外食・食品業界 市場規模や買収・売却事例について解説

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外食・食品業界は、人々の食生活を支える重要な産業です。本記事では、業界全体の動向や各業種の課題、最新のトレンドなども交えながら、外食・食品業界の全体像をわかりやすく紹介します。

外食・食品業界の特徴

外食・食品業界は、「食事」に関するさまざまなサービスを提供する業界のことです。食事は以下の3種類に分けることができ、関係する業種もそれぞれ異なります。

  • 内食:食材を購入し、自宅で調理して食べる形態
  • 中食:家庭外で調理された食品を購入し、家庭や職場などで食べる形態
    例)テイクアウト専門店、コンビニエンスストア、デリバリーサービス、スーパーマーケットの惣菜コーナー、弁当屋
  • 外食:家庭外で調理された食事を、その場で食べる形態
    例)レストラン、居酒屋、ファーストフード店、カフェ、食堂

外食・食品業界には、食料品および飲料を製造・加工するメーカー、メーカーから仕入れた食料品・飲料を供給する卸、店舗等で一般消費者へと食料品サービスを提供する飲食業など、さまざまな業種が含まれてます。しかし近年は、ライフスタイルの変化や技術革新により、これらの境界線が曖昧になりつつあり、業界全体が大きな変革期を迎えている状況です。

外食・食品関連業種一覧

外食・食品業界は、食生活を支える重要な産業であり、食料品製造から飲食店まで、さまざまな業種が含まれています。主な業種は以下のとおりです。

  • 食料品製造
  • 飲料(飲料メーカー)
  • 食品卸
  • 総菜業
  • 飲食店・外食産業
  • カフェ
  • 焼肉店
  • バー・居酒屋
  • 清酒酒造・日本酒製造
  • 給食

食料品製造の特徴

食料品製造業は、「素材型」と「加工型」の2種類の形態によって構成されています。

  • 素材型:食品加工業者や外食産業に原材料を提供する
  • 加工型:原料を仕入れて加工し、小売業者や消費者向けに完成品を供給する

流通経路は多層的で、農協や商社から原料を購入し、卸売業を経て店舗等に納品され、消費者へ届けられます。食品の安全性が重要視され、異物混入防止対策や賞味期限管理の徹底が必要です。

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飲料(飲料メーカー)の特徴

飲料業界は清涼飲料、牛乳・乳飲料、酒類の3つに大別できます。

  • 清涼飲料:炭酸飲料・茶系飲料・コーヒー飲料・ミネラルウォーター・スポーツドリンクなど
  • 牛乳・乳飲料:牛乳・加工乳・乳飲料
  • 酒類:アルコール分1度以上の飲料
    ビール類とそれ以外に大別される

特に近年は、特定保健用食品やエナジードリンクの需要が増加しています。また、国内の人口減少に伴う市場縮小の懸念から、企業は経営の多角化や海外市場の開拓を進めています。

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食品卸の特徴

食品卸業者は生産者と小売業者の間に位置し、商品の流通を効率化する役割を担っています。元卸業者、中間卸業者、最終卸業者に分類され、それぞれが生産者から小売業者までの流通を担当します。

物流コストが高く、売上原価率が高いため、経常利益率が低い傾向です。また、物流の多様化に伴い、商品管理の精度向上が必要であり、輸送車の増加など、供給体制の整備に迫られています。

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惣菜業の特徴

惣菜業は中食業界に分類され、家庭外で調理された食品を家庭や職場に持ち帰り、すぐに食べられる商品を提供するサービスです。消費税増税や新型コロナウイルスの影響により内食需要が増加したことで、成長傾向が続いています。

惣菜業では、米飯類や調理麺、調理パン、和洋中の一般惣菜など、多くの商品を扱っています。販売だけでなく、セントラルキッチンで調理・加工も行っていることが一般的です。

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飲食店・外食産業の特徴

外食産業にはさまざまな業態が存在します。小規模店舗が多い一方、ファーストフードやファミリーレストランなどのチェーン展開を行う大企業が市場シェアを占めていることも特徴です。

