建設・工事業界 市場規模や買収・売却事例について解説

建設・工事業界市場規模や買収・売却事例について解説のメインビジュアルイメージ

更新日

  • #業種別M&A動向
  • #建設・工事業界 M&A

建設・工事業界は、多様な専門分野が連携することで、建設プロジェクトを進めます。社会インフラの整備や維持に不可欠な存在といえるでしょう。本記事では、建設・工事業界の特徴や業種について詳しく紹介します。業界を構成する主要な職種と、それぞれの特徴についても見ていきましょう。

建設・工事業界の特徴

建設・工事業界は、住宅やビル、工場などの建物から、空港やダムといった大規模建造物の建設を行う業界です。また、道路や水道、電気などのインフラ工事、空調設備の工事なども行います。

建設・工事業界の特徴として、多様な業種が存在し、多層構造となっている点が挙げられます。建設・工事業界は、人々の生活基盤を支える重要な役割を担い、社会インフラの整備や維持に不可欠な存在です。

建設・工事関連業種一覧

建設・工事業界には、以下のようにさまざまな専門分野が存在します。

  • 建設
  • 設備工事(電気工事)
  • 建設コンサル
  • ゼネコン
  • リフォーム
  • 土木
  • 内装・外装工事
  • 空調工事
  • 舗装工事
  • 建築設計
  • 建材卸売
  • 鉄骨工事
  • 通信工事

建設業の特徴

建設業は、建物の建設を行う業種で、社会インフラの整備を担う役割も担います。営業するには建設業法に基づいた許可が必要です。公共投資や民間設備投資の影響を強く受けるため、景気変動に敏感です。

近年では、若年層の減少や労働人口の高齢化により、深刻な人材不足に直面しています。また、建築資材の価格高騰に対する価格転嫁が難しく、業種全体が厳しい状況です。

関連記事
建設業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

設備工事(電気工事)業の特徴

設備工事(電気工事)業は、主に以下の3つに分類されます。

  • 外線工事:発変電所から電柱や変圧器までの整備
  • 引込線工事:電柱の変圧器から建物までの整備
  • 内線工事:建物まで届いた電気をコンセントやスイッチへつなげる、内線の配線工事など

建設需要に左右されやすく、経済状況の影響を受けやすい特徴があります。また、隣接する通信事業では技術革新が著しいため、新技術への迅速な対応が必要です。

関連記事
設備工事(電気工事)業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

建設コンサルの特徴

建設コンサル業は、道路、鉄道、水道などの建設に関する技術コンサルティングを提供する業種です。委託先に対して調査や打ち合わせを重ね、設計・分析・解析事項を報告書や図面としてまとめて提供します。

近年、都市や情報の高度化・多様化により、建設コンサルタントの役割は重要度を増しています。そのぶん、求められるスキルもより高度になっており、専門性の高い人材の育成が課題です。

関連記事
建設コンサルのM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

ゼネコンの特徴

ゼネコンは、土木・建設業の設計・施工・研究を総合的に請け負う総合建設業を提供する事業者です。

単独の建設会社や工務店と比べて、請け負う事業規模が大きいことが特徴です。そのため、大規模プロジェクトの管理能力や、総合的な建設関連サービスを提供するための技術力や資金力が求められます。また、下請け企業との協力体制が不可欠で、マネジメント能力も重要です。さらに、景気変動の影響を受けやすいため、長期的な経営視点が必要です。

関連記事
ゼネコンのM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

リフォーム業の特徴

住宅リフォーム業は、劣化した住宅や店舗を改修し、元の性能を回復させたり、性能を向上させたりする業種です。小規模な工事が多く、内装変更や水回りの修繕など、500万円未満の工事が過半数を占めています。特徴は、建設業法の規定に抵触しない工事が多いため、建築業関連業者であれば参入障壁が比較的低いことです。

課題としては、顧客ニーズに合わせた一品一様の工事が多く、標準化が難しいため、担当者個人の技能に依存する面も多く、人件費率が高くなりやすいことが挙げられます。また、スケールメリットを出しにくい業種でもあります。

関連記事
リフォーム業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

土木業の特徴

土木業は、インフラの整備や自然災害の防止・復旧のために、公共の建造物の建築・工事を請け負う業種です。具体的には以下の8つが該当します。

  • 道路
  • トンネル
  • ダム
  • 空港建設
  • 河川
  • 土地区画整理
  • 水道

国や地方自治体の公共事業が主な収益源となっているのが特徴です。大規模な工事が多く、災害対策や環境保全など長期的な視点での事業計画が必要とされます。また、地域の特性に応じた技術や知識が求められる業種でもあります。

関連記事
土木業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

内装・外装工事業の特徴

内装・外装業は、建築工事の最終段階として、内装工事や外装工事を請け負う業種です。床の仕上げ、鋼製基礎の組立、壁の装飾など、各工程に特化した職人が関わって建築の美観と機能性を高めます。

建築工事の後工程に位置するため、工期の影響を受けやすい特徴があります。また、多様な材料や工法を扱うため、幅広い知識と技術が必要です。デザイン性と機能性の両立が求められる業種でもあります。

関連記事
設備工事(内装工事)業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

空調工事業の特徴

空調工事は、エアコンやダクトの施工を行う業種です。一般家庭に加え、オフィスや商業施設、さらには道路や駐車場など、さまざまな場所で施工を行っています。建物や公共交通機関が存在する限り、堅調な需要が見込まれることが特徴です。

近年では、DXの推進やIT技術の導入により作業効率の向上も期待されており、一層需要が高まると見られています。また、技術革新も進んでおり、環境配慮型の空調システムへの需要が増加傾向です。

