M&A調査レポート 経営者の健康と事業承継の備えに関する実態調査

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社長の62.0%が健康に不安
〜経営者の健康と事業承継の備えに関する実態調査〜

※2026年10月6日時点の調査結果 経営者の健康と事業承継の備えに関する実態調査
調査結果について

今回は、従業員5名以上の企業を経営する代表取締役(社長)545名を対象に、経営者の健康と事業承継の備えに関する実態調査を実施しました。

62.0%の経営者が自身の健康に不安を感じており、病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れた場合、70.2%が「会社の経営に支障が出る」と回答しました。この結果から、経営者自身の健康問題は、本人だけの問題にとどまらず、会社の経営や事業継続にも影響を及ぼす可能性があると考えられます。経営者の健康上の問題は、経営のリスクとして捉える必要性があるでしょう。

経営に支障が出ると思う理由では、「重要な意思決定が止まってしまうから」が67.4%で最も多く、次いで「自分にしかわからない業務や情報が多いから」が52.7%となりました。また、44.8%の経営者が、自分の代わりに経営判断を担える人が「いない」と回答しています。経営者に重要な意思決定や業務・情報が集中する一方、経営者が不在となった際に、その役割を代替できる体制が十分に整っていない企業も少なくないようです。

一方、後継者問題に関しては、「候補がいない」が27.7%、「候補はいるが、決まってはいない」が28.6%となり、合わせて56.3%が後継者未決定という結果になりました。さらに、後継者の候補がいない、または候補が未決定の経営者のうち61.2%が事業承継に向けた準備や行動を「していない」と回答しています。その理由として最も多かったのは、「まだ自分が経営を続けるつもりだから」が59.8%。健康上の不安や経営者不在によるリスクを抱えながらも、事業承継の準備を先送りにする実態が浮き彫りになりました。

本調査から、「自分が経営の現場を離れると会社の経営に支障が出る」と認識する経営者が多い一方で、後継者の決定や事業承継に向けた準備は十分に進んでいないというギャップが見えてきました。健康上の「もしも」を経営上のリスクとして認識しながらも、「まだ自分が経営を続ける」という意識から、事業承継の準備が先送りされている実態がうかがえます。

■調査概要

  • 《経営者意識調査》
  • 調査名称:経営者の健康と事業承継の備えに関する実態調査
  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
  • 調査期間:2026年8月12日〜同年8月17日
  • 有効回答:従業員5名以上の企業を経営する代表取締役(社長)545名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

■利用条件

  1. 1.情報の出典元として「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」の名前を明記してください。
  2. 2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
    URL:https://www.ma-cp.com/

目次

  1. あなたは、健康診断や人間ドックをどのくらいの頻度で受けていますか。
  2. あなたは、ご自身の健康について、不安を感じることがありますか。
  3. Q2で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方にお聞きします。ご自身の健康について、具体的にどのような不安を感じていますか。(複数回答)
  4. あなたが、病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れることになった場合、会社の経営に支障が出ると思いますか。
  5. Q4で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。経営に支障が出ると思う理由を教えてください。(複数回答)
  6. あなたの会社には、あなたの代わりに経営判断を担える人はいますか。
  7. あなたの会社では、後継者は決まっていますか。
  8. Q7で『後継者の候補がいない』『後継者の候補はいるが、決まってはいない』と回答した方にお聞きします。あなたは、事業承継に向けて、何らかの準備や行動をしていますか。
  9. Q7で『後継者が決まっており、承継の準備も進めている』と回答した方または、Q8で『している』と回答した方にお聞きします。具体的にどのような準備や行動をしていますか。(複数回答)
  10. Q7で『後継者は決まっているが、具体的な準備はしていない』と回答した方または、Q8で『していない』と回答した方にお聞きします。事業承継の準備が進んでいない理由を教えてください。(複数回答)
  11. まとめ
主な調査結果

Q1あなたは、健康診断や人間ドックをどのくらいの頻度で受けていますか。

経営者の63.9%が、健康診断や人間ドックを「年に1回受けている」と判明

「Q1. あなたは、健康診断や人間ドックをどのくらいの頻度で受けていますか。」(n=545)と質問したところ、「年に1回受けている」が63.9%、「年に2回以上受けている」が10.8%という回答となりました。

あなたは、健康診断や人間ドックをどのくらいの頻度で受けていますか。への回答のグラフイメージ

Q2あなたは、ご自身の健康について、不安を感じることがありますか。

経営者の62.0%が自身の健康に「不安を感じる」と回答

「Q2. あなたは、ご自身の健康について、不安を感じることがありますか。」(n=545)と質問したところ、「やや感じる」が48.1%、「非常に感じる」が13.9%という回答となりました。