近年では、都市部を中心にシェアリングデリバリーの普及やテイクアウトメニューの充実により、中食市場への進出も盛んです。また、健康志向の高まりにより、健康を考慮したメニューの提供が重要視されるようになりました。

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カフェの特徴

カフェは飲み物やスイーツ、軽食を提供する店舗を営む業種です。法改正により、従来の喫茶店営業許可から飲食店営業許可が必要となりました。本格的なフードの提供も可能となり、サービスの多様化が進んでいます。

市場シェアは、外資系チェーンやフランチャイズが大部分を占めており、個人経営のカフェは競争が激化しています。SNSを活用した宣伝や魅力的なコンセプトの打ちだしなど、差別化を図るための施策が必要です。

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焼肉店の特徴

焼肉店は、客自身が網などで肉を調理し、食べられる場所とサービスを提供する業種です。

肉がメイン商品であり、他店との差別化が難しいため、各社がさまざまな戦略を打ち出しています。安さや希少部位の提供、有名産地の訴求などが差別化のポイントです。

近年では、ソロ向け焼肉タイプや酒場焼肉タイプ、高級嗜好向け焼肉タイプなど、新しい形態が注目を集めています。

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バー・居酒屋の特徴

バー、居酒屋とは以下のような飲食店のことです。

  • バー:カクテルやワイン、ビールなど、アルコールをメインに提供する飲食店
    一人で寛ぐ場所やデートに適した雰囲気を楽しめる
  • 居酒屋:アルコールと共に、それに合う料理を提供する形態の飲食店
    おつまみからご飯もの、デザートまで幅広いメニューを楽しめる

健康志向の広がりや、経済状況の変化による消費者の節約意識、さらにはコロナ禍を契機に定着した「家飲み」文化の影響を受け、バーや居酒屋への来店客数は減少傾向となっています。

競争が激化する市場環境において、店舗経営者は独自性のあるドリンクメニューや料理の提供、適切な価格戦略、魅力的な店内雰囲気の創出など、多角的なアプローチで顧客満足度を高める努力が必要です。

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清酒酒造・日本酒製造業の特徴

清酒酒造・日本酒製造業界は、酒造法でアルコール分1%以上の飲料や粉末の製造を行う業種と定められています。

2013年に日本酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたことを契機に、海外市場の高品質な日本酒への関心が急速に高まりました。結果として日本酒の輸出額は着実な成長を続けています。

また、若手経営者たちが、革新的な商品開発や付加価値の高いサービスの提供に力を入れていることも特徴です。アルコール度数を抑えた商品やスパークリングタイプの日本酒、現代的でスタイリッシュなボトルデザインなど、従来とは異なるアプローチで新規顧客の獲得を図る動きが業界内で注目を集めています。

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給食の特徴

給食は「営業給食」と「集団給食」に分類され、営業給食は不特定多数、集団給食は特定多数に提供されます。

コロナウイルス感染拡大時には、需要が大きく落ち込みました。近年は行動制限が緩和され、事業所対面給食や弁当給食などの需要が増加しています。高齢化社会の進行に伴い、高齢者施設での給食需要も増加し、業界の成長を支えています。

一方で、人材不足と食材価格の上昇が課題となっており、これらの問題に対処するための取り組みが必要です。

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まとめ

外食・食品業界は、食料品製造、飲食店、デリバリーサービスなど、さまざまな業種により構成されています。特徴や課題はそれぞれ異なりますが、さらなる発展のためには、健康志向や技術革新など、社会や消費者ニーズの変化に応じて変化することが求められるでしょう。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社企業情報部 部長桑原 正樹
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 部長
桑原 正樹

大手証券会社入社後、未上場企業・オーナー経営者の資産運用コンサルティングに従事。
2015年に当社入社後はM&Aアドバイザリーとして事業承継に関わる数多くの仲介実績を有する。

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