関連記事
設備工事(空調工事)業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

舗装工事業の特徴

舗装工事事業は、道路などの基盤を整え、アスファルト混合物やセメント、コンクリートなどを用いて舗装する業種です。舗装工事は以下の4種類に分類されます。

コンクリート舗装工事 コンクリートで舗装する工事。
駐車場の舗装等に用いられる。
アスファルト舗装工事 ローラーで転圧する工事であり、アスファルトに砕石や砂を混ぜ加熱し使用する。
短期間の工期で、コスト効率が良いのが特徴。
ブロック舗装工事 コンクリート舗装を施した上にブロックを敷く工事。
景観を維持するため、天然石やコンクリートブロックを使用し舗装する。
路盤築造工事 上記3つとは異なる、道路の基礎部分を作る工事。
耐久性が求められる場合、複数の層を重ねることもある。

高い耐久性を持つ道路が求められるため、市場優位性を保つためには、高い技術力や、品質向上への努力が欠かせません。また、環境に配慮した舗装材料の開発や、長寿命化技術の導入など、新たな課題にも取り組んでいます。

関連記事
設備工事(舗装工事)業界|市場規模や買収・売却事例について解説

建築設計業の特徴

建築設計業は、建設プロジェクトの計画立案や設計図面の作成、工事の管理などを担当する業種です。専門分野ごとに、以下4つに分類されます。

意匠設計事務所 外観や間取りなどのデザインに関する設計を行う
構造設計事務所 意匠設計事務所の設定をもとに、骨組みや土台の設計、柱や梁などの設置等を行う
設備設計事務所 給排水、空調、電気等のインフラ設備の設計を行う
組織設計事務所 先に挙げた3つの設計を総合的に取り扱う

設計から施工まで一貫して行うケースも多いため、安全性や耐久性、環境性能など、多面的な要求に応えることが必要です。

また、特性上、設計やデザインなどの分野は、個人の感性に大きく依拠します。そのため、高齢化や少子化に伴う後継者不足が大きな課題です。

関連記事
設備工事(建築工事)業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

建材卸売の特徴

建材卸売は、建設に使用する建材を仕入れて、ハウスメーカーや工務店などに販売する事業です。建設業界と製造業をつなぐ中間流通業としての役割を担っています。

多くの建材を扱い、各卸先へと提供しなければならないため、在庫管理や物流機能の効率化が重要です。また、建材という商材に対しては加工等で付加価値をつけるのが難しく、小口配送や現場での施工支援等による市場競争力の向上が重要となっています。

近年では、環境に配慮した建材の需要も増加しており、新たな市場開拓の機会も生まれています。

関連記事
建材業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

鉄骨工事の特徴

鉄骨工事は、建築物に必要な鉄製の骨組みを製作・施工する事業です。鉄骨は建築物の軸となるため、高度な技術が求められます。地域密着型の事業であることが多く、地域特有のニーズや課題を理解している企業が成功しやすい傾向です。

高い技術力を必要とする鉄骨工事業では、人材の確保および教育が課題となっているほか、新たな技術を活用した生産力向上の必要性が高まっています。また、耐震性能の向上や環境負荷の低減など、新たな技術開発にも取り組んでいます。

関連記事
鉄骨工事業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

通信工事業の特徴

通信工事業は、電話、インターネットなどの情報通信に関するシステムの構築や、メンテナンス工事を行う事業です。通信工事業は大きく電気工事と電気通信工事に分類されます。

電気工事 発電設備・受変電設備・送電設備・構内電気設備等の設置工事
電気通信工事 有線電気通信設備・無線電気通信設備・放送機械設備・データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事

技術革新のスピードが速く、常に新しい知識や技術の習得が必要とされる業種です。近年では、IoT技術や、5Gなど新世代通信網への対応など、多様な分野での需要が拡大しています。また、セキュリティ対策の強化や、災害に強い通信インフラの整備といった課題にも取り組んでいます。

関連記事
通信工事業界のM&A動向|市場規模や買収・売却事例について解説

まとめ

建設・工事業界は、建設、設備工事、建設コンサル、ゼネコンといった多くの業種が存在し、社会インフラの整備や維持に不可欠な存在です。

各業種には固有の特徴や課題がありますが一方、技術革新への対応や人材育成などは、業界全体で共通した課題といえるでしょう。また、環境配慮や災害対策など、社会的要請に応える取り組みも進行しています。

建設・工事業界は、これらの課題に対応しながら、今後も社会の発展に貢献し続けることが期待されています。

M&Aキャピタルパートナーズは、豊富な経験と実績を持つM&Aアドバイザーとして、お客様の期待する解決・利益の実現のために日々取り組んでおります。
着手金・月額報酬・企業評価レポート作成がすべて無料、秘密厳守にてご対応しております。
以下より、お気軽にお問い合わせください。


ご納得いただくまで費用はいただきません。
まずはお気軽にご相談ください。

監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社企業情報部 課長高橋 祐基
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 課長
高橋 祐基

生命保険会社を経て、独立系ブティックでアドバイザリー業務に従事。
当社参画後は、建設業界の大型M&Aや上場企業からのカーブアウト等、数々の成約実績を有する。


M&A関連記事

M&Aへの疑問

M&Aへの疑問のイメージ

M&Aに関する疑問に市場統計や弊社実績情報から、分かりやすくお答えします。

業種別M&A動向

業種別M&A動向のイメージ

日本国内におけるM&Aの件数は近年増加傾向にあります。その背景には、企業を取り巻く環境の変化があります。

M&Aキャピタルパートナーズが
選ばれる理由

創業以来、報酬体系の算出に「株価レーマン方式」を採用しております。
また、譲渡企業・譲受企業のお客さまそれぞれから頂戴する報酬率(手数料率)は
M&A仲介業界の中でも「支払手数料率の低さNo.1」となっております。