年6月29日
  • 有効回答:政令指定都市及び東京23区にある調剤薬局の経営・運営に携わっている方54名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

■利用条件

  1. 1.情報の出典元として「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」の名前を明記してください。
  2. 2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
    URL:https://www.ma-cp.com/
主な調査結果

Q1あなたは、調剤薬局業界の先行きについて、どのように感じていますか。

政令指定都市・東京23区における調剤薬局の経営・運営に従事する回答者の約半数が、業界の先行きを「あまり良くない」「全く良くない」と実感

「Q1. あなたは、調剤薬局業界の先行きについて、どのように感じていますか。」(n=54)と質問したところ、「とても良い」が44.4%、「やや良い」が3.7%という回答となりました。

あなたは、調剤薬局業界の先行きについて、どのように感じていますか。への回答のグラフイメージ

Q2薬局経営の見直しに際し、今後の脅威/課題に感じることを教えてください。(複数回答)

薬局経営の今後の脅威・課題、「調剤報酬改定」が74.1%で最多

「Q2. 薬局経営の見直しに際し、今後の脅威/課題に感じることを教えてください。(複数回答)」(n=54)と質問したところ、「調剤報酬改定」が74.1%、「門前薬局等立地依存減算の新設」が46.3%、「薬剤師の確保・人件費高騰」が44.4%という回答となりました。

薬局経営の見直しに際し、今後の脅威/課題に感じることを教えてください。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q3今回の令和8年度調剤報酬改定により、経営上の課題は増加しましたか。

令和8年度調剤報酬改定により、85.1%が経営上の課題が「増加した」と実感

「Q3. 今回の令和8年度調剤報酬改定により、経営上の課題は増加しましたか。」(n=54)と質問したところ、「非常に増加した」が48.1%、「やや増加した」が37.0%という回答となりました。

今回の令和8年度調剤報酬改定により、経営上の課題は増加しましたか。への回答のグラフイメージ

Q4Q3で「非常に増加した」「やや増加した」と回答した方にお聞きします。今回の報酬改定後から増加した課題を教えてください。(複数回答)

報酬改定後に増加した課題、第1位「門前薬局モデルからの転換」、第2位「地域支援・医薬品供給対応体制の整備」

「Q4. Q3で「非常に増加した」「やや増加した」と回答した方にお聞きします。今回の報酬改定後から増加した課題を教えてください。(複数回答)」(n=46)と質問したところ、「門前薬局モデルからの転換」が63.0%、「地域支援・医薬品供給対応体制の整備」が58.7%、「薬剤師の確保・人件費負担の増加」が52.2%という回答となりました。

Q3で「非常に増加した」「やや増加した」と回答した方にお聞きします。今回の報酬改定後から増加した課題を教えてください。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q5ご自身の周りで実際に「第三者承継」であるM&Aを経験された薬局の経営者はいますか。

8割以上の従事者が、周囲に第三者承継(M&A)を経験した薬局経営者が「いる」と回答

「Q5. ご自身の周りで実際に「第三者承継」であるM&Aを経験された薬局の経営者はいますか。」(n=54)と質問したところ、「はい」が83.3%、「いいえ」が16.7%という回答となりました。

ご自身の周りで実際に「第三者承継」であるM&Aを経験された薬局の経営者はいますか。への回答のグラフイメージ

Q6今後、あなたはM&Aを検討しますか。

従事者の7割以上が、今後のM&A(第三者承継)を「検討する」ことが判明

「Q6. 今後、あなたはM&Aを検討しますか。」(n=54)と質問したところ、「検討する」が70.4%、「検討しない」が29.6%という回答となりました。

今後、あなたはM&Aを検討しますか。への回答のグラフイメージ

Q7Q6で「検討する」と回答した方にお聞きします。M&Aを検討する理由を教えてください。(複数回答)

M&Aを検討する理由、「後継者がいない」と「薬剤師の確保が難しい」がともに57.9%で並ぶ

「Q7. Q6で「検討する」と回答した方にお聞きします。M&Aを検討する理由を教えてください。(複数回答)」(n=38)と質問したところ、「後継者がいない」が57.9%、「薬剤師の確保が難しい」が57.9%、「在宅医療・地域支援体制への対応が難しい」が39.5%という回答となりました。

Q6で「検討する」と回答した方にお聞きします。M&Aを検討する理由を教えてください。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q8Q6で「検討する」と回答した方にお聞きします。M&Aの仲介会社を選ぶ際、重要だと思う点を教えてください。(複数回答)

M&A仲介会社選びで最も重視される項目、「手数料の料金体系が売り手と買い手で公平であること」が約7割に上る

「Q8. Q6で「検討する」と回答した方にお聞きします。M&Aの仲介会社を選ぶ際、重要だと思う点を教えてください。(複数回答)」(n=38)と質問したところ、「手数料の料金体系が売り手と買い手で公平であること」が68.4%、「手数料率の算定方式(レーマン方式等)が明確であること」が52.6%、「着手金や中間金がかからないこと」が50.0%という回答となりました。

Q6で「検討する」と回答した方にお聞きします。M&Aの仲介会社を選ぶ際、重要だと思う点を教えてください。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q9あなたは、今後調剤薬局が存続していくためにどのような対策をしていくべきだと思いますか。(複数回答)