あなたは、ご自身の健康について、不安を感じることがありますか。への回答のグラフイメージ

Q3Q2で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方にお聞きします。ご自身の健康について、具体的にどのような不安を感じていますか。(複数回答)

経営者が抱える健康不安は「体力や気力の衰えを感じること」が63.3%とトップに

「Q3. Q2で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方にお聞きします。ご自身の健康について、具体的にどのような不安を感じていますか。(複数回答)」(n=338)と質問したところ、「体力や気力の衰えを感じること」が63.3%、「疲れが取れにくくなったこと」が51.5%、「健康診断の結果で気になる項目があること」が39.1%という回答となりました。

Q2で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方にお聞きします。ご自身の健康について、具体的にどのような不安を感じていますか。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q4あなたが、病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れることになった場合、会社の経営に支障が出ると思いますか。

7割以上の経営者が、病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れると「会社の経営に支障が出る」と回答

「Q4. あなたが、病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れることになった場合、会社の経営に支障が出ると思いますか。」(n=545)と質問したところ、「非常にそう思う」が38.5%、「ややそう思う」が31.7%という回答となりました。

あなたが、病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れることになった場合、会社の経営に支障が出ると思いますか。への回答のグラフイメージ

Q5Q4で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。経営に支障が出ると思う理由を教えてください。(複数回答)

経営に支障が出る理由の1位は、「重要な意思決定が止まってしまうから」(67.4%)

「Q5. Q4で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。経営に支障が出ると思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=383)と質問したところ、「重要な意思決定が止まってしまうから」が67.4%、「自分にしかわからない業務や情報が多いから」が52.7%、「資金繰りや金融機関への対応が滞るから」が31.6%という回答となりました。

Q4で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。経営に支障が出ると思う理由を教えてください。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q6あなたの会社には、あなたの代わりに経営判断を担える人はいますか。

経営者の44.8%が、自分の代わりに経営判断を担える人は「いない」と回答

「Q6. あなたの会社には、あなたの代わりに経営判断を担える人はいますか。」(n=545)と質問したところ、「いない」が44.8%、「いる」が48.1%という回答となりました。

あなたの会社には、あなたの代わりに経営判断を担える人はいますか。への回答のグラフイメージ

Q7あなたの会社では、後継者は決まっていますか。

後継者の候補がいない、または候補が未決定の経営者は56.3%

「Q7. あなたの会社では、後継者は決まっていますか。」(n=545)と質問したところ、「候補はいるが、決まってはいない」28.6%、「候補がいない」27.7%という回答となりました。また、「後継者を決めるつもりはない(廃業予定など)」が11.7%となりました。

あなたの会社では、後継者は決まっていますか。への回答のグラフイメージ

Q8Q7で『後継者の候補がいない』『後継者の候補はいるが、決まってはいない』と回答した方にお聞きします。あなたは、事業承継に向けて、何らかの準備や行動をしていますか。

後継者の候補がいない、または候補が未決定の経営者では、6割以上が事業承継に向けた準備や行動を「していない」ことが判明

「Q8. Q7で『後継者の候補がいない』『後継者の候補はいるが、決まってはいない』と回答した方にお聞きします。あなたは、事業承継に向けて、何らかの準備や行動をしていますか。」(n=307)と質問したところ、「していない」が61.2%、「している」が35.5%という回答となりました。

Q7で『後継者の候補がいない』『後継者の候補はいるが、決まってはいない』と回答した方にお聞きします。あなたは、事業承継に向けて、何らかの準備や行動をしていますか。への回答のグラフイメージ

Q9Q7で『後継者が決まっており、承継の準備も進めている』と回答した方または、Q8で『している』と回答した方にお聞きします。具体的にどのような準備や行動をしていますか。(複数回答)

事業承継に向けた具体的な準備の1位は「親族や社内の後継者候補と話し合っている」(49.2%)

「Q9. Q7で『後継者が決まっており、承継の準備も進めている』と回答した方または、Q8で『している』と回答した方にお聞きします。具体的にどのような準備や行動をしていますか。(複数回答)」(n=181)と質問したところ、「親族や社内の後継者候補と話し合っている」が49.2%、「顧問税理士・会計士に相談している」が42.5%、「事業承継に関する情報を集めている」が26.5%という回答となりました。

Q7で『後継者が決まっており、承継の準備も進めている』と回答した方または、Q8で『している』と回答した方にお聞きします。具体的にどのような準備や行動をしていますか。(複数回答)への回答のグラフイメージ

Q10Q7で『後継者は決まっているが、具体的な準備はしていない』と回答した方または、Q8で『していない』と回答した方にお聞きします。事業承継の準備が進んでいない理由を教えてください。(複数回答)