存続に向けた対策、「在宅医療や訪問薬剤師サービスの強化」や「地域支援・かかりつけ薬局機能の強化」が上位

「Q9. あなたは、今後調剤薬局が存続していくためにどのような対策をしていくべきだと思いますか。(複数回答)」(n=54)と質問したところ、「在宅医療や訪問薬剤師サービスの強化」が55.6%、「地域支援・かかりつけ薬局機能の強化」が51.9%、「医療機関との連携強化」が48.1%という回答となりました。

あなたは、今後調剤薬局が存続していくためにどのような対策をしていくべきだと思いますか。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q10調剤薬局業界の再編が進むことについて、どのように捉えていますか。

業界再編が進むことについて、6割以上が「ポジティブ」と回答

「Q10. 調剤薬局業界の再編が進むことについて、どのように捉えていますか。」(n=54)と質問したところ、「非常にポジティブ」が37.0%、「ややポジティブ」が25.9%という回答となりました。

調剤薬局業界の再編が進むことについて、どのように捉えていますか。への回答のグラフイメージ

まとめ

  • ― 調剤薬局の今後の脅威・課題は「調剤報酬改定」(74.1%)が最も多い結果に
  • ― 85.1%が令和8年度調剤報酬改定で経営上の課題が増加したと回答
  • ― 周囲にM&A経験した薬局経営者がいる人は8割以上、今後のM&A(第三者承継)を検討する回答者は7割に

■弊社アドバイザーからのコメント

2026年度調剤報酬改定により、薬局の評価基準が『立地』から『機能』へと大きく転換し、調剤薬局業界は大きな転換期を迎えています。さらに、薬剤師不足や人件費の高騰、医療DXへの対応、在宅医療へのニーズ拡大など、中堅・中小調剤薬局を取り巻く経営環境は年々厳しさを増しています。

今回の調査でも、85.1%が「調剤報酬改定により経営上の課題が増加した」と回答しました。また、改定後に増加した課題として「門前薬局モデルからの転換」(63.0%)、「地域支援・医薬品供給対応体制の整備」(58.7%)、「薬剤師の確保・人件費負担の増加」(52.2%)が上位となっています。これらは、今回の改定が単なる報酬の見直しではなく、従来の門前型ビジネスモデルから、地域に必要とされる機能を備えた薬局への転換を求めていることを示す結果と言えるでしょう。

こうした環境変化を背景に、調剤薬局業界ではM&Aの役割も変化しています。従来は後継者不在への対応が中心でしたが、近年では人材確保や在宅医療への対応、医療DXへの投資など、経営課題を解決する手段としてM&Aを選択するケースも増えています。実際に今回の調査では、今後M&A(第三者承継)を検討すると回答した方は70.4%に上り、その理由として「後継者がいない」と並び「薬剤師の確保が難しい」が57.9%で最多となりました。また、「在宅医療・地域支援体制への対応が難しい」と回答した方も約4割に上っており、制度改定への対応がM&Aを検討するきっかけの一つになっていることがうかがえます。

近年は、大手調剤チェーンやドラッグストア、投資ファンドによる再編も活発化しています。その背景には、店舗数の拡大だけでなく、人材やDX、物流、在宅医療など、制度が求める機能をグループ全体で補完し、競争力を高めようとする狙いがあります。M&Aは「事業承継」のためだけではなく、地域医療を支える機能を強化し、企業価値を高めるための成長戦略として、その重要性が今後さらに高まっていくでしょう。

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 課長 中里 駿大公
企業情報部 課長
中里 駿大公

大学卒業後は株式会社キーエンスに入社し、工場をもつ顧客の生産管理や稼働率向上の支援に従事。2020年から当社に参画し、調剤薬局を中心に幅広く中堅・中小企業のM&Aアドバイザリー業務を行う。案件のソーシングからエグゼキューション、クロージングまで一貫して対応し、直近2年でも社内トップクラスの10社以上のM&A実績を重ねており、事業承継型M&Aに限らず企業の成長戦略、事業再生等の様々な目的・局面のM&A支援経験を有している。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社広報室 室長齊藤 宗徳
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 広報室 室長
株式会社レコフ リサーチ部 課長
齊藤 宗徳

2007年立教大学経済学部経済学科卒業後、国内大手調査機関へ入社し、国内法人約1,500社の企業査定を行うとともに国内・海外データベースソリューション営業を経て、Web戦略室、広報部にて責任者を歴任。
2019年大手M&A支援機関へ入社し、広報責任者として広報業務に従事、厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」M&Aアドバイザー担当。
2021年M&Aキャピタルパートナーズ入社、グループ全体の広報責任者として広報業務全体を管掌、2024年より現職。MACPグループ「地域共創プロジェクト」責任者。
レコフ リサーチ部を兼務し、主に「事業承継M&A分野」を担当。
創業110年を超える実家の米穀・酒販会社で、実際に「事業承継M&A」を経験。

一般社団法人金融財政事情研究会認定M&Aシニアエキスパート
一般社団法人M&A支援機関協会広報分科会委員


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