事業承継の準備が進まない理由、約6割が「まだ自分が経営を続けるつもりだから」と回答

「Q10. Q7で『後継者は決まっているが、具体的な準備はしていない』と回答した方または、Q8で『していない』と回答した方にお聞きします。事業承継の準備が進んでいない理由を教えてください。(複数回答)」(n=251)と質問したところ、「まだ自分が経営を続けるつもりだから」が59.8%、「日々の経営で手一杯で、考える余裕がないから」が29.5%、「何から始めればよいかわからないから」が19.5%という回答となりました。

Q7で『後継者は決まっているが、具体的な準備はしていない』と回答した方または、Q8で『していない』と回答した方にお聞きします。事業承継の準備が進んでいない理由を教えてください。(複数回答)への回答のグラフイメージ

まとめ

  • ― 代表取締役の62.0%が自身の健康に「不安を感じる」、一方で病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れると、「会社の経営に支障が出る」と感じる経営者は7割以上。
  • ― 後継者の候補がいない、または候補が未決定の経営者は、6割以上が事業承継に向けた準備や行動を「していない」実態が判明
  • ― 後継者の候補がいない、または候補が未決定の経営者は56.3%

■弊社アドバイザーからのコメント

帝国データバンクの「全国『社長年齢』分析調査(2025年)」によると、社長の平均年齢は60.8歳となり、35年連続で過去最高を更新しました。経営者の高齢化が進む中、経営者自身の健康問題は、本人だけでなく会社の事業継続にも関わる重要な経営課題となっています。実際、同社の「全国企業倒産集計2025年度報」によると、2025年度の「後継者難倒産」533件のうち、「経営者の病気・死亡」を要因とする倒産が45.2%を占めています。

今回の調査でも、62.0%の経営者が自身の健康に不安を感じており、病気やけがで1ヶ月以上経営の現場を離れた場合に「会社の経営に支障が出る」と考える経営者は70.2%に上りました。その理由として最も多かったのは「重要な意思決定が止まってしまうから」の67.4%です。一方で、後継者の候補がいない、または候補が未決定の経営者は56.3%。そのうち61.2%が事業承継に向けた準備や行動を「していない」と回答しています。経営者に重要な意思決定が集中している企業では、経営者の突然の離脱が事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。だからこそ、万一の事態に備えて会社が事業を継続できる体制を、平時から整えておくことが重要です。

中堅・中小企業のオーナー経営者の皆様にとって事業承継は期限がないため、健康上の問題等差し迫った理由がなければ先延ばしになってしまう側面があります。しかしながら、突発的な事情で事業承継を行わなくてはならない場合、準備が不十分な事業承継によって企業存続の危機を招いてしまうこともあります。
後継者の選定や育成をはじめ、社内外の関係者との調整など、事業承継には一定の時間が必要です。経営者が健康上の不安を感じている場合は、会社の事業や従業員の雇用を守るためにも、早い段階から事業承継について考え、準備を進めておくことが大切です。

事業承継には、親族承継や従業員承継、M&Aなどさまざまな選択肢があります。まずはどのような選択肢があるのかを知ることが重要です。病気やけがなどの不測の事態が起きてからでは、会社の将来を左右する重要な意思決定に、十分な時間をかけて検討することが難しくなる可能性があります。経営者が健康なうちから情報収集を始め、自社にとって最適な事業承継の方法を検討することが重要です。

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 執行役員 コーポレートアドバイザリー部長 公認会計士 梶 博義
執行役員 コーポレートアドバイザリー部長 公認会計士
梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。公認会計士。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社広報室 室長齊藤 宗徳
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 広報室 室長
株式会社レコフ リサーチ部 課長
齊藤 宗徳

2007年立教大学経済学部経済学科卒業後、国内大手調査機関へ入社し、国内法人約1,500社の企業査定を行うとともに国内・海外データベースソリューション営業を経て、Web戦略室、広報部にて責任者を歴任。
2019年大手M&A支援機関へ入社し、広報責任者として広報業務に従事、厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」M&Aアドバイザー担当。
2021年M&Aキャピタルパートナーズ入社、グループ全体の広報責任者として広報業務全体を管掌、2024年より現職。MACPグループ「地域共創プロジェクト」責任者。
レコフ リサーチ部を兼務し、主に「事業承継M&A分野」を担当。
創業110年を超える実家の米穀・酒販会社で、実際に「事業承継M&A」を経験。

一般社団法人金融財政事情研究会認定M&Aシニアエキスパート
一般社団法人M&A支援機関協会広報分科会委員


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